かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

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 「Hoshino Parsons Project」のブログ

本のプレゼント

2008年04月24日 | 渋川の本屋「正林堂」
休日など売り上げが低い日に、このままではちょっとマズイと心配していると
けっこう天使が舞い降りてきてくれてなんとか追いつくことが多い。

うちにとってのそんなときの天使とは、
限られた常連さんのことです。

常連さんといっても、こういう売り上げのピンチを救ってくれるような
ヘビーユーザーのお客さんは、
月に一回来てくれるかどうかの人たちで、
なんとなくうまい具合に休日に入れ替わり立ち代り来てくれるものだ。

昨日のゴールデンウィークの最終日も、昼過ぎの時点でちょっと今日はヤバイぞと思っていたら、
学校で読み聞かせなどのボランティアで活発に活動されているお客さんが
同じ本を何冊も、プレゼント用といって買っていってくれた。

ひとりで店番などをしているときに、何冊もの贈り物包装などが入るとちょっと冷や汗ものですが、
幸い私は小学校5年の頃から中学までホーソー部にいたので、
比較的この対応には自信がある。(通じないかな?)

昨日のお客さんは、ちょっと前に話題になった「ハチドリのひとしずく」(光文社)をまとめて買ってくれて、ひとつずつ包装してくださいとのことだった。
確かにこれはプレゼントには最適な本。
もうそろそろブームも去ったので、少し在庫量を減らそうかと思っていた矢先だったので良かった。

最近の本では『病気にならない生き方』(サンマーク出版)が、人にあげたいといって同じ人が何冊も買う例がとても多かったが、その後では五木寛之の『林住期』もプレゼントによく使われる。

こういった本を人にあげるようなお客さんの多くは、かなりの読書家であることが多く、
店内滞在時間もだいたい1時間くらいはじっくり棚を見ていってくれる。
私は、この棚をじっくり見てくれるお客さんが一番うれしい。
常連さんのなかには、大量に注文してくれるけど、店の棚はまったく見ず
カウンターで用をすましてまっすぐ帰っていってしまうお客さんもいて、
店の回転が良いことはありがたいのだけど、個人的にはあまりうれしくない。
先の「ハチドリのひとしずく」を買ってくれたお客さんは
前橋に最近出来たけやきウォーク内の紀伊国屋書店にけっこう入り浸っているのが
当店のスパイによって目撃されているが、
幸い娘さんが高校に入ったことで、学習参考書の購入目的もあるため
うちのような小さい店にも来てくれている。

で、そうしたお客さんに共通している大事なことは、
良い本であれば誰にもすすめたいという買い方ではなく
この本はあのひとにあげたいというひとりひとりのイメージができているということで、
日ごろそういったおつきあいをしている方だというのがよくわかる。

正林堂のホームページの
「とっておきのプレゼント」
http://www18.ocn.ne.jp/~shorin/page135.html
にも書いたけど、プレゼントで大事なのは、ただ良いものをあげるというより
あの人が喜んでくれるようなもの、というのが一番大事なこと。
もちろん、それは相手を知らなければできない面倒なことなのですが、
この「相手を知る」ことこそ、
私はあなたのことをこれだけ見てます、思ってますよという
プレゼントの核心部分なのですが、自分でそれをやるのはほんと大変なことで
しかも時間のかかることです。
でも、ここに時間をかけることこそ楽しい作業であることを
ほんとはお客さんと共有したいのですが、
ひとりのお客さんの相手をそう長時間できることはないので
つい「さばいて」しまう。

でもやはり「この本はあのひとに」という見方こそ
本屋の仕事で一番必要な視点。
うちの自慢のパートは、これが私なんかよりずっとスゴイ。
もう少し見習わなくては・・・




    
   正林堂店長の雑記帖 2007/5/7(月)より転載
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