「言葉の力で元気を」第52回電話応対コンクールのテーマである。我が職場は「顧客からの電話応対を主業務とする」セクションがあり、それぞれの拠点から毎年このイベントに予選会から選手を出場している。あまりメジャーなコンクールには聞こえないが、総務省や地方自治体、商工会議所なども後援しており、全国大会の模様は当日ライブ配信されるほど知名度はあるようだ。私は前職場でもとあるご縁から、地方予選会の審査員に招かれたことがあるから、以前からこのイベントのことは知っていた。今度は職業柄、選手を送り込む方の立場だから聞くとかなり前から各職場で出場選手募集し選考会を行ったり、講師を招いて勉強会を行ったり、中々熱心な活動で盛り上がっている。彼ら彼女らの業務はどちらかと言うとテクニカルな話題が多いのだが、このコンクールは「気持ちのこもった自然な話しことば・・・」などとホスピタリティ重視だから、中々予選を勝ち抜いていけないのが現状だ。
このコンクールについては以前も取り上げたような気がするが、出場者は毎年決まった状況設定のもとに、自分の元に入ってきた電話に対して顧客役と決められたシナリオ通りやりとりを行う。その「電話応対」には顧客からの要望、質問に対する説明、勧誘など様々な要素が含まれ、選手には若干のアドリブや選択肢、自分なりの作戦を盛り込む余地がある。問題となる「応対スクリプト」は春先に主催者側から発表・提供され、地方予選は夏くらいから各地で行われる。やりとりは3分くらい、顧客役の模擬応対者は決められたセリフ以外にあいずちしかうたないロールプレイングなので、セリフを覚えるだけならできないことはないが、状況設定が恐ろしくきめ細かい。世の会社幹部向け演習などでは、短時間で状況設定を頭に叩き込み「売上増進の作戦をたてる」とか「納品遅れのクレームに対応する」や、挙句の果てには「露見した問題に10分で状況把握し記者会見に臨む」なんていう「悪意」に満ちたプログラムがあるが、「隅々まで覚えなければならない」という点ではこの設定はかなり厳しい。
毎年内容は異なるが、全国大会会場にある企業、その土地にまつわる話題となっている。今年の会場は仙台、選手はそこにあるツアー企画会社の担当という設定になっている。その社員(選手)に対して復興応援キャンペーンにアンケート協力し、懸賞の日帰りバスツアーに当選した顧客(模擬応対者)から連絡が入る。その前に社員(広瀬という名)本人から当選を告げるEメールを送っている。そのメールにはツアー招待日や当選人数、追加したい場合の申込方法などが記述されており、顧客(ここでは佐藤)はペア招待以外に息子や母も参加したく、その可否を問うてくるのである。社員は追加が可能であること、その料金や申し込み方法、期限などを的確かつ丁寧に伝え、加えて食事に対しての顧客の懸念事項を解決し、さらにオプショナルツアーを勧奨することになっている。
また「背景」として、佐藤さんは今年9月に仙台に初めて赴任、息子は中学1年で、せっかくの機会だから家族全員で参加できないか考えたこと。有名な店で「牡蠣料理を満喫できる」という食事に魅力を感じているが和・洋どちらのコース料理にするか迷っている。長男は正座が苦手なため食事はお座敷よりも椅子席のレストランでしたいと思っている、といった情報が与えられている。しかし難しいのはこれらの情報は最初から自分は知らないことになっており、電話応対の会話の中で導きださなければならない。つまりこの類の質問をすると上記背景通りの答えが返ってくるというわけだ。つまり、「 失礼ですがお子様はおくつでいらっしゃいますか?」とか、「お食事は2種類ございますが、もうお決まりですか?」などと誘導することとなる。
また「復興応援キャンペーン」のホームページに記載されている内容は顧客も知っている設定だが、そうでない情報は的確に内容を説明してあげなければならない。食事のメニューの申込方法、とその変更期限、ツアーの詳細(しおり)の郵送時期、フリータイムでのオプショナルツアーの説明などがこれにあたり、顧客との対話の中でこれらの話題に持ち込み正確に伝えなければならない。模擬応対者は息子や母の追加、食事について、オプショナルツアーのことは尋ねてくることが決まっているので、「会話がどの方向に行くかわからない」わけではないが、実際のキャンペーンで必要であろう情報はすべて想定されており、完璧に記憶しておかなければならない。例えばオプショナルツアーは2種類あり
