どんな数字でしょう?
30%は、ボクが罹った「血液のガン」の治療後の生存率、「3年間生存率 30%」
50%は、製品の市場占有率が50%を超えるとその商品の宣伝が出来なくなると聞いた。
70%は、関東地方に起きるであろう地震の発生率、向こう30年以内にM7規模が発生する確率70%。
読者の皆さんは、この30%、50%、70%をどの程度切実に理解されているのでしょうか?
先ず、「3年間生存率 30%」
これはほとんどの人が3年間以内に死亡すると言うこと。
三年以上生き延びられるのは、わずか30%とと言うこと。
それでも当事者にならないと理解できにくい数字ですよね。
この血液のガンは、大変珍しく10万人に一~ニ名発症する。
そして治療に取り掛かる前に告知される数字が30%。
十万人に1~2名と言っても、この病気にかかる人が専門病院に集まってくるから、
いつも50人程度の患者が、病棟に居る。
保険適用外に5千円掛かる四人部屋のベッドに7か月入院しましたが、
その間に退院した人はボクともう一人の二名だけ。
後は入れ代わり立ち代わり、一人部屋に変わって行くと、
次に聞くのは訃報。
話が変わるが、この病棟には、一人部屋が追加使用量二万円で2部屋、使用料一万円の二人部屋が4室、
五千円の4人部屋が何室かあって、差額ベッド料無料の六人部屋二部屋あった。
いつも満席で、一人部屋に移ると1~2日で「さようなら」
元気に歩ける人は、談話室に集まって無料のTVを見るし、面会者があるとここで談話する。
昨日まで黒髪だった若い女性がある日、丸坊主になって頭にターバンよろしく布を丸めていると思うと、
いつの間にか顔が見当たらなくなる、
「あの人どうしたの?顔が見えないが」と訊くと、他の患者が首を振る。
「さよなら」の合図だ。
治療中は、苦しいから会話は、ずけずけ本質を突いてくる。
お世辞とか追従とかはない、本音で毎日語り合う。
明日がどうなるか解らないからだ。
時にはマレに、病院内をせっせと歩き回る人も出てくる。
どうしたかと思うと、一週間後に退院出来る人だという。
そして退院していくが、あれっ!この間退院した人だと思われる人が、
一月も経たない内に再入院して来たかと思うと、
元気ない寂しい顔で再入院ですと挨拶をする。
その寂しい顔は、この度は出られそうもありませんと言う、
気持ちの表れのように思える。
まさに死刑宣告されたと言う人の顔のように思える。
そして間もなく、大変残念なことであるが、
「三年間生存率 30%」外にはみ出してしまうのだ。
つまり30%と言うのは、ほとんど無いと言うことなのだ。
50人入院している、その30%の15人は退院できるが、
それもこの世に居られるのは三年間なのだ。
ボクのように17年も生き伸びているのは、
ごくごくまれであると言っても良いだろう。
30%とはそんな数字だ。
今、退院後18年目に入って、ずーと長いこと病後の経過観察を毎月一回されてきた。
ある時、担当の大学教授が血液学会に出席で留守になり、
別の医師が診察に当たった。その時、
「退院されてから長いのですね?」と問われた。
「当時は(三年間生存率 30%)で(ステージ 3)と言われましたが、もう18年目です。」
と答えると、その先生「(三年間生存率 30%)は(ステージ 4)ですよ」と言う。
この時、初めて知った。
(あの時、教授はボクに希望を持たせるためにサバを読んだな)と思った。
それにしても退院してからは、心にグサリと刺さるようなことを平気で言う。
「それで退院後の再診で(あと十年は生きたい)と言ったら、
教授は(それは無理です)と言いました。あの先生は正直で良い。
ボクなら(節制すれば可能性はありますよ)くらいには答えますけど・・・・。」
と言ったら若い先生は笑っていた。
その後、次の予約や薬の手当てをパソコンで操作しているので、
「あの教授は、パソコンなどの操作のような、下々の人がやるようなことは、苦手みたいですね。」と言ったら、
「そんなことを言うと先生に叱られるよ」と返事が返ってきた。
退院後18年も経っているが、あと10年は生きたいと思って居る。
いやいやさらに10年を足して100歳超えまで生きて、
世の中どれほど変わるのか見てみたいと思って居るが、
少し欲張りすぎ?だろうかと、自分でも思って居る。
さて、次は50%はどんな数字?70%は?
