欲しいドラムセット

この頃、また病気が出てきて困ってる。
持っていないタイプのドラムセットが欲しいなと思うようになってきた。
そういう感情って、実は心のうちに潜めておかないと大変なことになりがちなので、ずっと考えないようにしてた
いざ買うとなれば、オレの小遣いどころじゃ済まないお金が必要だし、だいいち置く場所もないし。。。
で、たまにカタログなどを開いて、「こんなドラムいいな～、いつか欲しいな～」みたいな感じであくまで夢物語として現実逃避の材料にしていたりするんだな。
ま、言ったら昼間の辛い仕事の息抜きですよ。。。
それはともかく、オレ、ドラム関係のカタログ大好き。
何年も楽器屋さんにドラムの講師としてお世話になってるじゃん。
だから、新しいカタログが出たりすると大喜びで手にしてね、いそいそと貰って教室の待合室のテーブルに置いとくんだ。
もちろん自分も空き時間にペラペラとめくってはニンマリするけれど、それより生徒さんが待ち時間にカタログを見て夢を膨らませてほしいと思ってね。
オレなんか、高校生の頃の学校帰りに浜松のヤマハ鍛治町店（当時は日楽って呼んでた）に寄って、カタログをもらって穴のあくほど眺めてたもん。
今の子供たちって恵まれてるし、周りにも物が溢れていて、いくら貧乏だっていっても昔ほど貧しくないから、オレの頃の感覚とは全然違うと思うね。
昔、ステレオもなけりゃピアノもない、とにかく家に音楽っぽいもののかけらもないところで、ドラムを買いたいって言ったら親は聞こえないフリをするしかなかったもんね。
でも、白黒テレビからカラーテレビになって、やっとステレオがうちにやってきて、ＦＭラジオが聞けるようになって、オレがベンチャーズやビートルズから、そしてキャロルに夢中になるんだ。
ユウ岡崎さんみたいにドラムが叩きたくて真似をしてた。
自分じゃ買うことなんかできないから、一番欲しいセットをノートに書いて、シンバルやらスネアやらハードウェアの総額を計算して、ため息をついてた。
あの頃、バイトして初めて買ったジルジャンのハイハット・ニュービート14インチの値段はセットで３万２千円だった。
お金を払う時には手が震えたよ。
その後、浜松に「丸井」って分割支払い専門のデパートがあったころ、そこでパールのジュピターってスネアをローンを組んで買った。
高校生の分際で、どうやってローンを組んだのか覚えてないけど、とにかく５万５千円（５万８千円だったかも？）のスネアを一文もまけなしで10回払いで買った。
で、ちゃんと払った。
中華料理屋でバイトしてたんだ。
フルセット、夢のドラムを自分で買うには30年ぐらいかかるように思ったね。
あれから、それこそ30年以上たって、いまだにカタログ見て夢のドラムを欲しがってる。
でも、やっぱりまだ買えてない。。。く～。