本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

竈(かまど)という字を書いてみよう

2020-11-03 20:22:26 | 漢字

いま、『鬼滅の刃』の主人公

竈門炭次郎の字に出てきます

書き順ですが

今は便利でネットを見ると

どのような字でも書き順を

すぐに見ることが出来ます。

 

似たような字に「龜」

があります

この字もたまに書かないと

すぐに忘れてしまいます。

よく見れば全く違うのですが

どことなく似ている気がします

 

「竈」という字は

穴部の字になります。

この字の成り立ちも面白く

火の神である祝融シュクユウから

きていて、

祝融神がいる穴という意味です

 

最近はコロナの影響もあり

大勢集まって楽しむことが

できないということで

家族や一人でキャンプを楽しむ

ということが盛んなようです

スポーツ用品店が品数が

大半をキャンプ用品が占めている

ようです。

キャンプで欠かせないのが

火を燃やすということです。

 

俳優の方で名前は忘れましたが

火を燃やすのが趣味という方が

いらっしゃいました

庭の隅に炉を作り

何を炊くでもないただ火を燃やす

すると妙に気が落ち着くと

話しておられました。

 

印度でも拝火教というのがあって

火を神としてまつる

その流れが真言宗の護摩になった

のでしょう

護摩ということも火という意味で

ホーマが護摩になったのです

護摩も生き物のようで

同じものを焚くのに

燃え方が同じという事は

一つもありません

火を焚くということは

何かしら神秘的でもあり

魅力を感じるものです。

 

「祝融」といえば

火をつかさどる神であり

「祝祷」といえば

神に祈ることでいのりを

表します。

そこで見てみると

「祝」という字の意味も

成立ちも面白く、

神を表す「示」と

せむしの人の形と口とからなり

シュクの音は神に向かって

呼び求めるという意味です。

古代では、

せむしの人は、神と人との

なかだちができる神聖な人と

考えられていたのです。

その神聖な人が神福を求めて

呼び叫ぶということが

「祝」の意味の成り立ちです。

 

今では、お祝いとかご祝儀など

もっぱらお祝いの意味で使います

が、もともとは神と関係した

言葉のようです。

 

竈もおくどさんとかいって

昔はとても大切にし

正月にはお鏡をお供えした

ものです

火を使うということは

命と深いかかわりをもっている

ということです

「油断大敵」

という言葉もあるように

火を守っていくというのは

私たちの命を守るのと

同じ事を意味したのでしょう。

 

竈門炭次郎ですから

竈の炭

何かしら作者の深い思い入れ

があるように感じます。

 

 

 

 

コメント
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