遅い!
東日本大震災の発生から3年を迎えるのを前に、国は被災地で深刻化している「震災関連自殺」の問題について
「自殺者を出さないためにも、国としてきめ細かな『心のケア』を行っていく必要がある」
と自殺防止対策に取り組む方針を明らかにしました。
遅い!
もちろん、今までにも民間レベルで被災地の心のケアは行われており、宮崎からも医師や精神保健福祉士、臨床心理士などが被災地に入り、避難生活の長期化を余儀なくされ、さまざまなストレスにさらされてきた被災者の方々を支えていました・・・
全国的にも専門職集団が各被災地で活動をされていますが、そのほとんどが医療機関や個人のボランティアレベルの活動で、被災地全体を網羅しているとは言えないでしょう・・・
国は阪神大震災の際、被災から3年を経過したころに自殺者が増えたといわれることを教訓に、関係省庁の局長クラスで構成する作業チームを立ち上げ、施策パッケージをまとめたことを強調していますが、自殺をされる程追い込まれてからの介入では、たとえ命が救える援助ができたとしても、回復までにはかなりの時間がかかることは明らかです。
また岩手、宮城、福島3県に「心のケアセンター」を置き、訪問・来所相談を受けているほか、市町村の保健師の支援に取り組んでいることを実績のように公表していますが、その程度の取り組みでは成果が上がっていないから命を絶つ方が続いているのです。
国は今までもこれからも、防災・減災の名のもとに公共工事を乱発し、目に見えやすい事業には惜しげもなく予算配分をします。
もちろん防災・減災のための公共事業は必要ですが、今ままでもこれからも生活の場を失い、心の生死の淵に立たされる方々が大勢いらっしゃるにもかかわらず、目に見えにくい心のケアをするための体制も予算もまだまだ不十分です。
阪神大震災の後も、中越地震の後も個人的な活動で被災地に入り活動をしました。
東日本大震災後も3度被災地に入りましたが、行政的活動が主で、ゆっくり腰を据えて話を聴くことはできていません。
精神保健福祉士として時間を創り、動きます!