さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

菊咲きの桜

2022-04-30 22:15:39 | 樹木

*2022年4月30日撮影

 ゴールデンウィークが始まりましたが、急に寒くなってきました。
 昨日の朝には会津の鶴ヶ城公園に熊が1頭現れて、およそ5時間後に駆除されてしまいました。
 ウクライナ戦争やら、知床の観光船遭難やら、連日のコロナ感染者の多さやら、暗いニュースの続く日々です。

 今日は再度、桜です。
 もうとっくにソメイヨシノは散ってしまって葉桜になっていますが、今は八重桜が満開です。
 華やかなカンザン(関山)や、上品なたたずまいのイチヨウ(一葉)などを楽しめます。
 枝垂れ桜たちもまだ咲いています。

 写真の桜はちょっと変わった花で、八重咲きよりも花弁の数が多い「菊咲き(きくざき)」という咲き方の花です。
 すでに葉が大きくなっているので、樹木全体としては花が咲いていることがあまり目立ちません。





*2022年4月30日撮影

 写真の桜の花の大きさは八重桜のカンザンなどよりは少し小さくて、花の中心部が赤いのが特徴です。

 菊咲きの桜にもたくさんの品種があるようです。
 その名の通りのキクザクラという桜は、岡山県の品種だそうですが、これが元祖というわけでもないようです。
 〇〇キクザクラという名の桜が全国にあって、〇〇には多くの場合地名が入るようです。
 たとえば、ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)という桜は、兼六園にあったからそう名付けられたのですが、原木が枯死してしまった今でも栽培品種が流通しています。





*2022年4月30日撮影

 少し離れてみた花の様子です。

 〇〇キクザクラ以外にも、菊咲きの桜があります。
 有名なものにバイゴジジュズカケザクラ(梅護寺数珠掛桜)という長い名前の桜があります。
 新潟県阿賀野市の梅護寺というお寺に原木があり、国定天然記念物となっています。
 そのバイゴジジュズカケザクラの写真を見ると、この鶴ヶ城の菊咲きの桜と、とてもよく似ています。





*2022年4月28日撮影

 花の中心部が赤いのですが、じつは花が開花する前の蕾の状態の時にはこの中心部が小さい赤い花のように見えるという、不思議な花でもあります。
 その開花前の花の姿を撮影したわけだったのですが、どうもうまく撮れていません。
 ぜひ、バイゴジジュズカケザクラをネットで検索して、開花前の姿を見てほしいと思います。





*2022年4月28日撮影

 バイゴジジュズカケザクラの名前の由来は、親鸞上人がこの桜に数珠を掛けて、この数珠のようによく花が咲くようにと祈念したという言い伝えによります。越後流罪になった親鸞上人が、梅護寺近くに滞在したことがあるのだそうです。
 新潟県阿賀野市は広いのですが、梅護寺のあるのはJRの駅で言うと新津駅の近くになります。

 鶴ヶ城にある菊咲きの桜がバイゴジジュズカケザクラだという断定はできませんが、よく似ているということは確かです。
 バイゴジジュズカケザクラも園芸品種として販売されているので、ここにあったとしても不思議ではありません。





*2022年4月28日撮影

 もういちど、離れて見た菊咲きの桜の姿です。
 あまり目立たないので、ここに桜が咲いていることに気づかない人も多いのです。
 開花の時期が遅いので、もう桜の花を愛でる気分でないということもあるかもしれません。
 しかしこの桜こそ、鶴ヶ城公園でいちばんの珍しい桜ではないかと思います。
 私だけがひそかに、ツルガジョウジュズカケザクラと呼んでいます。
 

 


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