超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

言葉の力で

2013-10-29 20:33:20 | 職場
「言葉の力で元気を」第52回電話応対コンクールのテーマである。我が職場は「顧客からの電話応対を主業務とする」セクションがあり、それぞれの拠点から毎年このイベントに予選会から選手を出場している。あまりメジャーなコンクールには聞こえないが、総務省や地方自治体、商工会議所なども後援しており、全国大会の模様は当日ライブ配信されるほど知名度はあるようだ。私は前職場でもとあるご縁から、地方予選会の審査員に招かれたことがあるから、以前からこのイベントのことは知っていた。今度は職業柄、選手を送り込む方の立場だから聞くとかなり前から各職場で出場選手募集し選考会を行ったり、講師を招いて勉強会を行ったり、中々熱心な活動で盛り上がっている。彼ら彼女らの業務はどちらかと言うとテクニカルな話題が多いのだが、このコンクールは「気持ちのこもった自然な話しことば・・・」などとホスピタリティ重視だから、中々予選を勝ち抜いていけないのが現状だ。

このコンクールについては以前も取り上げたような気がするが、出場者は毎年決まった状況設定のもとに、自分の元に入ってきた電話に対して顧客役と決められたシナリオ通りやりとりを行う。その「電話応対」には顧客からの要望、質問に対する説明、勧誘など様々な要素が含まれ、選手には若干のアドリブや選択肢、自分なりの作戦を盛り込む余地がある。問題となる「応対スクリプト」は春先に主催者側から発表・提供され、地方予選は夏くらいから各地で行われる。やりとりは3分くらい、顧客役の模擬応対者は決められたセリフ以外にあいずちしかうたないロールプレイングなので、セリフを覚えるだけならできないことはないが、状況設定が恐ろしくきめ細かい。世の会社幹部向け演習などでは、短時間で状況設定を頭に叩き込み「売上増進の作戦をたてる」とか「納品遅れのクレームに対応する」や、挙句の果てには「露見した問題に10分で状況把握し記者会見に臨む」なんていう「悪意」に満ちたプログラムがあるが、「隅々まで覚えなければならない」という点ではこの設定はかなり厳しい。

毎年内容は異なるが、全国大会会場にある企業、その土地にまつわる話題となっている。今年の会場は仙台、選手はそこにあるツアー企画会社の担当という設定になっている。その社員(選手)に対して復興応援キャンペーンにアンケート協力し、懸賞の日帰りバスツアーに当選した顧客(模擬応対者)から連絡が入る。その前に社員(広瀬という名)本人から当選を告げるEメールを送っている。そのメールにはツアー招待日や当選人数、追加したい場合の申込方法などが記述されており、顧客(ここでは佐藤)はペア招待以外に息子や母も参加したく、その可否を問うてくるのである。社員は追加が可能であること、その料金や申し込み方法、期限などを的確かつ丁寧に伝え、加えて食事に対しての顧客の懸念事項を解決し、さらにオプショナルツアーを勧奨することになっている。

また「背景」として、佐藤さんは今年9月に仙台に初めて赴任、息子は中学1年で、せっかくの機会だから家族全員で参加できないか考えたこと。有名な店で「牡蠣料理を満喫できる」という食事に魅力を感じているが和・洋どちらのコース料理にするか迷っている。長男は正座が苦手なため食事はお座敷よりも椅子席のレストランでしたいと思っている、といった情報が与えられている。しかし難しいのはこれらの情報は最初から自分は知らないことになっており、電話応対の会話の中で導きださなければならない。つまりこの類の質問をすると上記背景通りの答えが返ってくるというわけだ。つまり、「 失礼ですがお子様はおくつでいらっしゃいますか?」とか、「お食事は2種類ございますが、もうお決まりですか?」などと誘導することとなる。

また「復興応援キャンペーン」のホームページに記載されている内容は顧客も知っている設定だが、そうでない情報は的確に内容を説明してあげなければならない。食事のメニューの申込方法、とその変更期限、ツアーの詳細(しおり)の郵送時期、フリータイムでのオプショナルツアーの説明などがこれにあたり、顧客との対話の中でこれらの話題に持ち込み正確に伝えなければならない。模擬応対者は息子や母の追加、食事について、オプショナルツアーのことは尋ねてくることが決まっているので、「会話がどの方向に行くかわからない」わけではないが、実際のキャンペーンで必要であろう情報はすべて想定されており、完璧に記憶しておかなければならない。例えばオプショナルツアーは2種類あり
①円通院での数珠づくり体験(作成時間20分) 
ご供養料によって数珠の種類が異なる。2000円ガラス、3000円天然石(小粒)、4000円天然石(大粒)のこと。円通院は日本三景松島にある伊達政宗の嫡遜「光宗公」の菩提寺で、臨済宗妙心寺はの寺院である。
②国宝瑞巌寺本堂ほか七棟建造物保存修理事業
国宝瑞巌寺が平成30年3月頃まで平成の大修理中のため、国宝『庫裡』、『陽徳院(愛姫)御霊屋』平成28年3月まで特別公開。

問題にない情報やサービスを付加して説明してもよいが評価の対象にはならない。また食事内容やオプショナルツアーはどれを薦めてもよく、時間制限内なら全部薦めてもよい。ただ間違った内容を案内すると減点の対象になってしまう。今回はかなり出場者の「裁量」を活かす余地の多い設定になっており、皆様々な作戦を練ってきたようだ。審査のポイントは
・懸賞に当選した顧客の「うれしい気持ち」を受け止めるような応対をすること。
・積極的に質問をして、顧客のニーズをつかみ、顧客に合わせた分りやすい説明をすること。
・顧客に企画の楽しさが伝わり、ツアーへの期待を高めるような対応をすること
・気持ちのこもった自然な話しことばで説明すること
とされている。