①円通院での数珠づくり体験(作成時間20分)
ご供養料によって数珠の種類が異なる。2000円ガラス、3000円天然石(小粒)、4000円天然石(大粒)のこと。円通院は日本三景松島にある伊達政宗の嫡遜「光宗公」の菩提寺で、臨済宗妙心寺はの寺院である。
②国宝瑞巌寺本堂ほか七棟建造物保存修理事業
国宝瑞巌寺が平成30年3月頃まで平成の大修理中のため、国宝『庫裡』、『陽徳院(愛姫)御霊屋』平成28年3月まで特別公開。
問題にない情報やサービスを付加して説明してもよいが評価の対象にはならない。また食事内容やオプショナルツアーはどれを薦めてもよく、時間制限内なら全部薦めてもよい。ただ間違った内容を案内すると減点の対象になってしまう。今回はかなり出場者の「裁量」を活かす余地の多い設定になっており、皆様々な作戦を練ってきたようだ。審査のポイントは
・懸賞に当選した顧客の「うれしい気持ち」を受け止めるような応対をすること。
・積極的に質問をして、顧客のニーズをつかみ、顧客に合わせた分りやすい説明をすること。
・顧客に企画の楽しさが伝わり、ツアーへの期待を高めるような対応をすること
・気持ちのこもった自然な話しことばで説明すること
とされている。
それぞれのセクションからの応募者は本業務がすごく忙しい中に時間を作って一生懸命準備していたようだった。相手役を交互に行ったり、自分で録音した通話を聞いたり。。。各拠点、それぞれの地区大会で善戦していたが上位入賞までは行くものの、県レベルの大会まで進める選手はほとんどいなかった。その中で宮城県大会に出場した選手が準優勝し、同じ仙台での全国大会出場を決めて「楽天優勝」の一報並みに仙台拠点は湧きあがった。そして最後の代表を決める東京大会が先週開催された。応募者1000人以上、全国一の規模でかつ激戦区である。我が台場オフィスからも地区大会優良賞など優れた成績を収めており、1名都大会に出場した。この方は何と前回第5位入賞という輝かしい成績だったが、残念ながら全国大会出場枠は4名までだったので、涙を飲んだ。今年はそのリベンジと張り切って練習しており、こちらも激戦だった地区大会も群を抜く成績で都大会に進んだ。
出場選手は全部で63名。開会式から応援団は会場ホールの前列に陣を張っていた。壇上で観客に向かって席に座り、かかってくる電話を取る応対演技なので、最初から最後までいると63回、同じ応対を聞くことになる。皆、それぞれ各選手を自分なりに採点し「入賞できそうか」固唾を飲んで見守っていた。私がホールを訪れた時間はちょうど開会式が始まる前の選手入場で、ちょうどそれぞれの地区代表が順番に壇上に上がっており、目の前を彼女が通り過ぎたので「おーいっ」と手を振ったが、応援用に黒服にド派手ウルトラネクタイをしていたにも関わらず、全く気がつかない様子だった。順位や審査結果に結構影響する競技順番は当日朝抽選で決められる。応援団に聞くと彼女は何と52番目の競技だった。いくら暇な私でも全く仕事を放り投げて他の選手の応対演技を丸1日聞いているわけにもいかぬ。(というか、退屈嫌いの私にはたぶん耐えられない)私は一旦オフィスに戻り、競技時間の少し前に会場に着くように移動することにさせてもらった。
午後3時過ぎ、競技直前まで相棒と練習していたという我が職場代表の演技が終了した。実に立派な「電話応対」だった。ホッとした表情で応援席にやってきた。私がいることに驚いているようでもあったが「カミカミしちゃってーもう、参りましたぁ。でもベストを尽くしました」と晴れ晴れしていた。普段の仕事風景は見たことがないが、あのレベルの席に座れるのはよほど肝がすわっていなければできあいだろう。「みんな、すごいねえ。一言一句間違えないもんな。オレなんか自分のデスクの電話が鳴るだけで、ドキドキしちゃって、誰かとってくれるの待ってたりするからなー」「でも色んなことを言い忘れちゃって・・・やっぱり緊張するんですね」「でも自然な笑顔が好感持てたよ。笑声(えごえ)って言われるらしいけど、電話の向こうにも伝わるんだろな」
