ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

読めた

2011-09-14 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
「事情を説明して下さいッ」池田さんッ!と胸倉を掴もうとしたら、逆に、
ガシッ、顔を鷲掴みにされ、池田「幼い頃、頭を強打したか?」ンベッと下瞼を下げられた。
与一「え…」それから、池田さんに目を布で覆われ「落馬した時、」正直に答えてしまった。
斯波「治ンのか?」
池田「ただ…目を休めているだけです」
与一「そ…」それで、分かった。俺の目は、もう…、
池田「お前…」きゅっ、と布を縛って…小声で「御方様の息遣いに気が付いたか?」
与一「え?」
池田「いや、いい」
与一「いいって、」そういうのが一番良くないッ「息?」
義経「おいッ」顎で合図して「そろそろ、いくぞ」二人でツルんで、行ってしまった。
斯波「しっかし、よく化けたなぁ」腕組みして、事の成り行きを面白そうに傍観し、
与一「ッ…」面白くない。斯波さんと義経さん、そして、池田さん…源氏と平家との間に何があったか?何も、知らされてないッ。そこへ、ドヤドヤと…
「ちょっと、何の騒ぎ?」と酒田観光から戻った巴と、土岐と、妻の照(あき)と、その娘たちが入ってきて、斯波「おッ。珠ちゃんッ」と、娘の一人を抱き抱え、肩に被いた。
珠「きゃ~ッ。お持ち帰りされるぅ~ッ」バッシン、バッシン、扇子で、
斯波「テッ、イテテッ」何度も叩かれていた。
与一「ったく」ふぅ…呆れる他なし「それより、今日は義隆と一緒じゃないんですか?」
巴「義隆なら、舞台で稽古付けてもらっているわ」
与一「稽古…」何の?誰が?まったくッ、何も、知らされてない事に「ッ」腹が立った。
そこへ、瑠璃姫「ねぇ」と冷泉院「ど?」と芸妓のなりでひょっこり登場し、その後ろから、
斯波「あん?」珠ちゃんをストンと肩から下ろして「すみか…」まで、
すみか「きゃッ」と照れて、賀茂女「似合う?」と舞妓の姿でやって来た。
斯波「…こりゃ」、富樫「何だぁ?」と繭子が顔を出して、
斯波「アンタらも知らネェ…」繭子を見て…「の?」
繭子「…」サッと目を伏せた。
斯波「どうした…目、」赤ぇ。鬼の、嫁の目にも涙?寝不足?それとも…、
ひょこっと顔を出した、継「おい、お前ら、裏の控え室に…っと、」繭子に向かって、
「妹が、すまねぇ」と頭を下げた。だから、読めた。