それぞれのセクションからの応募者は本業務がすごく忙しい中に時間を作って一生懸命準備していたようだった。相手役を交互に行ったり、自分で録音した通話を聞いたり。。。各拠点、それぞれの地区大会で善戦していたが上位入賞までは行くものの、県レベルの大会まで進める選手はほとんどいなかった。その中で宮城県大会に出場した選手が準優勝し、同じ仙台での全国大会出場を決めて「楽天優勝」の一報並みに仙台拠点は湧きあがった。そして最後の代表を決める東京大会が先週開催された。応募者1000人以上、全国一の規模でかつ激戦区である。我が台場オフィスからも地区大会優良賞など優れた成績を収めており、1名都大会に出場した。この方は何と前回第5位入賞という輝かしい成績だったが、残念ながら全国大会出場枠は4名までだったので、涙を飲んだ。今年はそのリベンジと張り切って練習しており、こちらも激戦だった地区大会も群を抜く成績で都大会に進んだ。

出場選手は全部で63名。開会式から応援団は会場ホールの前列に陣を張っていた。壇上で観客に向かって席に座り、かかってくる電話を取る応対演技なので、最初から最後までいると63回、同じ応対を聞くことになる。皆、それぞれ各選手を自分なりに採点し「入賞できそうか」固唾を飲んで見守っていた。私がホールを訪れた時間はちょうど開会式が始まる前の選手入場で、ちょうどそれぞれの地区代表が順番に壇上に上がっており、目の前を彼女が通り過ぎたので「おーいっ」と手を振ったが、応援用に黒服にド派手ウルトラネクタイをしていたにも関わらず、全く気がつかない様子だった。順位や審査結果に結構影響する競技順番は当日朝抽選で決められる。応援団に聞くと彼女は何と52番目の競技だった。いくら暇な私でも全く仕事を放り投げて他の選手の応対演技を丸1日聞いているわけにもいかぬ。(というか、退屈嫌いの私にはたぶん耐えられない)私は一旦オフィスに戻り、競技時間の少し前に会場に着くように移動することにさせてもらった。

午後3時過ぎ、競技直前まで相棒と練習していたという我が職場代表の演技が終了した。実に立派な「電話応対」だった。ホッとした表情で応援席にやってきた。私がいることに驚いているようでもあったが「カミカミしちゃってーもう、参りましたぁ。でもベストを尽くしました」と晴れ晴れしていた。普段の仕事風景は見たことがないが、あのレベルの席に座れるのはよほど肝がすわっていなければできあいだろう。「みんな、すごいねえ。一言一句間違えないもんな。オレなんか自分のデスクの電話が鳴るだけで、ドキドキしちゃって、誰かとってくれるの待ってたりするからなー」「でも色んなことを言い忘れちゃって・・・やっぱり緊張するんですね」「でも自然な笑顔が好感持てたよ。笑声(えごえ)って言われるらしいけど、電話の向こうにも伝わるんだろな」
都大会ともなると、審査員には見えないと分っていても、すごい大仰な身振り手振りで話す人がいる。頭も机にぶつけるくらいに下げる。普通の顔から電話を取った瞬間に皆輝くような笑顔でオープニングの挨拶に入るが、中にはその笑顔が「夢にまで出てきそうなほど」怖い人もいる。個人的には一番怖いと感じた人が何と優勝した。

全ての競技が終了し審査はだいぶ揉めたらしいが結果は見事入賞、応援団も湧きあがったがやはり本人は全国大会枠に入りたかったのだろう。悔し涙を流し、表彰台でもあまり笑わなかった。(すごい立派な結果なんだけどなー)
応援団にも地区大会で入賞しながら惜しくも都大会を逃した時に悔しさのあまり号泣したという人がいたが、社会人になってこれほどまでに「打ちこめて」その結果に涙するものがあるというのは、羨ましい限りだ。
慰労会ではすっかり元気になって、これまでの苦労話に花を咲かせていた。各拠点から数人は参考のために仙台での全国大会を見学に行ってもらうことにした。私はふと思いついて「せっかく行くんならさ。今回のシナリオ通り「牡蠣料理」を食ったり、オプショナルツアーとかに実際に行ってきなよ。『百聞は一見に如かず』実際に経験すると、また違うかもしれんだろ?」

別におかしな事を言ったつもりはなかったが、室内はえらい湧き上がった。どうもご褒美旅行と勘違いしたらしい。表彰式でうつむく彼女を見ていて、なぜいっそのこと「実物を見せてあげなかったのか?」と思っていたのである。今回はもう終わってしまったので、確かに実りは少ないかもしれないが、実際の経験の有無が電話応対にもでるものなのかどうかは検証する価値がある。来年は金沢が会場だと言うから、金沢の土地や食べ物にちなんだシナリオになるはずである。県大会出場者には事前に現地で現物を見て触れてもらうことにしよう。これによって応募者も増えるかもしれないし・・・私も引率責任者として同行することにする。
んっ?誰ですか?「もしかしてそれが目的だろ」とか言ってるのは。

たくさんの人が写ってしまっているの関係で、写真を掲載できなかった からおまけ・・・この日、久々に我が家の「守り神」がいらしていた。いつもほぼ同じ場所に降臨し我々に気が付くと決まったお住まいに戻られる。我が家が建設された時からおられたようだ。種類は知らないがたぶん「ヤモリ」=「家守」である。ずーっと我が家の玄関の隅を住まいとされ、2匹同時にいるのを見たことがあるので、何代か存続していると思われる。初代の家守公はもう少しまだら模様だったような気がする。先日、夏の暑い夜に体長が2cmくらいしかない、幼い竹千代君がいらした。 3代目くらいかな。ヤモリは家の周囲で害虫(と言っても人間にとってだから身勝手な話)を食べてくれるので、「家守」と言われると聞く。詳しい生態はまた今度・・・



