別に決まりがあるわけではないが、仕事納めの日は終業すると大体の職場で「お疲れさん会」のようなものを行うようだ。この日を含めて3日間くらいは関連会社やグループ会社のオフィス、県内にいくつかある職場の拠点などに「年末挨拶回り」に赴く。大体似たような話をするのだが、一応そのセクションの仕事の内容とか今年のトピックスに合わせた話題を使う。中にはいつも淡々と仕事をしている部署もあるし、何回も同じフレーズを使用していると自分自身も飽きてしまう。。。正直、ちゃんとあらすじを考えておいてばっちり決める時もあるし、ものすごく手を抜いて「まあ、正月明け元気で会いましょうね・・・では」なんて「すたこらサッサ」と歩き去る時もある。総選挙の時の地方回りのようだが、結構疲れるものである。
私の勤務する地方は「だるま」で有名な地でもあり、毎年正月明け初出勤で「だるまの左目入れ」を行い、仕事納めの日に無事故を感謝して右目を入れる儀式を行う。今年はこの「だるまの目入れ」についてちょっとした物議となった。人権啓発研修に行ってきたKYOちゃんが「だるまの目入れは『目の不自由な方』にいい印象を与えない時があるので推奨されていない」と聞いてきたのである。確かにそんな話をだいぶ前にきいたことがあり、選挙で当選した人もテレビで「だるまに目を入れる」シーンは放映されなくなったようだ。人権や差別に関してはちょっとしたことでも必ず確認することになっているから、CSRセクションで各方面に確認を行った結果、「不特定多数の人が見る場では控えること」を条件に例年通りとり行われることになった。(まあ、今年の正月に片目に入れてしまったから、中途半端で止めるのはそれこそ変だろう。
午後に入ると若手社員が買いだしに走り、各方面挨拶回りが終わり、デスクの周りを綺麗にして(私はほとんど気にしないが)、「だるまの目入れ式」をめいめいの職場で行ったら、仕事納め会の準備である。私が1年で一番「足元に気を付けなけ」なければならない日である。幸いにこれまで大きなアクシデントは無かったが、乗り過ごしや怪我など大体においてロクなことがない。。。次の年のカレンダーを紙袋で持って帰るのだが、たぶんどこかで失くしてきてしまうことの方が多かった。クリスマス会や忘年会など正規?の宴会と異なり、何となくアットホームな雰囲気で「だらだら」とエンドレスに行うからだろうか?東海道、中央線、湘南新宿ラインなどたくさんの路線で見たこともない駅まで乗り過ごすことが多かった。ここ数年で全く無事だったのは年末に「入院」していた時くらいである。あここまで足元が危うくなる理由は簡単で「全部のお疲れ会に顔を出して飲んで回る」からである。
特に来年はここにいない可能性もあるから、「回れる所は全部行く」つもりでいた。「だるまの目入れ式」を終えて、どの部署よりも早く始めるのがスティーブのいる部門である。皆が少しずつだるまの目に墨を入れて行く間に私にすり寄って来て「コレ、終わったら始めていいですよね・・・」そのセクションだけというわけにはいかぬから、目入れ式が終わって3本締めすると「ちょっと早いけど、皆始めちゃってくださいねー。で、足元に気を付けて早く帰ってー」
1日あちこち歩き回って同じ話ばかりしてきた私は喉もカラカラだったので、スティーブ達の冷蔵庫一杯に入っている缶ビールを勝手に出してきて準備ができるまで「立ち呑み」していた。
スティーブチームのテーブルには見たこともない巨大なカニの足が・・・「これ、高かったんですよ。がぶーっていってください」最初に手を出すのは気が引けたので、スティーブと重鎮がかぶりついたのを見て1本を手に持った。前日、微熱があったので念の為会社を休み、その日は「日本酒だけは飲まない」ことを宣言していたのに、巨大カニのあまりの美味さに最初のテーブルで「宣言撤回」してしまった・・・(何があっても日本酒が飲みたくなるほど、あのカニはやばかった)
このセクションは主にオーバーヘッドの仕事だが、スティーブを筆頭に屋外の施設を保全する元荒くれ者が多いので、ボリューム&カロリーが半端ではない。大カニのセットに寿司の大皿盛り合わせにげん骨ほどもある鳥の唐揚げが何皿も登場した。さらにこの後、コロッケと焼きそばのオンパレードである。(油と淡水化物ばっかじゃないか!)
