散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20190420ギャラリー巡り

2019年04月20日 16時40分12秒 | ART

本日は500m→市民→さいとう→スカイホール→パルコ→三越→アリアンス→富士フイルム→CIA02→大通→道新→エッセ→大丸→柏の14か所。

■500m美術館「大地の物語」。現代美術の展示になっていた。
荒木悠「WRONG ROUTE」:アイスランドのレストランのメニューがアメリカのルート66上の地名と同じであることから、それをすべて食べるロードムービー的な映像作品。アメリカ(東洋系も1名?)人らしき人たちが、片っ端からメニューを注文して食べるのだが、アメリカンレストランらしく、それぞれがかなり大きい。ハンバーガーも付け合わせのポテトが多いため、日本人ならば食べきれない人もかなりいるようなサイズに思われる。中盤、さすがの彼らも「TOO MUCH」な顔になるのだが、食べ続けるしかないのである。

作品には単なるオモシロ要素の他に、アメリカ開拓民が現住の人びとを排除しながら西進していったことや(ルート66はシカゴからサンタモニカへの道路)、アメリカの過食状況を皮肉っているところもあり、注目を引くとともに考える題材を投げかける作品である。

長坂有希&奥野正次郎「Geochronostromatopio」:ストロマトライトという有機質が石になったものの写真を集めた展示。写真にはところどころ地名と経度・緯度、そして(おそらく)それができたのが何日前か(何億年前×365日で計算していると思う)が、記されている。

天野祐子「タミッシュリバーで考えていたこと」:セルビアを流れるタミッシュリバーを見ながら、作者が考えたこと。おそらくはその断片が写真になっているのだろう。

新藤冬華「マントルまで」:作者が石を巡る旅をしていたところ、話が地質・地球に及び、マントルまでたどり着いたようになったという作品。最初は2015年につくられたものらしいが、北海道においても震災を経て、また新たな意味を持つものになったのかもしれない。

岡部昌生「場所が覚えているものを」:夕張や福島など、作者の過去のフロッタージュを集めた展示。私は必ずしもこの手法に感心していない。実際にフロッタージュを行った人(プロジェクトとして参加している人は多い模様)にはとても印象深いものだろうが、単に見る人からすると、意味不明のデコボコが見づらい形で(時に黒い紙に鉛筆で)浮き上がっており、「ナニコレ?」と思うことも多い。

しかしながら、人間の記憶の残す手法の一つとして、映像を超える何かを持っている可能性はあるだろう。


→福島で除染を行った際、この木(ご神木だったらしい)を切り倒さなければ放射線量が下がらないために切ってしまったものらしい。私はご神木に神が宿っているとは思わないが、そうではなくともその地域につながる想い出を切り捨てざるを得なかった。いや、切り捨てさせた、象徴の一つであるだろう。

■市民ギャラリー「第四十六回北海道抽象派作家協会展」。
佐々木美枝子「作品B」:キャンバスを12分割し、様々な色と一部に○、△などの形を配したもの。バラバラのようでいて、調和がとれている。
曾田千夏「the fissure 2019 spring」:滝の表面のようでもあり、植物の導管をイメージさせるような作品。
田中季里「sea and snow sketch」:どこか金属的なイメージの青の作品を作って来た人だが、今回はふんわりしたイメージのスケッチ作品を出品。ちょっと傾向が変わろうとしているのかもしれない。
田村純也「迷妄」:8点の作品の中で、これが一番気にいった。複雑な形の石の表面にいろいろなイメージを浮き上がらせた作品。

■市民ギャラリー「第3回 バックボックス展」。
田中郁子「NO.54」:どこか春の気配。
楓月まなみ「「ここから どこへ その先に」MAI」:冬の枯葉と枯枝のような表現。
亀井由利「生きる」:白地の中央部からグレーの泡が吹きあがったかのような作品。新たなチャレンジか。
川口真哉「みえないものたち」:茶色に塗られたポリバケツにいろいろな言葉が書かれた箱が詰め込まれている。その箱をバケツの中から光が照らしている、見た目に綺麗な作品。もちろん、それだけではないものを感じる。

■市民ギャラリー「瀬野雅寛 作品展2019 TEN-SENーMENーEN 2」。自在な形と色が気持ちよい作品展。過去のものでは緑の輪にオレンジの線を引いたものが良かった。近作は一筆書きスタイルを試みたそうだが、一筆といっても線が2色になっていたり、線の交点が違う色になっていたり、細かな工夫で質を上げていると思う。

■市民ギャラリー「美工展」。
佐藤隆之「コーチン」:紙を切りだして作り上げた立体の鶏。ふんわりした感じの羽毛の表現は凄い。
最上怜香「水奏」:ガラス地に金魚3匹を紙から切り出して貼り、水槽を上から見たような印象に仕上げている。余白を大きく取っており、金魚の黒から、水墨画の印象もある。


→天気は良くなり、風は冷たいが日差しは暖かくもある。

■ギャラリーエッセ「黒川絵里奈 切り絵展 めぐりゆく時の肖像」。いわゆる切り絵作品もあったが、見るべきは120cmくらいの紙製の人形である。壁に貼り付ける形の半立体が多かったが、1体は自立していた。面白い取り組みだと思う。

■ギャラリー柏「相原求一朗デッサン展」。近美の展覧会より一足早く、こちらを見ておく。デッサンには作成年と地名が入っているものもあった。次の作品は「SAPPORO NOV.1975」と書いてある。


→芸術の森にある旧有島武郎邸かと思ったが、違うみたいだ。

1点だけかなり立派な油彩も展示されていた。

六花亭札幌本店の裏にはでは、小さな青い花が咲いていた。

花畑の周りに小さな柵があるのだが、そこにスズメの形があった。私はこれを見ると「可愛いな」というよりは、「ここに向かって倒れ込んだら、メチャクチャ痛いだろうな」といつも思う。



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