超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

シンボルチームの応援

2016-07-30 06:24:33 | 出来事
少し縁遠くなった分だけ余計な思い込みを持たずに高校野球の爽やかさを楽しめたのが前回の野球応援だった。その時翌日に我が母校の試合が控えており、2年ぶりの企業対抗大会初戦の日とかち合っていたことはすでに書いた。野球応援をはしごするには暑過ぎたのでドーム応援に絞ったのだ。全国から地区代表が集まるこの大会だが、我がシンボルチームは地元ということもあって、観客動員力はおそらくいつも大会最強を誇る。試合開始は夕方で、その1時間半前に受付が開始されるのだが、ものすごい長蛇の列となっている。水道橋の駅に着いて川を渡ると「受付列はこちら」というプラカードを持った案内人が現れ最後尾の場所に誘導するのである。近頃プロ野球(特に巨人)人気も昔ほどではないから、炎天下で中々大変だと思う。私は妻とお友達夫婦と受付列に並んでいた。平日だったら仕事を抜け出すか休みを取って同僚達と駆け付けるのだが、休日だったから結構家族連れが多い。

このグループ会社は幹部から社員までシンボルチームに向ける熱意はすさまじく、「黒獅子旗争奪」を目標に掲げる本大会が始まるとぶっちゃけ幹部は誰も彼もが不在となってしまう。重役の定例会議も休会となってしまうこのシーズン、これで会社の経営機能がよく停止しないものだと思う。ドームの周囲には地方から団体でやってきた観光バスが所狭しと駐車している。地方組織は大体「動員兵力」の目安が示されており、グンマ勤務時代はたしか○50名と聞いた。私の預かるセクションも集団で貸切バスに乗り込み関越道を一路練馬に向かったのだ。都内の渋滞を想定しかなり早く出発し、試合終了予定時刻周辺は同じバスが所定の場所で待機してくれることになっている。あの時も夕方開始だったから帰宅は0時過ぎになってしまう強行軍である。

予想以上にスムーズにドーム周辺に到着してしまったバスは予定していた場所に駐車できず我々は変なところで下されてしまった。受付開始時間まですら1時間以上ある余裕である。鬼司令官のスティーブは若手に指示して列に並ばせ、一列分の席取りを命じると共に我々は夕方早い時間から入れる居酒屋風の店を探し出して「プレ戦勝祝い」と生ジョッキを片手に渇きを癒しだした。1時間ほどたって「そろそろ、入場開始じゃないの?」と聞くと、スティーブは「いやいや、試合まではまだ1時間以上ありますよ。席取りさせてるから、並ばないで入りましょ」八兵衛やデカさんも一緒になっていつもの通り盛り上がり始めた。「ねえ、スティーブぅ、もう試合始まっちゃうよ」彼は業務用携帯を取り出し何やら指示を出していた。「試合経過を1回ごとにメールするよう言っておきました。ここにいても手に取るようにわかりますぜ」全員赤い顔をしてドームに入場した時は7回表を迎えていた・・・よく見ると、周囲には同じような時間に入店したいかにも我が方の応援隊が。。。この人たち(我々もだが)何しにドームまで来たんだろう。

さて年々動員兵力も増してきたのに加え昨年出場を逃したこともあり、今回はいつも以上に気合が入っていた。応援団はバックネット裏の境界からベンチのある側のバックスクリーンまでの半分しか入れない。立ち見になってしまう観客が出ないように「席取り禁止」とされ、入場列は決まったゲートから入って柱番号の順番に誘導され下から隙間を作らず座らされていった。なるほど応援団に詳しいお友達夫婦が「途中で待ち合わせて一緒に並ぼう」という意味が分かった。別々に現地入りしても合流できないのである。席に着くと用意された入口で渡されたビブスを全員が着用する。応援団扇にはオレンジとブルーの面があり、応援隊の指示にしたがってグランドに向ける色を変えることになる。入場を開始して試合までの間に3塁側はレフトスタンドまですべてオレンジ一色に塗りつぶした。(すげえ動員兵力だ。2万人以上いるんじゃないか?)