  

プチ旅行先を探す

2013-10-25 21:19:47 | 旅行お出かけ
これまであまり意識したことがなかったが、私の通勤距離は一般的な会社員よりも(たぶん我が社の中でも)比較的長い。北関東がその最たるものだが、片道2時間を超える職場も結構あった。ただそれなりに列車の連絡や駅からの足を工夫してかなり効率化しておりびっくり、びっくりするほど遠くてもやっぱり2時間くらいである。一方、都心に職場があっても妙に徒歩区間が長かったり、距離はいくらもないのにちんたら遅い交通機関(ゆりかもめ)など、結局家を出てから2時間近くかかっているのである。通勤定期は基本6ヶ月間隔で購入するが、SUICAカードを使うようになってからいつの間にかポイントが貯まっていることに気付いた。やはり新幹線通勤のポイントがかなり効いている。世の中にはカードのポイントを抜け目なく貯め、色々効果的に使っている人が多いが、私は一定額以上でなければカード払いってしないので、あまり気にも留めていなかった。

ひょんなことから「期限があるから切れるともったいない」と聞き、確認してみたら結構なポイントが貯まっていた。交換できる景品については、それほどヒットするものはなかったが、交換比率だけみると「びゅうクーポン券」が一番得だったので何となくそれにしてしまった。GALA湯沢スキー場にてスノーボードデビューを果たした時に一度だけ使用したクーポンである。JR東日本の商品そのものだからか、交換比率は他に比べて30%近くよい。これらを交換できる分だけと、端数のようなポイントは「びゅう商品券」という似たような景品にした。すると面白いことに(全然関係ないが)何かの拍子でポチっとしただけの、自分で応募したことすら忘れているSUICAの何かのキャンペーンが見事当選したらしく、「びゅう商品券」がまとまって送られてきた。さらにグループ会社の「年次対抗ゴルフ大会」では足を引っ張りまくったものの、団体で優勝したらしく(表彰式など出ずに帰ってしまったので後から聞いた)その景品がなんと「商品券」!

別に意図もしていないのに、瞬く間にちょっとしたプチ旅行一人分くらいの商品券が貯まってしまった。これも何かの「縁」なのだろう。私は普段はあまり使わないが列車を使った旅行を考えることにした。クーポンを丸々使うと1泊2日の新幹線旅行一人分くらいである。息子甘辛は部活で忙しく、最近家族旅行にもあまり興味を示さなくなってきたから、妻と母と3人で行くところを探してみるか。別に1日くらい放っておけばよいのに、妻は「母の性」からか甘辛を家に一人残して旅行に出ることには抵抗があるらしく、夏休みは彼の合宿に合わせて「南の島」に旅行した。しかし残念ながらしばらく甘辛が週末泊りがけで出かけることはしばらくないらしい。色々と考えた結果、年末に甘辛を母に実家で預かってもらい私は妻と小旅行する代わりに、今回は妻は留守番で母と二人で旅行することにした。50年近く生きてきて、母と二人で旅行するなど祖父母のいた富山に行った以外は初めてである。

さてどこがいいだろうか?念のため母に聞いてみると簡単で「行ったことないところならどこでもよい」という。考えてみると我が家の旅行というのは意外にパターンが限られている。何かひょんなきっかけが無い限りは大体いつもの保養所とか近場で手軽に出掛けることが多いのである。先日の仙台コンサートツアーなんてのは極めて稀で普段は遠出してもスキー場くらいだった。ただ行く先々には必ず「温泉」があることが暗黙の条件となっていた。海外旅行の場合でも大体行き先が決まっていて、旅行会社の企画するツアーに参加するのは「英語が通じない国」の場合だけである。私は大した仕事もないのに不思議に国内外あちこちにしかもダブルことなくお出かけしてきたが、旅行となると驚くほど国内に「行ったことがない」名所がたくさんあることに今更ながら気がついたものである。

初めての経験だったが、JR東日本の「びゅうクーポン」や「びゅう商品券」が使用できるのが大前提だから、駅の「びゅうプラザ」で山ほどパンフレットを持ってきた。予算は一人分タダになるのを目安にし、今回も温泉がついているのを条件にしよう。水戸は先日母と従弟の結婚式に行ってきたし、山梨方面には母がバス旅行で結構足を運んでいるようだ。せっかくJRだから新幹線を使おうと思うが、上越・北陸方面はいやと言うほど乗ったし、仙台まではかなりの回数訪れているからあまり目新しくない。山形方面はかみのやま温泉に保養所があり蔵王スキー場があるから比較的馴染み深い。母も天童や山形は旅行したことがあるという。こうしてプチ旅行の行き先は「北東北」方面に絞られてきた。この地方は真冬になるとしんどいから、「紅葉の季節がいい」というのが母の意見だがあんまり時間がない。。。写真は北関東の奇岩と皇居である。

      

