超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

チェジュ島を歩くⅡ‐後篇

2012-08-27 04:28:54 | 旅行お出かけ
過密スケジュールの済州島2日目、午後はいよいよ世界自然遺産のオンパレードだ。最初は「城山日出峰」(ソンサンイルチュルボン)である。海底噴火で忽然とあらわれた巨大な噴火口で、頂上の縁にはいくつもの小さな寄生火山が縁取り、王冠のようになっている。すり鉢の中は新緑の植物が繁茂し、上空からの眺望、そして島の東端なので日の出が絶景らしい。成田から航空機や船を使って何十時間もかけて訪れる秘境ではないが、こんな身近に自然の作り上げた奇跡があるとは驚きだ。SOUさんが途中で「ここからの遠景が綺麗なんですよ」と車を停めてくれた。天気が良かったこともあり、海の美しさも一際立った。

      

峰が海に突き出ており、その突き出た部分だけが緑に覆われているので、上空から見るとさながら「緑のフライパン」という不思議な光景だろう。陸上自衛隊のoh-6D偵察ヘリがあればなー。。。頂上までは徒歩で30分くらい、石畳が整備されているので簡単なスタイルでOKだが、工程のほとんどが上り坂で特に頂上付近はかなり急な階段となる。老母は残念ながら途中まで一緒に歩いて後は麓のお土産店で待機だ。気温は35℃、雲一つない最高の天気だが、流れる汗が止まらない。振り返ると港を含んだ美しい光景が・・・また途中途中に浸食作用などで作られたと思われる奇岩がある。頂上に到着すると大海原からの心地良い風が迎えてくれる。見事なすり鉢ドームである。(残念ながら中を歩くことはできない)

      

「後ろを向くと美しい港町の風景、前は何一つない大海原・・・素晴らしい景色じゃないか」ちょっと太り気味で途中の階段でうずくまりかけ「Are you all right?」と声をかけたオーストラリア人が話しかけてきた。(もうちょっとダイエットしないとその体格じゃキツいだろ)
私が円谷プロの監督だったら地球防衛軍の基地はここに設定して(世界遺産だからありえない?!)みたいが、あまりにも分かりやすくて無理かなー。周囲は断崖絶壁、そして取り囲む海の美しいこと!遊覧ボート乗り場の岩礁はほぼ透明と言ってよいほどだった。ここは島の東端、今度訪れる時があったら、ぜひ済州空港着陸前に見てみよう。(見えるかどうか分からぬが下調べしなかったのが悔やまれる)

        

ヘトヘトになったが感動の城山日出峰を後にすると次は「榧子林」(ピジャリム)という世界最大のカヤの原生林である。米作のできない済州島では民族村にあったようにカヤを屋根に使っていた。見たことも無い巨大なカヤの木だが、幹は指で凹むほど柔らかく、また不思議な香りが漂っていた。がしかし・・・城山日出峰で上ること40分、ここでの散策はウォーキング程度だが焼く30分、「よく歩かせるツアーだねー、お義母さん大丈夫かしら・・・」木陰ばかりだったからよかったが、さすがに彼女も少し疲れてきたようだ。

        

観光としては最後となるのが世界自然遺産第二弾、「万丈窟」(マンジャングル)である。中央のハルラ山の噴火によってできた巨大な溶岩洞窟で、全長は13.4km、そのうち1kmが一般に公開されている。富士山の風穴のようなものだろうが、スケールが全然違う。最大幅23m、最高30mを誇る洞窟である。埼玉にあるという巨大地下都市「首都圏外郭放水路」を思い出させる。「秋吉台みたいなもんかねー」母は興味深そうだったが、「溶岩洞窟なんで鍾乳洞とは違うんですよ。だだっ広いけど中はなんもなし」SOUさんはドライなものだ。結局ここでも往復2kmを歩く、しかも足元は溶岩道でゴツゴツしていて暗いからあまり年寄りには勧められない。途中まで行ってその先も同じような光景が続くだけと聞いたので、ちょうどよい岩に腰掛けて待っていてもらった。

    

