本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

遺伝子の解明 !?

2014-04-03 22:04:48 | 住職の活動日記

 過去 現在 未来

仏教では 「 未来 」 のことを 「 当来 」 

といいます。

未来は偶然にやって来るものではなく、

現在の中に内包されている。

現在の中にもうすでに孕んでいる、というのです。

ですから、未来が現在の中に

約束されている、ということで

「 当に来たるべき 」 という意味で  

『 当来 』 という表現をとります。

 

 表白文とかの中では

「 当来導師 弥勒菩薩 … 」

というように出てきます。

 56億7千万年後に弥勒菩薩が

この世に出てきて私たちを導いてくれる、

という意味です。

 56億年先のことが現在の今に

すでに約束されている、

次の佛は 「 弥勒菩薩 」 である

ことが決まっているということです。

 

 先日、遺伝子の話を聞きました。

遺伝子を研究していくと、

未来の自分が遺伝子の中に

もうすでに書き込まれている、

ということが分かったのです。

 

 アンジェリーナ・ジョリーさんの話は

つい先ごろ話題になりました。

 遺伝子の中から、近い将来

自分が乳がんになるということが

わかったのです。

 それで、乳がんになる前に

手術をされた。

 賛否両論あると思います。

 

笑い話のように話されていましたが、

子どもの遺伝子を調べた時、

この子はサッカーが好きだけど、

どうも、数学をやった方が伸びる

遺伝子があるということが判明した。

では、サッカーやめて数学を一生懸命させるのか ??

 極論すれば、

すべての子供さんの遺伝子を調べて、

その向き不向きを決めてしまうのか ?

 というような話が話題になっていました。

考えさせられるところです。

 

 仏教でも 「 種子 」 ( しゅじ ) という言葉があります。

遺伝子と似たような感じもしますが ?

 やはり、人それぞれ持って生まれた

因というか、種子はもって生まれたものがあるのでしょう。

しかし、それだけではなく、

「 薫習 」 ( くんじゅう ) ということがあります。

色々な経験が香りが染みついていくように

種子にしみ込んでいく、

というのです。

 持って生まれたものは確かにある、

しかしそれだけではなく、

その後の経験によって変えられていく、

という側面も持っている。

 

 過去を知りたければ 今の自分を見よ

 未来を知りたければ 今の自分を見よ

 

という、ことわざもあります。

 いわれてみれば、

今の自分ということは過去の経験の積み重ねです。

過去の経験が今の自分をつくった、ということです。

また、今、自分が一生懸命やっていることは

未来の自分をつくっていっているということです。

「 将来は必ず !! 」

といって、口先だけで

今を怠けていたら、

自分が望む未来はないということです。

 

 遺伝子か、努力の積み重ねか ?

なんとも言い難いものがあります。

     が

 

 「 今を大切に

   あなたの夢は

   今のあなたの努力によって決まる 」

 

と、 K・リータ・ケント さんはのべておられます。

 

 

 

 

      

コメント (2)
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