誰にでもあまりツイてない日というのはあるものだ。
私は普段『マーフィの法則』を逆手に取る技法を用いることが多いので、滅多なことで「ドツボにはまる」ことはない。
(もしかして普通の人だったら絶不調なのに、そう受け取っていないだけなのかもしれないが)
トータルすると間違いなく「実に困った日」なんだが、ワンサイドゲームのように不幸ばかりは訪れず「人間万事塞翁が馬」的に幸不幸が繰返し現れる。
たまーにやってくる「困った日」はこの塞翁が馬スパイラルの不幸編ばかりが増幅し、結果としてドツボ領域となることが多い。
結構前になってしまったが、そんな日曜日があった。
その1,2週間は天気はよいものの全く波と言うものがなく、2時間浮いていてもいい感じで乗れるのは10本もいかなかったりした。
午後からは息子甘辛はサッカーの4級審判の講習に行くことになっていた。6時間の長丁場だ。JRの駅のすぐそばで自動車では生きにくい場所だから電車で行かせることにする。
今回は「そろそろ車の運転は止めようか・・・」と言っている実家の軽自動車を借りて朝早くから波止釣りに行くことにした。
毎週土曜日の午前中(TVK)と、日曜日の夕方(テレ東)で釣り番組をやっていて、いつも行きたくてウズウズしていたのだ。(あんなに大物がジャカスカ釣れるわけはないんだけど)
自分ちの車が無いと家のものが不便だから少し遠慮していたが、実家でもう車を使わぬというから借りてきたのだ。
朝4時半に起きていつものコースを西へ。前回(熱海保養所からの釣行)は丸坊主だったが、自己分析によると「この前釣れなかったのは朝早く行き過ぎて魚が寝ていたため。」今回は2時間ほど遅い開始時間になる計算だ。
1時間15分ほどで目的地の熱海マリンホールに到着する。時刻は6時半過ぎで太陽は昇っているが心地よく涼しく風もない気持ちのよい朝だ。
しかーし、テトラポットに乗り上げて唖然とした。。。すごい「赤潮」だ!1ヶ月ほど前も熱海港付近は広範囲で海が真赤に染まっていた。この時期、よく発生するのかな。
アオリイカのエギングをやってる人は何人かいるが、フカセ釣りをしている人はいない。どこも足元は不気味に赤い海だからだ。
「こりゃー、ダメかもしれないな。せっかくいい陽気なのに・・・」
しばらく風にあたっていると、突如潮が左から右に動きだし、沿岸の赤い海面はみるみる視界から消えて行った。
チャーンス!今日はツイてるかも。。。さっそく竿を出してテトラの先端へ降り立った。
30分ほど投げ込んでみたが、生命反応なし・・・海面の赤潮が無くなったくらいで、魚がいるわけではないのか。。。
っと思った瞬間、勢いよくウキが沈み込み竿が引っ張られた・・・んだけど、巨大な藻であった。
すげえ引きだ(1mくらいあったから当たり前か・・・)竿を操ってうまく外すと小さなピンクの魚が1匹かかっている。
こっ、これっていつも餌を秒殺してしまうピンク色の憎いヤツ(ネンブツダイ)じゃないか。。。釣人の敵に早くも遭遇だが、魚はいるらしい。
「不死身の同じネンブツダイがいつも食ってるんじゃないか?!」というほど同じ大きさ、同じ顔の魚に悩まされること1時間。。。ウキ下を長くしたら海中にまだ潜伏してたと思われる巨大藻にまたも引っ掛かりハリスがブチ切れた・・・
「もう、帰るか・・・」と一旦テトラを上ったが、そこでは足場が良いのでもう一度仕掛けを作ることは可能だ。ウキを大きくして遠投してみた。飽きっぽい私にしては粘り強い釣り方変更だ。
そのうちに手の平サイズのグレ(メジナ)が喰ってきた。妻には「逃がしてやれよー」と言われるサイズだが、1匹目は必ず持ち帰ることにしている。
そうこうしているうちに隣の釣り座に3人ほどが入ってきて、カゴ釣りを始めた。ははあ、沖合いのほうが釣れるのかな。
午前8時を回り、風が少しでて潮の動きが反転してきたあたりから、ビッグウェーブがやってきた。
