OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

半跏思惟像

2016年06月20日 | 文化・芸術
日韓国交正常化50周年記念
特別展 ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像― 

明日から7月10日まで、東京国立博物館、なのだが、本館特別5室に、たった二体だけの仏像の展示なのだ。

たった二体だけみるのに、1000円の観覧料とは高いか安いか。 
お隣ではじまるギリシャ展は300点で1600円である。
これも素晴らしいので、結論をいえば、今回は両方みるといいと思うのだ。
今回、仏教、仏像ファンはもちろんだが、仏像がなんなんだ、と思っている方におススメである。
なぜって、二体しかないんだから。笑

そうじゃなくて、である。もうたぶん二度と一緒になることがない二体をじっくり比較しながら見ることができる最初で最後の機会だからである。
このイベントはまずは、韓国側で展示されて、日本展となる。
日韓国交正常化50周年だそうだが、昔の百済との交流があって、仏教も仏像も入ってきたあたりからでも、ざっと1500年の交流の歴史がある。


半跏思惟像は、インドで、釈迦が悩んだ姿だとして生まれ、中国を経て、韓国では、釈迦から弥勒菩薩になり、日本に伝わり、聖徳太子信仰が生まれるとさらに観音様に半跏思惟像の仏像は変わっていったそうだ。

今回、韓国代表は6世紀 国宝78号の半跏思惟像。日本代表は7世紀 国宝 奈良 中宮寺門跡の半跏思惟像。

半跏(はんか)とは、座禅の時、両足を反対側の腿にのせる結跏趺座とはならず、右足のみ左の腿にのせ、台座に座っているから、左足は下に伸ばしている。お釈迦様の悩んだ姿はいつしか、モノを考える奥深い思考の形となっていく。
これをもっと現代の人間に近づけて考えていくと、ロダンの考える人になっていくか!?

ポーズというか、韓国国宝78号は、自然にくねる。横から見ると、やり過ぎではないかと思うほど。日本は一つ一つ丸いが、直線的である。


正面からの動きはなお自然な感じ


今は肌が黒いが、もともと肌色の顔料が塗られていたようである。


像は、韓国は銅製。日本は木製。クスノキの木だそうで、上野駅公園口を降りてすぐ国立博物館に向かう途中、東京文化会館横のクスノキが大きく青葉がきれいだった。


コメント
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