都大会ともなると、審査員には見えないと分っていても、すごい大仰な身振り手振りで話す人がいる。頭も机にぶつけるくらいに下げる。普通の顔から電話を取った瞬間に皆輝くような笑顔でオープニングの挨拶に入るが、中にはその笑顔が「夢にまで出てきそうなほど」怖い人もいる。個人的には一番怖いと感じた人が何と優勝した。
全ての競技が終了し審査はだいぶ揉めたらしいが結果は見事入賞、応援団も湧きあがったがやはり本人は全国大会枠に入りたかったのだろう。悔し涙を流し、表彰台でもあまり笑わなかった。(すごい立派な結果なんだけどなー)
応援団にも地区大会で入賞しながら惜しくも都大会を逃した時に悔しさのあまり号泣したという人がいたが、社会人になってこれほどまでに「打ちこめて」その結果に涙するものがあるというのは、羨ましい限りだ。
慰労会ではすっかり元気になって、これまでの苦労話に花を咲かせていた。各拠点から数人は参考のために仙台での全国大会を見学に行ってもらうことにした。私はふと思いついて「せっかく行くんならさ。今回のシナリオ通り「牡蠣料理」を食ったり、オプショナルツアーとかに実際に行ってきなよ。『百聞は一見に如かず』実際に経験すると、また違うかもしれんだろ?」
別におかしな事を言ったつもりはなかったが、室内はえらい湧き上がった。どうもご褒美旅行と勘違いしたらしい。表彰式でうつむく彼女を見ていて、なぜいっそのこと「実物を見せてあげなかったのか?」と思っていたのである。今回はもう終わってしまったので、確かに実りは少ないかもしれないが、実際の経験の有無が電話応対にもでるものなのかどうかは検証する価値がある。来年は金沢が会場だと言うから、金沢の土地や食べ物にちなんだシナリオになるはずである。県大会出場者には事前に現地で現物を見て触れてもらうことにしよう。これによって応募者も増えるかもしれないし・・・私も引率責任者として同行することにする。
んっ?誰ですか?「もしかしてそれが目的だろ」とか言ってるのは。
たくさんの人が写ってしまっているの関係で、写真を掲載できなかった からおまけ・・・この日、久々に我が家の「守り神」がいらしていた。いつもほぼ同じ場所に降臨し我々に気が付くと決まったお住まいに戻られる。我が家が建設された時からおられたようだ。種類は知らないがたぶん「ヤモリ」=「家守」である。ずーっと我が家の玄関の隅を住まいとされ、2匹同時にいるのを見たことがあるので、何代か存続していると思われる。初代の家守公はもう少しまだら模様だったような気がする。先日、夏の暑い夜に体長が2cmくらいしかない、幼い竹千代君がいらした。 3代目くらいかな。ヤモリは家の周囲で害虫(と言っても人間にとってだから身勝手な話)を食べてくれるので、「家守」と言われると聞く。詳しい生態はまた今度・・・
このコンクールについては以前も取り上げたような気がするが、出場者は毎年決まった状況設定のもとに、自分の元に入ってきた電話に対して顧客役と決められたシナリオ通りやりとりを行う。その「電話応対」には顧客からの要望、質問に対する説明、勧誘など様々な要素が含まれ、選手には若干のアドリブや選択肢、自分なりの作戦を盛り込む余地がある。問題となる「応対スクリプト」は春先に主催者側から発表・提供され、地方予選は夏くらいから各地で行われる。やりとりは3分くらい、顧客役の模擬応対者は決められたセリフ以外にあいずちしかうたないロールプレイングなので、セリフを覚えるだけならできないことはないが、状況設定が恐ろしくきめ細かい。世の会社幹部向け演習などでは、短時間で状況設定を頭に叩き込み「売上増進の作戦をたてる」とか「納品遅れのクレームに対応する」や、挙句の果てには「露見した問題に10分で状況把握し記者会見に臨む」なんていう「悪意」に満ちたプログラムがあるが、「隅々まで覚えなければならない」という点ではこの設定はかなり厳しい。
毎年内容は異なるが、全国大会会場にある企業、その土地にまつわる話題となっている。今年の会場は仙台、選手はそこにあるツアー企画会社の担当という設定になっている。その社員(選手)に対して復興応援キャンペーンにアンケート協力し、懸賞の日帰りバスツアーに当選した顧客(模擬応対者)から連絡が入る。その前に社員(広瀬という名)本人から当選を告げるEメールを送っている。そのメールにはツアー招待日や当選人数、追加したい場合の申込方法などが記述されており、顧客(ここでは佐藤)はペア招待以外に息子や母も参加したく、その可否を問うてくるのである。社員は追加が可能であること、その料金や申し込み方法、期限などを的確かつ丁寧に伝え、加えて食事に対しての顧客の懸念事項を解決し、さらにオプショナルツアーを勧奨することになっている。