最初に思いついたのが世界遺産「平泉」である。知らなかったがここは温泉にもなっており、駅周辺にこじんまりと見どころが集まっており、毛越寺というのは紅葉も見られるらしい。宿泊施設のメニューは前沢牛又は岩手牛が用意され実に美味しそうだ。だが仙台からそう遠くないし、現地で全くフリーな割りには若干料金がお高めだ。現地では自由に乗れる巡回バスで十分観光でき、レンタカーを借りるほどのエリアでもなさそうだ。母は高齢だからあまりあちこち歩かないと思うから旅程に無理はないが自分にはちょっと物足りないかもしれないなー。次に目についたのが「おいらせ渓流温泉」である。こちらは十和田湖の周辺となる全く足を運んだこともない未知の土地である。紅葉も素晴らしくま渓流には様々の名滝や名石があり、散策するには十分手応えのあるエリアだ。滝好きのスティーブが喜びそうな、ぜひ一度訪れてみたいところだが、少し歩く距離が多そうで湖畔のレンタサイクルなどもあるが、高齢者には少しヘビーな観光地のようだ。新幹線も新青森と最北端だしそこから路線バスで2時間以上かかるようだがレンタカーを使えば全ての移動は事足りるし、「はやぶさ」の時速320キロはぜひ経験してみたい魅力あるプランではある。

次の候補に考えたのが「男鹿」である。こちらも「なまはげ」くらいしか知識のない未知の土地だ。こちらもちゃんとした温泉で、新鮮な魚・海藻を入れた桶の中に焼いた小石を投げ込む磯料理が有名らしい。展望台や水族館GAO、なまはげ館など見どころも結構満載で何よりも夕日に映える「ゴジラ岩」というのをぜひ見てみたい。秋田からは在来線で1時間弱、半島内の観光はやはりレンタカーが便利だと思われる。距離があるだけにこちらも「おいらせ渓流」同様少し料金がかさむが、有力な候補となる。最後の候補となったのが「田沢湖」である。確か日本一深い湖で「不思議な美しさをたたえる澄んだ湖」といううたい文句になっている。周辺には秘湯ともいえる小さな温泉がいくつもあり、少し車を走らせると「抱返り渓谷」という紅葉で有名なところがあるらしい。湖畔には御座石神社というパワースポットもあるようだ。どこも中途半端に離れているから観光はやはりレンタカーが適しているだろう。食事の共通メニューというきりたんぽ鍋というのも名前しか知らないから魅力的だ。

あと二つほどあるが、どちらかと言うとこれは近場の保険に近い。母に聞いてみるとどこにしても楽しみだという。これらの地域は料金設定でいくと11月の第1週くらいまでが一番高い。つまり10月下旬から11月上旬くらいが紅葉のみどころということらしい。今年は夏がやたら暑く長く10月になっても30度を超す日があるくらいだから、紅葉の時期は遅れるような気がする。
実はこの検討を行っているのは一月くらい前の話で、先日「フライトの楽しみ方」編で上記の候補地は(平泉除く)上空から撮影してあり、旅行自体の計画はすでに決まっている。これまで紅葉もこのようなツアー旅行もあまり興味を持っていなかったのだが、今回がきっかけで色々と調べるとホントに国内(東日本エリアでさえ)にはまだまだ知らない名所がたくさんあることがわかり、新鮮に面白かった。ちょっとショックだったのは「びゅうクーポン券」はクレジットカードとのセットでないと使用できず、「びゅう商品券」はカード払いと一緒にできない、という冗談のような規則でせっかく貯まった商品券が半分しか使えなかったことだ。 ちょっと朝の早い出発になってしまったのが、母には申しわけないが初めての地を訪れまたレポートしよう。

       

実はこういうことだったのだ。お後がよろしいようで・・・

良き生徒とは

2013-10-20 17:17:58 | ホビー
20年ぶりに封印していたゴルフ再デビューを果たし、ついでにせっかくだから会社帰りに寄るスポーツジムのゴルフクリニックを週1回受けるようになってから5ヶ月になる。練習場のプロによるレッスンほど本格的ではないが、一応コーチは専門なので色々なことを教えてくれる。レッスンを受けると次回までに教わったことをなるべく反芻、練習しその結果を見てもらうことになるが、誰もが同様に「様々な癖が悪さをして」今のダメなスイングになっているから、そう簡単に改善できるほど甘くはない。このコーチのすごいところは、練習法に関しては限りないバリエーションを持っていて、毎回「今日はこれをやってみましょう」と練習方法が変わることだ。まるで私が飽きっぽく「地味な努力の積み重ね」ができない者だと初めから看破されているかのようだ。

この年齢になって「人に物事を教わる」心境については以前にこのサイトに書いた。せっかく知らないことを教わったのだから、忘れないようにレッスンが終了しても打ちっ放しBOXでしばらくその練習を続ける。その週はその「練習」のみを繰り返し行うが、「大体こんなことをやらせたかったんだな」とコツを理解してしまうと途端に飽きてしまう。(まあ、ちょうどその頃次のレッスンがやってくるのだが)思い出せるだけでも、片手打ち、ベタ足の手打ち、障害物を除けて打ち、座り打ち、背面打ち・・・よくもこれだけ練習のバリエーションがあるものだと思う。腰の捻転が足りない、肩の開きが早い、右足重心から移動がない、色々とダメな癖を指摘されてきたが、トドのつまりは「腕に力が入り過ぎている」ということらしい。

コーチも様々な練習から私の(性格も含めて)根本的なところを見定め、あまりにも単純極まりないがこの結論に達したようで、しばらくは「腕力を全く使わずにクラブの重さだけでボールを飛ばす」というテーマになりそうだ。打つ方向から180度真後ろを向いて肘を直角にまげてパンと柏手、そのままぶらんど両手を落として反対側で同じ祈るようなポーズで「パンッ」。この動きを覚えたら、クラブを持って全く同じ動きを「忠実に再現せよ」という。クラブを振るのではなく、「落とす」のである。うまく当たると「スカンっと」と堅いゴルフボールが抵抗なく前へ飛んでいく。今まで自分のスイングの一部に「気を付けて」練習してきたが、今回の練習法が私にとって革命的なのは「何も考えないで打つ」というところだ。一人で繰り返し練習し、少しずつできるようになってきた。前回も書いたように地味な練習の範疇に入るが、バシッと飛ばしてやろうという「邪念」が少しでも入ると「カシンっ」とか変なところに当たってあさっての方向に飛んでいく。無心時と邪念時の落差がはっきりしていて鍛錬になりそうだからこればかり続けている。