どんな数字なのでしょう。
<つづく>
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30%は、ボクが罹った「血液のガン」の治療後の生存率、「3年間生存率 30%」
50%は、製品の市場占有率が50%を超えるとその商品の宣伝が出来なくなると聞いた。
70%は、関東地方に起きるであろう地震の発生率、向こう30年以内にM7規模が発生する確率70%。
読者の皆さんは、この30%、50%、70%をどの程度切実に理解されているのでしょうか?
先ず、「3年間生存率 30%」
これはほとんどの人が3年間以内に死亡すると言うこと。
三年以上生き延びられるのは、わずか30%とと言うこと。
それでも当事者にならないと理解できにくい数字ですよね。
この血液のガンは、大変珍しく10万人に一~ニ名発症する。
そして治療に取り掛かる前に告知される数字が30%。
十万人に1~2名と言っても、この病気にかかる人が専門病院に集まってくるから、
いつも50人程度の患者が、病棟に居る。
保険適用外に5千円掛かる四人部屋のベッドに7か月入院しましたが、
その間に退院した人はボクともう一人の二名だけ。
後は入れ代わり立ち代わり、一人部屋に変わって行くと、
次に聞くのは訃報。
話が変わるが、この病棟には、一人部屋が追加使用量二万円で2部屋、使用料一万円の二人部屋が4室、
五千円の4人部屋が何室かあって、差額ベッド料無料の六人部屋二部屋あった。
いつも満席で、一人部屋に移ると1~2日で「さようなら」
元気に歩ける人は、談話室に集まって無料のTVを見るし、面会者があるとここで談話する。
昨日まで黒髪だった若い女性がある日、丸坊主になって頭にターバンよろしく布を丸めていると思うと、
いつの間にか顔が見当たらなくなる、
「あの人どうしたの?顔が見えないが」と訊くと、他の患者が首を振る。
「さよなら」の合図だ。
治療中は、苦しいから会話は、ずけずけ本質を突いてくる。
お世辞とか追従とかはない、本音で毎日語り合う。
明日がどうなるか解らないからだ。
時にはマレに、病院内をせっせと歩き回る人も出てくる。
どうしたかと思うと、一週間後に退院出来る人だという。
そして退院していくが、あれっ!この間退院した人だと思われる人が、
一月も経たない内に再入院して来たかと思うと、
元気ない寂しい顔で再入院ですと挨拶をする。
その寂しい顔は、この度は出られそうもありませんと言う、
気持ちの表れのように思える。
まさに死刑宣告されたと言う人の顔のように思える。
そして間もなく、大変残念なことであるが、
「三年間生存率 30%」外にはみ出してしまうのだ。
つまり30%と言うのは、ほとんど無いと言うことなのだ。
50人入院している、その30%の15人は退院できるが、
それもこの世に居られるのは三年間なのだ。
ボクのように17年も生き伸びているのは、
ごくごくまれであると言っても良いだろう。
30%とはそんな数字だ。
今、退院後18年目に入って、ずーと長いこと病後の経過観察を毎月一回されてきた。
ある時、担当の大学教授が血液学会に出席で留守になり、
別の医師が診察に当たった。その時、
「退院されてから長いのですね?」と問われた。
「当時は(三年間生存率 30%)で(ステージ 3)と言われましたが、もう18年目です。」
と答えると、その先生「(三年間生存率 30%)は(ステージ 4)ですよ」と言う。
この時、初めて知った。
(あの時、教授はボクに希望を持たせるためにサバを読んだな)と思った。
それにしても退院してからは、心にグサリと刺さるようなことを平気で言う。
「それで退院後の再診で(あと十年は生きたい)と言ったら、
教授は(それは無理です)と言いました。あの先生は正直で良い。
ボクなら(節制すれば可能性はありますよ)くらいには答えますけど・・・・。」
と言ったら若い先生は笑っていた。
その後、次の予約や薬の手当てをパソコンで操作しているので、
「あの教授は、パソコンなどの操作のような、下々の人がやるようなことは、苦手みたいですね。」と言ったら、
「そんなことを言うと先生に叱られるよ」と返事が返ってきた。
退院後18年も経っているが、あと10年は生きたいと思って居る。
いやいやさらに10年を足して100歳超えまで生きて、
世の中どれほど変わるのか見てみたいと思って居るが、
少し欲張りすぎ?だろうかと、自分でも思って居る。
さて、次は50%はどんな数字?70%は?
どんな数字なのでしょう。
<つづく>
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