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超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

月のサイクル

2017-02-17 21:50:58 | スポーツ・健康
今年のテーマは「整」であると定めたこともあり、スポーツクラブでもがっつりカロリー消費系ではなく、身体バランスや柔軟性を高めたり、体幹を強化するプログラムを増やしていた。(実はあちこち痛めたので、それくらいしかできないこともあった)その中に「ピラティス」というプログラムがある。これは開発者の名前らしく、ヨーロッパの大戦後傷病者のリハビリ用などに作られた運動で胸式呼吸をしながら、ストレッチなどで柔軟性を高めながら身体の奥の筋肉(コア)を意識して鍛えていく。動きはゆるやかで負荷もそれほど強くないが、普段あまり使わない筋肉を独特な動きで揺さぶるところがあり、地味な運動の繰り返しだが終わってみるとげっそり疲れている。面白いのはイメージ表現で「お腹を引っ込めてお尻の穴をきゅっとすぼめ内股に力を入れて・・・」というのを、「キツいジーンズを履くときのように『うっ』と下腹を凹ませる」とか「肛門の筋肉を内側にぐいっと引っ張り込む」「太腿の内側で脚立を挟んで固定する」などと言う。

「お腹と尻の穴と内股」は何をするにも上記を留意させ、さらに呼吸を意識して、「背骨を一本一本地面から引き剥がして起き上がる」「つま先をVの字に開いて、足を伸ばして45度浮かせ、大きく円を描く」などという動きを休みなく行うと「はーはー、ぜーぜー」いうような運動ではないが、疲労がボディブローのように蓄積してくるような侮れないプログラムである。最近これを「室内の温度を上げスチームを効かせて行う」ホットプログラムが登場し定着化しつつある。高濃度水素水で水分を補給しながら、シャツが絞れるくらいに発汗し実に爽快だ。しかも知らず知らずのうちに体幹がちゃんと鍛えられているようで、「ボディバランス」というヨガ、太極拳、そしてこのピラティスを取り入れた複合プログラムでも効果を感じるようになってきた。まだ諦めていない「ベターっと開脚ポーズ」はないが、バランスポーズもそれなりにとれる。

しかしいわゆる「カラダ癒し」系で最も定番はヨガであろう。仕事(と言っておこう)の疲労や土日の飲食疲れをとるために週末、週初にクラスに行くことが多い。同僚のドクさん(仮称)は毎週本格的なヨガ教室にせっせと通っているそうだ。ちなみに水素水も「ベターっと開脚」も火を点けたのは彼で、私の「その気になりやすい」性格を見通しているスティーブのような存在である。産休で代行でやってきた先生がやたらに熱心で時間を大幅にオーバーしても「これくらいやらなければ、やったことにならない」と色んなポーズをさせるそうである。私の受けるプログラムは対象者が高齢なのか、前半はただのほぐし系の動きばかりで、いわゆる「ヨガのポーズ」は基本的なものが登場するだけだ。デイリープログラムも入れると、筋肉トレーニングを含めた「パワーヨガ」、スチームを使った「ホットヨガ」、女性専用の「コラーゲンヨガ」など色々ある。

私のクラスのインストラクターは他に「ボディサイクルヨガ」というプログラムを持っていて、よくその話をしてくれた。別名ムーンサイクルヨガともいい、その名の通り月の満ち欠けに身体のリズムを合わせ、身体と心を自然のサイクルへ導いて、人間が本来持っている力を引き出すものだそうだ。満月を境に新月まで欠けていく過程ではストレッチや、リラックスなどで身体を癒し、逆に満月まで満ちていく過程は筋力アップやコアトレーニングとするものだ。2週間くらい前の週末クラスだったか、ヨガの教室を始める前に彼女は「今月は明日(土曜日)が新月になります。正確には午前9時8分ですので、このすぐ後に「願をかける」とよいとされています。祈念することを8つ「完成形」で書き出すとよいです。『○○したい、ではなく、●●になる』と言う風にね。直後というのは中々チャンスがないものですから、ぜひやってみてください」

正直、こういうことに目がない私は翌日、早朝のスーパー銭湯から帰宅すると紙と筆ペンを持ち出して9時の時報からカウントダウンを始め電波時計が8分を指した瞬間に書き出した。
一、ベターっ開脚ができるようになる。(我ながら懲りないヤツ)
一、血圧体重が正常範囲となる。
一、ハーフマラソンを走れるようになる。
一、ホームショア以外のポイントでサーフィンする。
・・・・他は家族の健康と釣り、星、新たなスポーツなどささやかな願いである。さらに先週末は満月であったらしくインストラクターは「明日は9時33分に満月となります。それ以降は身体のパワーは下降気味となり、老廃物排出やヒーリングが必要となります。特に満月前後は股関節が緩みますので、ちょっと引き締めるポーズを続けますね・・・」満月までは何でも吸収しやすく、逆に新月に向けては放出しやすくなるので発汗、発散、解毒作用などが現れるそうだ。

昔から月とは神秘的なものと扱われることが多い。潮の満ち引きは月の満ち欠けで引力の影響と言われている。月に面した側の海は引力で水が引っ張られ満ち潮になり、不思議なことに反対側も満ち潮になる。(地球全体が引っ張られて水が置き去りにされるとか、遠心力の作用などと説明された)それだけの引力があるのだから、人体に直接的に何か影響を与えているというのも何となく頷ける。満月でパワーストーンを浄化するとか、酒にその姿を映して飲み込むとか、それこそ満月の下で行うヨガもあるそうだ。妻によると鎌倉に「満月のときだけ開店する満月バー」というのがあるそうだ。寒空の中で焚き火をしながら酒を飲むそうだが、「そんな礼拝みたいなことする人いるのか?」と思っていたら、知人が同窓会のように集まった模様を某SNSにアップしていて、とても楽しそうだった。満月の夜、スカッと晴れたら中々素晴らしい宴になりそうだ。ただしヨガ先生によると身体の吸収力が最大になるので、食べ過ぎ飲み過ぎには要注意、怪我も満月に一番多いそうだ。