月の最初のレッスン時に正面と後方からビデオを撮りその映像で自分のスイングをチェックしてもらえる。今回撮ってもらった映像を見る前から私は頭を掻き「今回はダメですよ。『撮られてる』と思うと邪念が入って・・・・」コーチはゲラゲラ笑って「じゃー、次は盗撮にしてあげますよ。この練習はねえ、初めてクラブを握る子供向けに考え出されたもので、短期間ですごい効果があるんですよ」(とほほ。。。オレの練習は初めての子供と同じものなのか・・・)
一人で黙々とやっている時はうまくいっても、コーチが巡回してくるとたちまち戻ってしまう。「コーチ、だめですよ。見られると邪念ばかり先走るよ」コーチは柱の陰から「星明子」のようにのぞいてニヤニヤしながら「でも、ゴルフって必ず他人が見てるからねえ。それから、自分が思い描いている姿とは全然違うスイングになっているのが難しいところなんですよ」

「例えばですね。腕の力を抜くといくことは腕に力が入らないようにすればよいわけで・・『巨人の星』最終回の伴宙太のようにずーっと逆立ちを続けて腕力を意図的に奪ってしまったらどうでしょ?」「ゴルフってのはねー、そう何でも理詰めで一発解決に走ってはダメなんです。『ここを直したら、今度はこの悪さが出てくる』という螺旋を繰り返して上るんですよ」彼は短時間で練習方法を示してくれるのだが、一歩一歩着実に繰り返しモノにさせるわけではなく(確かに毎回レッスンで同じことをさやせられると飽きる)その日の私のスイングを見て「今日はコレ」と決めているようだ。1種類の練習に30分当てて全種類こなしたら半日は費やしてしまう。それでも先般「部活やめるってよ」編で書いたように、私は「人の真似をして同じ動作をしろ」と言われた時、そこそこのレベルまで上達が早い。「ここをこうして、これに注意して、こんなイメージで練習してみて」と言われて、次にコーチが巡回してくる頃には十分とは言えないが「もしかして、こういう風にさせたいんですか?」とヒントをつかみ、次回のレッスンには何となくできているのである。無心打法以外大抵の練習法は「こうやれ」と言われた時にその通りやって見せたから、コーチにとっては教えやすい生徒なのではあるまいか?困ったのはすぐに元に戻ってしまうことだ。繰り返さないから身体に定着しないのである。

ゴルフに関しては彼は「教師」、私は「生徒」である。教師のオリジナリティを直接吸収しようとはしていないから師匠と弟子ではない。今、直接的にこの関係にあるのはこのスポーツに関してだけである。ゴルフのティーチャーであれば私のゴルフのスコアがアップすることが本来のミッションであろうが、結果は別として私はこの「生徒」であることを実に楽しんでいることに気付いた。例えば教わったことをモノにするために自分なりの「作戦」を練り、それが的を得ているかどうか質問するのである。「重心が右側に残っているのなら、初めから左側に置いていけばどうか?頭を動かさないために、ボールを見つめている時間を長くすればどうか?・・・自分なりにレッスンを実践できるかどうか身体に聞くのも、探究の結果編み出した作戦について「教師」に聞くのも、必ずそれなりの答えが帰ってくるから楽しい。ゴルフ自体はあまり上手くならぬが、忘れかけていた「学ぶ」楽しさは満喫している。

KICKPOP師匠の「生徒のために学び続け、自分のために教え続ける」という姿勢には全く共感を覚えた。優れた教師は常に優れた生徒でもある、つまり何からでも教われる姿勢がきちんとできているものだと思う。私は教師ではないし、立場上色々偉そうなことはレクチャーすることはあるが、基本的に「教えること」には向いていない。せめて「よき生徒」でありたいとは思うが、この年齢で直接そういう関係はほぼ「なし」というのが少し寂しいところだ。考えてみれば、学業が本分である時代には決して「よき生徒」ではなかった。授業中に質問などしたことはなかったし、そもそもあんまり聞いていなかった。内職、早弁は当たり前、高校は70分授業だったから朝錬の日は1時限目が終わると10分間休みに弁当を開けてしまった。チャイムが鳴ってさすがに食い終えなかった分を目一杯口に詰め込みハムスターのようになって必死に飲み込もうとしていた時に先生に当てられ、涙目で・・・・・?!●×▼
「おい磯辺よ、オレは第4周期遷移元素の特徴を『手話』で答えようとするヤツを初めて見たぞ。さすがに無理があるとは思わんか?」

本業の時ですら「よき者」ではなかったので、社会人になってからなど「人を相手」にして「よき生徒」をであるのは多く演技の要素があり、中々ストレスの溜まるものだった。一方でネットやメディア、書物などを通じてフラッシュのように共感を覚えた時など「勝手に師匠」と呼んでしまうことがある。また仕事を通じて色んな類の人々の「つぶやき」を聞いているうちにひょんなことから「電光」のように何かのヒントが閃く時がある。こういう時は一時的に(一瞬だけ?)彼らが「師匠」となっている。何せ前の職場を去る時に「この職場は私にとっては学校だった」と言い残してきたのだ。たぶん今の職場を去る時にも同じような心境になるだろう。実は私の「心の師匠」はマンガにあることが多いのだが、「どんなことからも探究心を興して学ぶことができる」という姿勢について、「柳沢良則」つまり「天才柳沢教授の生活」の主人公である。第何話か忘れてしまったが、勤務する大学の偏屈(ではあるが名教授)な同僚から「柳沢さん、私はあんたを一流の研究者だと思ってたが、一流の教育者でもあるのだな」と言われるシーンがある。自分はどちらでもないが、よく「両立するとは限らない」と言われる分野でそこそこ認められることに最近どうも憧れるものだ。

