超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

それぞれの進路

2017-04-24 21:44:07 | 出来事
もう4月も後半に差し掛かり、旬な話題ではないのだが・・・
開花は早かったものの、思わぬ寒気の再来に満開まで時間を要し比較的長かった桜の季節も終わった。この時期は元社宅の家族仲間が集う季節でもあり、ここ数年は「しんさん・ハニーさん」の住まう天王洲アイル近くの「運河まつり」が会場となっている。以前も書いたが、親も子供も同年代に近いので共通話題も多い中、この時期に話が集中するのはやはり「子供の受験」である。今年成人式を迎えた一番年長のSYUくんから、2番手の息子甘辛、3番目がKナちゃん、りょんりょんとMEIちゃんがこれに続くという風に5年ほどの間に思春期真っ只中の若者が集まっている。高校受験とその後大学受験があるから、毎年誰かしらが試練を受けるわけである。正直皆気になってはいるのだが、近所のおばさんみたいに、やたらに人様のご子息の進路などを聞きまわるのはいかにも「はしたない」ので、皆全部終わって本人からの発表があるまで待っているのである。昨年は甘辛の順番だったのだが、相変わらず意表を突いて一瞬で決めてしまったので「晴れの発表会」とはならなかった。

今年はKナちゃん、MEIちゃんが大学・高校のダブル受験、イケメンのりょんりょんも高校受験とラッシュだった。数年前、この家族仲間の子供たちで受験トップバッターだったSYUくんが我が家の花見会で初めて本人の口から発表した時、満場の拍手喝采とともにママたちの間では密かに「(SYUちゃん、いきなりハードル上げてくれたよね)」と囁かれた。甘辛の高校受験は「どこ吹く風」でふわーっと終わってしまったが、Kナちゃんが運河まつり会で発表した時は再び大喝采、特にSYUちゃんママの後輩になったということでお互いに大喜びだった。その3年後、後を行く二人と共に大学受験である。別にハードルがあるわけではないのだが、皆ずいぶんプレッシャーがかかったことだろう。そして4月のとある土曜日、運河まつりの日がやってきた。

ここ数年の運河まつりでは公園の花は半分以上散ってしまっていたが、今年は桜の満開時期が例年よりも遅いようで満開の花見になるのではと期待が高まっていた。昨年は散った花びらが川面を多い尽くしていた目黒川クルーズも最高のコンディションのようだ。前日の大崎駅付近の目黒川にかかる橋をたまたま渡った時は最高潮だった。ところが残念ながら前日夜間から朝にかけて雨模様で何やら不安定な雲行きだった。午後遅くなって晴れ間のでる予報だったが、地面のコンディションがやたらに悪いのでどうやら中止になってしまったようだった。がっかりしながらも、早朝いつものように母を竜泉寺に連れて行った後、雨模様の空を恨めしく眺めながら大人しく先日から製作にかかっていた超大型「ウルトラホーク2号」の塗装にとりかかった。息子甘辛のお下がりになったトレーニングウェアを着て室内でプラモ製作に勤しむ姿はまさしく「休日のおっさん」そのものである。「午後からうちで宴会やることになったよ」妻は奥方連中と連絡を取り合っていたらしく、しばらくしてそれぞれの家族が集まってきた。

      

家族仲間で集まるときに、甘辛は相変わらず部活で忙しく始めからいることは滅多にないのだが、子供たちはもう親達と一緒にテーブルを囲む年齢でもない割には嫌がらずにちゃんとやってくるところがいいと思う。今回は主役の3人も含めてフルメンバ登場だという。いつものスポーツジムで水素水をもらい、いくつか買い物をすませて帰宅するとほぼ全員メンバが揃っていた。乾杯してしばらく色々話をして、何となく本人による進学発表みたいな雰囲気になった。まずKナちゃんは誰もが知る有名大学に新しく新設された学部に進学すると発表して室内割れんばかりの拍手となった。父の「おとお」さんは「数打って当たっただけ」と苦笑するが、進学塾でも難関とされるところだった。「すごいねー、がんばったねー」皆が祝う中で、SYUちゃんパパは「おじさんの後輩だね」と笑った。何とKナちゃんは兄のようなSYUちゃんの「ママの後輩で、パパの後輩」にもなったのである。(すごい奇遇な縁だなー)

お兄さんに比べて楽天家なのか実はSYUちゃんママが密かに心配していたらしいりょんりょんは何と、同じ高校へ合格。「(ハードル上げたよねえ)」と言われた例の県下で有名な進学校である。ママたちは臆面もなく本人の前で「これだけイケメンであの高校でバスケなんかやるのは反則よねえ」と囃し立てていた。どうも本人はこの辺の部活としては珍しい「アメフト」に興味があるらしく、親はヒヤヒヤしているそうなのだが。そして最後のMEIちゃんは隣接大都市のこれまた誰もが知る進学校だ。女子生徒にものすごい人気があるらしい。「この子たちはホント、やるときは決めてくれるよねえ」皆拍手を惜しまなかった。キャンパスの話、部活の話、そして彼氏彼女の話・・・子供達の間でもすごく盛り上がったようで、実に微笑ましいところだった。(一番身近にある私の母校を誰も志望してくれなかったのは若干寂しいものがあったが)

