英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

中韓の対日非難と世界工作        日本人は宣伝戦に弱い

2014年01月31日 21時34分28秒 | 時事問題と歴史
 中学・高校向け学習指導要領の解説が28日改訂され、領土に関する教育が強化された。下村博文・文部科学省は28日の講演で「独立国家として自分の国の領土を子どもに教えることと、近隣諸国に丁寧に説明するのは別問題。こういうのをおもねっていたら、背骨の入った教育ができない」と語った。
 下村氏のお話はごもっともだが、文部科学省がこの発言を戦後一貫して生徒にしてこなかったことを暴露しているに等しい。竹島(韓国名は独島)と尖閣諸島は歴史上、日本の固有の領土だが、これを「相手に遠慮して」この半世紀にわたって発言してこなかったことが問題。「自らが発言を控えれば相手も控えてくれる」と、事なかれ主義に徹したのが問題だ。
 中韓は反発を強めている。韓国外務省は28日、金第一次官が別所大使を呼んで解説書の「即時是正」を要求した。趙報道官は「日本の侵略と略奪で最初に犠牲になった独島に関し、日本が虚偽の主張を後世に教えるのは過去への望郷を捨てられない証拠だ。過去を忘れる者に未来は見えない」と非難した(朝日新聞)。
 中国と韓国は国連の安全保障条約で安倍首相の靖国神社参拝を批判。各国の代表はどんな気持ちで聞いたのだろうか。仏漫画祭には韓国が「慰安婦」をテーマに60点を展示した。展示開幕式には趙允旋・女性家族相が出席し、「この問題は(日本との)2国間の問題にとどまらない。ユニバーサルな問題だ」と訴えた。一方、鈴木庸一駐仏大使は29日、パリで記者会見し、「漫画を通じて相互理解を深める場。一国の政治的主張をそのまま伝えることは、趣旨に沿わない」との見解を主催者とアングレーム市に伝えたと発表した。また、会場で日本の立場を説明するちらしを配布する方針だと述べた(読売新聞サイト)。
 「過去を忘れる者に未来は見えない」と韓国の報道官は言った。その通りだと思う。日本人は過去を忘れやすい。ご指摘はごもっともだが、韓国人と中国人は歴史を歪曲する。歪曲どころか、政府や祖国に不都合な歴史を隠す。
  日本が朝鮮半島を併合したころの韓国の支配者は李氏朝鮮。現在の韓国政府は自国の子どもに「李氏朝鮮の悲惨な500年にわたる統治体制」を教えていない。美化することに終始する。中国の明・清両帝国は李氏朝鮮の宗主国であり、韓国は中国の属国だった。歴史好きな日本の学生なら誰でもしっている。しかし韓国政府は1970年代初め以降、韓国が歴史を通して独立国であったように教えている。
 中国政府も、いかにも中国共産党が主導して対日戦争に勝利したと自国の子どもに教えている。天国で、日中戦争を指導した中国国民党(共産党の不倶戴天の敵)の蒋介石は苦笑いをしているだろう。新中国の創始者で、1949年に共産党の大陸支配を確立した毛沢東も歴史の真実を喋れ、と後輩の共産党指導者に天国から言っている。蒋介石に戦争を主導させたのは毛沢東だからだ。毛沢東は共産党の戦力を対日戦に使いたくなかった。毛沢東は国民党との内戦に勝利し中国を統一するために、戦力を消耗したくなかった。毛沢東はこう言った。「いずれ侵略者の日本は中国から出ていく。国民党との内戦に勝利するために兵力を温存せよ。対日戦は国民党に任せよ」
 1933年から45年までドイツを支配したナチス党の宣伝相ゲッペルスは「百回も繰り返しウソをつけば真実になる」というセリフを残している。中韓政府は嘘をついているのか、それとも歴史を知らないのか、歴史を自国の国益の宣伝に使っているのかはわからない。あえて言えば、「嘘を100回もつけば真実になる」を実践しているのだろうか?歴史を冒とくしていると言わざるを得ない。そして歴史とは何か、を理解していない。その点では日本人も人後に落ちない。
 1月が終わり、明日から2月と言うときにとりとめのない話になったが、中国人、韓国人はとにかく宣伝がうまい。とくに中国人の宣伝のうまさは天賦の才能と言うべきものがある。これに対して日本人は下手だ。下手の上に「ばか」がつく。歴史をかじった者には、戦前の日中戦争における国民党政権の宣伝のうまさに舌を巻く。日本人は中国人の足元にも及ばない。蒋介石は英語が堪能な宋美齢夫人を米国に派遣して、米国各地で演説させ、「日本侵略の非を語った」。それまで米国庶民は極東という”片田舎”で繰り広げられている日本と中国の戦争をほとんど知らなかった。宋美齢女史の働きで、米国民が日中戦争を知るようになり中国人に味方した。このことが米国人が中国に好意的になったすべてではないが、かなり大きなインパクトがあった。
 現在、国連など世界で繰り広げられている中国や韓国の宣伝戦は、日本人がやったことに基づいて語っている揚げ足取りのようだが、批判していることは「事実」を取り上げている。それを自分の都合の良いように解釈して、世界の人々に訴えている。

 ※写真は国連の安保理で日本を非難する中韓の政府代表者

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