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ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

「モラハラのない対等な関係」 ~はのねくさのねの会報から~

2012-05-02 20:40:54 | 子育ての知恵

「はのねくさのね」はODH草の根歯科研究会の会報です。

成熟した市民社会における歯科保健文化の創造を目指す、健康な歯と口の大切さを患者学の視点で広める、

それが目的だそうです。

代表の岡田弥生さんは以前もブログ(歯磨きをいやがるとき)で紹介しましたが、

「むし歯って磨けばとまるんだよ、削ってつめるなんてもったいない」というご著書もあります。

小児歯科それも、健診をお仕事にされていて、予防診療の話ではいつも盛り上がってしまいます。

以下は4月発行の「はのねくさのね」での、岡田先生の巻頭言です。

許可をいただけたので転載します。

子育て中の方で、どうしてこんなにつらい?意味もなくイライラする・・・という理由のない解決策のない暗闇で泣いている方は、

「モラルハラスメント」の被害者でないか、考えてみる必要があると思います。

モラルハラスメントは証拠の残りにくい精神的な家庭内暴力です。

健診では、しばしば、自覚のない被害者に出会います。

自覚がない方への声のかけ方は大変難しくて、この夏支援者としての力をつけるため養成講座に参加します。

「究極の予防医療」と岡田先生と話し合っています。

以下転載です。

「モラハラのない対等な関係」

離婚したくて結婚する人はいない。歯を悪くしたくて歯科医院に行く人も、悪くしようと思って治療する視界もいない。

しかし、家庭という密室内のことが外から見え難いように、歯科医院も閉鎖的なことが多い。

悪気のあるドクターなどいないが、患者さんのために最善を尽くしているつもりでも、他の歯科医からみると首を傾げたくなる治療や

言語道断のこともある。

それで患者さんが満足なら何も言うまい。

どんな名医でも医療の限界と不確実性もあり、100%の治療は保証できない。

思わぬ結果をも受け容れられる信頼関係は、どうしたら築けるのか。

モラルハラスメントを最近知った。セクハラが社会的に認知され、パワハラ、アカハラ、ドクハラと、職場・大学・病院、

あらゆる場での人権侵害が明らかになった。

モラハラは精神的暴力で、優位な立場を悪用し、巧妙に相手の人格を貶める。

決して対等な関係では起きない。

雇用・被雇用が、支配・被支配という権力関係に陥らない職場は心地よい。

院長とスタッフの関係は、患者との関係にも影響する。

治療をする側・受ける側が、お互いに信頼し尊重しあい、真に対等な関係を築くことができるか?

職種や立場、性別や年齢を超えての人権意識が、不幸な結果を避ける道である。

アリス・ミラーはヒトラーやナチス指導者の養育過程を丹念に調べ、教育に潜む問題を提起した。

子どもらしい感情を抹殺する家庭での厳しい躾が、ナチスへの熱狂的な支持の基盤となったという。

加害者と被害者が惹かれあうモラハラという言葉で、輪郭が一層明らかになる。

加害者は権力欲、自己中心性が強く、ある種の才能や魅力があり、弁舌に長け、一見カッコよく、人々を惹きつけ、

指導者に相応しく感じる。

一般的に日本人は幼少時から上下関係に敏感で、多くの日本人はモラハラをすることも受けることも当然と感じる。

うまく擦り抜ける術を心得た人が、学校や社会で生き残っていく。

年間三万人の自殺者の背景に、モラハラが見逃されているのではないか。

さて、障害にわたり健康な歯を保つには、自分にあったよい歯科医院を見つけることが望ましい。

適当なマッチングは歯科医院に限らず良い関係の基礎である。

配偶者同様、歯医者も慎重に真剣に選び、誠実に関わってほしい。

戦争指導者が自衛のためと国民を鼓舞するように、加害者は「我こそが被害者」と言い募る。

従順を強いられた人は強者に与しがちである。

暴力の仕組み、権力の構図を見抜くには知恵を勇気が要る。

環状島の図解は秀逸である。何も知らない善意の加害者にならないために、弱者への共感をベースに、

一人ひとりの人権を尊重していきたい。

お互いが自由な意思で結びつく、真に民主的なモラハラのない社会を目指したい。

参考図書

「モラルハラスメント 人を傷つけずにはいられない」

「魂の殺人 親は子どもに何をしたか」

「環状島 トラウマの地政学」

「対等な関係」って、いつも思いますが、とても心地よいですね。

 

 

 


ありがたいことに忘れてくれる・・・

2012-04-18 21:23:59 | 子育ての知恵

今日は、ひだまりが開業すぐのころから2か月の予防接種に来てくれている赤ちゃんが二人きてくれました。

10か月健診で、あのちっちゃい赤ちゃんが!と頼もしい成長ぶりでした。

本当に赤ちゃんの成長のスピードはすごい!

