超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

超・月夜

2015-10-01 18:09:09 | 出来事
今年は「中秋の名月」から「スーパームーン」のリレーが見られるとニュースで聞いた。スーパームーンという言葉はどうもここ最近聞き始めたような気がするが、要は「いつもよりも大きくて明るい満月」ということだ。軌道の関係で月が地球に一番接近する時に満月となる9/28は今年一番大きな月を見ることができるという。一方お月見をする「中秋の名月」はその前日の9/27。旧暦で「秋の真ん中=中秋」の月をいうそうで、必ずしも満月になるとは限らないそうだ。関連サイトによると昔から「秋は月を見るのによい季節」とされてきたようである。月の見える位置が他の季節と比べて低すぎず高すぎずちょうどよく、かつ秋の空気は澄み渡っているから月がキレイに見えるという理由からだそうだ。実は花見に比べて月見はあまり経験がないのでたまたま日曜だった27日は準備しようかと思ったが、残念ながら夜になると空が雲に覆われてしまった。翌日、会社帰りにいつものスポーツジムに寄ってからの帰路で西の空に大きな黄色い月が浮かんでいた。

満月というのは上ってくるのが比較的夜になってからなので、帰宅してから新装備の超兵器群を庭に繰り出して20cm主砲を、肉眼でもいつもより大きく見える満月に向けた。実はせっかくの天体望遠鏡でも満月というものは、あまり面白くない観察対象だ。月のクレーターや凸凹具合はちょうど影になっているところではっきり観察できるので、まん丸のお月様ではのっぺりとして白黒模様しか見えないのである。どこに望遠鏡を置いても見えるのだが、私は面倒くさがらずに所定の場所にセットして北極星を使って極軸をアラインメントした。庭のウッドデッキは所々腐食が進んでいる
ようで、危険個所を避けてそーっと歩かないと踏み抜いて大参事になってしまう。。。自動導入・追尾装置をON(なんてことしなくてもいいんだが)にすると「ぶぅうぃーん」という音がして望遠鏡が回転し始め、その大きな姿を捉えた。

焦点距離は約2000mm、そんなに高くない倍率で見てもちょうど視野一杯に広がって見える。明るさもかなりのもので、じーっと見ていると眩しいくらいだ。このところ夜は曇り空ばかりだったが、さすがに秋の空は澄んで気流も安定しているようで、新装備のシュミットカセグレン方式天体望遠鏡は見事なスーパームーンを視野に映し出していた。「見てみな。結構でかいし、明るいぞ」妻が接眼レンズを覗くと
「おー、こりゃーすごいねー」とスマホを持ってきて撮影しようとしていた。実は光軸を合わせるとちゃんと撮れるらしいのだが、専用のアダプターで固定しないとフリーハンドでは中々撮れない。月は東の空に結構高くまで上っていて、ニュースで見たような赤い、又は黄色い色よりは白光に近い輝きとなっていた。確かに素晴らしく明るく大きく、雲一つない天気なのに周囲には星ひとつ見えない。天体観察において、月というのはそのものを観察する以外は全くの疫病神であの明るさのために淡い星はすべて空から消え去ってしまうのである。

私は超兵器203号を取り出すと望遠鏡の接岸レンズを外し専用のアダプターによって望遠鏡C8号に装着しようとした。「アダプター調整ねじが何か弛んでるなー。精密ドライバーってどこにあったっけ?」普段家で使う工具類はセットになって決まったところにあるのだが、めったに使わない専用工具は一旦見失うと探し出すのは困難である。前準備の大事さが改めて身に染みた・・・どうしても見当たらないので仕方がないから爪楊枝でぐりぐり回し、がたがた言わない程度に固定できると203号のボディを「かちん」と装着した。これで約2000mmの超望遠レンズで撮影することとなる。月面自体は十分明るく、そのまま通常の屋外で撮影するようなシャッタースピードだと真っ白になってしまう。大体1/600秒か1/800秒くらいのところがうまく模様が写り込むようだ。ただ凹凸の分かりにくい形状のためにピントのドンピシャ位置がよく分からず、何枚か動かしてPC画面で確認するしかなかった。40年前の旧型だったら600mmなので全面が視野に入ったのだが今回は月が大きいこともあって、画面に完全に収まり切らず両サイドがちょん切れてしまった。。。(2枚の写真はシャッタースピードが異なる)

    

家の内外を言ったり来たりしている間にあちこち蚊に刺され・・・そうこうしているうちに肝心のスーパームーンが雲に囲まれてきてしまった。望遠鏡を早々と片付け、グラス(中身は「氷結」)を片手にぼーっと月を眺めていると不思議なシーンを見た。肉眼でもいつもより大きく明るいのが分かるスーパームーンだが、あまりも明る過ぎるのか薄い雲の集団が海側からやってきても「雲が月の後ろ側を通り過ぎる」ように見えるのである。「あれーっ?そんなわけないよな」むろん普段は薄い雲であっても月の前を通り過ぎ、少し暗くなったりするものなのだが、今回は明るさが変わらないからか、月が雲よりも手前にあるように見えるのである。ただ残念ながらしばらくすると本格的に分厚い雲が接近しさすがのスーパームーンも姿は見え隠れするようになった。屋内で撮影した画像をPCで拡大してみたのだが、どれもレンズで見るようなシャープなものではなく何となくシマリがない。オリオン大星雲のような淡い天体の時も散々苦労したが「(中々難しいものだなー。こんなんじゃあまり話題にゃならんな)」と思いつつも某SNSサイトに投稿してみた。

