チラシの裏に走り書きしているこの文章をブログアップするころには、状況が変わっているかもしれませんが、今を書き記します。 3日前までは指先を動かしてくれていたのに・・・昼間までは瞬きをしてくれていたのに・・・今は耳元で 「じいさん!じいさん!」 と呼んでも反応がなくなってしまいました。 瞬きを失った瞳は、うっすらと開き、何かを眺めているようにも見えますが、目の前で手を振っても、そのぼんやりは変わることはありません。 目が乾いて辛かろうと、手のひらでまぶたを閉じても、しばらくすると白く膜のかかった瞳は細く開いてきます・・・ 一生懸命に手を揉んでも、足をさすっても段々と体温が低くなっているようで・・・でもこれ以上力を入れたら弱くなっている皮膚がめくれてしまいそうで・・・撫でるようなマッサージしかしてあげられない・・・ 「今のところ血圧や脈拍は安定していますが、呼吸がいつまで続くか分りません。」 その説明を受け、再度親戚に連絡をとったところ、じいちゃんのベッドの周りには、息子・娘をはじめ、孫、ひ孫、やしゃごまで駆けつけてくれました。 やしゃごはまだ生後1ヶ月。 まだ赤ら顔の赤ちゃんの小さな息・・・白い肌で横たわるじいちゃんの浅い息・・・その呼吸の行方は違えども、ここに命のリレーがある・・・ 病院勤務をしていたころ “死に様は、生き様” ということを教えてもらいました。 その人の終末のときに、その人の歩んできた人生が表れるということです。 家族に囲まれ、代わる代わる手を握られるじいちゃんは幸せに違いありません。 10日程前、見舞いに来て、帰る際 「じいさん、また来るわの!」 と耳元で声を張ると 「・・・あ・り・が・と・・・」 かすかな声が返ってきました。 最後の発語でした・・・ じいちゃん・・・私たちからも 「ありがとう、ありがとう、ありがとう。」 「よく頑張ったね。」
じいちゃんの枕元で書いています。