我が職場に配属されたルーキーズはグッチーやJUNちゃんが仕掛けた「やる気DAS」という若手のコミュニティで色々な活動をすることは前述した。小学校のように1年生から6年生くらいまで、学年の人数は数人だが全部で40人くらいになる。いわゆる職場で行う業務改善のように「お堅い」ものだけではなく、「自慢話」や「青年の主張」みたいなものでもよく、皆の前で時間内に発表すれば「自由に表現してよい」ことにしている。最近は来年入社のルーキーズ向けの職場紹介VTRや爆笑コントのようなものまで取扱範囲が拡大し、「いよいよ「何でもあり」になってきた。時間や場所の関係上やむを得ず「書類審査」のようなものがあって選抜されてくるが、本来なら全部のパフォーマンスを拝見したいところだ。それぞれの発表が終わると、全員で投票し「一番良かった」作品?を選んで「やる気DASカップ」として表彰する。
以前からいた人もあるが、私が赴任してからルーキーズを迎えるのは今年で3回目になる。何度かこのサイトでも取り上げたが、私は会社員になって20年以上たっても入社2年目以外に職場に「新入社員」なる存在があったことがなかった。紺黒のスーツにイマイチ似合わないネクタイ、やたらに細いパンツにつま先上がりのシューズを履いて「まだ、何も分かりませんが・・・」というスタイルは、はるか昔に忘れてしまった「未知の生物」だった。驚くべきはその「生物」が1年で成長する様である。いつの間にか「ずーっと前からいた人」のようにバリバリ仕事をし出す。人間の一生で一番成長が速いのは生まれてすぐだという。この法則は何をやっても適用され、新しいことを始める「最初の1年が最も成長する」ということが如実に分かる。元々今の若者は企画力抜群だから、「あーしろ、こーしろ」言わなくても「面白いこと」はどんどんやってしまう。彼らの面倒見など正直私に出番はないのだが、彼らの輝くばかりのルーキーぶりを見ていると何かにつけてちょっかい出したくなるものだ。
そして一番感心したのは「誰にも言われなくても」次に来る人のために最大限のサポートをしてあげようとすることだ。「ルーキーズ」という肩書きが外れてしまうとすぐに、ネクストルーキーズのためにこの土地、職場、情報収集の仕方、心構えなど・・・ひょんなことからそのコンテンツを教えてもらったのだが、実によくできていて、こんな教材を使ってオリエンテーションしてもらえるルーキーズは幸せだと思った。その中に「幹部の出身地、趣味等を知る」というのがあって、ドキリとした。(彼らにとっては私たちも幹部になるようなのだ)
や、やべえ・・・もう少しポイント稼ぎしておけば良かった。恐る恐るのぞいてみると・・・「サーフィンが趣味。ウルトラマンが好き。湘南から通勤。若手フットサルにも参加」ふーっ、よかったぁ。元々あまり接点がないから、「人には言えないような与太話の数々」は知られていないらしい。
さて諸般の事情によりこの「やる気DAS教室」に参加するのはこれが最後になるだろうと思われた。今回はディスカッション形式でメンバは入社3〜5年目となる「そろそろ卒業していくであろう」人たちである。これを2グループにしてそれぞれテーマを選んでもらい、1時間ほどディスカッションしてその内容をまとめて発表するのだが、「話し合うテーブルのまん前に我々PTAがどっかり座り、もう一つのグループが横で聞き耳を立てる」という新手の採用試験のような「実にやりにくい」スタイルをJUNちゃんが仕掛けた。
一つ目のグループが選んだテーマは「やる気DAS施策のベテランへの展開」
