韓国の文在寅政権による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄はブーメランのように日韓の安全保障と防衛に負のスパイラルとなって返ってくるのだろうか?文大統領によるGSOMIA破棄は、長期的な観点に立てば、韓国の自殺行為なのか。また日本の防衛にとっても、短期的には北朝鮮ミサイル発射に対する情報分析に大きな支障がないとしても、長期的な観点から、安保・防衛上の危機を招くのだろうか。
この私の質問に、米国の元国家安全保障会議アジア上級部長で、東アジアの専門家ダニエル・ラッセル氏が間接的な答えを出している。彼は米国の大手調査機関ネルソン・リポートにこう話した。
「北朝鮮の核やミサイル開発技術が急速な進歩を遂げている時に、GSOMIAの破棄は米国の安全保障にまともに打撃を与えている。中国の軍事能力の向上が前代未聞の脅威を米国に与え、世界最強の米国に挑戦しているときに、米国と同盟国は大打撃を受けている」
GSOMIAの破棄で北朝鮮の金正恩委員長はほくそ笑んでいよう。また商売のことしか頭にないドナルド・トランプ氏が超大国の大統領に就任していることも、金委員長にとってはラッキーだ。
トランプ大統領は、この数ヶ月にわたって行われている北朝鮮のミサイル発射に対して米国と同盟国の危機だとはまったく思っていないようだ。
トランプ米大統領は23日夜、北朝鮮が短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射したことに関し、「(北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は)ミサイル実験が好きだ。米朝は短距離ミサイルの(発射)制限で合意したことはない」と述べ、これまで通り問題視しない考えを改めて表明した。
東アジアの悲劇は、トランプ大統領が来年行われる大統領選挙で再選されることにしか興味がないからだ。再選のためには安全保障と国防問題をも利用しようとする。
一方、韓国の文大統領も、来年の総選挙で与党「共に民主党」の勝利を求め、支持者である左派にこびを売るため、GSOMIAを破棄したとの声が韓国内から出ている。
●長期左派政権を確立し、野党を葬り去ろうと画策する文大統領
複数の韓国有力紙は、韓国の大統領の任期は5年で、憲法が再選を禁じているため、文大統領は最側近のチョ・グク氏を次の大統領候補にして左派の長期政権存続を図り、南北経済協力と反日、2045年に南北統一実現の夢を描いているという。
チョ・クグ氏は法務大臣に内定されており、その目的は、文大統領が彼を使って、日韓米同盟を重視し、北朝鮮と対峙することを主張する現実主義者の野党幹部や有力者の「アラ」を探し出し、彼らを法廷に引きずり出して葬り去ろうとしているという。しかしチョ・グク氏は娘の大学不正入学疑惑で韓国民から批判されている。
米中の“貿易戦争”は関税引き上げ応酬を引き起こし、報復の連鎖が止まらない状態だ。また中国は韓国によるGSOMIAの破棄に対して歓迎する姿勢をにじませている。
●現実無視の理念主義者の文大統領が韓国民を塗炭の苦しみに突き落とそうとしている
中国外務省は23日の記者会見で「軍事協力の展開や中止は主権国家の自主的な権利だ」と述べ、GSOMIAの破棄を決めた韓国政府を擁護する姿勢を見せた。
米国の東アジアへの影響力の低下を狙っている中国にとって、日韓の紛争は日米韓同盟分断のまたとない好機だ。
トランプ米大統領は米国が民主主義同盟国の献身的な協力によって世界の覇者となり、民主主義の守護者となってきたことを理解しない。「金委員長は大好きで、彼と良好な関係を維持している」と理解しがたい言葉を発している。
韓国の文大統領と米国のトランプ大統領の見当違いの政策が、北朝鮮の核と短距離ミサイルの性能を飛躍的に向上させ、その悪魔の武器を使って韓国民を飲み込むとは誰が知るのだろうか。北朝鮮による朝鮮半島統一は、東アジアでの米国の影響力を弱め、中国の夢である東アジアの覇権掌握を実現する引き金を引くことになるだろう。そのとき日本はどうするのだろうか。