ベンチの上は応援団とチアリーディングのスペースである。試合開始前に全員起立して社歌を斉唱し、巨大な応援団旗が掲げられ、エールの交換となる。それぞれの都市代表として出場しているので、エールは社名でなく「都市名」となるのが特徴だ。ちょっと地方都市との対戦になるとドームを埋め尽くす我が巨大応援団と比較すると相手がベンチの上にそれこそ高校の地方予選くらいしかいないコンパクト応援隊のときがある。そういう時はオレンジ色に染まったスタンドからの大エールを誇らしく思う反面、何かちょっと申し訳ない気もするのだが、そこは社会人の割り切りだろう。応援団長の声は素晴らしく、エール交換時はマイクを使わなくとも余裕で「ふれーふれー」の掛け声が相手スタンドまで届く野太さだ。一糸乱れぬ応援ポーズの団員はすべて社員、さすがにチアリーディングは提携している大学のお嬢さん方だそうだ。攻撃回の要所になると直立3階建ての「スカイツリー」を披露し場内を沸かせた。(ありゃー、いくらなんでも社員ではできないわな・・・)


つい数日前、高校球児達の爽やかな姿に心を洗われる思いだったが、こちらはプレーだけ見るとやはり格が違う。シーズンが終わるとドラフト会議で指名されプロへ行く選手もいるからやはり試合そのものの見応えが素晴らしい。守備の時は投手に向かって「がんばれ、がんばれ○○○」、ストライクや三振で「いいぞ、いいぞ○○○」、アウトを取ると「ナナナ、ナイス!ナナナ・・・ワン・アウト!」(ちょっと意味不明)、攻撃の時は「かっ飛ばせ■■■、かっせかっせ■■■そーれ、かっ飛ばせー■■■!」(ちょっとテンポが合いにくい)、ランナーが出ると「チャンスチャンスチャンス、今だー今だー×▽▽GOGO、かっ飛ばせ、かっ飛ばせー×▽▽」応援の仕方はちょっと癖があるが、まあ普通の応援団だ。(チアリーディングの振りに合わせているのかもしれない)得点が入るとなぜかベンチ上に御神輿が登場し、法被きた粋なおじさんたちとともに「わっしょい!わっしょい!わっしょい!」・・・まさしくお祭り騒ぎである。これを2万人以上の大応援団が声をそろえて行うとものすごいことになる。この当たりが清々しい高校野球とも、ぐーっと成熟したプロ野球とも異なる独特な雰囲気なのだ。



何が違うと言って、ドームを埋め尽くした大応援団はかなり入れ込んでいる人でないと、グランドでプレーをしている選手たちを誰も知らない。。。何年も出場している選手は自然に名前を憶えてしまうこともあるが、「あー、そう言えばいたな」というくらいの印象しかない。プロ野球なら個々の選手の「プロの技」「プロの個性」を目当てに行くことも多く、それが芸術的にもつながってチームを形成しているように思う。それは「燃えよドラゴンズ」によく表れている。打順と選手の個性、プロの果たす役割が見事に調和している。むろんチームそのものの熱狂的なファンもいようが、やはりプロというのは「個」の世界が強い。しかしこの社会人大会は予選で負けたチームの優秀な選手を助っ人として借り出しているので純正の自チーム選手だけでないのである。中には個人ファンがいると思うが、大部分は「シンボル」と言われるチームそのものに勝ってほしい。そのために全員同じオレンジのビブスを着用して、同じ団扇をもってドームに声援を響き渡らせる。どちらかというと一人ひとりは熱狂的な「信徒」の世界である。

初戦同様、休日に駆け付けた3戦目、球速はそれほどでもないが、どうやら投球フォームや変化球にやたら癖のある相手投手を打ちあぐね、中盤に1点を先制されて欲求不満のまま最終回に突入した。2万人の大応援団は最初から総立ちで声を枯らして団扇を振り続けた。ボールの判定だけで大歓声、デッドボールか何かでランナーが出ただけでお祭り騒ぎである。2アウトになってしまってもドームのこだまは続き、この試合で貴重な長打を炸裂させて奇跡的にもランナーを迎え入れ同点となった時は、あまりの狂乱「わっしょい」ぶりにバッターランナーが3塁を欲張りタッチアウトでチェンジになってしまった時、周辺で抱き合い、肩を叩き合い、ハイタッチするのに夢中だった我々は何が起きたのか分からなかった・・・ラッパなど個人の鳴り物や風船などもなく、ただ一つの応援団扇をボロボロにし声を枯らして「思念」を送り続けた。

全試合駆け付けられるわけではないから、ぶっちゃけ「勝った」「負けた」はあまり関係ない。高校野球のような爽やかな感動とは少し違う。プレーの奥が深いプロ野球の華麗な美を堪能するのとも違う。ただ騒ぎたいだけである。しかし試合終了の時、「ここにいて本当に良かった」と思う。オリンピックのような「国」を挙げてほど大きくない。母校という短い期間の思い出よりはつながりが強い。それでも何となくいずれOBとなった時にはこの場にはいないような気がする。「爽」、「美」、に対して「騒」(もしかして「狂」?)この大会の(一部信徒の)熱狂ぶりは日本が生み出したヤキュウとカイシャの融合がなせることなのだろう。ともかくも大応援団とともにあの場と時間を与えてくれた選手達には大いに感謝したい。