  

ちなみに天体好きの私にとっても、今まで読んだ本から持っている印象は、物質でいう「水」のように「特別に不思議なもの」である。内惑星の地球の大きさからすると月のサイズはあまりにも大きすぎる。その大きさによるものか、38万kmという距離も不自然の遠い。物理的には不自然ではないようだが、自転周期と公転周期が一致し、ほぼ真円に近い軌道でいつも同じ面を地球に向けている、というのも何か特別な所以があるような気もする。息子が好きな都市伝説系でも「宇宙飛行士が月でUFOを見た」とか、「月の裏側に人工建設物らしきものが発見された」「実は月自体が宇宙人による超建造物である」なんて話を聞いたことがある。最近のものの本だと、月は原始状態の地球に他の惑星が衝突して地球から分離してできた、同じような成分でできている、というのが有力な説らしい。で、あれば地球生まれの我々生物がその分身とも言える月の影響を色々と受けるというのも、何となくうなづけるものだ。

先に書いた満月バーの同窓会のように、今年のスーパームーンの日には友人に声をかけて「満月ヨガ」でもやろうかと調べたら、何と今年はスーパームーンは「ない」そうだ。その代わり2018年のスーパームーンはなんと元日!逆に家族で過ごすので集まりにくいかもしれない・・・ちなみに天体写真の入門編は月面だが、クレーターなどは光と影で凹凸が分かるものなので、満月などはベターっとして模様のようにしか見えずあまり見応えはないものだ。昨年春から30日コミットメントでスタートした血圧レコーディングを続けているが、血圧、体重、飲酒量などももしかしたらムーンサイクルと関係あるかもしれない。今まで全くそんな意識をしてこなかったので、一度調べてみて面白いことが分かったらまとめてみようと思う。

        

辛苦多きマラソン大会

2017-01-29 17:23:21 | スポーツ・健康
前夜はアルコールを摂っていないこともあり、やたらに寝付きが悪かった。時間にすると長くてもたかが2時間弱走るだけなのだが、完全体でないために「何が起こるか分からない」という不安が付きまとっていたのである。「過ぎたるは」編で書いた通り、開脚ベターストレッチをやり過ぎて左足首を痛めたばかりであり、さらにこれを庇い上半身のバーベルエクササイズにばかり精を出した報いがまさかのテニス肘・・・試しに2,3kmに走ってみても平気だったが、2時間近くとなるとやはり心配である。正月明けに経験した階段を下りる時に走る痛みの類が再発したら、おそらく走り続けるのは無理だ。時間切れで回収バスで「ドナドナ」に子牛のように揺られて行くくらいなら、途中でコースアウトしてそのまま家に帰ったほうがマシだ。スタート時間は8時半、寝付きが悪かった割には5時には目覚めてしまい、家族がまだ熟睡している中、外は真っ暗な中をごそごそと起きだした。

いつものように血圧、体重を測定して異常ないのを確かめて記録する。起きたばかりなので、いきなりストレッチなどを行うと痛める恐れがあるから、ヨガの要領で呼吸を続け、クラスで行う「ほぐし」を思い出しながらゆったりと動いてみた。だんだん身体が温まってきたので、例のベター開脚ストレッチの基本メニューと3週目メニューだけを「軽く」こなしておいた。(我ながら全然懲りていない)「消化がいいし温まるからうどんでも作ろか?」前夜言ってくれた妻はぐうぐう寝ているので、いつもの通りの出撃メニューで行くことにした。炊きたてのご飯に納豆、卵、シラスに海苔そして野菜ジュースである。「粘り、スタミナ、ノリ、カルシウムにバランス」という意味である。前日は晴れていたがすごい強風で「この風の中を走るのは確実にめげるなー」と心配していたが、幸い穏やかな様子であり、天気予報では最高気温も結構高くなるようだった。

インナーの上に着るTシャツは昨年話題となった「ゴジラ」にちなみ、葛飾北斎の富嶽三十六景風浮世絵ゴジラである。実はいつか面白いコスプレで走ってみたいと思っているのだが、距離的には「走るだけで精一杯」という面もあり、中々実現できないでいる。我が家のすぐ近くの海岸道路がコースになっているのに息子も妻もめったなことでは見にすら来ない。毎回一緒に走る人がいるわけでもなく、沿道で力強く応援してくれるのはスポーツクラブでお知り合いになったMラさん一人である。今年はしんさんがエントリー漏れしたようで(もしかして確信犯かも)出場していないし、たまさんも腰痛が出て走れるかどうか微妙だと聞いた。「後で合流しようか」と言っているのは、もっぱら「走ること」を趣味の中心に置きはじめたらしい「マイク」のみである。自分のコンディションが万全でないこともあり、「なーんか今年は気分が盛り上がらんなー」と江ノ島に向けてチャリを漕ぎ出した。

        

