英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

高齢化社会と日本

2014年05月12日 10時21分31秒 | 老人社会と年金、福祉
 未来は誰にも予測できない。「当然だろう」と皆さんは言うだろう。当然と言えば当然だが、母の入院でつくづく思った。5月2日の昼ごろ、老人ホームから携帯に電話があった。「お母さんの脈拍が140前後、病院へ行く許可を願いたい」。許可も何もない。二つ返事でお願いした。夕方、ケアマネージャーから電話報告があった。「軽い心不全を起こしていました。現在、脈拍は正常に戻りました。これからゴールデンウィーク後半。念のためゴールデンウィーク明けまで入院します。すぐ来てください」
 わたしは300キロを移動して病院に駆け付けた。母に「息苦しくなかったか」と尋ねた。「なかったわ」。92歳の母は頭脳は明晰。ケロッとしていた。脈拍140は陸上選手が全力疾走してかなりの距離を走っていることになる。
 母をホームに入れておいてよかった。ホームでは毎朝、血圧と脈拍を測る。血圧測定で異変にヘルパーさんが気づいた。自宅にいたら、毎朝、血圧測定はしなかっただろう。母が気分が悪いと訴えるまで気付かなかったにちがいない。気づいてから救急車を呼ぶ。手遅れだった可能性がある。母は高齢で心臓が弱い。ホームの方々に心から感謝する。また母の近所の方もいつも母のことを心にかけてくださる。心温かい人々の輪に涙する。
 妹が亡くなって1年2カ月。母は筆者の町に住むのを嫌い、暖かい町に留まった。母は親切の中で生活する。ほんとうによいホームに入った。
 日本は少子高齢化社会。これから認知症患者がますます多くなる。日本の高齢化はますます進んでいる。平成24年10月1日現在、総人口に占める65歳以上の人口割合(高齢化率)は前年から0.8%増加し、24.1%になった。平成24年10月1日現在日本の人口は1億2,752万人で、筆者を含む65歳以上の高齢者人口は、前年に比べ104万人増え、過去最高の3,079万人になった。
 65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15%で、2012年時点で約462万人に上る(厚生労働省研究班調べ、2013年6月)。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いると推計。65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”になる計算で、政府は早急な対策を考えなければならない。
 12日のNHKのテレビ番組がきっかけで、7年ぶりに行方不明の老女と夫が群馬県の老人ホームで再会した。夫や家族は警察の協力で捜したが、見つからなかったという。テレビの威力は大きい。まだ1万人以上の認知症老人が家族が気付かないうちに家を出て、行方不明になっている。
 認知症行方不明者の発見にテレビを使う必要性を感じた。一日に30分でもよいから、皆が見ている時間帯に捜索番組を流すべきだ。これからますます行方不明者は多くなるだろう。
 筆者はことしの夏、66歳になる。国が規定する老人だ。まだぼけてはいないが、これから先、どうなるか心配だ。叔父2人は90歳と82歳で健在。一人は毎日8、000歩、歩いている。もう一人は毎日パソコンをいじっている。二人とも75歳まで働いた。母も88歳まで台所に立っていた。規則正しい生活で、指を動かして何かしていた。今もトランプで頭を使い遊んでいる。認知症防止はいつも頭を使い、適度の運動だと思う。
 老人ホームの数は少ない。特に特別老人ホームの数は少ない。老人ホームに入所するにも金が要る。国が老人対策をどうするか。国家財政はますます逼迫する中、政府は節約できるところは節約し(例えば議会の議員数を半数にする)、難しいかじ取りをしてほしい。国民一人ひとりが叡智を出しあい協力し合って、日本の高齢化社会を乗りきるしかない。

この記事についてブログを書く
« 日米首脳会談と中国    ... | トップ | 中越紛争と東アジアの将来 ... »

老人社会と年金、福祉」カテゴリの最新記事