高校野球の痺れるシーン

2016-07-24 18:35:58 | 出来事
梅雨空の朝、私を駅まで送ってくれた後、妻が自家用車の中で聞いていたFM横浜で母校からのメッセージが読み上げられたそうだ。「本日、夏の高校野球予選第1戦目なのだが、あいにく本校は『合唱祭』という行事と重なり、教員、生徒は応援に行くことができない。本校OBや所縁のある方はぜひ応援に駆け付けてくれないか・・・」聞いているとたまたま試合会場が我が家のすぐそばにあるようなので、妻はありがたくも単身、観戦に行ったそうなのだ。携帯に「先制点取ったよ」とメールがきたのだが、最初何のことかさっぱり分からなかった。息子と縁があったわけでもなく、知人友人がいるわけもなく、近所にある夫の母校という以外に何の関係もないのに感心に思っていた。対戦相手は進学校であるらしく、整然とスタンドに並んだブラスバンドとチアガール、応援団が盛り上げていたが、こちらはラジオで放送された通り暇そうな近所のオヤジと何とか駆け付けたOBらしき集団だけのまことに寂しい応援席だったらしいが、見事に初戦を勝利で飾り、中々面白かったということだ。

息子も高校を卒業し、同級生も部活のOBとなっている今、高校野球はかなり縁の薄いものとなってしまったが、逆に思い入れがない分気楽にハラハラせずに楽しむこともできそうだと思った。曇り空の休日に試合があったら見に行こうかなと思っていたら、今度は妻の友人の母校の試合だという。お嬢さんがブラスバンド部の3年で負けたら最後(当たり前か)の出番になるから見に行こうという誘いがあったようなのだ。場所は保土ヶ谷球場、今でこそ開会式や決勝は横浜スタジアムだが、ドカベンでも何度か登場した、その昔県予選における聖地と言われた球場だ。元は甲子園に何度も出場し、プロ野球選手となった者も何人もいる伝統校だったが、最近は少し低迷気味でシードも中々取れなくなっているという。しかし試合前の守備練習を見ている限り、どの選手も溌剌颯爽とプレーしており、小兵ながらまとまりもよさそうだ。「いい動きしてるじゃんか。すごそうなのはいないけど・・・」妻の仲良しの知人「もっちん(仮称)」は「あのチームはね、昔からテレビ撮影があると俄然力がはいるの。目立ちたがりが多いから・・・」お嬢さんは母親と同じ学校に進学したようだ。(なるほど保土ヶ谷球場は昔からTVKの撮影施設があるそうなのだ)

  

ウグイス嬢(ってもう死語?)がスターティングメンバーをアナウンスし始めた。打順、守備位置、背番号、そして出身中学も読みだされている。その中には何人か私の母校というのもあった。「相手のチームは○RYってのか?あんまり聞いたことないな。」「かなりいい進学校だよ。何か向こうのスタンドの応援席もシャンとしてるじゃん」妻は息子甘辛の高校受験の時に色々と情報収集したらしく、県内の事情には詳しい。子供が減って昔の「学区」というものがなくなり、県内の公立校もどこでも同じ条件で受験できるようになったから、我が母校の卒業生も至るところに散らばっているようなのだ。でも見ていると、試合前シートノック終了後もグランドに整列し帽子をとって頭を下げていたし、何をするにも礼儀と折り目が正しく「高校野球っていいよな」と思わせる爽やかぶりだった。時間になると両チーム整列して礼をした後、選手が守備位置に走り投手の投球練習が終わって、久々にプレーボールのサイレンを聞いた。両チームとも誰一人としてゆかりのある選手がいるわけでもなし、たまたま知人のお嬢さんがブラスバンド応援しているだけの縁だが、それでもスタンドの熱気とともに応援に力が入ってきた。

妻は親友のもっちんと共に応援スタンドまで行って楽器を演奏するお嬢さんの雄姿を写真に収めようとしたが今、個人情報の流出やいかがわしい盗撮事件なども多くて学校側の規律もかなり厳しくなっており、たとえ親と言えども試合中は勝手に生徒の写真を撮ってはいけないそうだ。スタンドにはベンチ入りできなかった選手が白い無地のユニフォームでメガホン片手に声援を送っている。以前は部員が200名近くいるときもあったそうだが、3年生で引退するまでに練習試合ですらほとんど出場することのない選手もいるそうだ。200校近くある野球部で甲子園に行けるのはたったの1チーム、99%負けて終わる時に向けて彼らは声を枯らしているのだ。しかしちょっとよぎったモノ寂しい気分を吹き飛ばすようなことが2つあった。