宇宙戦艦ヤマトの発進シーンはどれも悲壮な決意を連想させる勇ましいものだが、結末によって二つに分かれることに気付いた。一番最初はご存知、大戦末期に沈没した現場から大地をかち割り土砂を振り払って浮上、次は海の中から空に向けてジャンプして発進、その次は小惑星の岩盤を砕いてアステロイドリングの中を出撃、そして「完結編」は海中ドックから長官に見送られて発進した。お分かりだろうか、「大地から発進すると帰ってくる」が「海の中から発進すると帰ってこないのである」海中から発進する際に向かう空は輝くような青空ではなく、何となく不吉な前途を暗示するような、どんよりした空である。私は何となく完結編の方の出撃シーンを思い浮かべながら自転車を走らせていた。それでも朝早くから準備に余念のないスタッフやボランティアの中高生などと挨拶を交わし「頑張ってくださーい」とか言われると段々と意識が高揚してアドレナリンが充填されてくるような気分になった。

今年で第7回を迎える湘南藤沢市民マラソン、数年前に公的資格試験と重なりやむなく息子甘辛に代理で走ってもらった時を除いてはすべて無事に完走している。ここ数年は「ただ走るだけではなく、何かテーマをもって」などという多少の余裕もできた。昨年の血圧レコーディング&減塩作戦の相乗効果、そしてオクトーバーランの経験により、「走ること」が楽々(楽に楽しく)になってきた私は当初、「いよいよタイムと意識してみるか」と数ヶ月前からトレーニングマシンで身体に走る速度を覚えこませていた。しかし前編で書いたとおり「やり過ぎ」の災厄のために「完走すら覚束ない」体たらくである。タイム改善は全く期待できないから、開き直って「ドナドナ回収バスのぎりぎり前をノロノロ走る」ことも考えたが、天気も良かったので前回の「沿道の応援を楽しむ」に対し、「とりあえず景色を楽しむ」というスタイルで行くことにした。

    

実は少し前に友人が某SNSサイトに海岸から撮った江ノ島や富士山、烏帽子岩や市のモニュメントなどの写真をどばーっと投稿した。コメントは「茅ヶ崎…いいよねえ」だったが、これがいい意味で「炎上」と言ってもよいくらいにすごい反響を呼んでいた。地元周辺に住む人ばかりだと思うが、あらためて故郷や今の土地への「思い入れ」が沸き立ったようなのである。(パシフィックホテルを語れる人とは仲良しになれると思う)私も小学校は忘れたが、中学校の教室から海や江ノ島は見えた記憶があり、それこそ何百何千回と見飽きた風景なのだが、あらためて皆が盛り上がると嬉しい気持ちにはなる。そこでこの機会以外には足を踏み込めない134号車道のマラソンコースからの風景を走りながら記録し記事に上げてみようかと考えた。コメントは「湘南…いいよねえ」。いつものようにスタート直前で「今年はゴジラで走ります」と投稿し、1万人以上いるランナーのほぼ最後方のゾーンで号砲を待った。

ストレッチし過ぎで故障・・・みたいなことも書いたから、「無理するな」というありがたいメッセージが多かったが、スタートしてからしばらくは快調そのもの、貝作(飲食店ね)の前にいつもいる「応援和太鼓」のおねえさんに手を振って弁天橋を軽快に走り渡った。江ノ島カメラのあるT字路の建物、境川を渡ってすぐの富士山、新江ノ島水族館、マイポイントである鵠沼スケートボードパーク(プールガーデン前)、そしていつもの波動偵察ポイント・・・日光が反射してどんな画像が撮れているか確認もできず、最後方のゾーンにいたからやたらに遅い人混みに埋もれ、かと言って撮影のために立ち止まると周囲に迷惑なので、とにかくシャッターを押して走るだけになってしまった。(後から見たら普段見る景色と比べ、何の変哲もないし、ぶっちゃけ出来栄えがダメダメだったので、「湘南…いいよね」作戦は中止にした。)

      

最初の折り返し地点を過ぎ、いつもスタッフでお手伝いしているKちゃんパパと笑顔でハイタッチしたまでは良かったが、その後何か身体が妙な具合に狂ってきたのを感じてきた。まず左足を着地するときに「ペッタン、ペッタン・・・」と変な音がするのである。靴の底だけ剥がれて地面とぶつかっているような異音である。俯いて様子を見ながら走っていると、スローで横から見ると着地時は踵、土踏まず、つま先の順番に設置していくのが普通だと思うのだが、足首が固いのかベターッと一気に着地してしまうためにペタペタ音がするようなのだ。いわゆる「ドタ足」というヤツか・・・?!足首に痛みがないのが幸いだが、柔軟性が落ちて左右着地時のバランスがおかしくなってきたらしい。さらにこれを直そうとしたのか、庇おうとしたのか、今度は右体側が凝ったとように痛くなってきた。よくある「片方のバランスが悪くなると庇おうとして他の部位に影響が出る」という現象のように思えた。そのうちに股関節にも違和感が入るようになり、身体を動かすために腕を大きく振っているうちに例のテニス肘まで出てきてしまった。

10km地点より先、2回目の折り返し点を越えてからはこれまで以上の試練に見舞われた。呼吸器系は全然平気なのに、身体のあちこちで警告アラームが上がってきたのである。宇宙戦艦ヤマトが敵の一斉攻撃を受けて次々に破損し、艦体至るところにレッドランプが点灯するようなものである。残り距離と疲労度合いから見れば、このままならほぼ完走はできる自信はあったが、何かの拍子に(ヤマトで言うところの)大破に当たる激痛が走るともうそれ以上走るのは無理だ。
「(何とかこのまま持ち堪えてくれ・・・May THE force be With ME!)」
普段なら残り3kmくらいでイケる限り速度アップするのだが、用心深くそーっと足を運びながらようやくゴールを通過した。身体の疲れよりも「何が起きるか分からない不安と焦燥」による疲れにぐったりだった。

  