そんな中で一番年長のSYUちゃんは企業訪問に行く大学生のように前髪を七三分けにきっちりし、パパと一緒にハイボールを飲んでいた。私もそうだったが、家ではあまり父子で飲むことはないようだが、こうして皆で集まったりするときは一緒にやるようで、パパは嬉しそうだった。「やっぱ、息子と酒を飲み交わすってのは親父の願いだよねえ」あと数ヶ月で法的に飲酒を許される息子甘辛は、私と妻の血を引きながら、首を傾げられるが全くアルコールを飲もうとしない。息子が全然酒を飲まなくてもあまり残念だとは思わないのが我ながら不思議である。私は一人で飲む時も妻と飲む時も誰と飲む時も、何も変わらない性質のようなのである。甘辛は部活から帰ってきて、私が彼用に一本だけ買ってきた「カシスオレンジ」という婦女子用弱酒を少し飲んで昼寝に入ってしまった。

家族友達が集まると大抵、子供が小さいときの話で盛り上がる。甘辛は一つ上のSYUちゃんと大の仲良しで1階だったSYUちゃんちには中庭に面したベランダを乗り越えて遊びに行っていた。一時恐竜が彼らのブームになっており、よく四足恐竜のマネをして地面を這い回っていた。甘辛が幼稚園のとき将来成りたかったものは「恐竜戦車(ウルトラしぇぶうぅうーんに登場)」理由は「歩かなくてすむから」という意味不明さだった。お隣だった一つ下のKナちゃん、MEIちゃん姉妹とも仲良しで、ベランダ伝いに区切り板との隙間を潜り抜けて遊びに行っていた。家族仲間皆でしゃぶしゃぶ・すき焼食べ放題の店に行った時、むずかってイライラした父の「おとおさん」に抱えられ、「寝ろ〜、寝ろ〜」とおむつのお尻を叩かれていたKナちゃんが女子大生である。常に一緒にいるわけではないが、ものすごく久しぶりに会うわけでもない子供達の成長が最も「早く感じる」スタイルなのかしれない。

昼寝から起きて、SYUちゃんの横で私の水素水を飲みだした甘辛に「社宅に住んでいた時の何を覚えているか?」と尋ねると、「柱にマジックテープでテレビのリモコンが貼り付けてあった・・・」まったくなんとつまらんことしか覚えていないのか?!(私は使うたびに場所が変わって探し出すのが許せなかったのである)「オレは折れた足首にキミがフライングアタックしたときの痛さを忘れないよ」とかましたが、実は以前も書いたように「会社帰りにドアの鍵を開ける音を聞きつけて幼い甘辛がドアの向こうから『とととっ』と走り寄ってくる足音を聞く」時がこれまでで一番ほっこりした瞬間だった。少し前は子供達の年齢上微妙に話や遊びが合わないようだったが、再び距離が縮まって何やら集まって盛り上がっている。妻はしきりに「この子たちはホントにいいよねえ」と年寄りのように繰り返していたが、私はだいぶいい気分になった頭の中で「親がちゃんとしてるからさ」とスマしていたのである。


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2017-04-24 23:56:02
そぉっ、今の世でも「ちゃんとした人が育てた子はちゃんとしている」と先輩マダム様たちがおっしゃいます。えぇえぇ、彼女たちは家業で背負っているものがワタシとは違うので跡取りの嫁や婿さんなんかんかも考えた目をお持ちです。
師匠のお友達家族様がたの長きにわたる結束力は、友情以上ですね。家族のようです。
子供たちが一生懸命に頑張る姿、頼もしいですね。今は勉学だけどその頑張りって社会に出た時の姿勢につながりますでしょうね。
ウルトラフホーク2号、おおっきいですねー!!

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Unknown (磯辺太郎)
2017-04-25 22:30:27
小夏さま

さすがに当人たちの前で言うのは憚ったんですけどね。家業も跡取りも関係ない輩ですが、一言で言うと「良識」ある人々だと思います。
家族仲間というのはいいものですね。一般的には「子供つながり」というのはありますが、その子供が成長していなくなっても集まれるというのは貴重だと思います。
そうそう、勉学の次は社会・・・心配の種は尽きませんが、楽しみの種でもありますね。

ホーク2号!ホントはこちらがメインテーマだったんです。いずれ記事にするかもしれませんが、こんな巨大なプラモ作ったのは初めてでした。
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