    

こちらのチームは割とマメに得点を重ねていたが、長時間攻撃することもなく、また高校野球にありがちの「移動には全力で走る」キビキビさも手伝ってわずか1時間余りで5回を終わってしまった。守備の選手たちがベンチに戻ると、会場の係員とその手伝いの高校生らしき若者が一斉にグランドに走り出て整備を始めた。炎天下の中、彼らのトンボの軽快さは目を見張るものがあり、あっという間に内野は波の全くない湖面のようになった。さらに係員がローラーを巧みに運転して仕上げの模様ができこれも颯爽と引き上げて行った。その時、相手側の○RYチーム選手はいつの間にかベンチの前に一列に整列し、合図と共に帽子をとって深々と頭を下げたのである。うーむ。。。何という素晴らしい態度か。「これだから高校野球っていいよね」という名シーンだった。最初、整列の意味が分からなくて、あの姿を写真に撮れなかったのが残念だ。

  

イニングが進み7回くらいだったろうか、こちらのチームの先頭打者がレフトオーバーのツーベースを放ってチャンスを迎えた時である。我々の席からは陰になってよく見えなかったのだが、捕球に走った際にレフトの選手が何らかのアクシデントにあったらしい。審判とセンターの選手がまずかけより、しばらくしてベンチからも駆け寄り、本部からも係員がレフト奥に向かって行った。どうやら負傷して立ち上がれないらしい・・・やがて「只今、レフト●◇選手の治療を行っているので、恐れ入りますがしばらくお待ちください」ウグイス嬢のアナウンスが入った。さらにしばらくすると係員におんぶされてレフトの選手が我々の前を横切り、バックネット裏に姿を消して行った。相手チームの選手だが、我が方のスタンドからも拍手が飛んだ。可哀想にあのレフトは交代してしまうんだと思ったのだろう。「たしか野球はサッカーみたいに足りない状態で試合再開はしないよな。適当なところで戻ることもないもんな」自分も少年野球をやっていたのに間抜けなことを言っていた。しかし「ただ今●◇選手の治療中ですので、もうしばらく・・・」というアナウンスがもう一度入ったのだ。

  

そんなに長時間ではなかったが、カンカン照りの中、両チームとそのスタンドは文句一つ言わず待ち続けた。やがて背番号7を付けたくだんの選手が走ってレフトに戻ってきた時、両軍スタンドから大歓声が沸き起こった。これまた中々爽やかなシーンだと思った。しかし思わず「やられた」のは彼が守備位置に着いた直後である。3塁側スタンドにいる我々全てに対して帽子を取って深々と頭を下げ、応援団は白ユニの選手全員がメガホンを振って大声援を持って応えたのである。まるで相手チームの選手にも「お前は一人じゃないぞ!」と応援しているかのようだ。「いやー、高校野球ってホントにいいもんですね」故・水野晴郎さんの感慨深い声が思い浮かんだ。高校野球そのものにあまり縁の無かった私は知らなかったのだが、最終回を迎えるとバックスクリーン上にはためいていた両校の校旗が一旦おろされる。そしてめでたくこちらチームの勝利となった時にいつもの「勝ちました○○高校の栄誉を称え、同校の校歌を斉唱し、校旗の掲揚を行います。」とかまして再び校旗を掲揚するのである。

    

しかし試合途中のグランド整備陣に対しての整列挨拶、負傷して復帰したレフトの礼儀正しい態度、それに応えた我が応援団・・・鳥肌ものの素晴らしいシーンに巡り合えた。我が母校はあんな立派なプレーができるだろうか?心配とも期待と両方あるが、何となく見に行ってみたくなった。調べてみると翌日に試合が予定されていたが、例の「黒獅子旗争奪の企業対抗戦」と同日だったのだ。はしごするには暑すぎてついつい昼間は海で過ごしてしまった。今回応援に行った「もっちん(仮称)」のチームは残念ながら昨日、強豪シード校に惜しくも負けてしまった。しかし我が母校は4回戦を終えてまだ勝ち進んでいるようだ。(それだけでも結構すごい)じかに応援に行く機会があるか分からぬが、保土ヶ谷球場で試合をするようだったら、ぜひワンセグででも見守りたいと思う。さすがに5回戦まできて「学校行事で教員生徒誰も応援に行けない」なんてことはないだろうから。