はるか前に悠々とゴールしたマイクと合流しスーパー銭湯で汗を流して昼食会場に取ってもらったレッドロブスターに向かう。幸いたまさんも無事ゴールできたようで、ご夫婦とご一緒することができた。「とにかく今回のオレは最悪だったよ」
今回の苦戦の元凶となった(のは「やり過ぎ」だが)ストレッチと言えば、マイクのほぼ専門分野である。今回どんなことをやって、どうなってこの有様となったかをかいつまんで話すと皆は「あんたなら、いかにもありそうだ」みたいな顔をして笑っていたが、マイクは「イソちゃん、さすがにそりゃーまずいよ」次第に深刻な顔に変貌していった。まず、ストレッチというのは「痛い」ところまでやってはいけない、「歯を食いしばって」もいけない、続けて同じところばかりしてはいけない。私のやってきたことは「殺人で追われている者が『2人も3人も同じこと』と言っているようなもの」らしい。

骨と筋肉は一方向からだけ着いているわけではないから、ある部分を伸ばしたら同様に反対側も伸ばさなければならない。それだけでなく、稼動領域を全方位バランスよくほぐさないと変な風に固まってしまうことがある。「ベターッストレッチ」は基本開脚して正面に倒すスタイルで使うところのみを伸ばすものだから、バランスを保つには他の部位も同様に伸ばさなければ単に痛める原因となってしまいやすい。週替りメニューを重ねてしかも、暇さえあれば行っていた私は「罪の上塗り」を重ねてきたようなものだというのである。マイクは優しいから「磯ちゃんの性格から、気持ちは分かるんだけどさ」と苦笑いである。私はしょんぼりと「でもさ、1週間ですぐに肘までは床にベターっといったんだぜ。もう少しやればと思うだろ?」そこで横から妻が「あーっ、分かった!だからテニス肘に・・・」「なるわけねえだろ!!漫才やってんのか、オレたちはぁ・・・・!」

幸いなことに翌日以降、後遺症のようなものはなく、痛みもダメージもゴール直後に想定したよりも回復は早かった。しかし「ちょっとしたやり過ぎ」が油断すると身体中にレッドランプが点灯する事態に発展したのはよき経験だった。実はほぼ30日間続けてしまったので、ストレッチは何か「やらなければ気がすまない」症候群になり、毎日メニューだけは続けているが、妻に「あなた、やればやるほど痛がってたもん」と呆れられていた週替りメニューはとりあえず中断した。来月からは著書に忠実に、そしてマイクに教わった反対側ストレッチも入れて、「新30日コミットメント」としてリスタートするつもりである。この1週間、ひたすらヨガやピラティス、ペルビックストレッチなど調整系に徹している。不思議な話だがフルマラソン走り切ってもそうは驚かれないが、開脚してベターッとできると間違いなく「わーっ、すげえ!」という歓声が上がる。今年のテーマである「整」に通じるベターっ作戦は決して間違いではないから、マラソンで得た教訓を活かし方向習性しようと思う。(と言っているそばから、サウナで「しこ」を踏んでいる懲りない自分だった)

過ぎたるは及ばざるに劣れり

2017-01-25 23:30:52 | スポーツ・健康
「人の一生は重荷を負て遠き道を行くがごとし・・・」で始まる日光の修学旅行で購入した「東照大権現御遺訓」の掛け軸には「及ばざるは、過たるよりまされり」という下りがある。「取り返しがつかないことの多い『やり過ぎ』よりは、今後補って全うさせることができる『やり足りぬ』方がよい」というところだろうか。まさしく己の性格に照らすと雷撃のように響く警鐘で、マリアナ海溝のように深みのあることばだった。「10万円、7万円、5万円、運命の分かれ道!『グリコがっちり買いまショウ』でも金額をオーバーすると即アウトである。(ちなみにオープニングは「男は度胸、女は勘定、お手手出しても足出すな・・・」だったと思う)私はまさしく自分のためのようなこの尊い神君の教えを忘れ、己の思うがままに「やり過ぎ」てしまったために、新年早々から「30日コミットメントを中断せざるを得ない」事態となってしまった。全くお恥ずかしい限りである。

「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」の車内広告を見て電撃的に閃き今年のテーマに弾みをつける「30日コミットメント」をスタッフ一同の前で宣言してしまったのが正月明け、私のストレッチトレーニングは日々、その積み重ねを増していった。そもそもこの目論見を思いついて、著書を購入したのがクリスマス直後、「新たな年を迎えるとともに」と言いながら、隠れて1週間助走していたのである。(ここでもう既に「過ぎて」いる)簡単に言うとこのプログラムは1回に数分で行うストレッチを4週間、毎週ごとに少しメニューを変えながら行うものだ。またどの週も通じて行う基本メニューが2つある。一つは寝転んだ状態でタオルを足首にかけ、足を真っ直ぐ伸ばしたまま揺する運動で太腿の裏側がよく伸びる。もう一つはいわゆる「しこ運動」で膝を曲げて両足を開き、両手で膝を後ろに押すように揺さぶるもので、さらに両肩を片方ずつ入れて股関節周りをほぐしていく。



週替りメニューの第1週目は「太腿ストレッチ」で片膝を立ててもう片方を真っ直ぐ伸ばし、尻をできるだけ落として揺するものだ。年末に「練習」として既に1週間、このストレッチを続けていた。実はこのスタイル、サッカー経験のせいで「尻の大きい」私にはいきなり、かなり過酷なストレッチだったのである。尻を落とさずに太腿を伸ばそうとすると、ものすごい負担が片膝を立てた側の足首に発生する。「キツければ踵を上げてもよい」ということになっているが、この私がそんなヌルいトレーニングを自分に許すはずがない。これまたボールを自在に蹴る習慣から足首は比較的柔らかいので、べったり地面につけ、相当な負荷を感じながらも歯を食いしばって本の通りのポーズで頑張っていた。後で判明するのだが実は「歯を食いしばる」というのはそもそも「やり過ぎ」だったのである。その副作用が正月あたりにちらちらと姿を現すことになる。