地味練の効果

2013-10-16 21:37:45 | ホビー
先日、会社のゴルフ大会があった。普段なら出ないのだが今回は、我が事業部が幹事でしかも会場は北関東の「ゆかりのあるコース」だから私も出場することにしていた。先週のレッスン時に「今週、コースでラウンドするんですけど、『これだけ心掛けろ』ってことないですか?」とコーチに尋ねたら「そうですねえ。何も考えないほうがいいかも・・・」(5月も同じこと言われたような気がするぞ。このレッスン意味あんのか?)
「磯辺さん、今度の○○杯よろしくお願いしますね。表彰式ではプレゼンターですからね」幹事長は夏休みにゴルフ合宿するほど大好き人間だからもう気合い入りまくりである。その人はスコアも抜群だから「ねえねえ、この1週間で『これだけ練習しとけば』っていうのない?」と聞いたら「パターですよ、パター!1メートルのパットを確実に入るようにしとくんです。部屋で練習できるでしょ。250ヤード飛ばすドライバーも1メートルのパットも同じ一打なんですよ。『ローマは1日にしてならず』地味な練習の積み重ねが大事です」

そう聞いて、私は不思議にも感心してしまった。そう言えばゴルフって「地味な練習」多いよなー。毎日コースに出て、何度も繰り返し生のラウンドを体感しながら練習する(言うならばこれが派手練?)なら上達も早いだろうが、そんな時間も金もないからだろうか。ここで言う地味練の定義とは「本来のフィールドとは関係ないところ(例えば部屋の中)で、本来の動作とは違うがその一部を担うパーツだけを、ひたすら一人で愚直に繰り返す」ようなことである。ビックカメラのゴルフコーナーには様々な地味練アイテムが揃っていて、思わず笑っちゃうものもある。さすがに「パーゴルフ」(歌える人とは必ず仲良くなれると思う)では練習にならぬだろうが、部屋の中で行うパター練習などその最たるものである。(昔、ポケットゲームにも「ゴルフ盤」というのがあった。)

1週間で何か成果があるんならやる価値はあるだろう。私はゴム製のカップを買ってきて、甘辛が全く使わなくなったカーペット敷きのシェッドで早速練習を始めた。10回も行えば早くも飽きてくるが20、30、と繰り返すうちに何となく入る回数が増え、効果が出ているような気がしてきた。スポーツだけでなくおよそ「技」を使うことを向上させるには「地味な練習」が欠かせないものだが、私が嗜んできたスポーツ、技モノの中でやはりゴルフというモノはこれが群を抜いて多いような気がするのだ。ここで不思議なのは須らく「地味」だということである。ランニングやダッシュ、ストレッチや筋トレなど基礎体力コーナー共通項は別として、大抵のことは「練習そのもの」がスポーツである。野球やテニス、卓球は壁に向かっての素振り、バスケのカニディフェンス、バレーの移動ブロックなどは、ボールを使わず本体から遠く、いかにも地味だが、身体能力の向上やウォームアップの意味合いもたくさんある。スキーやサーフィン、ボウリング、釣りなどは実際の練習行為そのものがスポーツのよい例である。本格的な何かを目指す人以外は部屋でスキーやサーフィン、投げ釣りの練習をすることはあまりないと思う。

  

ところがゴルフだけはどうも違う。第一「ゴルフ練習場」なる不可思議なものがある。バッティングセンターやテニス練習場もそれっぽいものがあるにはあるが基本、野球もテニス、その他のスポーツはそれ用の「場」はあっても「練習場」はない。本場と明らかに異なる練習場にこぞって人が通うのはゴルフだけである。部屋でのパター練習もしかり、ちょっとしたアプローチ練習などもかなり地味であり、積み重ねるだけで精神の鍛錬となる。スティーブなどは畳の部屋で布団に向かってボールを軽くうつアプローチ練習を繰り返した結果、何枚もの布団をダメにしたそうである。スイング強度と距離感覚をつかむために、クラブを握らずにボールだけを握って下手で投げる練習とか、クラブのフェイスだけでボールを押し上げ1メートル先のカゴに入れるとか・・・恐ろしく地味なことを何百回と繰り返しているようだ。最近はパター用グリーンとかバンカー他様々な地味練用施設を完備している練習場も少なくないようだが、スコアアップのためにせっかくの休みの日に金まで出して足を運び、飽くことなく練習を続けるゴルファーとはすごい。最近は電車のホームで傘を振る人は見なくなったが。私にとって「地味な練習」を続けられるには特定の条件があること気がついた。「何となくでもいいから、効果を体感できること」である。

1メートルパットは何となく、上達したような気がしたし実際コースで少しは効果が出た。スケボーも家の前の舗装道路を行ったり来たりするだけの練習を重ねたが、甘辛がいつの間にか自由自在に乗って見せる姿を真似て、すこしずつ身体のアクションで前に進めるようになった。焼き肉「さかい」に行く時に「あなたも随分上手くなったねえ」と言う妻の言葉も後押しとなった。ハングル文字の「書き方帳」で小学生のノートにあるような「書き順」や「はらう方向」のやじるしなどの印刷されているお手本文字になぞって、子音、母音などを画用紙のようなでかいノートに10回ずつ書くことを繰り返した結果、駅のホームにある韓国語の地名は何となく読めるようになった。ヨガレッスンのバランスポーズなども部屋で何となく練習しているうちに、少しできるようになってきたし、ストレッチも少しずつだが、柔らかくなってきた(ような気がする)。とにかく大事なのはウソでもいいから何か効果があったような気がすることで、それが原動力となっている。

