大きなテーマについて書き始めて多少後悔しています。
気を取り直して続けます。
日本の生産現場が空洞化しています。
生産拠点は、人件費の安い中国から東南アジアに移行しています。
逆行したのが、キャノンです。
人件費の安い中国でのコピー機生産性は、時間当たり2台でした。
日本に運ぶ物流費を加味しても破格の生産コストでした。
ライン生産をしていました。
コピー機が次から次に組立ライン上に流れ、完成まで多くの人が部品を付ける流れ作業です。
不良率が高く管理者は頭を抱えていました。
日本で、日本人を使い個別生産方式(セル化)を試してみました。
一人の作業員が、1台のコピー機を最後まで仕上げる方式です。
生産性は、時間当たり3台になりました。
不良率はゼロに近くなりました。
高い人件費を使っても、採算性は中国と同等になりました。
経営者のハートをゆすぶったのは、不良率の激減でした。
波及効果は大きく、ブランド力を高めマーケットを広げたのです。
同じようなことがコンピューターの生産世界一の「DELL」にも言えます。
丸投げで、安いコストのコンピューター生産に血道をあげていました。
ところが、相次ぐクレームに悩んだDELLは、主要部品を自社で責任生産し、中間ストックしました。
組み立てを、安い国に任せたのです。不良率減少と価格競争力を同時に達成したのです。
いまや、ハードの強さもさることながら、ソフト(作り方)も重要です。
トヨタと日産も新車の搬送車の相互乗り入れをしています。
トヨタの搬送車が、工場からディーラーに新車を搬送し、その空車で日産の工場に寄り
日産の新車を、トヨタの工場の近くの日産のディーラーまで運ぶのです。
北海道の牛乳は、美味しいのだけど高い。
輸送コストが高いのです。
ある運送業者が、折り畳み式のタンク(ビニール製)を開発しました。
牛乳をそのタンクに入れ、東京まで運びます。牛乳を降ろしたら、タンクをたたみます。
空になったスペースに貨物を積み、北海道まで帰って来ました。
もはや、帰りは空車で帰る高価なタンクローリーで運ぶ必要はなくなったのです。
普通の11トン車が使えます。
枚挙にいとまがありません。
皆さん頑張っています。
私が言いたいことは、次の章です。
もう少し付き合ってください。
(つづく)
2015年1月17日
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