最初の1週間、このストレッチを朝晩きちんと続けると、あっという間に開脚して肘までは地面に着けるようになった。元々運動はするので「コの字」で止まってしまうほど絶望的に固くはないが、開脚すると手の平をついて少し傾斜するのがやっとだったのである。「なーんだ、この分なら楽勝だな。この分なら4週間のメニューを待たずにイケかもな」人に言わせると「その気になると徹底し過ぎる」私の最も悪い癖がむっくりと頭をもたげてきた。大晦日、紅白やダウンタウンの「絶対に・・・」を見ながら、また正月の爆笑ヒットパレードや箱根駅伝を見ながら、暇さえあればひたすらに1stWeekメニューである太腿ストレッチに精を出した。食っちゃ寝の繰り返しで飲みながらだが、「酒を飲んだ時は体が柔らかくなる」という実感もあるからである。しかし正月明け、出勤したときに気付いたのだが、どうも左足首に張り詰めたような違和感が生じていた。しかも階段を下りるときに体重をかけると強い痛みが走る。

「こりゃ、太腿ストレッチの災厄か?!」何となく無理をして片足首で支えていたのは分かっていたのですぐに思い当たった。「まずい!あと3週間ほどで今年の初レースがやってくるというのに故障で欠場じゃ洒落にならぬ」しかしこのトレーニングはまさに30日コミットメントそのもので、「毎日欠かさず」行うことが大事であるという。私は本に載っている解説通り2週目のメニューに移行した。基本のタオルストレッチ、しこストレッチに加え今度は寝転がって尻をピタリつけた壁に向かって両足をVの字に広げ揺する、というメニューである。我が家にはまるで「犬神家の一族」の1シーンのように足を開いて逆さになれる広い壁がなく、寝室のドアをまたがって行う羽目になった。そして1日も早く「ベターッ」を実現したい私はあろうことか、週替りメニューなのに1週目のメニューも続けて重ねてしまったのだった。後で判明するがこれも明らかに「やり過ぎ」で、故障に向けて一直線コースだったのである。



10マイル湘南藤沢市民マラソン1ヶ月前だったが、左足首に違和感と痛みを感じてからジョギング練習は控えていた。捻挫や炎症に悪化してしまうのを恐れたためである。その代わり、しばらくご無沙汰していたバーベルエクササイズに精を出していた。激しい動きやジャンプなどはなく、音楽に合わせてバーベルを上げ下げし、全身をくまなく筋力アップしていく1時間ほどのトレーニングである。スピリチュアルヒーリングの先生に「あなたはもはや筋力アップは不要」と言われたので久方ぶりのバーベルであった。スクワットや背筋など大きな筋肉は良かったが、腕周りなどの小筋群は久しく行わないとやはり細くなるのかキツく感じるものだ。しかしこれまた「以前できたことがサボっていたためにできなくなるのは許さない」という私の習性でこれまでと同じ荷重のバーベルで頑張っていた。(これが更なる災厄をもたらす)

成人式も終わり、正月気分もそろそろ一段落という頃、左肘の外側に原因不明の激痛が発するときがあった。曲げ伸ばししたり、何か持ち上げたりして力を入れると特定の箇所に強い痛みを感じるのである。最初は筋肉痛にも似ていたが、そのうちに故障による痛み感覚に進展してしまった。走るときは腕を曲げたまま振るのでそれほど気にならなかったが、何かの拍子に伸び切ったり特定の角度になると激痛が走ったりする。「うーむ。これはかなりやばいぞ・・・」原因は恐らくバーベルエクササイズのトライセプス(上腕三頭筋)エクステンションというメニューである。ステップ台に寝転がってバーベルを垂直に持ち上げ、肘から先だけを折り曲げておでこに近づける運動である。不思議なことにこの運動をしている最中には痛みはそれほど走らないが、筋肉痛はまさしくこれが原因のモノとは感覚的に分かった。それがいよいよ時間がたつにつれて疼痛のような痛みに化けてきたのである。マラソン前日になって念のため整形外科の門を叩くことにした。

「湘南○○病院?父ちゃんが骨折って入院してたとこか?」息子甘辛は15年以上前のどうでもよいことばかり覚えている・・・確かに近くにもっと大きい総合病院があるのだが、はるか以前に手術して頂いた御縁を感じ、今は病棟そのものが移転した病院に向かった。執刀した外科部長やその後主治医となった医師はもちろんもういない。ネットで調べるとちょうどよいことに今の整形外科担当が「手外科・肘関節外科、抹消神経」が専門分野だったのでやはり因縁を感じたものだ。診察室でいつからどこがどう痛いか、思い当たることも含めて説明し、少し触診いた後にレントゲン、再び診察室に入ると「磯辺さん、これはテニス肘です」とずばり診断された。「へ?テニスなんか昨年夏にビーチテニスしたくらいでしかもボク右利きなんですけど・・・」原因はよく分かっていないが、テニスをしなくても「テニス肘」にはなるらしいのである。症状はまさしく図解の通りだった。全くこの年になって、利き腕でもない方がテニス肘だと?!