このままいると、せっかく脱出メタボまっしぐらだ。私は終業のチャイムを聞いて(って始めるのが早過ぎる?!)「ちょっと回ってくるからねー」と1万カロリーはあるテーブルを後にした。次に向かったのは久々「デカさん」のセクションである。ここは部全体の庶務課のようなところだから、あまり派手に色々やらないが、デカさん自体が土地に詳しいのでこれまでたくさんの
の名物を紹介してくれた。「これね、ちょっと普通のトンカツと違うんですよ。ソースつけないで食べてください。えっ?魚で日本酒飲んできた?じゃ、ウィスキーで一回味を忘れてください」サクッと柔らかい少し薄めのカツだったが、不思議なコクと香りがあった。肉と肉の間に「味噌」が練り込んであったらしいのである。これは珍しい・・・
次なるテーブルはジローくんチームである。このセクションは先代の八兵衛がいたころから様々な趣向を凝らした「ゴージャス会」にするのが常だった。昨年は焼肉だったと思うが、100グラム2000円近くする上等の霜降り肉を山ほど買い込んでいた。「これね、すんごい肉なんですよ。これ食べたら他の焼肉食べられませんぜー。けぇーっけっけ」八兵衛が自慢げに笑っていたものだ。(他のテーブルのメニューに対抗意識を燃やしていたらしい)
今年も上等のお肉で「すき焼き」を囲んでいた。ソルジャーがあちこちから「幻の銘酒」を調達してきて、飲み比べできるようになっていた。どれもそれぞれ個性が光り、素晴らしい日本酒だったが小さなカップでも10杯飲めばコップ3杯分くらいにはなる。意思の弱い私はこの辺で「禁日本酒」としたことすら忘れ果て、アナザーワールドに突入し始めてしまった。
この後、本館に移動して施設設計のセンターを訪問し、また自分のビルに戻って来ていくつか回った後に、上の階の営業セクションにゲリラ登場しようといういことになった。普段あまり訪れることはないのだが、我がセクションと異なり女性の多い華やかな部署である。レッド将軍と仲良く痛飲し記念写真も撮ってまた自分のフロアに戻ってきた。来年はいないかもしれないから、なるべく多く回っておこうと思ったのだが、もとの場所ではトミーたちがどんちゃん騒ぎになっていた。かなりやばいことになりながらも、カレンダーはリュックに収め新幹線と東海道線を乗り継いで無事に帰宅したのである。
大震災の混乱を経た翌年ということもあり、今年は「足元には気をつけな」というウルトラ映画のシーンから始まって、ずーっと「気を付けろ」と言い続けてきた1年だった。その甲斐があってか、昨年に比べて大きな事件や事故もなく過ごせた。
毎年お約束のように怒涛に荒れ狂う雷の被害もあることを続けた成果で半減させることができたし、いつも出遅れが多かった作業ペースも「足元に気を付け」続けてきた結果、ほぼ正常に戻すことに成功した。
「我が社は『何屋か?』と問われたらはITとしては『インフラ』『プラットフォーム』『アプリケーション』などが挙げられるだろう。この中で我々の仕事は「インフラ」に近いっじゃないかと思う。3つの中で唯一頭に「社会」がつく言葉である。他の二つは頭に「ビジネス」はついても「社会」とつくことはない。今年はこの仕事はどうも「続ける」ことが必要だと感じた。だから漢字一字で書くと自分にとっては「続」であった。なんてことを年末の挨拶であちこちで多少アレンジして話し続けたのである。
私の勤務する地方は「だるま」で有名な地でもあり、毎年正月明け初出勤で「だるまの左目入れ」を行い、仕事納めの日に無事故を感謝して右目を入れる儀式を行う。今年はこの「だるまの目入れ」についてちょっとした物議となった。人権啓発研修に行ってきたKYOちゃんが「だるまの目入れは『目の不自由な方』にいい印象を与えない時があるので推奨されていない」と聞いてきたのである。確かにそんな話をだいぶ前にきいたことがあり、選挙で当選した人もテレビで「だるまに目を入れる」シーンは放映されなくなったようだ。人権や差別に関してはちょっとしたことでも必ず確認することになっているから、CSRセクションで各方面に確認を行った結果、「不特定多数の人が見る場では控えること」を条件に例年通りとり行われることになった。(まあ、今年の正月に片目に入れてしまったから、中途半端で止めるのはそれこそ変だろう。
午後に入ると若手社員が買いだしに走り、各方面挨拶回りが終わり、デスクの周りを綺麗にして(私はほとんど気にしないが)、「だるまの目入れ式」をめいめいの職場で行ったら、仕事納め会の準備である。私が1年で一番「足元に気を付けなけ」なければならない日である。幸いにこれまで大きなアクシデントは無かったが、乗り過ごしや怪我など大体においてロクなことがない。。。次の年のカレンダーを紙袋で持って帰るのだが、たぶんどこかで失くしてきてしまうことの方が多かった。クリスマス会や忘年会など正規?の宴会と異なり、何となくアットホームな雰囲気で「だらだら」とエンドレスに行うからだろうか?東海道、中央線、湘南新宿ラインなどたくさんの路線で見たこともない駅まで乗り過ごすことが多かった。ここ数年で全く無事だったのは年末に「入院」していた時くらいである。あここまで足元が危うくなる理由は簡単で「全部のお疲れ会に顔を出して飲んで回る」からである。
