過去 現在 未来
仏教では 「 未来 」 のことを 「 当来 」
といいます。
未来は偶然にやって来るものではなく、
現在の中に内包されている。
現在の中にもうすでに孕んでいる、というのです。
ですから、未来が現在の中に
約束されている、ということで
「 当に来たるべき 」 という意味で
『 当来 』 という表現をとります。
表白文とかの中では
「 当来導師 弥勒菩薩 … 」
というように出てきます。
56億7千万年後に弥勒菩薩が
この世に出てきて私たちを導いてくれる、
という意味です。
56億年先のことが現在の今に
すでに約束されている、
次の佛は 「 弥勒菩薩 」 である
ことが決まっているということです。
先日、遺伝子の話を聞きました。
遺伝子を研究していくと、
未来の自分が遺伝子の中に
もうすでに書き込まれている、
ということが分かったのです。
アンジェリーナ・ジョリーさんの話は
つい先ごろ話題になりました。
遺伝子の中から、近い将来
自分が乳がんになるということが
わかったのです。
それで、乳がんになる前に
手術をされた。
賛否両論あると思います。
笑い話のように話されていましたが、
子どもの遺伝子を調べた時、
この子はサッカーが好きだけど、
どうも、数学をやった方が伸びる
遺伝子があるということが判明した。
では、サッカーやめて数学を一生懸命させるのか ??
極論すれば、
すべての子供さんの遺伝子を調べて、
その向き不向きを決めてしまうのか ?
というような話が話題になっていました。
考えさせられるところです。
仏教でも 「 種子 」 ( しゅじ ) という言葉があります。
遺伝子と似たような感じもしますが ?
やはり、人それぞれ持って生まれた
因というか、種子はもって生まれたものがあるのでしょう。
しかし、それだけではなく、
「 薫習 」 ( くんじゅう ) ということがあります。
色々な経験が香りが染みついていくように
種子にしみ込んでいく、
というのです。
持って生まれたものは確かにある、
しかしそれだけではなく、
その後の経験によって変えられていく、
という側面も持っている。
過去を知りたければ 今の自分を見よ
未来を知りたければ 今の自分を見よ
という、ことわざもあります。
いわれてみれば、
今の自分ということは過去の経験の積み重ねです。
過去の経験が今の自分をつくった、ということです。
また、今、自分が一生懸命やっていることは
未来の自分をつくっていっているということです。
「 将来は必ず !! 」
といって、口先だけで
今を怠けていたら、
自分が望む未来はないということです。
遺伝子か、努力の積み重ねか ?
なんとも言い難いものがあります。
が
「 今を大切に
あなたの夢は
今のあなたの努力によって決まる 」
と、 K・リータ・ケント さんはのべておられます。