しかし原因が分かればひとまず安心だ。医師に頼んで注射を打ってもらい、痛み止めの湿布を貼ってほぼ痛みは治まった。練習していないので焦りはあったが、心配された左足首の違和感もほぼ無くなってきた。ストレッチメニューは3週目が終了するところだったが、今更後にはひけず「背もたれに向かって椅子に座り卑猥に腰を前後する」という週間メニューをさらに1,2週メニューに加えて行っていた。こちらの方は年明けからほとんど改善が見られないが、とにかくコミットメントしたので休むこともない。やり過ぎてマラソン前にどこかを痛めないように「ま、走り終えたらガリガリやればいいよな」と軽めにコントロールしていた。しかし今省みるに、私が警鐘ととらえねばならない徳川家康公の教訓を軽んじた報いは10マイルのマラソンの中で厳しく現れてしまい、30日コミットメントは一時中断に追い込まれるのである。40年近く前の修学旅行でも、息子甘辛の時もお土産に購入してきた遺訓には浅からぬ奇縁があることに気付くべきだった。



東照大権現遺訓
人の一生は重荷を負て遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
(やたらに負荷を大きくして、早道をしてはいけない。急ぐとろくなことにならない)

不自由を常と思へば不足なし。心に望みおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。
(今、すぐに開脚ができないのは当たり前である。これまで困ったこともない)

堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。
(結果がでるまでは、イライラせずに、地道に積み重ねるべし)

勝つ事ばかり知りて負くる事を知らざれば、害その身に到る。
(ちょっと成功したからと言って調子にのると、ひどい目に合う)

おのれを責めて、人を責むるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり
(やり過ぎて怪我をするのは自分のせいである。何事もほどほどに・・・)


「整」-ファーストコミットメント2017-

2017-01-04 23:28:53 | スポーツ・健康
新年明けましておめでとうございます。年が明けても「超兵器」を訪れていただいてありがとうございます。年々ペースダウンしているような気もしますが、大過ない限り細々と続けますので、今年もよろしくお付き合い願います。

「恒例」という言葉には2面の意味を感じる。「長期間大過なく、いつもと同じようにこの時を迎えられる」という「無事に対する感謝」のような意味と、「いつもいつも変わり映えがなく、退屈で進歩がない」という、「停滞に対する倦怠」のような意味である。どちらの意味も一定量入っているが、実家で過ごした年末年始はまさしく「恒例」と言える期間だった。「いつもと変わったことは何ですか?」と尋ねられたら「紅白にゴジラが出たことです」くらいしか思いつかない。30日に大人4人分が朝昼晩飲み食いする正月用の魚と酒を買い込み、妻は我が家お気に入りのローストビーフと茹で豚を製作する。新しい年を過ごさない自宅は大掃除というものはせず、普段あまり気にしないが「目に余る」箇所だけさーっと綺麗にする。(特に甘辛が衣服を脱ぎ散らすコーナーが酷い)大晦日の午後、準備が整うと赤いライオン号に荷物を詰め込み帰省路にたつがその時間わずか15分。正月は魚料理が主体で今年の目玉はFM横浜のラジオショッピングで宣伝していた「フグ鍋」、大晦日は大抵肉が多く、今回はすき焼きだった。

「アレがなかったら相当貯まってるはずなんだけどなー」といいながら全く反省の気配がない甘辛は紅白歌合戦に大のお気に入りアイドルグループが登場するらしく、スマホ映像での予習に余念がない。何せ正月明け、王城鎮護の地で「握手会付コンサート」に友達と繰り出し、2月当初には「バースディライブ」なる数時間ぶっつけのイベントに「当たった」そうで、とにかくハイテンションである。逆に贔屓のグループが出場しない妻は「なんかさ、ぐだぐだだよねー」と冷ややかだ。確かに司会はフレッシュになったようで、かぐや姫は可愛かったが「綾瀬はる●」さんのように天然ではないようなので、ずっこけるともろに振動が伝わってしまう。バックで見事なダンスがあるのはいいけどイマイチ歌と合ってない。ぱるる卒業は聞いたが、あの場で総選挙結果を発表する必要がどこにあるのか?審査員席に最後まで来なかったタモリとマツコの映像に何の意味があるのか?「何かNHKの歌謡ショーって感じだよな」(ま、ある意味そうなんだけど)

とどめは「ゴジラ」の登場である。「この映像撮るためにわざわざ出演者呼んだのかな」さすがNHK紅白、不可能を可能にする演出だと感心した。スマホで何やらサイトをながめていた妻が「ぎゃーっはっは、ゴジラが接近してもNHKホールには『吉田沙保里』がいるから大丈夫だってさ」なるほど吉田さんは審査員席にいなかったし、霊長類最強の人が現れれば・・・って、半分彼女の登場を信じてしまったが、特定の企業の宣伝はまずいだろうし。「恋ダンス」当然、新垣結衣さんもステージに出てきてやってくれると思ったら、ちょろっと手を動かしただけだし。赤組応援で旗を振り回す勢いの甘辛に「いかに●木坂がよかったとは言え、『君の名は』に『逃げ恥』にXJのゴジラ退治だろ、とどめが『嵐』じゃ、どう考えても赤組に勝利の可能性なくね?大体初っ端にPUFFYなんて行き詰ってるような気ぃするぞ」かぐや姫に勝たせてあげたかった私はテンションだだ下がりでビールを口にした。