職人芸のようにだんだん枯渇してしまう「技術」を承継するために「私塾」を設けるような話は我々のアイディアにあったが、彼らが編み出したのは「普段あまり表にでない『すごい人』を推薦して『時の人』のように賞賛し、それをリレー方式で「笑っていいとも」のように輪をつないでいく」というものだ。彼らが言うには「普段黙々と仕事をしている人でもすごく腕のある人、デキる人は多いがそういう人に限って表舞台に出たり、自分をアピールすることが苦手ということが多いらしいのだ。そういう人を取り上げて、またその人に別の人を推薦してもらって・・・その連鎖を繰り返すことによって皆が「やる気をDAS」という面白い発想である。むろん、ディスカッションで終わるわけはなく、この方向はJUNちゃんが実現させていくことになる。
もう一つのグループが選んだテーマは他県に誇れる我が方の魅力・アピールポイントである。こちらの方が色々話が出て盛り上がると見ていたら、意外にも迷走苦戦していた。「住む土地」としての県を対象にすればいいのに、「この県で働く我が社の社員」を対象にしてしまったからである。我が方の特性はというと「人が好き」「楽しいことが好き」「何事も協力的」などという「実に発表しにくい」論点に向かってしまったようだ。(こりゃー、苦戦しそうだねー)私は隣りにいたグッチーに囁いた。手持ち無沙汰になった私は(アピールポイントねえ・・・)手持ちの紙に色々メモを書き始めた。
「味が濃い」「とにかくボリュームで勝負」「単品で満足しない(汁物がうどんとか)」「トッピングにゲテモノが多い」「場末のお店のほうが美味しい」「お年寄がもの凄い量を食べる」・・・・なーんか食べ物の特性ばかりだなー。。。。
最後に講評というか一言言わせてもらう時間があった。普段は適当に思いついたことを並べるだけなのだが、たぶんこういう機会はもうないだろうから、このときだけは最初から話すことは決めていた。「いつもの話」である。
「最後かもしれませんので、少しだけお話をさせてもらいます。ルーキーズに講話する時はよくする話なんですが、3〜5年生の皆さんは聞いたことがないかもしれません。一部はメールで送ったことはあったかな。本来はこういう場はグッチーが仕掛け人で私などお呼びじゃないんですが、初めてルーキーズというものに接触してから(半分興味本位ですが)せっかくだから何か若手の人に伝えたいことないかなー、と思ったのもあってこういう機会を作ってもらいました,
いつも話しているのは「捨てて欲しいものが3つ、手に入れて欲しいものが3つ」というものでした。とある私の師匠からの受け売りなんですが、「まずは捨てなければ手が空かないからそちらが先」と言ってきました。しかしこれから未来を造る人に「捨てる」というのはちょっとネガティブな印象があるので、最近は少しアップグレードしたんです。
まず一つ目は「更地になること」。これまでは「今まで(学生時代に)身に付けて来た武器は正直あまり役に立たないから捨てて」ということでした。これは3年以上過ごした皆さんは経験的に理解できるでしょう。どこで何をしても最初の1年が一番「伸び」ます。それは更地からのスタートだからです。むろん耕したり肥料を蒔いたり、そこそこのモノが獲れる土壌は作られたでしょう。しかし、あまり詳しくはありませんが、米を収穫してきた田んぼからすぐには麦は獲れません。一旦リセットする勇気がいります。そしてその方が長い目で見ると「伸びシロ」が大きいように思います。まあ、サボッて何もしない土壌でも「にら」がたくさん獲れることはあるんですから、あまりこだわらないことです。
次は「仕事はオーバーアチーブするものだ」ということ。労働とその報酬のような「消費者マインドを捨てて」と言ってきました。別にタダ働きとかサービス残業しろ、というわけじゃありませんよ。自分の役割が10だったら10.5とか11とか少しだけオーバーアチーブしておく。その遊び分が仕事を円滑にし、自分の人脈やスキルになって巡り巡って帰ってくるものです。確かに「10しかやらない人」「9しかできない人」もいますよ。「何で『あの人』と同じ給料?」って思う時も正直あるでしょう。しかしそこは「まるーっ」と受け入れ「まー、面倒みてやるか」みたいな「ほんわか」とした懐の深い企業の方が、「キミはノルマをクリアしていないので明日から来なくてよろしい」とする会社よりは長く存続します。中々個人ベースで作れるものじゃありませんが、幸い我が社にはそういう企業文化があると思っています。