我らが世代の怪獣感謝祭

2016-07-14 06:02:57 | 昭和
ここ数週間、以前紹介した「ディープでダークな」ウルトラの会メンバが盛んにメールが飛び交っている。ウルトラマン50周年記念「怪獣大感謝祭」が迫ってきたためである。放映されるのはなんとNHKBSプレミアム・・・お堅いイメージのNHKは普通だったら「特撮と時代の変遷」みたいな社会現象のような扱い方をしそうなものなのに、50年にわたる(正しくは最初の6兄弟までだけど)ウルトラヒーローの歴史のみを番組で綴るというのは驚きである。しかも今回は視聴者に好きなウルトラ怪獣と名作と思う作品を事前投票させてランキングの結果発表するという、AKB48の総選挙ばりのニクい演出がついている。6月中旬に中間発表の番組があって上位20位までを固定し、最終投票させその結果は本番の「怪獣大感謝祭」で発表するという念の入れ方だ。ダークウルトラの隊員達からは「ちなみに、私は1回目同様に怪獣は「カネゴン」、名作はウルトラマンの「故郷は地球(ジャミラの回)」に投票しました。Byハヤタ」「普段、仕事をしているふりをして「怪獣大感謝祭」の投票ページなどを開き、D・ウルトラチームメンバーには誰もゼットン推しがいないのか〜等を考えながら可能な限り真面目な顔を作り眺めております。by幽霊隊員」

中間発表番組が放映されると・・・「隊員皆様 昨日のNHK「怪獣大感謝祭」の中間発表はご覧になりましたでしょうか?なるほどといった内容が選択されていましたね。(一部、タロウやレオでは未見のものも多かったです)byハヤタ」かく言う私は新人見習い隊員らしく「中間発表の情報ありがとうございました。私もギリギリでしたが、『キングジョー』『V3から来た男』に投票しました。(たぶん「市場最大・・・」「超兵器・・・」はそのまま入るとおもったので)大人の苦さを持つ作品が多かったんですね。帰マンの「怪獣使いと少年」はメビウスの代になっての続編の方が味わい深いかもしれません。」怪獣投票の中間発表ではウルトラQがカネゴンとケムール人、ウルトラマンはさすが怪獣シリーズの元祖でバルタン、ピグモンをはじめ9人(体?)、私が愛してやまないセブンは3人、帰マンが2人、エースも2人、タロウはタイラント1ひとり、レオに至ってはかなりマイナーなノーバで終わった・・・

本番、怪獣大感謝祭のウルトラ怪獣投票は以上20人のノミネートされた(レコ大か?!)怪獣から8人を絞り出し、トーナメント形式で視聴者からの投票を紙相撲対決スタイルで進められていく。バルタン対メトロンは有名星人対決だったし、我らが宇宙ロボットは決勝まで勝ち進んだゴモラに残念ながら敗退・・・宇宙恐竜と友好珍獣の紙相撲対決はいくらなんでもハンデあり過ぎじゃないの?!さて古代怪獣ゴモラが栄えある第一位に輝いた要因は恐らくその幅広い年代に渡る登場回数であろう。恐らくウルトラシリーズで一番多いのではないか?(もしかしてバルタンかな)ウルトラ兄弟シリーズでは確か初代マンでの登場のみだったが、その後のパワードにもマックス、メビウスにも登場した。カードゲームになった大怪獣バトルではメインキャラとなり、最近のウルトラマンXではサイバースタイルと、元々の元祖典型的な怪獣から人間の味方、サイバーモンスター、そしてウルトラマンのアーマーと様々な姿で幅広い視聴者の支持層を得たのだろう。(まるで参議院選挙のようだ・・・)

怪獣は少しでもウルトラに触れた者ならば女性でも知っている有名どころばかりだったが、注目は「名作回」の投票だ。ウルトラシリーズへの思いと記憶が鮮やかに蘇る部門だ。Qはやはりカネゴン、初代マンもまたバルタン、ピグモンをはじめ6作品、セブンはさすが名作品が並び5作品、帰マンは4作品、エースは最終回のみ、タロウも最終回とウルトラ6兄弟そろい踏みの回のみ、レオへの投票は凄まじく「防衛チームが全滅してしまう」回だった。嬉しいことに(当然とも言いたいが)このサイトのモデルにもなっているセブンの「超兵器R1号」もノミネートされていた。それぞれの作品の紹介は世に山ほどある「ウルトラを語るサイト」にお任せすることとして、私なりに今回の名作品に選ばれた20タイトルを分類、考察すると・・・

