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アントレプレナーシップの参考書。なんといってもこの本の特徴は、その分厚さ。その分厚い記述は説得力があり、編著者の本気度が伝わってくる。
武蔵大学の高橋徳之氏@起業学らが監訳している。ちなみに、こないだ出たとあるワークショップで高橋教授の同僚の黒岩准教授とバッタリあったのはシンクロニシティか。
さて、分厚さもさることながら、この本はラーニングデザインの基本をきちんと押さえている。理論、ケース、キー・クエスチョン、参考ウェブへのリンクなど、読者=learner=主人公というデザインのもとで編集されているので分厚さから来る威圧感にもかかわらず、大変読みやすい。
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<どっしりとデスクトップに立つ>
「モデル・理論→ケース・ツール→判断」→「モデル・理論→ケース・ツール→判断」、という流れは起業家の思考、行動に沿うもの。よって実際的なlearningを支援するために、編集もこのフローに沿っているのは、なるほど感あり。
Learning DesignがInstruction Designになっていて、それがそのままWriting Designになっているのは、心憎いまで。またフットノートはページの下に、まとまった語彙解説は巻末にあり、ストレスを感じることなく読み進めることができる。
すぐれたアントレプレナーシップ教育を推し進めているバブソン大学関係者だけあって、起業のプロセスに沿って体系的に編集がなされている。また、各章には専門家がライターとして参画している。
机のうえにこの本を置いて、Global Entrepreneurship Monitorや平成20 年度 大学・大学院における起業家教育実態調査などと並行して読んでゆくと知識が立体的になってゆく。もちろん、アントレプレナーシップやベンチャービジネス論などの講座の参考書としても使える。ということで、後期の「ベンチャービジネス戦略論」では、同書を参考書とすることにした。
4500円で一見ちょい高めのプライシング。高めの値段にひるんではいけない。860ページの大著なので、1ページあたりの単価はたったの5.2円。このページ単価は専門書のかなでも破格の安さだ。このところをよ~く考えて、買って損はないです。「ベンチャービジネス戦略論」の授業取る予定の人は買い求めておいてください。
惜しむらくは、他のページを削っても、起業家活動の中の中核たる商品開発=New Product/service Developmentのページがもっと欲しいところだ。でも、ないものねだりはできないので、ケースで補うことにしたい。