よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

ボヘミアン"Bohemian"の系譜

2009年12月03日 | ニューパラダイム人間学


Is this the real life?

Is this just fantasy?

Caught in a landslide

No escape from reality



先月、Queenのベストアルバム『伝説のチャンピオン ~アブソリュート・グレイテスト~』がリリースされた。Queenと言えば、

1) Bohemian Rhapsody

2) Bicycle Race

3) Killer Queen

           ***

さて、ボヘミア"Bohemia"という名称は、 Boii地方に住んでいたケルト族に対して古代ローマ人がそう呼んだことに由来する。しかし、当のチェカ(Czech)族は自分達のことをついぞボヘミアン"Bohemian" と呼んだことはないことはあまり知られていない。ボヘミアン"Bohemian"という用語はボヘミアニズムの脈絡に立つ言葉で、19世紀のフランスで使われはじめた。すなわち、欧州の主要都市で暮らしながらも、境界的かつ貧困に甘んじるようなライフスタイルをこよなく愛する芸術家、作家、ミュージシャン、アクターを示す用語として定着した。

転じて19世紀の英語圏でも、この用語は頻繁に用いられるようになった。ボヘミアニズムは、非正統的で反体制的な政治的、社会的な視点~つまり自由な恋愛、質素な生活、自発的貧困など~と関連づけられるようになる。

ボヘミアンという言葉そのものはアメリカで花開いた。略称の"Boho"はよくリベラル系学生の間ではいまだによく使われるスラングだ。New York TimesのコラムニストDavid Brooksは、ボヘミアンを気取るアッパークラス米国人を指して、ブルジョア・ボヘミアン"Bobos"と皮肉った。Laren Stoverは著書"Bohemian Manifesto: a Field Guide to Living on the Edge"の中で、ボヘミアンの5類型を示した。これがまた面白い。

ヌーボー:金持ちボヘミアンで、伝統的なボヘミアン文化をコンテンポラリーな文化に接続しようとする人々。
Nouveau:- bohemians with money who attempt to join traditional bohemianism with contemporary culture

ジプシー:過去のノスタルジアやローマン主義 (奔放な想像力を重視する18世紀末から19世紀初頭の思潮)に浸る漂泊者、ネオヒッピーな人々。
Gypsy:- drifters, neo-hippies, and others with nostalgia for previous, romanticized eras

ビート:非物質主義的で、芸術に耽溺する漂泊者。
Beat:- also drifters, but non-materialist and art-focused

ゼン:芸術よりも精神性に重きを置くポストビートな人々。
Zen:- "post-beat," focus on spirituality rather than art

ダンディー:お金はないが、効果でレアな品物を所有するかのようなそぶりをしたがる人々。
Dandy:- no money, but try to appear as if they have it by expensive or rare items

           ***

Freddie Mercuryはザンジバルのゾロアスター教を信仰するイラン系の家に生まれ、インドで育ち、後にイギリスに移り住んだ。なるほど、カミュの「異邦人」を愛読し、そこから大いなる着想を得たであろうFreddie Mercuryが唄うBohemian Rhapsodyは現代のクラシック。

Freddie Mercuryに通じるテーストを濃密に継承するアーティストは、だれなのだろう?

案外、尾崎豊なのかもしれない。できればもう少し長生きして、そして、英語でも歌ってほしかった。



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