「最終回」・・・ウルトラ戦士が戦いクライマックスを終え故郷に帰っていく回は誰もが強い印象と感動をもって見ていたはずである。帰マンは再びゼットンが登場したが、ちょっと話が唐突で二番煎じ感が拭えなかったのが落選の要因だろう。
「ウルトラ兄弟登場」・・・シリーズ後半は少し安っぽく登場してしまうが、当代のヒーローがピンチの際に以前のウルトラ戦士が現れるのはものすごく新鮮に感じたものだ。
「怪獣の世界」・・・愛嬌のある怪獣カネゴン、ピグモン、哀愁漂うシーボーズ、これぞ怪獣!というレッドキングやらチャンドラーらのそろい踏みなど、登場する怪獣のインパクトや豪華メンバーの回に票が集まったようだ。恐らここまではく一般的な「ウルトラシリーズを知る」女性から大人、最新シリーズを見る子供達の票が多数あったのだろう。

       

しかし投票者の中に、家族でテレビを見ながら妻をして「こんな会話ができる父子って町内に何人いるかしら?」とつぶやかせるような一定レベルのウルトラファンがかなりの割合で混ざっていて、語りだしたら一晩でも話せるような、それでも結構有名な作品が残る。
「ディープな世界」・・・当時の社会の風刺、未来の予見、人間の業など、とにかく考えさせられる作品で、文句なくセブンに多い。しかし息子甘辛に言わせると帰マンには「11月の傑作群」というのがあり、やたらディープな作品が続くというのだ。帰マンのエントリー2作品がまさしくそれだった。(ちょっとやり切れない話もある)「シュールな世界」・・・特定シーンのインパクトと言ってもよい。我が父子をもってしてもこのタイトルが「名作20」に入るとは予想できなかった。円盤生物によってMAC(地球防衛チーム)が全滅、隊長のモロボシ・ダンが行方不明になるのは衝撃的だったが、セブンの「第4惑星の悪夢」にはなんと、怪獣が出てこない・・・
そして本番における名作回投票第一位は我が父子の予想と期待通りウルトラセブンの最終回「史上最大の侵略(後編)」である。マンの最終回は番組中に放映されたが、その他選ばれた名作集は今後毎週1作ずつBSプレミアムで放映されるというからNHK様は素晴らしい。

             

名作ベスト10にはむろんこのブログのタイトルにもある「超兵器R1号」も選ばれていた。少し意外なものもあったが、概ね想定内の結果だ。そして息子とわいわい語り合いながらテレビにくぎ付けとなった3時間だったが、心地よ酔いが回ってくるにつれ、不思議な考えが浮かんだ。今回取り上げたウルトラシリーズは50年前からの約10年間、我々の世代は幼年/少年期くらいで再放送も含めると「どこまで湘南?」論議における茅ヶ崎のように「どんずば」ハマっている。名作として投票した「今」は誰もが分別良識ある大人になっており、作品ベスト10は当時の作品に込められた「幼児・小学生に分かるとは思えない」高尚なメッセージを「大人になって」察知した結果が現れているように思う。息子甘辛のように幼い時から父にこのメッセージ性を叩き込まれた者もいるが、当時制作者の「大人」が子供であった私達に何かを伝える(理解される)ために作ったとは思えないのに、あれらの名作は基本「我々の世代だけのためのものである」という感じがするのである。幼い年齢では物語の深さを全部理解できるわけもないが、「R1号の恐ろしさ」「真市少年の叫び(ノンマルトの使者)」「ジャミラの悲しみ」・・・は間違いなく何かを感じていて、それが数十年の時を経てメッセージとして昇華した(これは若い人に反論があろうが)のだと思う。小さい頃から息子を洗脳したおかげで、青年になった今、「あの素晴らしさ」を語り合えるのは嬉しいことだが、彼には彼の世代だけのためのヒーローたるものがあるんだと思う。ウルトラマン50周年を迎え、この手の興奮が(ただ一人このサイトで?)しばらく続くのが楽しみだ。

ラスト・トランスファー?!