最後は「外部からの自分の評価をもっと信頼する」です。適性・適職という考え方が幻想よー。と言ってきたと思います。先日全社で販売成果の素晴らしい人に送られるアワード式典があって、草野仁さんが記念講演されていました。彼は「取材記者に強く憧れて」NHKを受けたそうです。それが内定通知は「アナウンス部」だった。最初は間違いかと思って電話をしたら(普通そんなことしませんが)、通知の通りだと念を押されてしまった。16人採用されてそのうち半分は同じように希望して内定をもらったのではなく、狐につままれた顔をして研修を受けに行ったそうです。しかしその後数十年で色んなことを経験し、NHKの看板アナウンサーになってフリーとなり、司会その他タレントとして幅広く活動するようになれた今から振り返ると、最初にNHKさんに「自分の気が付かなかった可能性を見出してもらった」と語りました。自分で希望や向き・不向きを自己分析することはよいが、他人から見た評価は自分は気が付かない「モノ」を開花させる可能性がたくさんある。むしろ私はこちらの方が自己分析よりも頼りになると思っています。むろん「他人任せ」ではいけませんがね。
一方、手に入れて欲しいもの、今年のスローガンでもある「試しにやってみる」「ついでにやってみる」「せっかくだからやってみる」は私の3年間の集大成みたいなものだと思っています。
最初の「試しにやってみる」は我が社は伝統的に下手です。規模も社会的責任も大きいから「いい加減なことができない」のもあります。我々が入社したときも「失敗を恐れずにまず行動」と言われたんですよ。でもいざチャレンジしようとしても中々形にならなかったのが正直な感想です。しかし今は少しずつ会社も機動力を蓄え「ぶっちゃけ私自身が『言い出せば』できちゃう職責になった」のが大きいんですが、それを指し引いても「誰かが何かを試しにやってみる」環境や雰囲気は格段に整備されつつあると思います。皆さんの出番ですよ。存分に知恵を発揮してくださいねー。
次のヤツは逆に我々の先輩達が得意としてきた分野です。現場での作業効率、生産性などを論じる時に「どこまでついでにやってくる」かが肝です。決して最短経路ではなかったでしょうが、長い年月をかけて「何と何をついでにやってくれば効率が上がるか・・・」積み重ねてきたことには学ぶことがたくさんありますので、ぜひ周囲の先輩をよく見てください。「ついでにやってみる」は先にお話しした「オーバーアチーブ」にも通じることかと思います。
そして皆さんが「手本とすべきであろう」先輩が須らく実行しているのが「せっかくだからやってみる」です。今後幅広く色々な職務に従事すると思います(最初は気を利かして今と関係あるところ)が、残念ながら「楽しい仕事」というのは無いです。でもよく見ると楽しそうに仕事をしている人はいるものです。そういう人は「せっかくこの職場に来たのだから」「せっかくこの地で仕事をするのだから」「せっかく『あの場所』へ行くのだから」・・・・ここを卒業しちゃう人には遅いんですけど、我々が出会ったのも何かの縁、ここで仕事をするのも何かの縁、「その時にしかできないことを」「せっかくだから」と逃さないようにしてください。
またどおかでお会いするかもしれませんが、卒業する人はどうか頑張ってくださいねー」
私はこの場でルーキーズを語るのは当分ないかもしれないが、未来を造るのは間違いなく若者である。1年生は3学期になったら新1年生をサポートする準備に勤しみ、新1年生は約1年後には先輩顔をして次の1年生に労を惜しまずに少ない経験を全力で伝える。彼ら自体は構造上まだまだ小さい勢力かもしれないが、何せ周囲には面倒見てあげたくて仕方がない「新入社員大好き!」のベテラン社員が山ほどひしめいているのだ。大した手間をかけなくても勝手に根を張り、成長・増殖していくまるで「にら」のような芽が着実に広がりつつある。この「やる気DAS教室」では私は彼らが苦心して作ったプレゼンテーションや企画PR、エンターティメントを眺めて何やら能書きをたれるだけだったが、今回だけは自らの手を動かした。「へーえ、あの磯辺さんがねー」と思われたであろうこの「贈り物」の製作には多分に妻の功績があるのだが、その話はまた今度。。。