反対に「これを行って何の効果があるのか理解できない」練習は全然続かない。流れるような舞の美しさに憧れて「太極拳」に踏み込んだが、ゾンビのように腕を前に出してすーっと膝を曲げるのと、すり足で斜め前方向にゆっくり歩くポーズを繰り返し、「ちゃんとできるまでには1年以上かかる」と先生に言われた瞬間にめげた。。。前の職場で「チャレンジ100万歩」というイベント期間があって、申し込んだ。携帯に歩数カウンターがあり、1日1万歩を目標に3ヶ月間で100万歩という職場の保健師が打ち上げた健康施策だったが、毎日4時間以上の通勤でもカウンターは上がらず、職場で歩き回ること自体も少ないので、「そもそも運動量は抱負なのに歩数ばかりを稼いだところで効果あんのか?オレぁ、別のところで山ほどカロリー消費してるぜぃ」と思った瞬間に記録紙が白紙化していった。

これらを克服して「その気」になるためには、地味練をやっている姿そのものが好きになるように自分をだますか、気がついたらやっているくらい「パブロフの犬」化するしかない。このよい実例が「30日コミットメント」である。どちらかと言うと、持続するという自分との戦いが主たる要因で、効果があるかどうかが全てではない、また30日たったら取りあえず終了してもよいというこの不思議な戒律で何を行うか、色々考えるのも実に楽しかったが、見事習慣化したのが「数息観呼吸法」である。(KICKPOP師匠、ありがとうございます)文字通り(吐く方の)息の数を数えるだけの呼吸法で、どういうことに効果があるのか、また効果が出ているのかどうかもさっぱり分らぬが、風呂場なので気がつくと息の数を数えている。間違ったり、忘れたりしたら最初からという厳しいルールだが、今や1000回(大体50分くらい)は軽く超えるようになってきた。

ただ何かの技を磨くための地味練は「地味な練習を行っている」という明確な意識が必要なようである。スケッチャーズ(バランスシューズ)やマッスルトレーナーのように、「履いているだけでスリムに・・・」とかいうのはダメである。またランニングの時などのように音楽で気を紛らわしながら行うのもたぶん意味が薄い。睡眠学習がモノにならないのと同様に、思い切り退屈でともすると苦痛であることが大事だ。効果があるのかどうかわからない、止める理由ばかり思い付く「地味練」を悪魔の囁きに耐えながら続ける健気な自分を好きになれた者だけが、ゴルフの達人にはなれるらしいのである。飽きっぽい私にとってはかなり高いハードルになりそうだ。さしあたって今、続いているのはゴルフが上達したためではなく、コーチが「まず無心に打ってみろ」と言ったのが気にいったからだ。確かに今の練習法はホントに何も考えずクラブを振ると「スパンっ」ときれいにボールが飛んで行くが、ちょっとでも飛ばしてやろうとかいう「邪念」が入ると、見事なまでにダフる。この落差がすごく新鮮に感じ、スイングそのものをよくする練習というよりは、「雑念」を払い集中する鍛錬のような位置づけで「地味」に続けている。これによってゴルフそのものが上達すれば願ったり叶ったりだが、そもそもそれ自体が「邪念」の塊ではある?!・・・・・

おまけ。昔の「砂糖まぶしゼリー」探索中。デパートの地下にあった丸くて回転するグラム売りするワゴンにあったような気がするんだよなー。

  

フライトの楽しみ方

2013-10-13 06:53:27 | 旅行お出かけ
10月になり今年度の後半戦が始まる。この時期はそれぞれのセクションで拠点拠点に赴いて、会社の事業の調子とか市場の様子とか前半戦を省みてトピックスなどを語り会いながら後半戦にどう臨むか意見交換に回る。どちらかと言うと我々がプレゼンし、それぞれの拠点の疑問に応える形式をとり、必ず「KICK-OFF」という儀式を伴う。いわゆる「ロケットスタート」を切るための「弾みづけ」である。「課長 島耕作」の初芝電産と販売代理店の関係のようで、前半戦で優れた結果を出した個人、グループへの表彰なども行われる。我がセクションは札幌に2、仙台に2か所、そして東京も入れると大きく6箇所の拠点があり、東京の中央セクションから全拠点に足を運ぶ。札幌で2回、一泊して仙台に飛んで2回似たような公演を行う売れないご当地アイドルのようなものだ。

今回のツアー公演(っていつの間にか公演になってる?)は午前羽田発の便で昼前に札幌に到着、午後1時半から最初の会場で3時まで、そこから移動して3時半から5時まで第2会場で行うスケジュールになっており、その後そのビルのレストランでKICK-OFF会、その晩は札幌駅前に宿泊して午前便で仙台に飛び、午後から2回、同様のプレゼンを行うことになっている。資料はスタッフが準備して、直前に何度か目を通していたが、苦労して製作してもらった割には大体思い付きで適当なことを話し、どんどん本筋から外れてしまうのが私の悪い癖だ。元々人前でのプレゼンそのものが好きでないのだが、同じことを話すのがもっと嫌いなため(というか、同じ話しをしているのを同行者に聞かれるのが嫌い)簡単な自己紹介と「つかみ」やエンディングエピソードなどは例によって全部パターンを変えた。

