日本では、ウェブ進化論、経営進化論、マーケティング進化論、はたまたイノベーション進化論など、なんでも進化論にしたがる。それをそのままアメリカに持って行って無節操に進化論を唱えてひんしゅくを買う向きが多い。
下のニュースは、進化論を頑なに拒んできているアメリカの一側面が如実に表れている。この一件の背景には、キリスト教ファンダメンタリストや福音派といった宗教右派の精神構造、あるいは世界理解の固定的な呪縛がある。そこを理解しないと、このニュースの本質は見えてこない。
WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)という素雑な切り口ではダメ。セグメンテーションをして宗教右派という一派の影響力をカウントしなければアメリカのひとつの本質は見えてこない。
たまたま先月コラムで書いた「キリスト教国家アメリカ中枢の黙示録的思」でも、その日本人には非常に見えずらいアメリカの宗教右派を素描してみた。
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【ロンドン時事】
進化論を確立した英博物学者チャールズ・ダーウィンを描いた映画「クリエーション」が、米国での上映を見送られる公算となった。複数の配給会社が、進化論への批判の強さを理由に配給を拒否したため。12日付の英紙フィナンシャル・タイムズが伝えた。
映画は、ダーウィンが著書「種の起源」を記すに当たり、キリスト教信仰と科学のはざまで苦悩する姿を描く内容。英国を皮切りに世界各国で上映される予定で、今年のトロント映画祭にも出品された。
しかし、米配給会社は「米国民にとって矛盾が多過ぎる」と配給を拒否した。米国人の多くが「神が人間を創造した」とするキリスト教の教義を固く信じている。ある調査では、米国で進化論を信じるのは39%にすぎず、ダーウィンにも「人種差別主義者」との批判があるという。
今年はダーウィン生誕200年で、「種の起源」出版150年の節目の年。英国では関連イベントが盛り上がっている。
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