今日のタイトルは、「おじさんになる」です。
この辺りでは、機械などが故障して使えなくなることを、「おじさんになる」と表現されます。
使う側も悪気はないのだけれでも、ショッキングな言葉でした。
おじさんは使えない。
何で、おじさんは使えないのか。
身体能力が落ちた。
口ばかりで、身体が動かない。
自分の成功体験を押し付けるだけで、新しいことに挑戦しない。
パソコンやSNSに不慣れなのが、おじさんです。
人の意見に柔軟に対応できない。
うるさいだけで、仕事ができない。
職人の動きを観察しているとよく分かることがある。
二人で、ものを固定する時、いち早くボルトを付けるのは決まって年寄りの職人でした。
若い方は、力づくでボルトの穴をあわせる。大汗をかくことになります。
年寄りの職人は、しのを使って自分の受け持ちの穴を合わせた後に、ボルトを入れる。
一本入れたら、あとは簡単に入れられる。この一本目の合わせが成否を分けます。
二人で物を運ぶ時も同じです。
いち早く、腰を入れて持ち上げるのは、決まって年寄りの職人でした。
立ち位置になって保持しながら、斜めになった方を持ち上げる若者を待っていました。
斜めになった分、力が必要です。
おじさんは使えない。
もう、ぼろ同然の扱いです。
つまりは、新品ではなく中古品を意味します。
いやいや使い込んだ道具は、手になじみ扱いやすいのですがいかがでしょう。
使えないおじさんをいとも簡単に扱う若い女性がいる。
気をつけているのは、「さしすせそ」を頭文字とする魔法のキーワードです。
「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんですね」という5つの言葉。
おじさんは、舞い上がらんばかりに俄然やる気を出して活躍し始めます。
このどれかの言葉を聞いたら、「やられたな」と密かに思い、頑張りましょう。
おじさんは、「ひねくれもの」で次に「きめっこ」(拗ねる。広島弁でははぶてる)です。
控えめでちょうど良い。
若いものが困った時に、相談するのはおじさんです。
その時のために、刀を常に研いでおきましょう。
2018年7月1日