新潮文庫「点と線」(松本清張)。
NHK出版新書『「松本清張」で読む昭和史』(原武史)を読んだことで、本棚にあった「点と線」を読み返そうと思いました。
高校3年生の時に読んでいることが、自分の読書録に残っているんだけれど、その時の記憶はありません。
2007年にドラマがあって、それで読み直したいとあらためて買いました。
それを再び読んだことに。
原武史さんが解説していたことが頭に残っていたので、ある程度解決への道筋は予想できたのですが、でも、意外な感じがしました。
まず、用意周到な計画に圧倒されたというか、もちろん、実際の事件ではなく、筆者の考えたことなんだけれど、本当に細かく考えられている。
結果的に、だからどこかに嘘があるんじゃないか。虚実でいえば、虚があるんじゃないかと考えられたわけだけど。
最近だと、カルロス・ゴーン氏が国外に出たときの行動。
用意周到な計画だったんでしょうね。気付かれたら相当なことになったと思います。
そのリスクを考えた上で、実行。
「点と線」では、情死と思われたことを事件として考え、謎を解いていくのですが、こちらも事前に試してなくて、ぶっつけ本番で、完遂。
しかし、それを暴いてしまいました。
読み終わってすっきりしたかというと、そうではなかったです。
奥さんが結核で静養。週に1回は静養地に見舞いというか、様子を見に行く夫。
いい夫婦のようでいて、その裏に男女の難しさ。それが結末を書いている部分で、何だかすごく冷たい話のように感じてしまって。
結局は、官僚の汚職事件をどうもみ消すかという、そこに行き着くんだけれど、それは今も同じ。上の立場の人は罪を逃れて、逆に出世。真相を知る、あるいは一番の実働者が命を絶って、事件をわからないものにしてしまう。
その点では、昭和32年に書かれた当時と、今と同じことであるという、何だかやりきれないものがあるのも、すっきりしない部分のように思います。
NHK出版新書『「松本清張」で読む昭和史』(原武史)を読んだことで、本棚にあった「点と線」を読み返そうと思いました。
高校3年生の時に読んでいることが、自分の読書録に残っているんだけれど、その時の記憶はありません。
2007年にドラマがあって、それで読み直したいとあらためて買いました。
それを再び読んだことに。
原武史さんが解説していたことが頭に残っていたので、ある程度解決への道筋は予想できたのですが、でも、意外な感じがしました。
まず、用意周到な計画に圧倒されたというか、もちろん、実際の事件ではなく、筆者の考えたことなんだけれど、本当に細かく考えられている。
結果的に、だからどこかに嘘があるんじゃないか。虚実でいえば、虚があるんじゃないかと考えられたわけだけど。
最近だと、カルロス・ゴーン氏が国外に出たときの行動。
用意周到な計画だったんでしょうね。気付かれたら相当なことになったと思います。
そのリスクを考えた上で、実行。
「点と線」では、情死と思われたことを事件として考え、謎を解いていくのですが、こちらも事前に試してなくて、ぶっつけ本番で、完遂。
しかし、それを暴いてしまいました。
読み終わってすっきりしたかというと、そうではなかったです。
奥さんが結核で静養。週に1回は静養地に見舞いというか、様子を見に行く夫。
いい夫婦のようでいて、その裏に男女の難しさ。それが結末を書いている部分で、何だかすごく冷たい話のように感じてしまって。
結局は、官僚の汚職事件をどうもみ消すかという、そこに行き着くんだけれど、それは今も同じ。上の立場の人は罪を逃れて、逆に出世。真相を知る、あるいは一番の実働者が命を絶って、事件をわからないものにしてしまう。
その点では、昭和32年に書かれた当時と、今と同じことであるという、何だかやりきれないものがあるのも、すっきりしない部分のように思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます