英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

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日大のアメフト監督は引責辞任すべき    選手に責任を転嫁するな!

2018年05月17日 10時27分48秒 | スポーツ
 アメフトの日本大学と関西学院大学の試合で、日大の選手が危険なタックルで相手を負傷させた問題で、日大の内田正人監督はいまだ会見を開かず、悪質タックルが問題化して以降、公の場に姿を現していない。一方、危険行為をした選手だけが矢面に立たされ、退部して退学する可能性もあるという。内田監督は、監督である前に教育者であることを自覚していないように見える。
 内田監督が学内の聞き取り調査に、「反則行為を指示したことはない」と話していることが分かった。日大広報部が16日明らかにした。たとえ反則行為を指示していようがいまいが、学生に反則行為を取らせるような言葉を投げかけたことは確かだ。試合後の記者とのやりとりで明らかだ。また「試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい」と言ったという。この危険な言葉を学生が額面通り解釈した。それを実行したとしても合点がいく。
 反則行為をしたこの学生はその後、交代した関西学院のクオォーターバックにラフなプレイを繰り返している。危険な行為をしたこの選手が同じ行為を繰り返すことは、監督やコーチの指示なくしてはあり得ない。唯一度だけなら、この選手の独断だと判断もできる。内田監督は”最高司令官”としての責任は重大だ。監督責任をとって、アメフト監督を辞任するのが筋だ。
 今から半世紀前に高校の運動部にいた私にはそう感じる。先輩や監督には何も言えない。内田監督のような指導者は50年前もたくさんいた。今も変わらないのかと思うと情けない。威圧やパワハラだけで試合に勝てるわけがない。かえって選手が萎縮する。
 記事によれば、この選手はチームから干されていて、精神的にも追い込まれている状態だった。試合の先発メンバー表には、反則を犯した選手の名前はなかったとして、「つまり、当該選手は関学大QBを『壊す』ためだけに出場の機会を与えられていた」と糾弾。相手QBを負傷させた選手は試合後に涙を流していた、とも伝えている。
 日大の広報担当者は16日夕のJ-CASTニュースの取材に、「一部の報道は事実ではないので、大変困惑している。監督やコーチが、ああいったプレーをしろと指示した事実はない。そんな指示を出しても、仕方がないでしょう」ときっぱり否定する。なお、同じ広報担当者は14日の取材時にも、「あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」との見解を口にしていた。
 危険な行為をした選手が一度だけラフプレイをしたのなら、日大広報部の発言を理解する。しかし三度もやっていて何が「瞬間的」なのか?日大は「なぜ自ら記者会見を開き釈明しないのだ。内田監督も、なぜ記者会見を開き、事実を述べないのだ。
 内田監督が危険行為をせよとの類いの指令を出していたのか。もしこの事実を隠蔽することが日大の名誉を守ることだと日大首脳が考えているのなら、とんでもない間違いだ。日大の再生は真実を誠実に話すこと。これなくして日大アメフト部と日大そのものの再生はないと断言する。日大の名誉を守ることは、記者会見を開いて真実を話すこと以外にない。
 今日の日大の体質は1960年代後半から70年代初頭と変わらないように思える。使途不明金20億円問題と日大首脳の独裁に反対して立ち上がった秋田明大議長ら当時の日大学生の行動は左翼過激派とは違う性質だった。私の高校時代の友人も日大生で、この闘争に参加した。彼から日大内部のことを聞いた。
 内田監督は日大の常務理事でもあり、学内人事を担当している。大学のNo2だ。外部から見ていると、日大幹部は自分の名誉を守ろうとしている。反則学生を犠牲にして自分を守ろうとしているとしかみえない。感情的な言葉で言えば、「恥を知れ」と申し上げたい。もし私の誤解なら、一刻も早く記者会見をして真実を話せ!それが教育者だと日大幹部に申し上げる。また内田氏に強く言う。君はアメフトの監督である前に教育者ではないのか。だったら、雲隠れしているとメディアに批判される前に、堂々と皆の前に出てきて持論を展開すべきだ。「現在忙しい」ので会見できないという言葉が通じるとでも思っているのか。ボロが出てくるから会見できないと考えているのか。一刻も早く出てきてほしい。

 追伸:スポーツマンシップに反する行為についてのこの問題で、NHKが関西学院大学アメフト部の記者会見を今日の午後に生中継したのには驚いた。それほど社会を震撼させた大きな出来事だったのだろう。どうも内田氏はことの重大さに気づいていないようだ。
 関西学院大アメフトの鳥内秀晃監督が会見でこう述べた。「内田氏が最初の反則をした選手を直ぐに呼び戻して『壊すと言う意味は私の意図と違う』となぜ注意しなかったのか」。本当にそう思う。呼び戻さなかったこと事態、内田氏の「壊してこい」という指示の根拠になる。内田氏が新聞各紙の報道を否定するのなら、なぜ反則行為直後に選手を呼び返さなかったのか?
 内田氏の会見発言が気にかかる。日刊スポーツは試合直後の内田正人監督の「うちは力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」という発言を報じている。「あれぐらいやっていかないと」という発言は、あの汚いプレイを認めているとしか思えない。
 日大が内田氏の学内での地位(常務理事)に配慮し、反則学生を切り捨てるような行為をしているようにも見える。日大アメフト部おOBで共同通信社運動部記者の宍戸 博昭さんはNHKのテレビで「私は内田さんに話したが、とりあってくれなかった」と語っている。
 内田氏の指示だと考えるのが妥当だが、もし反則学生の個人的な行為なら、アメフト部を退部させるのではなく、教育的な指導をすべきだ。ましてや退学をさせるようなことがあってはならない。もし内田監督の指示であり、日大当局が彼を守ろうとして学生に全責任を押しつけるようとしていうのなら、日大の教育機関としての存在はない。日大のダメージは計り知れない。来年の入学者は激減するだろう。
 内田監督は62歳。私は内田氏より年長だ。歳上の人間として言いたい。「あなたの年代になれば、責任という言葉をご存知だと思う。たとえ反則学生の個人的な行為だったとしても、あなたには指導上の責任がある。ましてや学生に誤解を与えるような激しい言葉を述べている。あなたはそれを認めている。責任をとり、監督と理事を辞するべきだと思う」。内田氏が記者会見を開き、見解を述べ、ケガをした関西学院のアメフトの選手や家族に直接謝るのが筋ではないのか。1週間以上がたってもそんな行動をしていない。情けないと思わないのか。
 また、反則学生の将来を考えるのが日大当局と内田監督の教育者としての務めではないのかと思うが、日大当局と内田氏は真逆の行動をしている。若い大学生には洋々たる前途がある。これから50年以上は生きていかなければならない。これに対して内田氏や私の人生は長くて10~25年だろう。内田氏の賢明な行動を願う。
 
 

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