以前からいた人もあるが、私が赴任してからルーキーズを迎えるのは今年で3回目になる。何度かこのサイトでも取り上げたが、私は会社員になって20年以上たっても入社2年目以外に職場に「新入社員」なる存在があったことがなかった。紺黒のスーツにイマイチ似合わないネクタイ、やたらに細いパンツにつま先上がりのシューズを履いて「まだ、何も分かりませんが・・・」というスタイルは、はるか昔に忘れてしまった「未知の生物」だった。驚くべきはその「生物」が1年で成長する様である。いつの間にか「ずーっと前からいた人」のようにバリバリ仕事をし出す。人間の一生で一番成長が速いのは生まれてすぐだという。この法則は何をやっても適用され、新しいことを始める「最初の1年が最も成長する」ということが如実に分かる。元々今の若者は企画力抜群だから、「あーしろ、こーしろ」言わなくても「面白いこと」はどんどんやってしまう。彼らの面倒見など正直私に出番はないのだが、彼らの輝くばかりのルーキーぶりを見ていると何かにつけてちょっかい出したくなるものだ。
そして一番感心したのは「誰にも言われなくても」次に来る人のために最大限のサポートをしてあげようとすることだ。「ルーキーズ」という肩書きが外れてしまうとすぐに、ネクストルーキーズのためにこの土地、職場、情報収集の仕方、心構えなど・・・ひょんなことからそのコンテンツを教えてもらったのだが、実によくできていて、こんな教材を使ってオリエンテーションしてもらえるルーキーズは幸せだと思った。その中に「幹部の出身地、趣味等を知る」というのがあって、ドキリとした。(彼らにとっては私たちも幹部になるようなのだ)
や、やべえ・・・もう少しポイント稼ぎしておけば良かった。恐る恐るのぞいてみると・・・「サーフィンが趣味。ウルトラマンが好き。湘南から通勤。若手フットサルにも参加」ふーっ、よかったぁ。元々あまり接点がないから、「人には言えないような与太話の数々」は知られていないらしい。
さて諸般の事情によりこの「やる気DAS教室」に参加するのはこれが最後になるだろうと思われた。今回はディスカッション形式でメンバは入社3〜5年目となる「そろそろ卒業していくであろう」人たちである。これを2グループにしてそれぞれテーマを選んでもらい、1時間ほどディスカッションしてその内容をまとめて発表するのだが、「話し合うテーブルのまん前に我々PTAがどっかり座り、もう一つのグループが横で聞き耳を立てる」という新手の採用試験のような「実にやりにくい」スタイルをJUNちゃんが仕掛けた。
一つ目のグループが選んだテーマは「やる気DAS施策のベテランへの展開」
職人芸のようにだんだん枯渇してしまう「技術」を承継するために「私塾」を設けるような話は我々のアイディアにあったが、彼らが編み出したのは「普段あまり表にでない『すごい人』を推薦して『時の人』のように賞賛し、それをリレー方式で「笑っていいとも」のように輪をつないでいく」というものだ。彼らが言うには「普段黙々と仕事をしている人でもすごく腕のある人、デキる人は多いがそういう人に限って表舞台に出たり、自分をアピールすることが苦手ということが多いらしいのだ。そういう人を取り上げて、またその人に別の人を推薦してもらって・・・その連鎖を繰り返すことによって皆が「やる気をDAS」という面白い発想である。むろん、ディスカッションで終わるわけはなく、この方向はJUNちゃんが実現させていくことになる。
