本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

改ざん ! ねつ造 ! ずさん !

2014-04-11 21:37:14 | 住職の活動日記

 最近、テレビ・新聞をにぎわしている言葉です。

なにかしら、嫌な響きを持った言葉です。

ですから、気になって、辞書を引きました。

 

 「 改竄 」  ( かいざん )

漢字で書くと上のような字です。

「 竄 」   よく見ると、

鼠 ( ネズミ ) という字が入っています。

「 穴 」 の下に 「 鼠 」 を書くという組み合わせ。

「 竄 」 の意味は、

ネズミが穴の中にはいる意で、

逃げ隠れること。 

そこから、

① かくれる ② のがれる ③ はなす

④ ふすべる ⑤ あらためる ( 改竄 )

⑥ 穴に入る

というような意味が出てきたようです。

「 改竄 」 の 「 改 」 も面白く、

もともとは、むちで鬼を打ち追う、という意味で

「 追儺 」 の原字と考えられる。

そこから、追儺を終えて新年となるので

あらたむる、意味になった。

そういうことから、

「 改竄 」 は、文章の文句を改める、

という意味になったようです。

 

 

 「 捏造 」  ( ねつぞう )

「 捏 」 という字は、

手偏に日と土が組み合わさって

出来た文字です。

意味は、土をこねる、が本来の意味で、

① 土をこねて色々なものをつくる

② ないことをでっちあげる

③ おす

というように変化しています。

捏造は、根も葉もないことをでっちあげる、

という意味になります。

 

 「 杜撰 」  ( ずさん )

「 杜撰 」 ( とせん ) 書いて、( ずさん ) と読む、

宋の杜黙の作詩が多く律に合わなかった、

という故事から、

① 著作などに誤りが多いこと

   典拠の正しくないこと

というような意味になります。

 

 しかし、この一連の騒ぎを見て、

最近は 「 責任をとる 」 という

人がいなくなったようで寂しく思います。

 それに関して、ふと思い出すのは、

三浦先生のことです。

何はともあれ、自分の部下とか

組織の一員にあたる人は

絶対的に身をもってかばってくれたのです。

 洛南高校も 「 三浦俊良 」 という大きな傘の下で、

先生方が安心して教育に専念できたと思います。

 

 一人の若い科学者を、

なんでもっと優しく見守り育て上げる

ようなことは出来ないのかと、

内心腹立たしいものを感じます。

なぜその組織の責任者は

自分の部下をかばおうとしないのか、

それが現代の風潮なのか、

それとも科学をやるということは

そういう冷徹な眼で臨まなければいけないのか、

その辺のことはわかりませんが ??

 

 仏教にも 「 三道 」 ということがあって、

最初に 「 見道 」 ということがあり

次に 「 修道 」 ということが出てきます。

 仏教でも科学でも勉強でも 「 直観 」

ということがとても大切です。

そのものの本質を 「 見た 」 という直観、

ひらめきです。

そこから、繰り返していくのです。

それが 「 修道 」 、

見道 ・ 修道  を繰り返して

物事が深まっていく、

そのことを 「 純熟 」 という表現で

お経には出てきます。

 

 彼女の細胞を見たというのは 「 見道 」

でしょう、それは直観です。

それから 「 修道 」 です。

反復修習という、道程が始まるように思います。

 

 若い一人の科学者をつぶしてしまわずに、

見守ってほしいと思います。

 そして、彼女には周りの干渉には妨げられず、

どうか、地道にこつこつと研究を続けてほしいと願います。

反復すれば足りないものが出てきます。

それで、足らんことで止めてしまわずに、

繰り返すしか、それしかないように思います。

地道な道を歩くほかないようです。

 

 お経の文句に

 「 数数修習 」 ( さくさくしゅうじゅう )

という言葉があります。

 修行も地道な繰り返ししかない

ということです。

 

 

 

 

 

 

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