かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

「風と土と汗と涙」の大地 その1

2010年01月24日 | 言問う草木、花や何 〜自然・生命の再生産〜
北海道に行ってきました。

札幌の同業者の会合へちょっと話に来てほしいとお誘いがあったので、それをはさんで休みを強行して行ってきました。

行きは寝台列車を使って函館に向かいました。
その寝台列車、なかなか予約の取れない人気のもの。
増してや金曜の便ともなれば倍率も高いかと思ったのですが、
困ったことに、なぜかとれてしまった。

ところが、出発より早めにホームに立って待っていると駅員が寄ってきて、
「○○○○○にご乗車のお客様ですか?」
と声をかけてきた。
少し遅れるらしいことは先ほど聞いているが、なにごとかと思うと、代替のきかない車両の故障でかなり時間がかかりそうなので、用意した別室で待っていてほしいとのこと。

言われるままに、駅員の後をついていくと、広い構内を随分歩かされる。
そんなに遠いなら、電車で行こうよ、と言いたくなるほど遠い。
改札を駅員の誘導で通り抜けてやっとたどりついたのは、なんと駅長の応接室でした。
立派なシングルソファーがテーブルを囲んで8つほど並んでいる。
この部屋でポツンと待っているのかと思ったら、他にあとから同じ立場の人たちが入ってきてソファーは全部うまりました。





やがて駅員の説明で、まだ詳細はわからないが、少なくともまだ2時間はかかるだろうとのこと。

とても申しわけなさそうに、コーヒー出したり、なんやかやを出したりしてくれるが、
こちらは、定刻だと早朝4時ごろに函館に着くことになっていたので、それが少しでも遅れることはとてもありがたい。

どうぞどうぞゆっくり修理してください、と伝える。
そこで待たされたのは4組の客でしたが、そのうち3組が函館までだったので、皆同意見。
あの寒い北海道の大地へ朝の4時に放り出されるより、どれだけありがたいことか。

おかげで私も、まだ出来あがっていないプレゼンの準備をノートPCを広げてじっくりすることができました。

次の交通機関への接続の心配もなく、こみ入ったスケジュールが決まっているわけでもない旅なので、出だしのトラブルながらも実にゆっやりと構えることができた。

札幌で配布する資料など、全部入れた巨大なバッグが、ずしりと肩に食い込むことだけが難点ですが、この部屋までは、駅員さんがかついでくれました。

これはとても重いからいいですよ、と言ったのですが、
駅員の立場からして客に、「じゃあお願いします」と返すわけにもいくまい。
結構大柄な駅員さんでしたが、私の荷物の重さは半端じゃありません。
今回は国内のお気楽旅とうことで、なぜかキャスター付きバックで来る発想はなかった。
(結局、函館で重い部分のみを抜いて札幌へ送りました)

われわれと違って、駅員さんは待っていたホームの場所と駅長応接室までの距離は理解していたはず。
何度か、肩にかけたり腕で抱えたり持ち替えて運んでくれたが、投げ出すわけにもいかず、客に返すわけにもいかず、実に可哀そうでした。
ふたりで一緒に持つことができれば、一番良かったのですが、それもできなかった。

そんなふうにしてその応接室に来たので、私は時間が経つにつれて気になって仕方がないのは、遅れが取り戻されることよりも、さてホームに戻るとき、この荷物の扱いはどうなるのだろうかといったことでした。

来るときは、個別にこの4組を案内してきたのだから、行き届いた対応が出来ただろうが、帰りはおそらくここにいる8人が一斉にこの部屋を出ることになる。

ヒヤーーー、

覚悟をせねばなるまい。

どんなに立派な部屋に通されようが、
丁寧な対応をされようが、
飲み食い保証しようが、
問題はここだぞ。

あの頑張ってくれた駅員さんでも、
たぶん自分であれだけの苦労をしていながら、そこに気付いているだろうか?

対応してくれるどの駅員も、応対マナーは申しぶんないのだけれども、この大事なポイントを理解出来る人がいるだろうか?

ここが理解できるかどうかで、この応接室につれてきたことが、プラスになるかマイナスになるかの大きな分かれ目になるのだけど。

ま、そうしたことは、こちらで考えても仕方がないので、気にはなったが、ひたすらひとりでパソコンの作業に熱中することにした。

やがて7時を過ぎたころであっただろうか、ようやく駅員さんが部屋に入ってきて、今修理を終えて出たとの連絡がありました、と伝える。
30分くらいのうちにこちらへ着くとのこと。
30分?
おいおい、じゃすぐにもここを出なければ。
なんといっても、この荷物を運ぶのだぞ・・・

さて、帰りの対応はどう出る?


すると、
ドアがまた開いたと思うと、
するすると女性駅員がふたり入ってきました。
「ではご案内します」

やられた~~

私は、あきらめて来たときと同じ長い道のりを
自分で重い荷物を担いで行ったのでした。

途中、何度となく、駅なのだから電車を使う手はないものかと思ったが、
名案が浮かばないまま、予定のホームについてしまいました。

ありそうでなかなかない、長い駅のホームを電車で移動する方法。

誰か知っていたら、教えてください。


のちのち、この重い荷を担いだことが今回の旅を予想外の展開に運ぶきっかけになっていたのですが、このときはまだそれに気付いていませんでした。


                       つづく
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1 コメント

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風と土と汗と涙 の大地 (よっちん)
2010-01-24 20:47:41
とにかく重い規格外れの荷物だったんですね。人の持ち運びするものではないほど、て、言っても運んでくれた駅員さんには申し訳ないですが。
ところで電車のホームとは実に歩きでのあるところですね。ホームとホームを繋ぐ電車が現実欲しいですね。
次回 続きが楽しみです。
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