徹マンやると必ず現れる「私のためのドリームゲーム」である。何をやっても思い通りになる。
20cmクラスのグレがガツガツ喰いだし、最大27cmを含めて入れ喰い状態!しかも釣れているのは私だけだ。。。
うーむ。釣人の「至高の時間」だ。他人が釣れないのを横目に自分ばかりバカスカ釣れて羨ましがられる。。。
隣の人たちはカゴ釣りからフカセ釣りに変更したようだが。
ハリのサイズを変え、タナを変え同じところに辛抱強く投げ入れて、この「入れ喰い」状態を作り上げたのだ。釣り方変えたくらいじゃ結果は変わらんぜ。
サイズは大きくないものの、ものの1時間余りで二桁を釣り上げ、意気揚揚と納竿の準備に入った。
この時間に出れば、甘辛を会場まで送ってやれるかもしれないな。車のオーナーである母親を入れても4人で食いきれないくらい釣れたし、今日はツイてるかも・・・
ズッシリ重たいクーラーボックスを肩にかけ、足取りも軽く駐車場まで戻ると驚くべき光景に出合った。
「あれれっ?タイヤが前後ともパンクしてるぞ!こんなことってあり得るのか?!」
うーむ。。。いたずらされたのか、単なる経年劣化か・・・ぐるぐる回って捜査するとたしかにタイヤはどれも同じように古くて劣化が激しい。。。
爆釣の反動がこんなところで出たのか?!1個ならスペアがあるが、2個だとどうにも身動き取れぬ。困ったなー。
しかも車は実家から借りてきたものだ。故障や事故のときにどこに連絡をすればよいのかすぐにはわからない。
JAFか保険会社か?私が自分で手配してやってるから電話してもわからないだろうな。
ダッシュボードの車検証を調べていたら幸い保険会社の連絡先カードが出てきた。
何度かテレビで見たことがあるロードサービスに電話をしてみた。丁寧だが少しトボけた担当者が電話口で色々話をしている。ロードサービスは家族限定だが適用はしてくれるらしい。
契約名義、車体名、車両番号、証券番号を読み上げて確認してもらった。
「お車のご契約は奥様名義なんですね」
「いや名義は私の母なんですが」
「たっ、大変失礼いたしました。保険は適用できますので」
「駐車場に置いておいたら、右側の前と後ろのタイヤがパンクしてたんです。いたずらされたかもしれません」
「いたずらされたようだとおっしゃいましたが、犯行時刻はいつ頃と推定できますでしょうか?」(刑事ドラマの鑑識みたいなことを言ってるな。死亡推定時刻ってか)
「6時から9時くらいの間だと思うんですがねー」
「なるほど。夜の6時から9時くらいの間に駐車場でやられたということですね」(この人、完全に「犯行」と思い込んでるぞ)
「今ですよ!今!朝から釣りに来て、6時からさっきまで駐車場に停めておいたんです」
「大変失礼いたしました。お出かけ先のトラブルなんですね」
「スペアが一つあるから、もう一つを応急に何とかしてくれれば自分で修理屋まで持って行こうと思います」
「残念ながら、事故や何らかの異常があって人が怪我をしているなどと事情がない限り、レッカーなどで『修理の可能な場所に移動していただく』ことしかできないんです」(まあ、やむを得ぬわな)
「結構です。タイヤが二つパンクでは身動きできないので、なるべく早く手配をお願いします」
「最後につかぬことを伺いますが、お車のタイヤやホイールは特殊なものではないでしょうか?また車高が低いとかいうことはありますか」
「んっ?大丈夫。これ以上ないくらいノーマルです」(ってこの車ダイハツ・ミラだよ・・・どうやって改造すんだよ)
丁寧にその近くでタイヤの交換ができる「ミスタータイヤマン」という店舗を教えてくれた。休日で手配拠点が限られているため1時間はかかるという。
まあ、どうしようもないからな。エサがないので釣りを再開するわけにも行かぬ。風が心地良いからベンチで横になって昼寝をはじめた。