広い洞窟内は似たような風景が続くが、溶岩鍾乳や溶岩バルカラクと言われる、溶岩が冷えて様々な形になったもの、済州島そのものの形に近いカメの形をしている溶岩標石という見どころがある。そして見学コースの端にあるのが、世界最大級という「溶岩石柱」だ。足元を照らしているだけでライトアップしているわけではないのに、青い透き通った幻想的な柱だ。佐渡金山と同様、洞窟内は10℃くらい、なぜか理屈がよくわからないが地下洞窟というのは皆、10℃くらいで四季を通して同じような気温のようだ。「35℃の中山登りしてさー、木陰だけど何も無い原生林を40分歩き、今度は10℃の洞窟を往復2km・・・過酷なツアーだねー」早歩きをしながら妻も苦笑だ。。。

          

夕食はグランドホテルのすぐそばにある「郷味食堂」という店で「トンペコギ定食」という料理だった。これは済州名物の「茹で豚」だそうである。古漬けキムチや昆布、魚の塩からなどと一緒に葉野菜に包んで食べるのが島方式らしい。この店は日本人ご用達のお店らしく、店中の壁にメッセージペーパーが貼り尽くされていた。ケランチムという茶碗蒸しがサービスで出てきたがぐつぐつすごいボリュームだった。息子曰く「ちょっと味ねえなー。塩・コショウがほしいど・・・」確かにねー。私はだし汁が欲しかった。トンペコギは柔らかくてクセがなく、何と合わせても美味しいので母は一番気に入ったようだった。。。韓国ビールを飲んで、いやー満足満足、歩きに歩いた世界遺産巡りもようやく終わり・・・と思いきや、なんとその後に最後の予定があったのである。

    

訪韓する前から妻がぜひ観たいと言っていた「NANTA」という名前の無声のバラエティ舞台?である。「JUMP」という同様のショーは剣を使ったバラエティだそうだが、NANTAはキッチンのアイテムを使った面白ドタバタ劇である。日本でも予約はできたそうだが、安上がりツアーの「時間がはっきり分からない」という特徴からあきらめかけていたそうだが、SOUさんが気さくにセットしてくれた。時間は8時から、グランドホテルからNANTA劇場までシャトルバスで15分くらいである。4人ともヘトヘトに疲れているのだが、興奮しているのでものともしない。エンターティメントとしてはキッチンの道具であるフライパン、おたま、包丁、その他あらゆるモノを使って独特のリズムで叩き捌く。中国語読みでは「乱打」となっていたが、意味はよく分かった。

    

セリフがないから国籍、性別、年齢を問わず皆が大笑いできる構造となっているが、日本人の「笑いのツボ(関西はわからないが)」とは少し異なるところもあり、それもまた興味深かった。簡単に言うと「8時だよ!全員集合」のドリフのコントを高度にしたようなドタバタ劇で、この類に目のない息子甘辛は漏らしてしまうんでは?と思うほど最初から最後までずーっと笑い転げていた。観客から何人か選ばれて舞台に上がりショーに参加するが、甘辛は中央付近の座席にいながら手を挙げようとしていた。。。しかしフィナーレの乱れ叩きは圧巻の一言!和太鼓の達人にも劣らないド迫力のパフォーマンスに震えがきた。音のすごさに驚いたようだったが、生涯でこのようなドタバタ劇など見たこともあろうはずがない母親もゲラゲラ笑いながら満足そうだった。

      

部屋に入って興奮冷めやらぬ調子で韓国焼酎チャミスルをちびちびやりだした私達だったが、ものの30分で私は撃沈、最終日に備えてめいめい床についたのだった。(次が最後ね)


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2 コメント

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Unknown (KICKPOP)
2012-08-28 13:24:34
師匠、世界遺産の旅に出かけられていたのですね♪そして、チェジュ島って本当にキレイな場所ですねーーー。お写真、拡大して見せていただきましたあ♥そしてお母様、とってもお元気!我が家の母は実家の階段を上るのも辛いと言ってます・汗!

バラエティ舞台、甘辛くんのツボに入ってしまったのですね・笑!(ドリフやバカ殿の大ファンのブブのツボにも入りそうです・笑!)

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Unknown (磯辺太郎)
2012-08-28 22:12:22
KICKPOP様

それほど大きくない島なのに世界遺産がいくつもある魅力的なところでした。師匠もご家族と一緒にバカンスを満喫されてますね~。いつかはカリフォルニアへ・・・

初の孫との海外旅行ということで、母も張り切っていたようです。帰ってから「足の付け根が痛いから温泉へ連れて行け」と申しておりました。

お笑いって「お国」によって少しずつ特徴があるようでうすが、ドリフが代表するドタバタ系は万国共通でしょうねー。
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