かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

「お受験」に縛られない本来の教育目的を!

2023年01月17日 | 議論、分析ばかりしてないで攻めてみろ!
「たいていの場合に教師は必要な事項はよく理解もし、また教材として自由にこなすだけの力はある。しかしそれを面白くする力がない。これがほとんどいつでも禍いの源になるのである。
先生が退屈の呼吸を吹きかけた日には生徒は窒息してしまう。」

「要は時間の経済にある。それには無駄な生徒いじめの訓練的な事はいっさい廃するがいい。今日でもいっさいの練習の最後の目的は卒業試験にあるような事になっている。この試験を廃しなけらばいけない。」

「それは修学期の最後における恐ろしい比武競技のように、遥か手前までも暗影を投げる。生徒も先生も不断にこの強制的に定められた晴れの日の準備にあくせくしていなければならない。またその試験というのが人工的にむやみに程度を高く捻り上げたもので、それに手の届くように鞭撻された受験者はやっと数時間だけは持ちこたえていても、後ではすっかり忘れて再び取り返すことはない。それを忘れてしまえば厄介な記憶の訓練の効果は消えてしまう。
試験さえすめば数ヶ月後には綺麗に忘れてしまうような、また忘れて然るべきようなことを、何年もかかって詰め込む必要はない。
吾々は自然に帰るがいい。そして最小の仕事を費やして最大の効果を得るという原則に従った方がいい。卒業試験はまさにこの原則に反するものである。」


この引用文、写真の本から寺田寅彦の言葉と思われるかもしれませんが、そうではありません。
なんと、寺田寅彦が引用したアインシュタインの言葉です。

しかもこれが書かれたのは、今から100年ほども前のことです。

外国のアインシュタインだから、卒業試験となっていますが、日本ではこれが大学入試となります。

共通テスト(旧センター試験)が終わったばかりですが、百年前のこの文章が深く胸に突き刺さります。
受験のためだけの特殊技能の点数評価だけでしか自分の進路を考えられない現実。
どんなに大学で勉強したい領域や目指したい職業があっても、英数国の基礎点数でかせげなければ、弾かれてしまう。もっとも、最近では少子化が進んだため、大学の受け入れ側が選考条件を緩くし、様々な可能性の学生が多少入りやすくはなってきました。

最近、多くの矛盾をかかえながらも頑張られている現場の先生も沢山おられることを知りました。
それでも、「お受験」というゴールの枠は絶対に外せないがために、出来ることはどうしても限られてしまいます。

私は、「この地球上から宿題と教科書を無くす友の会」をやっていますが、どどまることなく落ち続ける日本で、いつまでも「現状では仕方がない」でこの根本に手を入れないわけにはいかないでしょう。

教育の目的をしっかりとらえないまま繰り返される制度改革は、こうした認識の欠如から生まれます。
そうは言ってもすぐには変えようがないのだから「仕方がない」と言われそうですが、受験システムだけに囚われない教育目的の認識を私たちが持つだけでも、迷える高校生たちにより自分のためになる時間を取り戻してあげることが確実に可能になります。
この本来の教育目的や認識を欠いたまま、教育予算を増やしたところで、おそらく真の解決にはつながらないことと思います。もちろん予算増額や制度改革は不可欠ですが、教育目的への認識がしっかりしていれば、現状の不本意な教育制度下でも出来ることはたくさん見えてくるものです。
 
久しぶりに血が騒いで来ましたw
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