2016-07-09 09:25:18 | 職場
今月より勤務する会社が変わった。と言っても我が企業グループ内では普通の「異動」という位置づけのようだ。2年間勤務した前職はいわゆる一線を引退した会社OBが主体で運営する会社で、大先輩に囲まれポツネンと座っているような状態であり、たまに新お出かけトリオと現場や施設を訪問する以外にはぶっちゃけ退屈なところだった。先輩の手前「つまんねえ」と文句言うわけにもいかず、展示会やらセミナーやら自ら情報収集に走ることも結構あった。仕事はビシッと決めてくれるが、還暦を迎える人も少なくない同僚たちは仕事帰りに「ちょっと一杯」といっても夏場は明るいうちに家路についてしまう極めて健康的なスローライフだ。サーフィンやビーチバレーなど話題になることもなく、ウルトラシリーズも10歳異なるとちょっと辛い・・・わずかにマラソンについては果敢にもフルマラソンも出場する猛者がいらして、「ボク、2時間くらいは走り続けることを身体が理解してるんですけど、例えば30キロ過ぎとか身体に何が起きるか分からない未知の領域ってありますよねえ・・・」なーんて会話が成り立ち、あと世間話に登場するのは「ゴルフ」と「病気自慢」ばかりである・・・

そんな職場に2年もいると、自分もスローライフに浸りきってしまい、季節になると「オレもどこか異動になるかな」なんてことにはあまり興味がなくなってしまい、「手続きのために辞任届出して」と言われてもぼーっとして「じゃー、どこへ転勤になるの?」と然るべき筋にリサーチせずに放ったらかしていた。知人が気を利かして囁いてくれなかったら、発令日まで「どこに移動するのか知らない」という迂闊さである。台場など本家で使用していた最新のOAや分刻みの管理機能を持つ事務処理システムなどなく、昔ながらの厚紙による勤務管理や手書きサインなどタイムスリップしたかのような「古き良き職場」も悪くない。会社が社員に行わせる義務となったストレスチェックで「自分のペースで仕事を進められる?」という問いには間違いなく「全くそうだ」とマークできるこの職場に「もうしばらくいてもいいかなー」なんて思い始めていたが、会社とは意地悪なもので、そう思ったとたんに「異動」である。

「皆さん、2年間お世話になりました。隅っこでPCばかり睨んでいるか、どこかに出かけているか『何をしてるのか分からない人』に見えたかもしれませんが、これまであまりできなかったことを少しづつ充放電してきた期間でした。この会社はやはり『現場が主体』の会社なので、席に座ってばかりで『床ずれ』しないように40以上もある拠点にできるだけ足を運びましたが、数か所残ってしまったのが残念です。現場にお邪魔すると我が社の社員や派遣の方、協力会社の人が一体となって責任をもって活き活きと仕事をしており、『やっぱり現場っていいよなあ』と改めて思いました。『ここは本社であって我々は現場によって食べさせてもらっている』と言った幹部もいましたが、大きな目で見れば我が社そのものが巨大な現場の塊であり、皆さんも『現場を元気にするための現場」です。妙な隔たりを意識しないで、昨日よりも今日、今日よりも明日に少しでも物事を改善しようとする「現場魂」を持ち続けてほしいと思います。異動先の職務から考えるに、ぶっちゃけ仕事でご一緒することはないかもしれません。しかしこれまで10数回異動した経験から言うと、一度職場をご一緒した方々とは、あ、全部じゃないですよ、意外なところで再会することが間違いなくあります。この中のどなたかにどこかで『相変わらず黒いですね』と声をかけてもらえるシーンを楽しみにしています。皆様の益々の活躍とご多幸を祈念します。これまでありがとうございました。」

正式に本人、他人が知るところになると、「磯辺さんが来られると聞いたんですが」と電話をくれた人がいた。グンマ勤務時代にお隣県の言わば番頭をしていた「しみこーさん」(仮称)である。同じ県に自宅があり、当時は単身赴任していたが、息子甘辛よりも一、二歳年長のお子さんはサッカーの名門コースを進んでおり、少年サッカーについてよく話が合った。今度異動する先は仕事の分担や組織形態をかなり見直した新体制の元にできた新たなセクションのようだ。時代や市場の変遷、自社の台所事情に合わせて組織編制を変えていくことは「カイシャの常」だが、それにしても四半世紀に渡ってこの企業グループで10数回異動した中で、後半はできたてホヤホヤの新設ポストの「ポトン」と落とされるような転勤がやけに多い。先々のことよりも、着陸直後にとりあえず目の前の埃を払い、ルールもはっきりしない中、何となく感でどうにか操業を始める、というのは前回取り上げた「女性脳」が得意とするところであろう。(そもそも組織編制と役割分担をいちいち定義し直してやらないと、仕事の仕方を変えられないのは先の著書によれば「男性脳型」である)

