本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

蓋(がい)という煩悩

2023-12-12 19:22:39 | 十地経

煩悩と一口に言いますけど

その内容は深いものがあり

それはとりもなおさず

私達人間の心が

深遠な煩悩を持っている

ということです

それで、

そのはたらきを表す

ものとして

そのはたらきに応じて

色々の異名を持っています

 

「蓋」というのも

その中での一つの煩悩です

覆うとか、ふたをする

という意味があります。

善心を妨げて覆い隠す煩悩

ということです。

 

それからもう一つ

別な意味で「蓋」という

ことをいいます。

仏さまの上とかに翳して

ある、あの天蓋です。

もとは日差しや雨を防ぐ

ための傘です。

それが仏の荘厳具として

仏の上に翳すものを仏天蓋

導師とかの上にあるものを

人天蓋といいます。

 

また、

虚無僧が被る深編笠も

天蓋といいます。

 

面白いのは

これが掉挙・惛沈と関係が

あって、

五蓋といって

心を覆うって善法を

生じさせない五種の煩悩

ということです。

 

興味があったのは、

まあ、自分にもとっても

身近に感じる煩悩で

惛睡蓋(コンスイガイ)

惛沈と睡眠です。

沈みこませるのと睡眠

睡眠も煩悩の一つです

眠るのは自然の法則では

と思うのですが

修行においては煩悩です

 

こういう、聞法会でも

睡魔が襲い、とても眠たく

なってくるのです。

「顔洗ってこい!!」

と叱咤されたので

この睡魔との闘いは

私には重要課題でした。

 

講義のここの所は

また同じように繰り返しで

先月と同じ問題です。

けど、聞いていると

新なことに聞こえるのです

難しいかも知れませんが

言葉を繰り返しながら

先生が思索を深められる

様子を感じ取って下さい。

 

「それから、

そこにやっぱり

四威儀というものが

成り立つという。

威儀ということが

ありまして。

経文を見てもらいますと

そこに諸陰を ……

『諸の陰蓋を』、諸陰ね。

諸陰、蓋ね。

それから『諸威儀』で

しょう、書いてあるのは。

諸威儀ですね。

 

この、行住坐臥というのは

行住坐臥というようなこと

をいっているのは諸威儀の

ことですね。

それは二時六時中という

意味です。

そこに、その前のところに

経文で見るというと

『緒の陰蓋を離れる』…

陰蓋というようなことは

諸陰でしょう。

『諸陰の蓋を離れる』と。

 

蓋というのは、

これは煩悩のことやね。

煩悩のこと … … 。

つまり、

煩悩のことですわね。

蓋という字はふたという

意味でしょう。

ふたをするんだ。

動くものを

動かさないようにするんだ

ええ。

そういうように、

ふたをかぶせたようになる

ことですわね。

 

そういうのが

一つの煩悩のはたらき

ですわ。

諸陰というのは何か

というと、

これは旧訳だろうと思う。

蓋ね。

五蘊といういうような。

五陰というのは旧訳。

で、これは、

諸陰というのは、

諸というのは五だと。

 

諸陰といえば五蘊のこと

やね。

色受想行識という五蘊

のこと。

だからまあ、五蘊という

ことを考えてみるというと

我々の心身の存在なんだ。

我々の心身の存在を五蘊

という。

この他に何も我々の存在は

ない。」

 

こういうことが

経典を読み解いていく

ということのように

思います。

これはこうだと

結論をだすのではなく

文字を一つ一つ大切に

考察されていく

そこがこの講義の

面白いところでもあります

 

 

 

 

コメント
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