奇跡への絆

図師ひろき

風の谷のナウシカから学ぶ

2010年03月11日 22時17分38秒 | Weblog

 私にとってこの映画は、ある意味バイブルです。

 宮崎駿さんの作品は、本編のストーリーとは別に、鋭い社会描写や人間のあるべき姿が刻み込まれているように私には映ります。

 例えば

 “千と千尋の神隠し”・・・飽食の時代への警告と高度経済成長の裏側

 “もののけ姫”・・・自然破壊への危惧とノーマライゼーションの提唱

 “天空の城ラピュタ”・・・技術革新の先にあるもの

 “となりのトトロ”・・・幸せとは何か

 など、どの作品も苦境の中で、ひた向きに懸命に生き抜く主人公たちを通して、現代人への問題提起と気付きの促しが、ちりばめられているように感じます。

 その中でも、風の谷のナウシカの場面設定とストーリー展開は、如実に現代社会の在り様を描き出しています。

 腐海の森は、放射能汚染された大地を木々が長い時間かけて浄化している・・・

 蟲たちは、森を守る存在で、人間の破壊行為に対しては猛威を振るう・・・

 風の谷では、汚染された土地からの被害を受けながらも、蟲たちと住む場所を分かち合い暮らしていたが、強大な兵力を背景にトルメキア軍が侵略してきます。

 風の谷は占領され、ナウシカは数人の老人と共に、トルメキアに連行されることになります。

 その移送中、やはりトルメキアに侵略されたペジテ軍の反撃に遭い、ナウシカたちを乗せた飛行機は、腐海の森に落ちてきます。

 風の谷の老人は、死が迫り、我を忘れるほど動転してしまいますが、その状況を鎮めるため、ナウシカは微笑み

 「大丈夫、必ず助けるから・・・」

 その言葉に老人たちは、希望と笑顔を取り戻します。

 この時のナウシカの立ち居振る舞い、言葉、ポーズに至るまでのいちいちがカッコよくて、私が一番好きな場面です。

 まだまだ紹介したい場面はありますが、是非作品を見ていただければと思います。

 たかがアニメ・・・いえいえ、されど、されどアニメーションです。

 風の谷のナウシカは、権力に屈しない精神やリーダーとしての判断力、行動力、そして包容力を教えてくれます。

 さらに今、気付き、省み、悔い改めなければならない、人類の驕りを痛烈に指摘しています。

 新たなジブリ作品も間もなく公開されるようで、またどんな感動に出会えるのか、今から楽しみで仕方ありません。


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