もう一つのグループが選んだテーマは他県に誇れる我が方の魅力・アピールポイントである。こちらの方が色々話が出て盛り上がると見ていたら、意外にも迷走苦戦していた。「住む土地」としての県を対象にすればいいのに、「この県で働く我が社の社員」を対象にしてしまったからである。我が方の特性はというと「人が好き」「楽しいことが好き」「何事も協力的」などという「実に発表しにくい」論点に向かってしまったようだ。(こりゃー、苦戦しそうだねー)私は隣りにいたグッチーに囁いた。手持ち無沙汰になった私は(アピールポイントねえ・・・)手持ちの紙に色々メモを書き始めた。
「味が濃い」「とにかくボリュームで勝負」「単品で満足しない(汁物がうどんとか)」「トッピングにゲテモノが多い」「場末のお店のほうが美味しい」「お年寄がもの凄い量を食べる」・・・・なーんか食べ物の特性ばかりだなー。。。。
最後に講評というか一言言わせてもらう時間があった。普段は適当に思いついたことを並べるだけなのだが、たぶんこういう機会はもうないだろうから、このときだけは最初から話すことは決めていた。「いつもの話」である。
「最後かもしれませんので、少しだけお話をさせてもらいます。ルーキーズに講話する時はよくする話なんですが、3〜5年生の皆さんは聞いたことがないかもしれません。一部はメールで送ったことはあったかな。本来はこういう場はグッチーが仕掛け人で私などお呼びじゃないんですが、初めてルーキーズというものに接触してから(半分興味本位ですが)せっかくだから何か若手の人に伝えたいことないかなー、と思ったのもあってこういう機会を作ってもらいました,
いつも話しているのは「捨てて欲しいものが3つ、手に入れて欲しいものが3つ」というものでした。とある私の師匠からの受け売りなんですが、「まずは捨てなければ手が空かないからそちらが先」と言ってきました。しかしこれから未来を造る人に「捨てる」というのはちょっとネガティブな印象があるので、最近は少しアップグレードしたんです。
まず一つ目は「更地になること」。これまでは「今まで(学生時代に)身に付けて来た武器は正直あまり役に立たないから捨てて」ということでした。これは3年以上過ごした皆さんは経験的に理解できるでしょう。どこで何をしても最初の1年が一番「伸び」ます。それは更地からのスタートだからです。むろん耕したり肥料を蒔いたり、そこそこのモノが獲れる土壌は作られたでしょう。しかし、あまり詳しくはありませんが、米を収穫してきた田んぼからすぐには麦は獲れません。一旦リセットする勇気がいります。そしてその方が長い目で見ると「伸びシロ」が大きいように思います。まあ、サボッて何もしない土壌でも「にら」がたくさん獲れることはあるんですから、あまりこだわらないことです。
次は「仕事はオーバーアチーブするものだ」ということ。労働とその報酬のような「消費者マインドを捨てて」と言ってきました。別にタダ働きとかサービス残業しろ、というわけじゃありませんよ。自分の役割が10だったら10.5とか11とか少しだけオーバーアチーブしておく。その遊び分が仕事を円滑にし、自分の人脈やスキルになって巡り巡って帰ってくるものです。確かに「10しかやらない人」「9しかできない人」もいますよ。「何で『あの人』と同じ給料?」って思う時も正直あるでしょう。しかしそこは「まるーっ」と受け入れ「まー、面倒みてやるか」みたいな「ほんわか」とした懐の深い企業の方が、「キミはノルマをクリアしていないので明日から来なくてよろしい」とする会社よりは長く存続します。中々個人ベースで作れるものじゃありませんが、幸い我が社にはそういう企業文化があると思っています。