ちょうど1時間たって大型の車載用トラックがやってきて・・・「お待たせしました!●●板金と言います。磯辺さんですね。困ったことにここに来る途中見たんですが、ミスタータイヤマン今日は休みなんですよ」
ガガーン!休みかよ・・・ガソリンスタンドでもいいけど、この大型トラック入れるスペースあるかなー。彷徨うことになってしまう。。。
「ちょっと遠いんですが、確実なところでオートバックスにしましょうか。伊東なんで20kmくらいあるんですけど・・・」
とほほ・・・まるっきり反対方向へ20kmか。。。でも彷徨ってもいられないしな。
運転手さんは気さくな人で、釣りの話、サーフィンの話、ロードサービスの話など色々話題には事欠かず思いもかけない休日の伊東ドライブとなった。
網代よりも南に来るのは何年振りだろう。サンハトヤが見えてきたぞ。昔懐かしいCMの通りだ。大漁苑や海底温泉ってまだあるのね。
伊豆高原が近くなって怪しげなネームの博物館の看板が目立ってきた。「ねこの博物館」なんてまだあったのか?!
その昔、カップルの「どこへ行っても幸せ」現象にかこつけて、「テディベア」だの「ねこ」だのに1000円も入館料取る博物館が伊豆高原には乱立していた。
「伊豆のがっかりもの」として結構人は入っていたと思うのだ。むろんリピーターはゼロのはずだけど・・・
私も「やられたクチ」ではあったが、さすがに長びく不況にさらせれ、さらにパワーアップしなければやっていけないのだろうか、新型ミュージアムが現れた。
その名を「怪しい少年少女博物館」という。。。。
レッカーの運転手さんに聞くと、自分も行ったことはないが(あたりまえか!)レトロや懐かしのフィギュア、グロテスクなグッズや変わったものを集めたミュージアムらしい。
うーむ・・・こうなりゃぜひ行ってみたかったが、さらに数十キロあるらしい。(ほとんど伊豆高原)時間的にはさすがに無理だったなー。
川奈まで南下してようやくオートバックス発見。車載用トラックは奥に入り、右側へ傾いでいるミラを下ろして函南へ帰って行った。
幸いにすぐにピットインすることができそうだったが、店員は一目見るなり「こりゃー、どれもだいぶ傷んでますねえ。4つとも取り替えたほうがいいですよ」
わかってるんだよ。そう来るのは・・・次にくるのは「このまま放っておくと高速でバースト」だろ?
でもこの車もう少ししか乗らないんだよ。。。
結局いくらかサービスしてもらって、4本とも取り替えることにした。うー、2万円の出費だ。
1匹2000円近くするメジナになってしまったが、老母が運転中もしくは出先でパンクに合ったときの困り度から考えれば「よし」とするか。。。
午後になって、東京方面に帰る車が混んできて、帰りはずいぶん3時半くらいになってしまった。
今晩は妻が出掛ける用事があるから、茅ケ崎の実家に車を返し、講習から帰ってくる息子を迎えに行きがてら一緒に夕食をとることになっている。
それまでに12枚の魚を下ろさなければならない・・・3人では食い切れないから1/3は刺身に、1/3はムニエル、残りは置いてきてやろう。。。。
あんまり慣れてはいないが、ようやく3枚に下ろせるようになったのだ。しかしここで2度目の悪夢がやってくる。。。
かなり時間をかけてしまうが、いつもは床やシンクなど念入りにチェックして掃除し、鱗1枚落ちていないように片付ける。
次から使用禁止になってしまうからである。シンクの排水溝にはネットを張ってそれごと捨てる。
その日も同様にしていたが、数が多いのでなかなか進まない上に、運搬時に包むキッチンタオルの買い置きがどこにあるのかわからない。。。
そのうち、息子甘辛から電話がかかってきてこれから帰ると言う。予定よりも1時間も早い・・・
慌てて周りの片付けと掃除を始めたが、なんとシンク排水溝のネットが半分外れていて、詰まってしまった!
