よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

資本主義はどう変わるのだろう?

2010年01月05日 | 技術経営MOT
どうした? 勤勉の倫理と日本的資本主義の精神を書きましたが、ちょっと予告的な補足をしてみます。

~資本主義という言葉がはやっています。たとえば、パッと思い出してもちょっと前の経営本では次のような「資本」のあり方が提言されています。

金融資本 financial capital
物的資本 material capital
人的資本 human capital
技術資本 technology capital

最近では、

知識資本 knowledge capital   
関係資本 relation capital   
制度資本 institutional capital
信頼資本 trust capital   
評判資本 brand capital   
文化資本 culture capital

なんていう「資本」もよく議論されます。

元来、資本というものは目に見えにくいものですが、さらに知識、関係、制度、信頼、評判、文化といったものは見えにくい、でも、メタレベルで誰もが影響を受けるものです。

搾取・寄生型の経済と自給自足型の経済。公共型経済と私有型経済。政府介入型経済と市場主義経済。さまざまな二項対立がありますが、これらの反対命題が止揚されて新しい資本主義が生まれてくるのでしょう。もちろん、それはスンナリゆくわけはなく、様々な軋轢、葛藤を伴います。

でもどのような資本主義であっても、人間の「はたらき」あっての資本主義です。人間の「はたらき」が労働であり、労働のあり方をポジティブに支える価値観が「勤勉」です。

以前は、ゼニをひたすら稼ぐ、モノを買って所有する、記憶力を身につけるような「勤勉さ」が大事でした。でもこれからは、知恵を身につける、良い人や組織と望ましい関係を構築する、信頼を得る、評判になる、文化を涵養し発信するといったソフトでしなやかな「勤勉さ」が大事になってくるのかもしれません。

資本主義のスタイルが変われば、「勤勉」の中身も相応に変化してくるのでしょう。と同時に、「勤勉」のスタイルを反映させた形で、新しい資本主義の方向性が生まれてくるのかもしれません。

新しい時代の「勤勉」に意味を与えず、「はたらく」ことの内実を空虚にしてしまうことが、実はもっとも危ういことなのでしょう。