また「背景」として、佐藤さんは今年9月に仙台に初めて赴任、息子は中学1年で、せっかくの機会だから家族全員で参加できないか考えたこと。有名な店で「牡蠣料理を満喫できる」という食事に魅力を感じているが和・洋どちらのコース料理にするか迷っている。長男は正座が苦手なため食事はお座敷よりも椅子席のレストランでしたいと思っている、といった情報が与えられている。しかし難しいのはこれらの情報は最初から自分は知らないことになっており、電話応対の会話の中で導きださなければならない。つまりこの類の質問をすると上記背景通りの答えが返ってくるというわけだ。つまり、「 失礼ですがお子様はおくつでいらっしゃいますか?」とか、「お食事は2種類ございますが、もうお決まりですか?」などと誘導することとなる。
また「復興応援キャンペーン」のホームページに記載されている内容は顧客も知っている設定だが、そうでない情報は的確に内容を説明してあげなければならない。食事のメニューの申込方法、とその変更期限、ツアーの詳細(しおり)の郵送時期、フリータイムでのオプショナルツアーの説明などがこれにあたり、顧客との対話の中でこれらの話題に持ち込み正確に伝えなければならない。模擬応対者は息子や母の追加、食事について、オプショナルツアーのことは尋ねてくることが決まっているので、「会話がどの方向に行くかわからない」わけではないが、実際のキャンペーンで必要であろう情報はすべて想定されており、完璧に記憶しておかなければならない。例えばオプショナルツアーは2種類あり
①円通院での数珠づくり体験(作成時間20分)
ご供養料によって数珠の種類が異なる。2000円ガラス、3000円天然石(小粒)、4000円天然石(大粒)のこと。円通院は日本三景松島にある伊達政宗の嫡遜「光宗公」の菩提寺で、臨済宗妙心寺はの寺院である。
②国宝瑞巌寺本堂ほか七棟建造物保存修理事業
国宝瑞巌寺が平成30年3月頃まで平成の大修理中のため、国宝『庫裡』、『陽徳院(愛姫)御霊屋』平成28年3月まで特別公開。
問題にない情報やサービスを付加して説明してもよいが評価の対象にはならない。また食事内容やオプショナルツアーはどれを薦めてもよく、時間制限内なら全部薦めてもよい。ただ間違った内容を案内すると減点の対象になってしまう。今回はかなり出場者の「裁量」を活かす余地の多い設定になっており、皆様々な作戦を練ってきたようだ。審査のポイントは
・懸賞に当選した顧客の「うれしい気持ち」を受け止めるような応対をすること。
・積極的に質問をして、顧客のニーズをつかみ、顧客に合わせた分りやすい説明をすること。
・顧客に企画の楽しさが伝わり、ツアーへの期待を高めるような対応をすること
・気持ちのこもった自然な話しことばで説明すること
とされている。
それぞれのセクションからの応募者は本業務がすごく忙しい中に時間を作って一生懸命準備していたようだった。相手役を交互に行ったり、自分で録音した通話を聞いたり。。。各拠点、それぞれの地区大会で善戦していたが上位入賞までは行くものの、県レベルの大会まで進める選手はほとんどいなかった。その中で宮城県大会に出場した選手が準優勝し、同じ仙台での全国大会出場を決めて「楽天優勝」の一報並みに仙台拠点は湧きあがった。そして最後の代表を決める東京大会が先週開催された。応募者1000人以上、全国一の規模でかつ激戦区である。我が台場オフィスからも地区大会優良賞など優れた成績を収めており、1名都大会に出場した。この方は何と前回第5位入賞という輝かしい成績だったが、残念ながら全国大会出場枠は4名までだったので、涙を飲んだ。今年はそのリベンジと張り切って練習しており、こちらも激戦だった地区大会も群を抜く成績で都大会に進んだ。