洗い物をすればするほど、水面は上がってくるし、他に流すことができない。。。ゆっくり水が流れるのを待っていてはとても間に合わないから仕方がないので魚の残骸だけ片付けて実家に車を走らせた。
刺身に切るのと切り身をフライパンで焼くのは母親に頼んだが、さすが釣れたて!腹を空かせた息子があっと言う間に平らげる美味さであった。白身魚の弾力感がいつ食ってもうまい。
帰宅すると水は無くなっていたが、やはり詰まっているようで食器を洗おうとしてもすぐに溜まってしまう。。。
森末慎二のクラシアン呼ばなきゃだめかも・・・詰まった排水管の掃除のしかたなど知らないから、その日はそのままにして、翌日妻に頼るしかなかった。
翌朝、長ーい掃除用管みたいなものと詰まり洗剤を持ち出していたが、なかなかに解決しないらしい。
夕方、自宅からメールが届いて、「代金18000円」!帰宅すると息子甘辛は「父ちゃんよ、やってくれなー」
ついに魚下しは「禁止」になってしまった。。。
うーむ。1日で4万円もの損害だー。ついてねえ。。。こういうの昔、天中殺っていったよな・・・12年に1回か。。。
マーフィの法則を逆利用するだけでは、どうにもならぬ「ドツボ」の日というのはたまにあるものだ。
さて、不幸を「納税」した分、いつか還付を狙いたいところではあるが、ちょっとした事情でこの「超兵器シリーズ」は次回をもってしばらくお休みすることになりました。
更新再開は未定です。
私は普段『マーフィの法則』を逆手に取る技法を用いることが多いので、滅多なことで「ドツボにはまる」ことはない。
(もしかして普通の人だったら絶不調なのに、そう受け取っていないだけなのかもしれないが)
トータルすると間違いなく「実に困った日」なんだが、ワンサイドゲームのように不幸ばかりは訪れず「人間万事塞翁が馬」的に幸不幸が繰返し現れる。
たまーにやってくる「困った日」はこの塞翁が馬スパイラルの不幸編ばかりが増幅し、結果としてドツボ領域となることが多い。
結構前になってしまったが、そんな日曜日があった。
その1,2週間は天気はよいものの全く波と言うものがなく、2時間浮いていてもいい感じで乗れるのは10本もいかなかったりした。
午後からは息子甘辛はサッカーの4級審判の講習に行くことになっていた。6時間の長丁場だ。JRの駅のすぐそばで自動車では生きにくい場所だから電車で行かせることにする。
今回は「そろそろ車の運転は止めようか・・・」と言っている実家の軽自動車を借りて朝早くから波止釣りに行くことにした。
毎週土曜日の午前中(TVK)と、日曜日の夕方(テレ東)で釣り番組をやっていて、いつも行きたくてウズウズしていたのだ。(あんなに大物がジャカスカ釣れるわけはないんだけど)
自分ちの車が無いと家のものが不便だから少し遠慮していたが、実家でもう車を使わぬというから借りてきたのだ。
朝4時半に起きていつものコースを西へ。前回(熱海保養所からの釣行)は丸坊主だったが、自己分析によると「この前釣れなかったのは朝早く行き過ぎて魚が寝ていたため。」今回は2時間ほど遅い開始時間になる計算だ。
1時間15分ほどで目的地の熱海マリンホールに到着する。時刻は6時半過ぎで太陽は昇っているが心地よく涼しく風もない気持ちのよい朝だ。
しかーし、テトラポットに乗り上げて唖然とした。。。すごい「赤潮」だ!1ヶ月ほど前も熱海港付近は広範囲で海が真赤に染まっていた。この時期、よく発生するのかな。