新年早々(というか年末だが)、しょうもない与太話で始まってしまったが、いつも年明けしばらくして「思いつく」今年のテーマは珍しくだいぶ前から決まっていたのである。「な、なんだぁ?この本、新品なのに乱丁か?!」何気なく取り上げた本のページがパカーっと180度開いてしまって紙面が剥がれ落ちてしまうかと思ったのである。しかし恐る恐る読み進めて行くうちに来年はこれしかない!」と電撃的に閃いた。正月からいきなり新年コミットメントでロケットスタートだ。(実はズルしてクリスマス後くらいから始めてしまっているが)昨年のテーマは「EXCEED(これまでを超える)」その前年は「一休(Slow Down)」だった。今年はずばり「整(Organize)」にしようと考えついており、年明けにしろと言われている年頭挨拶も何となくこれを入れようと文案を練っていた。言いたいことはOrganizeよりもPrepareに近いのだが、職場が新体制として既に発足しているのでPrepareではちょっとまずいのである。



昨年末に自分史上初の矯正眼鏡の世界に踏み込み、今のところ内外に大きな問題はないとは言え、同年代の多くは「薬」の世話になり始めている。水素水は私の計算上では活性酸素の中和効果はあまり期待できないが、強い意識で水を補給することに大きな改善が期待される。気が付けば四半世紀以上勤めている現会社だが、早ければ今年卒業する可能性も低くない。ま、これまで十数回、異動した経験ではほとんどが前職とはあまり脈絡のない「転職」みたいな転勤だったから、会社が変わることにそれほど違和感は感じないが、世に言う「背負う看板」が変わることには、一定の気勢を整えておく必要がある。ってそんな私事を年頭挨拶でするわけにもいかないが、我がセクションはいかにも「整」が必要であり、これらを全てあわせると、「ベターっと開脚」という言わば整体は電撃のように響いたのである。ということで、こんな話をして社内HPにアップしてもらった。



皆さん、明けましておめでとうございます。昨年の●月、新体制に移行して以来、皆さんの日頃の注意・配慮のおかげで「事故ゼロ」を継続しています。また年末年始の休暇期間も無事に過ごされ、こうして新年のご挨拶ができることを感謝いたします。新年を迎えるにあたり、事業を取り巻く環境、我々に課せられた責務、取るべき方向性など社長等から十分訓示頂けることでしょう。グループの一員として心して臨みたいと思います。

せっかくご挨拶の機会を頂いたので私からは、あまり人の言わないことを申し上げようと思います。それは1年を表す「漢字」です。昨年の漢字は「金」でした。オリンピックでの金メダルラッシュ、元東京都知事の政治資金、東京2020の予算など社会に「金」にまつわる話題が多かったからでしょう。まだ始まったばかりの2017年、漢字で表すのは「鬼が笑う」ことのようですが、あえて言うなら私たちにとって「整」と表せる1年にしたいと思っています。昨年●月に発足以来、我々の業務には様々なインタフェースが生じました。仕事のプロセスも作法、顔つき、そして内容や量などもだいぶ様変わりしました。これら仕事をする上で大事な要素はまだまだ最適とはなっておらず「整えなければならない」ことが山ほどあります。例を挙げれば・・・・・ちょっと頭が痛くなってきましたが、ひとつひとつ丁寧に「整え」我々の両輪である品質と生産性を効果的に回していきたいと思います。
さて、年末に安全への取組み強化や新年からの新たなチャレンジという意味で「30日コミットメント」をお奨めしてきましたが、皆さんどのような「決め事」を考え出しましたか?30日間欠かさずに継続して身に着けるには「簡単なことがいい」とヒントを申し上げましたが、私の場合は「ベターッと開脚できるようになるプログラム」です。昨年のベストセラー本でテレビ番組でも紹介されていましたが、「どんなに体がかたい人でも」というタイトルに惹かれました。「仕事のやり方を整えたい」と思う者にとって、「整体」というのは何かつながりがあると感じたのです。実際は簡単なストレッチの組み合わせですが1ヵ月後の朝礼ででも披露できれば、と元旦から続けています。身体も会社組織も知らず知らずに「かたく」なっていきますね。比較的スポーツをやる方の私でも開脚しての前屈はほとんどできませんが、やり方次第で「驚くほど柔らかくなれるんだ」というシンボリックなチャレンジにしたいと思っています。
これまでもそうだったと思いますが、必要とされる仕事は「放っておけば」どんどん厳しくなる生ものです。人間も組織も「放っておけば」どんどん硬くなります。頭が硬いとミスが多い、体が硬いと怪我が多い、組織が硬いと事故が多い。必要なストレッチは皆さんの知恵と工夫の積み重ねです。シンプルで効率のよい運営という発足時のコンセプトに加え今年は「柔らかい体質」を目指して「怪我なく事故なく病気なく」元気に頑張っていきましょう。

実は30日コミットメントということで、元旦から始めるのが筋なのだが、先も書いたようにちょっとズルしてもう始めて1週間になるが、実は何の効果も現れていない。本の通りにやれば1日に1回、ストレッチの組み合わせを数分行い続けるだけなのだが、じっくり根気強く行うのが苦手な私はいつものように「集中トレーニング」化してしまい、正月休みは暇さえあればストレッチしていたのだが、1cmも改善していない。。。もうカミングアウトしてしまったから、これはこれで地味に続けていくしかないし、効果があまりなくても習慣にしようと思っている。そして今年は何とこのコミットメントに続き二の矢、三の矢が用意されているのである。それはいずれまた披露していくことになるだろう。