「みなさんおはようございます。7月●日に新生○○○にやってまいりました、磯辺です。どうかよろしくお願いします。・・・今回の新体制発足の要諦は・・・・・・ぐらいの理解でよいと思われます。ぶっちゃけ、前職ではあんまり関係ないと思ってちゃんと聞いていなかったんですが。・・・その中で我らがセクションですが、ファーストインプレッションだけ申し上げると「シンプリファイ」、何事も分かりやすくクリアでエンジニアの知恵と工夫をとことんまで発揮しやすい構造だなと感じました。組織やルールを新しく設計する者は、船の航海で言えば羅針盤と海図で行先までのルートを考える役割で、目的地までの道のりや船の大きさ、乗組員数などには無限のパターンがあってブレが大きいものです。また気象予報や所要時間などはその時の状況に合わせコロコロ変える必要が出てきます。だからかの人たち(経営者が近いかな)は「変化」とか「変革」とよく叫ぶのです。しかし船を操縦する者は目の前の波を越える術にそんなパターンがあるわけではありませんから、傾向でいうと変化を好みません。(現場ということですね)人にもよりますが、机の上で地図とコンパスで航海プランを書き直してばかりいるよりも、実際に大海原で荒波をかき分けて進む方がスリルがあって面白いと私は思っています。知恵や工夫を発揮しやすいとはそういうことです。

さて総勢数○名の乗組員の船を無事に荷駄ともに目的地に到達させるために心掛けたいことが3つあります。(前職でも言ってきたんですけどね)一つ目は『見える化』です。これはエンジニアであればどなたもお分かりでしょう。今どこまで進んでいるか、どこまで出来上がっているか、どこが改善できるか、どこに問題がある?『見える化』はすべての取組みのキーだと思います。ヒントを言えば「泥臭い」アウトプットの方が効果があるように思います。ボタン一つでキレーイなグラフが出てくるよりも、手書きの絵であったり、触れる模型であったりするほうが面白くて長続きします。
次はちょっとゴロ合わせに近いけど『見てる化』。上司は部下の得意分野や伸びシロ、悩んでいることなどを見てあげる。隣の係が困っているようだったら声をかけてあげる。隣の部門がやけに楽しそうだったら、どんな工夫をしているのか見て、パクってくる。人間『見られている』という意識が向上を呼びますね。
最後は『見せる化』。どこよりも楽しそうで、それでいて締めるところは締めるチームであることを示す、よきことも悪しきことも残さず内外に知らしめる。自分の働き様を自身をもって見せる化できるようにしたいものです。

これら『見える化、見てる化、見せる化』の根底に流れるのが『ホスピタリティ』です。易しく言うと『思いやり』『気配り心配り』『おもてなし』というところかな。そういうと何か精神論やきれいごとのように聞こえるかもしれませんが、れっきとしたビジネス論です。米国のビジネススクールなどでは真面目に議論されています。東京駅の新幹線清掃スタッフは海外から見学に来ていますね。「きちんと挨拶や声かけをするオフィスとそうでないところがでれだけ生産性が違うかリサーチした結果もあるんです。日本人はそういうところ、我が社は比較的体現化していますね。滝川さんじゃありませんけど、あらためて大事な文化だと思います。

今回、全社レベルの規模で組織編制や役割分担を変更し、新体制となったわけですが、最近読んだものの本によれば、こういう変革は「男性型の脳」の成せる技のようです。・・・・(以下、脅威の『男女の脳論』編で書いたようなことをパクり。。。)・・・・私はウルトラヒーローが好きなので、よく「Ultimate」(ウルティメイト)という言葉を使います。生産性(Productivity)、品質(Quality)なんかと組み合わせてカッコよくね。スタイルもスリムになって目的地もクリアになったこの新造船で時にはワープし、時には船底に開いた穴を補修しながら明るく楽しく航海して行きましょう」

今年のこの季節、いつもと違う不思議な思いをもった。すぐ上の仲良し先輩達が早い人はいわゆる「勇退」し始めたのである。企業グループ群からは一旦抜け、業界内にいることも多いので一般的な「定年退職」とはちょっとニュアンスが違うが、やはり一つの区切りには間違いない。つまり私も10数回繰り返した転勤も今回で「打ち止め」となる可能性が高いわけである。新任に挨拶に関連企業を訪れると向こう側についこの前まで仕事で連携していた人がいたりしてびっくりすることが多かった。ま、とにかく25年ぶりのオフィスは相変わらず夜になると●ブホのような怪しくなるところも変わっていない。むろん周辺はだいぶ様変わりし、窓からは聳え立つ超巨大なタワーが見えるが、昔通いつめた「鳥○い」は健在なのが(おばあさんも健在)は驚きだ。ここが「潮時の地」となるか?!何やら巡り合わせを感じるトランスファーだった。
久々に東京駅を通過する通勤となる。「KITTE」からの東京駅の全貌は中々素晴らしい。