スーパームーンを取り上げて投稿した知人もたくさんあるようだったが、あまり期待していなかった私の投稿にも反応してくれた人が結構いた。それが月そのものの画像よりも「月の模様が何に見えるか?」という話題なのが面白かった。突破口を開いたのは我らが小夏師匠である。昔ながらの言い方なら「うさぎ」なのだが「プードル」に見えるとおっしゃるのである。なるほどさすが師匠、影の部分のくびれが体毛をお洒落に刈り込んだプードルに見えてくる。なるほど「うさぎ」の他にも色々なものに見えてくるんだな。しばらく画像を見つめていると「うさぎ」の耳の部分がマイナーな「はさみむし」の尻尾(つまりハサミの部分)に見えてきた。そういう投稿をしたら今度は「この月の明かりでパワーストーンを浄化するとよい」とコメントしてくれた女子がいたので、早速ソウルプチ旅行の時に妻とお揃いで買ったパワーストーンのブレスレットを庭のテーブルに置いてみた。また別の女子はスーパームーンをグラスに写し出してぐいっと飲み干すと月のパワーをもらえるようだと言ってきて、慌てて焼酎グラスをもって庭先に出たが、残念ながら厚い雲に覆われてその姿は見えなくなってしまっていた。

すると別の女子が「グドンじゃないか?」と言ってきた。(ちなみにグドンは「帰ってきたウルトラマン」に登場する地底怪獣である。)うーむ。。。怪獣酒場に集合したほどウルトラ怪獣には詳しい彼女だが、あの模様が「グドン」とは私にも発想できなかった。「うさぎ」の耳の部分がグドンの頭にある2本のツノにあたり、「どうも、こんにちは」しているように見えるのだ。ちなみに画像を見ると分かるが、グドンの手はムチのよにしなるのだ。他の人も「うーん、なんとなくグドンに見える気がする」と言ってきた中で、くだんの女子は「間違えた。グドンじゃなくてツインテールだった」とかましてきた。ツインテールは怪獣酒場でも登場したエビの味がするグドンの常食である。(そう言えば・・・・今度は「うさぎ」の耳の部分が逆立ちスタイルのツインテールの尻尾に見えてくるから不思議だ。本人は怪獣の名前を間違えたと思ったらしいが、間違いなくグドンにもツインテールにも見える。月の模様って人によって色々なものに見えるようで実に面白い。かなり無理があるが、私には画像の左半分がウルトラマンが変身して登場した姿に見えるのである。左端が高らかに上に伸ばした右手、その右隣に顔があって、左手は肩の上で折り曲げている。さて皆さんは満月の模様、何に見えますか?

ちなみにスーパームーンの日から2日(翌日は曇って撮れなかった)たつと大きさがどう変わるか、ほぼ同じ条件で撮影してみた。クレーター部分を入れるために真ん中からは外してしまったが、気持ち小さくなっているような気がする。

  


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2015-10-04 21:28:32
師匠、こんばんは!

あはははー、ウルトラマンに見えてきましたー
これも師匠の大迫力写真のおかげですよ~!私のじゃここまで楽しめませんもの^^
某所にいきなりスイマセンでした。
月の右の凸凹、何度見てもたまりません

ところで、プードルはクマの顔したハロウィンカボチャと向き合っている~(90度傾いています^^)

ウッドデッキ、腐食始まっちゃいましたか!?人ごとに思えません~。

北の大地の巨大空港に帰りに初めて足を踏み入れました。人混みにビックリ!
「師匠~このような中でラーメン攻めをしていらしたのですか~」と思わずテレパシー

そうそう、ニラがお花終って種になってきましたね

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Unknown (磯辺太郎)
2015-10-05 07:02:56
小夏様

月の模様って人によって色々なモノに見えるから不思議ですねえ。ウルトラマンなんて最初思い付きもしませんでしたが、その気になると見えてくるもんです。
昨日撮った時は半月に近かったので、凸凹がもっとたくさん見えましたよ。近日公開しようかな(というほどの出来栄えじゃない?!)

なるほど、90度傾いたハロウィンかぼちゃ・・。ツインテールの尻尾の部分でしょうか。そうするとプードルはその左側で横を向いている。。。

ウッドデッキは何か所か腐食して足を踏み抜いてしまいそうなところができちゃいました。いずれ修理しなければ・・・

おーっ、師匠は北の国にいらしたのですか!それは素晴らしい。「けやき」「白樺山荘」「一幻」・・・懐かしい~。(そんな昔ではないのに)

我が家に生える、三河のニラ、まだまだ花がいっぱいで蝶や虫がたくさんつついてます。
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