本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

安田先生と猫

2023-12-20 20:11:24 | 十地経

十地経講義の会所となった

東寺の宝菩提院

師匠の三浦先生は猫を

とても可愛がっておられ

たのです

それを知ったか知らずか

自然発生的に

ネコちゃんたちが集まって

きたのです

それで、常時14.5匹の

ネコちゃんたちと一緒に

暮らしていました。

 

面白いことに

一匹の猫ちゃん

どういうわけか

講義のときには

いつも安田先生の膝元に

やってきて

講義を拝聴しているのです

 

そういう姿を見て

「猫が自覚したら仏や」

と、仰っておられました。

 

それにしても

何かの因縁がある

のでしょうね

生まれ変わりして

今は猫だけど

ずっと聞法してきた歴史が

あるのかもしれません。

 

「三浦さん慈悲深い人や

なかなか出来ることでは

ない。

しかし、

慈悲にも大中小があって

三浦さんのは小悲やね。」

というような話しが

出たのです。

うろ覚えなんですが、

 

自分の縁のある人に

ほどこすのを小悲と

法縁のある人に

起こす慈悲を中悲と

それから、

無縁の慈悲

ということがあります

あらゆる差別のない

縁があろうとなかろうと

一切の生きとし生ける

そういうものに対する

慈悲が大悲であると、

これは仏から出てくる慈悲

です。

 

如来大悲の恩徳は

身を粉にしても奉ずべし

骨を砕きても謝すべし

 

という歌がありますが

学生のころ聞いて感動した

歌でもあります。

 

まあ、

猫ちゃんたちの暮らしは

最初は面食らったのですが

食事の時は

まず猫たちのご飯を上げる

私達はその次です

これも理にかなっていて

そうすると

私たちの食事の時

ちょうだい、

とやって来ないで

ゆっくり食事ができる。

 

また、近くの魚屋さんへ

買い出しに行くのですが

「ネコの魚下さい」

というと

「ネコの魚はない!」

と叱られました。

味がないように炊いて

それから、身をほぐして

骨を取って、よく混ぜ

その上に少し出汁をかけて

それで、出来上がりです。

 

それから、

ネコちゃんが妊娠すると

ステーキが出ます

めったに食べない私達には

匂いだけ嗅ぎながら

母になる猫に

別なところで上げるのです

 

三浦先生によく懐いている

ネコは先生が帰ってくると

お出迎えに行きます

足元で甘えるのですが

その声で、

「そうか、

のりふみがいじめたか

よしよしと」

まあこれだけの

猫たちとの共同生活は

色々ドラマもありました。

それはそれで楽しかったし

心が癒されたのです。

 

ふと思い出すと、

丸くなって安田先生の側で

講義を聞いている

猫の姿が

浮かんでくるのです。

 

 

 

コメント
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