私は朝にだけはすこぶる強いから、一人で行く時は朝早く8時の便などで飛ぶ。実はその気になれば羽田6時半のフライトにも乗って、朝ミーティングに出席することもできるのである。今回は皆、気を使ったのか(いや、たぶん自分が朝早いのがいやなだけ?)昼前に着く余裕のあるスケジュールだった。電子機器禁止なので撮れなかったが、朝9時半の羽田空港はすごいことになっている。ターミナルのたくさんのゲートから滑走路までの路に大小無数の航空機が入り乱れ、明らかに「アイツ、割り込みじゃねえのか?!」という某国の航空機も見られる。最近のJAL機には主翼の端っこに小さな垂直翼がついている。確か翼の先端に生まれる空気の渦を抑制し燃費を上げる効果があるとテレビで見た。

  

新千歳空港までは約1時間半のフライトだが、寝ていると好物のスープを逃してしまうし、機内紙も読み飽きてしまい何とも退屈していた。ふと窓の外を見ると、雲の上に富士山が頭を出して見える。最近は離陸後安定すると「これから電波を発しない電子機器はご使用になれます」と言ってくれるので、IXYを取り出して撮ってみた。台風が通過した後だから空気が澄んでいるのか、下の地面がよく見え地形が何となくわかる。しばらくして見える景色(左側)はどう見ても日本海だ。すると向こう側にぴゅっと飛び出て見えるのは男鹿半島かな。機内紙の後ろにある日本地図を開けて比べてみた。うーむ、どうも違うような気もするが、日本海側にあんな形をした突端は見当たらない。。。

    

すぐ後に真下に正方形に近い湖が見えてた。地図と見比べるとどうも田沢湖だ。とすると、仙北市の上空を飛行していることになり、男鹿半島はかなり斜めから見ていることになる。なるほどあんな風に見えるのか。Googleの航空写真とはだいぶ違うが、本物の地形がわかるというのは面白いものだ。この位置を飛行していて新千歳に向かうとすれば、そろそろ十和田湖が・・・・おーっ、あれがそうだ!湖の中心に向かって突き出る「へそ」のようなもの(御倉半島というそうだ)が見えるからよく分かる。また少しすると眼下に赤茶けた不思議な色の山々が見えてきた。山の地形って地図で追えないのだが、位置と方角からして八甲田山かもしれない。

      

こりゃー、面白え。すっかりハマった私は地図を膝に上に置き、窓の外にかぶりついていた。まったく「飛行機初めて!」の田舎者のような姿だ。さて、しばらくすると不思議な地形が見えてきた。飛行コースから言うと北海道の南端に差し掛かるかどうかだと思うのだが、海の合間に陸地が3箇所見える。難しいのは高度と眺める角度からして、何がどのくらいの大きさに見えるのか経験値がないのでさっぱり分からぬことだ。でも街の様子が少し見えるからそんなに高い所は飛んでいない。こうしてみると、津軽海峡(今は夏景色)はかなり入り組んでいて、本州と北海道って半島同士でみればすぐ近くなんだな。地図の角度をあっちっこっちぐるぐる回して、ようやく自信はないが「これは下北半島、津軽半島そして陸奥湾ではあるまいか?」という結論に至ったのである。もしこの仮説が当たってるとすると次に見えたのは「大間岬」で右側に小さく見えるは函館の街という推測になる。そして何となく函館を左目に苫小牧に向かっているはずだ。

        

地図とにらめっこすること数十分、だいぶ慣れてきて新千歳空港付近に支笏湖があるのだが、だいぶ高度を下げてきたのか残念ながら見ることはできなかった。その代わりはるか遠くにに「もしかしてオレんちに戻ってきちゃった?!」とぞぞーっとさせるような富士山のシルエットが・・・「ヤマトよ永遠に」で200年後の地球にやってきてしまった古代進のような気分になったが、調べるにどうもあれが蝦夷富士と言われる羊蹄山らしい。ホントに富士山そっくりの形なんだな。無事新千歳空港に着陸し、ポッドに向かっていると次の飛行機がちょうど目の前で離陸した。こちらのトラヒックも結構加熱気味である。

  

その日の予定をこなし、KICK-OFF会では我が事業部の誇るウグイス嬢?たちと盛大に飲んだ。電話での顧客応対を主たる業務とし、社外の応対コンクールでも好成績を出す軍団だ。私は地区予選の審査員をやったことがあるのだが、選手となる人達に実際に聞くと電話先の顧客に「●●でございますか?」と伺う「か?」の発音時に「?」でいかに息を抜くかも研究されている、プロ軍団である。「そんなもん、ほっときゃいいべよぉ」といかにも乱暴な茅ヶ崎弁の私も見習わなければ・・・翌朝、すっかりどんより天気も胃腸も雨模様だったが、ラーメン王国制覇を目論む私は果敢にも朝から営業している空港のラーメン道場に入り、5軒目を制覇。

  

次なる目的地、仙台へ向かう旅客機はなんと50人乗りのはとバスよりも小さい小型機である。学生時代にオーストラリアのウルル上空をセスナで観光したことがあるが、こんな小さいジェット機は初めて乗った。何せ最後部座席の同僚は長身だったが、天井に頭が当たってしまうのである。まるでプライベートジェットだ。今回は三陸上空ルートのはずだが、残念ながら悪天候で視界がないどころかすごい揺れで陸地の撮影どころではなかった。しかし帰宅してからGoogle航空写真とにらめっこしながら、撮った地形や地理の確認というのは面白い。以前、KICKPOP師匠の御故郷上空を自衛隊偵察ヘリで飛んだ時もたくさんの写真を撮ったが残念ながら地形を確認できる高度ではないので、どこをどう飛んでいるか地図で確認まではできなかった。(これでは偵察にならぬが・・・)
これから札幌へは何度も足を運ぶから、たくさん撮ってオリジナル航空ルート写真を完成させてみたいと思う。