アオリイカのエギングをやってる人は何人かいるが、フカセ釣りをしている人はいない。どこも足元は不気味に赤い海だからだ。
「こりゃー、ダメかもしれないな。せっかくいい陽気なのに・・・」
しばらく風にあたっていると、突如潮が左から右に動きだし、沿岸の赤い海面はみるみる視界から消えて行った。
チャーンス!今日はツイてるかも。。。さっそく竿を出してテトラの先端へ降り立った。
30分ほど投げ込んでみたが、生命反応なし・・・海面の赤潮が無くなったくらいで、魚がいるわけではないのか。。。
っと思った瞬間、勢いよくウキが沈み込み竿が引っ張られた・・・んだけど、巨大な藻であった。
すげえ引きだ(1mくらいあったから当たり前か・・・)竿を操ってうまく外すと小さなピンクの魚が1匹かかっている。
こっ、これっていつも餌を秒殺してしまうピンク色の憎いヤツ(ネンブツダイ)じゃないか。。。釣人の敵に早くも遭遇だが、魚はいるらしい。
「不死身の同じネンブツダイがいつも食ってるんじゃないか?!」というほど同じ大きさ、同じ顔の魚に悩まされること1時間。。。ウキ下を長くしたら海中にまだ潜伏してたと思われる巨大藻にまたも引っ掛かりハリスがブチ切れた・・・
「もう、帰るか・・・」と一旦テトラを上ったが、そこでは足場が良いのでもう一度仕掛けを作ることは可能だ。ウキを大きくして遠投してみた。飽きっぽい私にしては粘り強い釣り方変更だ。
そのうちに手の平サイズのグレ(メジナ)が喰ってきた。妻には「逃がしてやれよー」と言われるサイズだが、1匹目は必ず持ち帰ることにしている。
そうこうしているうちに隣の釣り座に3人ほどが入ってきて、カゴ釣りを始めた。ははあ、沖合いのほうが釣れるのかな。
午前8時を回り、風が少しでて潮の動きが反転してきたあたりから、ビッグウェーブがやってきた。
徹マンやると必ず現れる「私のためのドリームゲーム」である。何をやっても思い通りになる。
20cmクラスのグレがガツガツ喰いだし、最大27cmを含めて入れ喰い状態!しかも釣れているのは私だけだ。。。
うーむ。釣人の「至高の時間」だ。他人が釣れないのを横目に自分ばかりバカスカ釣れて羨ましがられる。。。
隣の人たちはカゴ釣りからフカセ釣りに変更したようだが。
ハリのサイズを変え、タナを変え同じところに辛抱強く投げ入れて、この「入れ喰い」状態を作り上げたのだ。釣り方変えたくらいじゃ結果は変わらんぜ。
サイズは大きくないものの、ものの1時間余りで二桁を釣り上げ、意気揚揚と納竿の準備に入った。
この時間に出れば、甘辛を会場まで送ってやれるかもしれないな。車のオーナーである母親を入れても4人で食いきれないくらい釣れたし、今日はツイてるかも・・・
ズッシリ重たいクーラーボックスを肩にかけ、足取りも軽く駐車場まで戻ると驚くべき光景に出合った。
「あれれっ?タイヤが前後ともパンクしてるぞ!こんなことってあり得るのか?!」
うーむ。。。いたずらされたのか、単なる経年劣化か・・・ぐるぐる回って捜査するとたしかにタイヤはどれも同じように古くて劣化が激しい。。。
爆釣の反動がこんなところで出たのか?!1個ならスペアがあるが、2個だとどうにも身動き取れぬ。困ったなー。
しかも車は実家から借りてきたものだ。故障や事故のときにどこに連絡をすればよいのかすぐにはわからない。
