今、読んでいる 「 十地経の講義 」
書いてみると、また違った発見があって、
『 解 』 という字が気になったのです。
「 世間から解脱するとともに
また、世間に解脱していくと 」
とか、
「 間違った見解の上に煩悩がはたらく 」
また、
「 問題を解決していく 」
そして、
「 正しく物事を見る、
つまり、認識による解脱、
認識だけが人間を解放する 」
書きながら思ったんですけど、
「 解 」 という字は、
その構成は 「 角 」 に 「 刀 」 に 「 牛 」
というふうに、分解すると、意味とは似ても
似つかないよな字の集まりです。
そこで、早速 「 漢和中辞典 」 をひも解くと
おもしろい発見がありました。
[ 辞書を写します ]
解
意味を表す ( 牛・刀 )、 音を表す ( 角 ) から成る。
刀で牛を解体する意味。
① とく。ものを分ける。ひもをほどく。
② はなれる。ちらばる。 「分解」「解散」
③ きりはなす。切り裂く。 「解剖」
④ 物事のもつれを解く。 「解決」
⑤ こだわりをとく。なかなおりする。 「和解」
⑥ 物事をわかるようにする。 「解明」
⑦ 申し開きをする。 「弁解」
⑧ ときあかす。講義する。 「解説」
⑨ さとる。物事の筋道がわかる。 「理解」
⑩ ゆるめる。自由にする。 「解禁」
⑪ やめる。免じる。 「解職」
⑫ おちる。脱落する。
と、実に幅広い内容を持った文字です。
それから、お経に関することも厳密に解説してありました。
[ 参考 ] として、
「 ときあかす 」 の同訓は、
解・伝・述・疏・注・註・箋・説。
「 解 」 は、本文の難しいところを講解すること、解釈。
「 伝 」 は、経を主として別に書を編纂すること、経伝。
「 述 」 は、文章著述のこと、本文の主意をいい述べること。
「 疏 」 は、本文の解釈をさらに細かく分けて解き明かすこと。
「 注 」 「 註 」 は、訓釈のこと。
「 箋 」 は、表明の意。
「 説 」 は、本文の意をときあかし自分の意見を述べること。
と、ま~厳密に区分けしているものです。
お経の題のところにはよく、
「 伝 」 とか 「 述 」 とか 「 疏 」
という言葉が出てきます。
何気なく見ていたのですが、
やはり、きちっとした意味が存在しているのです。
とても、難しいような面倒くさいような、
でも、経典を学んでいくということは
直観とひらめき、そして厳密さ
が大事ではないかと思います。
でないと、人間の細かい心のひだ ( 迷いの構造 ) は
解明できないのではないかと思います。
ま~ 面倒でも、
知ることの面白さもあるものです。
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