本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『 解 』  という字 !?

2014-04-23 11:00:45 | 住職の活動日記

 今、読んでいる 「 十地経の講義 」

書いてみると、また違った発見があって、

『 解 』  という字が気になったのです。

 

 「 世間から解脱するとともに

    また、世間に解脱していくと 」 

とか、

 「 間違った見解の上に煩悩がはたらく 」

また、

 「 問題を解決していく 」

そして、

 「 正しく物事を見る、

   つまり、認識による解脱

   認識だけが人間を解放する 」

 

書きながら思ったんですけど、

「 解 」  という字は、

その構成は 「 角 」 に 「 刀 」 に 「 牛 」

というふうに、分解すると、意味とは似ても

似つかないよな字の集まりです。

そこで、早速 「 漢和中辞典 」 をひも解くと

おもしろい発見がありました。

 

[ 辞書を写します ]

 解 

 意味を表す ( 牛・刀 )、 音を表す ( 角 ) から成る。

刀で牛を解体する意味。

① とく。ものを分ける。ひもをほどく。

② はなれる。ちらばる。 「分解」「解散」

③ きりはなす。切り裂く。 「解剖」

④ 物事のもつれを解く。 「解決」

⑤ こだわりをとく。なかなおりする。 「和解」

⑥ 物事をわかるようにする。 「解明」

⑦ 申し開きをする。 「弁解」

⑧ ときあかす。講義する。 「解説」

⑨ さとる。物事の筋道がわかる。 「理解」

⑩ ゆるめる。自由にする。 「解禁」

⑪ やめる。免じる。 「解職」

⑫ おちる。脱落する。

 

と、実に幅広い内容を持った文字です。

それから、お経に関することも厳密に解説してありました。

 

[ 参考 ]  として、

「 ときあかす 」 の同訓は、

解・伝・述・疏・注・註・箋・説。

「 解 」 は、本文の難しいところを講解すること、解釈。

「 伝 」 は、経を主として別に書を編纂すること、経伝。

「 述 」 は、文章著述のこと、本文の主意をいい述べること。

「 疏 」 は、本文の解釈をさらに細かく分けて解き明かすこと。

「 注 」 「 註 」 は、訓釈のこと。

「 箋 」 は、表明の意。

「 説 」 は、本文の意をときあかし自分の意見を述べること。

 

と、ま~厳密に区分けしているものです。

お経の題のところにはよく、

「 伝 」 とか 「 述 」 とか 「 疏 」

という言葉が出てきます。

何気なく見ていたのですが、

やはり、きちっとした意味が存在しているのです。

 

 とても、難しいような面倒くさいような、

でも、経典を学んでいくということは

直観とひらめき、そして厳密さ

が大事ではないかと思います。

 でないと、人間の細かい心のひだ ( 迷いの構造 ) は

解明できないのではないかと思います。

 

 ま~  面倒でも、

知ることの面白さもあるものです。

 

 

 

 

コメント
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