JAFか保険会社か?私が自分で手配してやってるから電話してもわからないだろうな。
ダッシュボードの車検証を調べていたら幸い保険会社の連絡先カードが出てきた。
何度かテレビで見たことがあるロードサービスに電話をしてみた。丁寧だが少しトボけた担当者が電話口で色々話をしている。ロードサービスは家族限定だが適用はしてくれるらしい。
契約名義、車体名、車両番号、証券番号を読み上げて確認してもらった。
「お車のご契約は奥様名義なんですね」
「いや名義は私の母なんですが」
「たっ、大変失礼いたしました。保険は適用できますので」
「駐車場に置いておいたら、右側の前と後ろのタイヤがパンクしてたんです。いたずらされたかもしれません」
「いたずらされたようだとおっしゃいましたが、犯行時刻はいつ頃と推定できますでしょうか?」(刑事ドラマの鑑識みたいなことを言ってるな。死亡推定時刻ってか)
「6時から9時くらいの間だと思うんですがねー」
「なるほど。夜の6時から9時くらいの間に駐車場でやられたということですね」(この人、完全に「犯行」と思い込んでるぞ)
「今ですよ!今!朝から釣りに来て、6時からさっきまで駐車場に停めておいたんです」
「大変失礼いたしました。お出かけ先のトラブルなんですね」
「スペアが一つあるから、もう一つを応急に何とかしてくれれば自分で修理屋まで持って行こうと思います」
「残念ながら、事故や何らかの異常があって人が怪我をしているなどと事情がない限り、レッカーなどで『修理の可能な場所に移動していただく』ことしかできないんです」(まあ、やむを得ぬわな)
「結構です。タイヤが二つパンクでは身動きできないので、なるべく早く手配をお願いします」
「最後につかぬことを伺いますが、お車のタイヤやホイールは特殊なものではないでしょうか?また車高が低いとかいうことはありますか」
「んっ?大丈夫。これ以上ないくらいノーマルです」(ってこの車ダイハツ・ミラだよ・・・どうやって改造すんだよ)
丁寧にその近くでタイヤの交換ができる「ミスタータイヤマン」という店舗を教えてくれた。休日で手配拠点が限られているため1時間はかかるという。
まあ、どうしようもないからな。エサがないので釣りを再開するわけにも行かぬ。風が心地良いからベンチで横になって昼寝をはじめた。
ちょうど1時間たって大型の車載用トラックがやってきて・・・「お待たせしました!●●板金と言います。磯辺さんですね。困ったことにここに来る途中見たんですが、ミスタータイヤマン今日は休みなんですよ」
ガガーン!休みかよ・・・ガソリンスタンドでもいいけど、この大型トラック入れるスペースあるかなー。彷徨うことになってしまう。。。
「ちょっと遠いんですが、確実なところでオートバックスにしましょうか。伊東なんで20kmくらいあるんですけど・・・」
とほほ・・・まるっきり反対方向へ20kmか。。。でも彷徨ってもいられないしな。
運転手さんは気さくな人で、釣りの話、サーフィンの話、ロードサービスの話など色々話題には事欠かず思いもかけない休日の伊東ドライブとなった。
網代よりも南に来るのは何年振りだろう。サンハトヤが見えてきたぞ。昔懐かしいCMの通りだ。大漁苑や海底温泉ってまだあるのね。
伊豆高原が近くなって怪しげなネームの博物館の看板が目立ってきた。「ねこの博物館」なんてまだあったのか?!
