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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

どうして絶望的未来しか想像できないのか?(5)

2010年11月09日 | 書店業界(薄利多売は悪くない)
4、前年比105%の目標は、「現実的」でない

では次に、その「現実的」な目標とは何かを話し(書き)ます。

先に、多くの店が世間相場の95%、97%より数パーセント良かった悪かったの解釈の経営しかしていない問題を書きましたが、では、前年比100%、101%、あるいは105%の目標をたてれば、現実的に達成しやすいかといえば、そうした目標ほど実際には「現実的」ではなく、
なお且つ達成しにくい目標であることを先に断言しておきます。

冒頭に、この業界に限らず世の中の市場規模そのものが90年を境に、ものすごい勢いで縮小しだしていることを書きましたが、その変化の度合いから考えても、前年比100%とか105%という目標は、95%、97%という現状が「経営的に改善」したなどというようなものでは決してないからです。

もともと中小零細書店にとって5%くらいの変化は、分母の小ささからみても誤差のうちといってもいいレベルのことです。

さらに、縮小する市場のもとで、今ある店の条件で5%上げるということは、目標を現実的に下げているように見えながら、実は、より「非現実的」な目標設定をしていることに気づかなければなりません。

実際には、今、そのお店が持っている条件や与えられた環境を前提にして戦略を考えている限り、90年までにしか通用しなかった方法論からの脱却を考えていないということであり、それでは抜本的な改革がはじめから視野には入っていないということです。
当然、そうした方法は、短期的にうまくいくことはあっても、10年後に生き残るために通用する戦略にはおよそ成りえないものです。

一見、難しいように見えるかもしれませんが、今ある条件のもとで5%売上げを伸ばす努力よりは、今、与えられている条件は無視して、20%、50%売上げを伸ばすにはどうしたら良いか、いや、会社の売上げを2倍、3倍、10倍にするにはどうしたら良いかを考えた方が、はるかに打つ手は豊富に考えることができるものです。

難しく考えなくても、5%のアップの目標より、50%アップの目標をたてていた方が、失敗しても5%くらいは簡単に上がりうるということは容易に想像もつくと思います。

 より正確に表現すれば、現実には、目標は大きい方が良いというよりは、より価値のある目標をたてるべきだということなのですが、そのためには、数字目標も大事ですが、それ以上に「どのような店にしたいのか」「どのような顧客との関係を築きたいのか」といった自分がワクワクするようなイメージや理念をはっきりさせることが大事だということなのです。
           (このことはまた後で詳述します)

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