故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

茫洋

2021-05-14 10:52:08 | よもやま話

絵のタイトルは、「ひねもすのたりかな」です。
釣れてもよし、釣れなくてもよし。


森際の つつじが朱(あか)に 染めていく

今日のタイトルは、「茫洋」です。
茫洋とは、
果てしなく、広々としているさま。広くて目当てのつかないさま。
(広辞苑より)
人でいえば、とらえどころのない人。
景色で言えば、円弧になっている海原のことでしょうか。

蚊が目の前をよたよたと飛んでいました。
なんなく叩くことができました。
潰されて赤い血が手のひらにつきました。
私は、嚙まれてない(広島弁、刺されてない)よと妻が言う。
それでは、自分かと右あごの下にふくらみを感じる。
蚊の雌だけが血を吸うと、頭の片隅に浮かぶ。

互いに気になっている所を片づけ始める。
私は、昨日の乾いた洗濯物を畳んで納め、今朝洗った洗濯物を干す。
妻は、生ごみを捨て、送る予定の筍の水を替え、山ぐるみのヘタを切り水に浸ける。
独りになるのを待っている。

一週間前に刈った草原に新芽が出ている。
庭も森も畑も、草の緑が濃くなっている。
いいんだけどね。また、刈るから。
草と追っかけっこです。

友人の孫さんが小さい頃、訪ねる私達を玄関で仁王立ちになり、にらみつけていた。
酒を飲む爺様の背後で、手を後ろに組んで行ったり来たり。
幼稚園のかけっこで、後ろの子に話しかけ、ジジババの期待を見事裏切る。
小学校2年生までは、湧いてくるイメージ通りのパンを作っていた。
小学校高学年から中学生となり、大人と一緒のパンを作るようになった。

「茫洋」とした時間が流れる。
何をするでもなく、想いだけが周りを歩く。
私は、一人になれ、文章を書く。
夜明け前、家の近くで鳴いていた鳥は、もう森の奥で鳴いている。
反省もなく、計画もなく、一瞬の至福を甘受している。

2021年5月14日

<<あとがき>>
いいんだよ。
どこからともなく声が聞こえる。
惰眠をむさぼる。
リハビリが進まぬ母にも、いいんだよ。
しようとする時が、きっと来る。
(筆者)
コメント
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