最後は「外部からの自分の評価をもっと信頼する」です。適性・適職という考え方が幻想よー。と言ってきたと思います。先日全社で販売成果の素晴らしい人に送られるアワード式典があって、草野仁さんが記念講演されていました。彼は「取材記者に強く憧れて」NHKを受けたそうです。それが内定通知は「アナウンス部」だった。最初は間違いかと思って電話をしたら(普通そんなことしませんが)、通知の通りだと念を押されてしまった。16人採用されてそのうち半分は同じように希望して内定をもらったのではなく、狐につままれた顔をして研修を受けに行ったそうです。しかしその後数十年で色んなことを経験し、NHKの看板アナウンサーになってフリーとなり、司会その他タレントとして幅広く活動するようになれた今から振り返ると、最初にNHKさんに「自分の気が付かなかった可能性を見出してもらった」と語りました。自分で希望や向き・不向きを自己分析することはよいが、他人から見た評価は自分は気が付かない「モノ」を開花させる可能性がたくさんある。むしろ私はこちらの方が自己分析よりも頼りになると思っています。むろん「他人任せ」ではいけませんがね。
一方、手に入れて欲しいもの、今年のスローガンでもある「試しにやってみる」「ついでにやってみる」「せっかくだからやってみる」は私の3年間の集大成みたいなものだと思っています。
最初の「試しにやってみる」は我が社は伝統的に下手です。規模も社会的責任も大きいから「いい加減なことができない」のもあります。我々が入社したときも「失敗を恐れずにまず行動」と言われたんですよ。でもいざチャレンジしようとしても中々形にならなかったのが正直な感想です。しかし今は少しずつ会社も機動力を蓄え「ぶっちゃけ私自身が『言い出せば』できちゃう職責になった」のが大きいんですが、それを指し引いても「誰かが何かを試しにやってみる」環境や雰囲気は格段に整備されつつあると思います。皆さんの出番ですよ。存分に知恵を発揮してくださいねー。
次のヤツは逆に我々の先輩達が得意としてきた分野です。現場での作業効率、生産性などを論じる時に「どこまでついでにやってくる」かが肝です。決して最短経路ではなかったでしょうが、長い年月をかけて「何と何をついでにやってくれば効率が上がるか・・・」積み重ねてきたことには学ぶことがたくさんありますので、ぜひ周囲の先輩をよく見てください。「ついでにやってみる」は先にお話しした「オーバーアチーブ」にも通じることかと思います。
そして皆さんが「手本とすべきであろう」先輩が須らく実行しているのが「せっかくだからやってみる」です。今後幅広く色々な職務に従事すると思います(最初は気を利かして今と関係あるところ)が、残念ながら「楽しい仕事」というのは無いです。でもよく見ると楽しそうに仕事をしている人はいるものです。そういう人は「せっかくこの職場に来たのだから」「せっかくこの地で仕事をするのだから」「せっかく『あの場所』へ行くのだから」・・・・ここを卒業しちゃう人には遅いんですけど、我々が出会ったのも何かの縁、ここで仕事をするのも何かの縁、「その時にしかできないことを」「せっかくだから」と逃さないようにしてください。
またどおかでお会いするかもしれませんが、卒業する人はどうか頑張ってくださいねー」
私はこの場でルーキーズを語るのは当分ないかもしれないが、未来を造るのは間違いなく若者である。1年生は3学期になったら新1年生をサポートする準備に勤しみ、新1年生は約1年後には先輩顔をして次の1年生に労を惜しまずに少ない経験を全力で伝える。彼ら自体は構造上まだまだ小さい勢力かもしれないが、何せ周囲には面倒見てあげたくて仕方がない「新入社員大好き!」のベテラン社員が山ほどひしめいているのだ。大した手間をかけなくても勝手に根を張り、成長・増殖していくまるで「にら」のような芽が着実に広がりつつある。この「やる気DAS教室」では私は彼らが苦心して作ったプレゼンテーションや企画PR、エンターティメントを眺めて何やら能書きをたれるだけだったが、今回だけは自らの手を動かした。「へーえ、あの磯辺さんがねー」と思われたであろうこの「贈り物」の製作には多分に妻の功績があるのだが、その話はまた今度。。。