独善的な理念主義に凝り固まった文政権の日韓GSOMIA破棄と、元徴用工問題など、繰り返される文政権の不合理な言行に堪忍袋の緒が切れて青瓦台との話し合いを無視した日本の安倍政権の政策のツケが、東アジアの勢力図を塗り替え、朝鮮半島の勢力均衡を崩さないことを願わずにはいられない。
(写真)24日朝、北朝鮮から発射された新型短距離ミサイル
この私の質問に、米国の元国家安全保障会議アジア上級部長で、東アジアの専門家ダニエル・ラッセル氏が間接的な答えを出している。彼は米国の大手調査機関ネルソン・リポートにこう話した。
「北朝鮮の核やミサイル開発技術が急速な進歩を遂げている時に、GSOMIAの破棄は米国の安全保障にまともに打撃を与えている。中国の軍事能力の向上が前代未聞の脅威を米国に与え、世界最強の米国に挑戦しているときに、米国と同盟国は大打撃を受けている」
GSOMIAの破棄で北朝鮮の金正恩委員長はほくそ笑んでいよう。また商売のことしか頭にないドナルド・トランプ氏が超大国の大統領に就任していることも、金委員長にとってはラッキーだ。
トランプ大統領は、この数ヶ月にわたって行われている北朝鮮のミサイル発射に対して米国と同盟国の危機だとはまったく思っていないようだ。
トランプ米大統領は23日夜、北朝鮮が短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射したことに関し、「(北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は)ミサイル実験が好きだ。米朝は短距離ミサイルの(発射)制限で合意したことはない」と述べ、これまで通り問題視しない考えを改めて表明した。
東アジアの悲劇は、トランプ大統領が来年行われる大統領選挙で再選されることにしか興味がないからだ。再選のためには安全保障と国防問題をも利用しようとする。
一方、韓国の文大統領も、来年の総選挙で与党「共に民主党」の勝利を求め、支持者である左派にこびを売るため、GSOMIAを破棄したとの声が韓国内から出ている。
●長期左派政権を確立し、野党を葬り去ろうと画策する文大統領
複数の韓国有力紙は、韓国の大統領の任期は5年で、憲法が再選を禁じているため、文大統領は最側近のチョ・グク氏を次の大統領候補にして左派の長期政権存続を図り、南北経済協力と反日、2045年に南北統一実現の夢を描いているという。
チョ・クグ氏は法務大臣に内定されており、その目的は、文大統領が彼を使って、日韓米同盟を重視し、北朝鮮と対峙することを主張する現実主義者の野党幹部や有力者の「アラ」を探し出し、彼らを法廷に引きずり出して葬り去ろうとしているという。しかしチョ・グク氏は娘の大学不正入学疑惑で韓国民から批判されている。
米中の“貿易戦争”は関税引き上げ応酬を引き起こし、報復の連鎖が止まらない状態だ。また中国は韓国によるGSOMIAの破棄に対して歓迎する姿勢をにじませている。
●現実無視の理念主義者の文大統領が韓国民を塗炭の苦しみに突き落とそうとしている
中国外務省は23日の記者会見で「軍事協力の展開や中止は主権国家の自主的な権利だ」と述べ、GSOMIAの破棄を決めた韓国政府を擁護する姿勢を見せた。
米国の東アジアへの影響力の低下を狙っている中国にとって、日韓の紛争は日米韓同盟分断のまたとない好機だ。
トランプ米大統領は米国が民主主義同盟国の献身的な協力によって世界の覇者となり、民主主義の守護者となってきたことを理解しない。「金委員長は大好きで、彼と良好な関係を維持している」と理解しがたい言葉を発している。
韓国の文大統領と米国のトランプ大統領の見当違いの政策が、北朝鮮の核と短距離ミサイルの性能を飛躍的に向上させ、その悪魔の武器を使って韓国民を飲み込むとは誰が知るのだろうか。北朝鮮による朝鮮半島統一は、東アジアでの米国の影響力を弱め、中国の夢である東アジアの覇権掌握を実現する引き金を引くことになるだろう。そのとき日本はどうするのだろうか。
独善的な理念主義に凝り固まった文政権の日韓GSOMIA破棄と、元徴用工問題など、繰り返される文政権の不合理な言行に堪忍袋の緒が切れて青瓦台との話し合いを無視した日本の安倍政権の政策のツケが、東アジアの勢力図を塗り替え、朝鮮半島の勢力均衡を崩さないことを願わずにはいられない。
(写真)24日朝、北朝鮮から発射された新型短距離ミサイル