出場選手は全部で63名。開会式から応援団は会場ホールの前列に陣を張っていた。壇上で観客に向かって席に座り、かかってくる電話を取る応対演技なので、最初から最後までいると63回、同じ応対を聞くことになる。皆、それぞれ各選手を自分なりに採点し「入賞できそうか」固唾を飲んで見守っていた。私がホールを訪れた時間はちょうど開会式が始まる前の選手入場で、ちょうどそれぞれの地区代表が順番に壇上に上がっており、目の前を彼女が通り過ぎたので「おーいっ」と手を振ったが、応援用に黒服にド派手ウルトラネクタイをしていたにも関わらず、全く気がつかない様子だった。順位や審査結果に結構影響する競技順番は当日朝抽選で決められる。応援団に聞くと彼女は何と52番目の競技だった。いくら暇な私でも全く仕事を放り投げて他の選手の応対演技を丸1日聞いているわけにもいかぬ。(というか、退屈嫌いの私にはたぶん耐えられない)私は一旦オフィスに戻り、競技時間の少し前に会場に着くように移動することにさせてもらった。
午後3時過ぎ、競技直前まで相棒と練習していたという我が職場代表の演技が終了した。実に立派な「電話応対」だった。ホッとした表情で応援席にやってきた。私がいることに驚いているようでもあったが「カミカミしちゃってーもう、参りましたぁ。でもベストを尽くしました」と晴れ晴れしていた。普段の仕事風景は見たことがないが、あのレベルの席に座れるのはよほど肝がすわっていなければできあいだろう。「みんな、すごいねえ。一言一句間違えないもんな。オレなんか自分のデスクの電話が鳴るだけで、ドキドキしちゃって、誰かとってくれるの待ってたりするからなー」「でも色んなことを言い忘れちゃって・・・やっぱり緊張するんですね」「でも自然な笑顔が好感持てたよ。笑声(えごえ)って言われるらしいけど、電話の向こうにも伝わるんだろな」
都大会ともなると、審査員には見えないと分っていても、すごい大仰な身振り手振りで話す人がいる。頭も机にぶつけるくらいに下げる。普通の顔から電話を取った瞬間に皆輝くような笑顔でオープニングの挨拶に入るが、中にはその笑顔が「夢にまで出てきそうなほど」怖い人もいる。個人的には一番怖いと感じた人が何と優勝した。
全ての競技が終了し審査はだいぶ揉めたらしいが結果は見事入賞、応援団も湧きあがったがやはり本人は全国大会枠に入りたかったのだろう。悔し涙を流し、表彰台でもあまり笑わなかった。(すごい立派な結果なんだけどなー)
応援団にも地区大会で入賞しながら惜しくも都大会を逃した時に悔しさのあまり号泣したという人がいたが、社会人になってこれほどまでに「打ちこめて」その結果に涙するものがあるというのは、羨ましい限りだ。
慰労会ではすっかり元気になって、これまでの苦労話に花を咲かせていた。各拠点から数人は参考のために仙台での全国大会を見学に行ってもらうことにした。私はふと思いついて「せっかく行くんならさ。今回のシナリオ通り「牡蠣料理」を食ったり、オプショナルツアーとかに実際に行ってきなよ。『百聞は一見に如かず』実際に経験すると、また違うかもしれんだろ?」
別におかしな事を言ったつもりはなかったが、室内はえらい湧き上がった。どうもご褒美旅行と勘違いしたらしい。表彰式でうつむく彼女を見ていて、なぜいっそのこと「実物を見せてあげなかったのか?」と思っていたのである。今回はもう終わってしまったので、確かに実りは少ないかもしれないが、実際の経験の有無が電話応対にもでるものなのかどうかは検証する価値がある。来年は金沢が会場だと言うから、金沢の土地や食べ物にちなんだシナリオになるはずである。県大会出場者には事前に現地で現物を見て触れてもらうことにしよう。これによって応募者も増えるかもしれないし・・・私も引率責任者として同行することにする。
んっ?誰ですか?「もしかしてそれが目的だろ」とか言ってるのは。
たくさんの人が写ってしまっているの関係で、写真を掲載できなかった からおまけ・・・この日、久々に我が家の「守り神」がいらしていた。いつもほぼ同じ場所に降臨し我々に気が付くと決まったお住まいに戻られる。我が家が建設された時からおられたようだ。種類は知らないがたぶん「ヤモリ」=「家守」である。ずーっと我が家の玄関の隅を住まいとされ、2匹同時にいるのを見たことがあるので、何代か存続していると思われる。初代の家守公はもう少しまだら模様だったような気がする。先日、夏の暑い夜に体長が2cmくらいしかない、幼い竹千代君がいらした。 3代目くらいかな。ヤモリは家の周囲で害虫(と言っても人間にとってだから身勝手な話)を食べてくれるので、「家守」と言われると聞く。詳しい生態はまた今度・・・