その昔、カップルの「どこへ行っても幸せ」現象にかこつけて、「テディベア」だの「ねこ」だのに1000円も入館料取る博物館が伊豆高原には乱立していた。
「伊豆のがっかりもの」として結構人は入っていたと思うのだ。むろんリピーターはゼロのはずだけど・・・
私も「やられたクチ」ではあったが、さすがに長びく不況にさらせれ、さらにパワーアップしなければやっていけないのだろうか、新型ミュージアムが現れた。
その名を「怪しい少年少女博物館」という。。。。
レッカーの運転手さんに聞くと、自分も行ったことはないが(あたりまえか!)レトロや懐かしのフィギュア、グロテスクなグッズや変わったものを集めたミュージアムらしい。
うーむ・・・こうなりゃぜひ行ってみたかったが、さらに数十キロあるらしい。(ほとんど伊豆高原)時間的にはさすがに無理だったなー。
川奈まで南下してようやくオートバックス発見。車載用トラックは奥に入り、右側へ傾いでいるミラを下ろして函南へ帰って行った。
幸いにすぐにピットインすることができそうだったが、店員は一目見るなり「こりゃー、どれもだいぶ傷んでますねえ。4つとも取り替えたほうがいいですよ」
わかってるんだよ。そう来るのは・・・次にくるのは「このまま放っておくと高速でバースト」だろ?
でもこの車もう少ししか乗らないんだよ。。。
結局いくらかサービスしてもらって、4本とも取り替えることにした。うー、2万円の出費だ。
1匹2000円近くするメジナになってしまったが、老母が運転中もしくは出先でパンクに合ったときの困り度から考えれば「よし」とするか。。。
午後になって、東京方面に帰る車が混んできて、帰りはずいぶん3時半くらいになってしまった。
今晩は妻が出掛ける用事があるから、茅ケ崎の実家に車を返し、講習から帰ってくる息子を迎えに行きがてら一緒に夕食をとることになっている。
それまでに12枚の魚を下ろさなければならない・・・3人では食い切れないから1/3は刺身に、1/3はムニエル、残りは置いてきてやろう。。。。
あんまり慣れてはいないが、ようやく3枚に下ろせるようになったのだ。しかしここで2度目の悪夢がやってくる。。。
かなり時間をかけてしまうが、いつもは床やシンクなど念入りにチェックして掃除し、鱗1枚落ちていないように片付ける。
次から使用禁止になってしまうからである。シンクの排水溝にはネットを張ってそれごと捨てる。
その日も同様にしていたが、数が多いのでなかなか進まない上に、運搬時に包むキッチンタオルの買い置きがどこにあるのかわからない。。。
そのうち、息子甘辛から電話がかかってきてこれから帰ると言う。予定よりも1時間も早い・・・
慌てて周りの片付けと掃除を始めたが、なんとシンク排水溝のネットが半分外れていて、詰まってしまった!
洗い物をすればするほど、水面は上がってくるし、他に流すことができない。。。ゆっくり水が流れるのを待っていてはとても間に合わないから仕方がないので魚の残骸だけ片付けて実家に車を走らせた。
刺身に切るのと切り身をフライパンで焼くのは母親に頼んだが、さすが釣れたて!腹を空かせた息子があっと言う間に平らげる美味さであった。白身魚の弾力感がいつ食ってもうまい。
帰宅すると水は無くなっていたが、やはり詰まっているようで食器を洗おうとしてもすぐに溜まってしまう。。。
森末慎二のクラシアン呼ばなきゃだめかも・・・詰まった排水管の掃除のしかたなど知らないから、その日はそのままにして、翌日妻に頼るしかなかった。
翌朝、長ーい掃除用管みたいなものと詰まり洗剤を持ち出していたが、なかなかに解決しないらしい。
夕方、自宅からメールが届いて、「代金18000円」!帰宅すると息子甘辛は「父ちゃんよ、やってくれなー」
ついに魚下しは「禁止」になってしまった。。。
うーむ。1日で4万円もの損害だー。ついてねえ。。。こういうの昔、天中殺っていったよな・・・12年に1回か。。。
マーフィの法則を逆利用するだけでは、どうにもならぬ「ドツボ」の日というのはたまにあるものだ。
さて、不幸を「納税」した分、いつか還付を狙いたいところではあるが、ちょっとした事情でこの「超兵器シリーズ」は次回をもってしばらくお休みすることになりました。
更新再開は未定です。