特に来年はここにいない可能性もあるから、「回れる所は全部行く」つもりでいた。「だるまの目入れ式」を終えて、どの部署よりも早く始めるのがスティーブのいる部門である。皆が少しずつだるまの目に墨を入れて行く間に私にすり寄って来て「コレ、終わったら始めていいですよね・・・」そのセクションだけというわけにはいかぬから、目入れ式が終わって3本締めすると「ちょっと早いけど、皆始めちゃってくださいねー。で、足元に気を付けて早く帰ってー」
1日あちこち歩き回って同じ話ばかりしてきた私は喉もカラカラだったので、スティーブ達の冷蔵庫一杯に入っている缶ビールを勝手に出してきて準備ができるまで「立ち呑み」していた。
スティーブチームのテーブルには見たこともない巨大なカニの足が・・・「これ、高かったんですよ。がぶーっていってください」最初に手を出すのは気が引けたので、スティーブと重鎮がかぶりついたのを見て1本を手に持った。前日、微熱があったので念の為会社を休み、その日は「日本酒だけは飲まない」ことを宣言していたのに、巨大カニのあまりの美味さに最初のテーブルで「宣言撤回」してしまった・・・(何があっても日本酒が飲みたくなるほど、あのカニはやばかった)
このセクションは主にオーバーヘッドの仕事だが、スティーブを筆頭に屋外の施設を保全する元荒くれ者が多いので、ボリューム&カロリーが半端ではない。大カニのセットに寿司の大皿盛り合わせにげん骨ほどもある鳥の唐揚げが何皿も登場した。さらにこの後、コロッケと焼きそばのオンパレードである。(油と淡水化物ばっかじゃないか!)
このままいると、せっかく脱出メタボまっしぐらだ。私は終業のチャイムを聞いて(って始めるのが早過ぎる?!)「ちょっと回ってくるからねー」と1万カロリーはあるテーブルを後にした。次に向かったのは久々「デカさん」のセクションである。ここは部全体の庶務課のようなところだから、あまり派手に色々やらないが、デカさん自体が土地に詳しいのでこれまでたくさんの
の名物を紹介してくれた。「これね、ちょっと普通のトンカツと違うんですよ。ソースつけないで食べてください。えっ?魚で日本酒飲んできた?じゃ、ウィスキーで一回味を忘れてください」サクッと柔らかい少し薄めのカツだったが、不思議なコクと香りがあった。肉と肉の間に「味噌」が練り込んであったらしいのである。これは珍しい・・・
次なるテーブルはジローくんチームである。このセクションは先代の八兵衛がいたころから様々な趣向を凝らした「ゴージャス会」にするのが常だった。昨年は焼肉だったと思うが、100グラム2000円近くする上等の霜降り肉を山ほど買い込んでいた。「これね、すんごい肉なんですよ。これ食べたら他の焼肉食べられませんぜー。けぇーっけっけ」八兵衛が自慢げに笑っていたものだ。(他のテーブルのメニューに対抗意識を燃やしていたらしい)
今年も上等のお肉で「すき焼き」を囲んでいた。ソルジャーがあちこちから「幻の銘酒」を調達してきて、飲み比べできるようになっていた。どれもそれぞれ個性が光り、素晴らしい日本酒だったが小さなカップでも10杯飲めばコップ3杯分くらいにはなる。意思の弱い私はこの辺で「禁日本酒」としたことすら忘れ果て、アナザーワールドに突入し始めてしまった。
この後、本館に移動して施設設計のセンターを訪問し、また自分のビルに戻って来ていくつか回った後に、上の階の営業セクションにゲリラ登場しようといういことになった。普段あまり訪れることはないのだが、我がセクションと異なり女性の多い華やかな部署である。レッド将軍と仲良く痛飲し記念写真も撮ってまた自分のフロアに戻ってきた。来年はいないかもしれないから、なるべく多く回っておこうと思ったのだが、もとの場所ではトミーたちがどんちゃん騒ぎになっていた。かなりやばいことになりながらも、カレンダーはリュックに収め新幹線と東海道線を乗り継いで無事に帰宅したのである。
大震災の混乱を経た翌年ということもあり、今年は「足元には気をつけな」というウルトラ映画のシーンから始まって、ずーっと「気を付けろ」と言い続けてきた1年だった。その甲斐があってか、昨年に比べて大きな事件や事故もなく過ごせた。
毎年お約束のように怒涛に荒れ狂う雷の被害もあることを続けた成果で半減させることができたし、いつも出遅れが多かった作業ペースも「足元に気を付け」続けてきた結果、ほぼ正常に戻すことに成功した。
「我が社は『何屋か?』と問われたらはITとしては『インフラ』『プラットフォーム』『アプリケーション』などが挙げられるだろう。この中で我々の仕事は「インフラ」に近いっじゃないかと思う。3つの中で唯一頭に「社会」がつく言葉である。他の二つは頭に「ビジネス」はついても「社会」とつくことはない。今年はこの仕事はどうも「続ける」ことが必要だと感じた。だから漢字一字で書くと自分にとっては「続」であった。なんてことを年末の挨拶であちこちで多少アレンジして話し続けたのである。