しっかり個性もできてきて、自我もできて、体力とともに知力も必要な子育て突入の予感です。

ひだまりタイム(児童館のコーナー)もありました。

今日からは、午前中になりました。

今まで午後一番でしたが、お昼寝どきになってしまってぐずってしまうので変更した初日でした。

夜におっぱいが増えてしまって・・・という定番の話やら、腸重積の説明、やっぱりポリオの話題・・・

「最近、注意していたのだけどお菓子の味を知ってしまってごはんを食べずに泣いてほしがって」という1歳7か月のお子さんの悩みが出ました。

ひだまりクラスでも、小児医療講座でも話題にする

「のぞましい日常生活とは・・・」の内容にもあるのです。

「母親のゆるぎない態度」という項目があります。

お母さんが泣いたら折れてくれると思ったら、すごい主張を子どもはしてきます。

いろいろな決まり事はそれぞれの家庭での基準があると思いますが、お母さんの気持ちは子どもに伝わります。

基準は、できたらお父さんとは一致させておくのがいいですね。

1歳半くらいになると、このお母さんと子どもの攻防が激しくなり、知力が必要な場面が多くなります。

言葉がわかってくるので、わかるように基準を伝えること。

お母さんが基準を守る決意をしっかりもってること。大げさな書き方ですが。

お母さんの気持ちは子どもにはちゃんと伝わってしまうのです。

だから、泣いたら折れてくれると思ったら必死で泣いたりかんしゃくをおこしたり・・・激しい抵抗をします。

たとえば、お菓子の箱の場所がわかっていて、その前で泣いて、結局子どもの要求が通ることが多くなってしまうというようなとき。

まずは、その悪習慣をリセットするのに、子どもにわかりやすいように、基準を伝えます。

「この時間にこれだけのものだけあげるね。ごはんの時間はごはんだけ、ちゃんと食べないとおやつはだめ。」と。

そして、どうしてなのか、もわかるように伝えるといいと思います。

そして、箱を空っぽにするとか、お菓子の箱を撤去するとかします。

そのくらいの時期の子は、二三日もすれば、お菓子がそこにあったことをありがたいことに忘れてくれるのです。

とっても好きだったおっぱいですら、ありがたいことに忘れてくれる。

子どもは前向きだから、でしょうか・・・。

常に未来を向いている、それが子どもの成長を支えている、そういうことなんだろうなぁ…って思います。

歯磨きも、薬も、注射も、お菓子やジュースが決まったときに決まっただけしかだめなのも、おうちに帰る時間があるのも、

日々の決まりがあり、それを守るのが日常だと、子どもだけでなく、お母さんもストレスが減ります。

この子にこれが大事だと納得できることを、母親が子どもに示して、ゆるぎない態度で伝えていくことは、

この時期以降、とても大事なことだと思います。

でも、例外もあるでしょう。

おじいちゃんやおばあちゃんのおうちで、とか。

とても特別に頑張ったご褒美として、とか。

それをどの程度のことを多めに見るのかもそれぞれでしょうね。

一人目と二人目で少し変わってくるなんてこともあるかもしれません。それはそれでいいんだと思います。

 

 


歯磨きをいやがるとき

2011-01-20 00:14:25 | 子育ての知恵

昨日のひだまりサロンでいらっしゃった歯科小児健診専門医の岡田先生にうかがったこと。

子どもがはみがきをいやがる、どうしたらいいでしょう?の質問に対して。

私も経験があっていくつかアドバイスすることがあります。

この答えはなるべくたくさんほしいので、健診に見えるお母さんに歯科医師や歯科助手さんがいらしたら、すかさず質問してしまいます。

その答えも合わせて私が日頃アドバイスすることは・・・

 楽しい雰囲気で、歌、やビデオをつかって。

 真似したい心理を利用する。興味を持ったら早めに親がしていることを見せて真似ごとでもやらせてあげる。棒状のものを自分でもって口にいれるので、親の監視下で。

 ぬいぐるみにやったらそのあとっでしようねと持っていく。ママのをやらせたげて、そのあとでね、とか。

 まだ歯がはえてなくても、奥歯の方にものを入れられることに慣れるために歯茎を指でマッサージ。

 いろいろ工夫してもだめなとき。どんなに泣いても、必要なことという親の態度には折れるので、親のゆるぎない態度も大事。泣かせながらの内服を看護師さんは驚くほど上手にするのと同じで、必要なことだからやるんだよと一貫していればわかるはず。泣いたらゆるしてもらえる対応のときもあると必死で抵抗するので気を付けて。

などをお話しするのですが・・・

それ以外に何かありますか?と先生にうかがったら、その答えに一同、えーーーー

いろんな表情でのどよめきが・・・

その答えというのは、

「パパとママで磨きあいっこするのを見せてあげる」

でした!!!

私の表情はの混合・・・かな?

私には、その方法、はっきり言って無理です

将来、介護しあう仲になるかも、ともおっしゃってました。

でも、磨きあいっこができるパパママはとっても素敵。

楽しそうな二人にに子どもが入りたがるのは当然の流れになりそう。

一緒にやって~中にいれて~と寄ってきそう。

はい!仲良しのパパママはとっても子育てにいいことはわかっています。

こういうことが難なくできるカップルは素敵ですね。

と、夫婦の仲の話題になりそうでした。