パーフェクトドックプラン

2016-11-20 06:05:56 | スポーツ・健康
毎年同じ時期というわけではないが・・・今年も昨年と同様、今の季節に人間ドック受検がやってきた。ウルフェス同様、毎年恒例行事でそろそろ話題も尽きてくると思われたが、どっこい今回はこれまでと一味違う。。。デビュー戦以来、回を重ねること10数回、普通に受けたら何万円もするようなゴージャスコースだが、福利厚生だけは充実している会社なのか毎回無料で実施されてきた。しかし以前も書いたが、経費節減の波はやはりここにもやって来ていて、歯科検診、体力測定、腰痛改善・運動指導、負荷心電図検査など年を追うことに次々と姿を消してゆき、数年前までは2日間びっちりだったのが、妙に間延びするスケジュールになってしまった。今年は古くなった病棟を立て直し、全ての施設が最新式に生まれ変わっていた。待合ロビーや装置群も新しくなったようで、昔の薄暗い健診センターの面影もなくなっていた。しかし年齢的にはこの新しい施設を利用できる回数も残り少なく、場合によっては今回で最後?!とならないとも限らないので、これまでの「レジャードック」とは一転し、全てにおいてパーフェクトな健診とすることにした。

作戦名は「PDP(Perfect Dock Plan)-これが最後かも-」。健診結果はもちろんのこと、あらゆるミッションを全てコンプリートすることを目指す。まずは健診本来の目的である「測定数値の正常化」である。前回の健診の結果からはBMIがオーバーしている条件で血圧が正常範囲を超えていたためにメタボ判定となってしまい、今年の前半から特定保健指導を受ける羽目になった。それから約半年、血圧レコーディングと減塩作戦を重ね、最初のうちは順調だったのだが、ダイエット同様「中だるみ」のような状態を経て何となくギリギリ状態が続いていた。過剰なまでの塩分制限も「運動などの発汗によって能動的に塩分を排出してしまい、水分と交換すればわざわざ無味乾燥な減塩調理とせずともよいのでは?」という自分勝手な論理を展開し(理に適ってるとは思うんだが)、最近はちょっとサボり気味で血圧についても一進一退というところだった。

飲酒というのはその時のみであれば血圧を下げる結果となるという。しかしむろん血管が広がって一時的に血圧が下がっているだけで、高血圧症そのものを改善するわけもなく、かえって元に戻る時に悪い影響が出やすいと警告されている。確かに朝晩の血圧レコーディングでは酒を飲んだ夜と翌朝は惚れ惚れするような値となり、1日増やした休肝日と翌朝はがっかりするほど悪い値を示すこともままある。ドック受検までの1ヶ月間(ちょうどオクトーバーランが重なったこともあって)のパーフェクトプランその1は「休肝日10日、運動日20日」とし、体重・血圧を安定させることとした。内視鏡系や血液検査の項目には「飲酒量が増えると悪い結果となる」ものもあるために、パーフェクトプラン2として当日より1週間前からは禁アルコールを原則としたが、色々なイベントも重なりこれは前4日間に限られた。減塩作戦で最も効果を発揮したのは不思議にも減量だったので、BMIがオーバーしない体重を逆算しこれを維持するように調整した。トドメはもちろん高濃度水素水である。目指せパーフェクトヒューマン!

当日は自家用車で会場に向かうが、その前早朝時間に「スーパー銭湯」に1時間ほど立ち寄った。運転の道のりは約1時間半程度、箱根の山道を通るから恐らく到着する頃にかなり上がっているであろう血圧への効果と発汗により減量のダメ押しをするためである。ロッカー室で体重を測ると驚くべきことに40年ぶりに「高校時代」の値に戻っていた!(むろん一時的なものだ)血圧に影響を与えないように山道でノロノロ走る車にもイライラせず、前が居なくなってもイタズラに峠を攻めるようなこともせずに、ひたすら「ソロソロ」と安全運転に徹し、ほぼ予定通り新しい建物に生まれ変わった病院に到着した。昨年から受付けた順番制になり、早く行けばそれだけ早く健診項目が終了し余裕が生まれる。私は1日目終了後、晩御飯まで空いた時間に、車で10分ほどのところにあるゴルフ練習場で汗を流すつもりだったから、予定通り受付開始時刻の8時半ぴったりにロビーに到着したのに、整理券をとったら35番目!「全くジジイは朝早えんだよな・・・」自分も同類なのに持参した高濃度水素水を飲みながら苦笑したものだった。

  

待合せ室で本など読むとそれだけ視力が悪化する。また血圧を落ち着かせるために眼をつむって「3カウントで吸い、6カウントで細く吐く」ヨガ式の呼吸法を繰り返し行っていた。検査に入る前に当日のスケジュールや体調確認、検査説明などのために事前に記入した問診表をもとに保健師による面談がある。30番目の人が過ぎ、結構待たされたがそろそろ順番かなと思っていたら「検査のスケジュール上、日帰りの方を先にさせて頂きます」とかまされた。「(なんでやねん!早く来た意味ねえじゃんか!)と思いつつも平穏にヨガ呼吸を続けていると「35番の方」と呼ばれて問診室に入るとメガネの保健師が問診表を眺めていて、さーっと内容を確認し「検査に当たって特に支障はないようですね。ハイ、じゃ、このファイルを持ってまずは腹囲から順番に測定してください。以上です」さんざん待たせておいて、問診などたった2分?!「うがーっ」と暴れたくなるのを抑えて大人しく測定ゾーンに向かった。前回で体現したように腹囲など横隔膜の調整で前後15cmくらいはいかようにも調整できるのである。そして前回涙を飲んだ体脂肪率が何と18.6%!今まで何をやっても20%の壁を破れなかったのに、ズバリPDP作戦の効果が現れたのである。

逆にかなり気を使っていた血圧についてはそれほど数値に改善が現れなかった。(さっき、ちょっとムカっときちゃったからなー)視力はやはり低下中、聴力は高音域が聞こえないが勘でボタンを押して問題なし、頸部、腹部エコー、、眼底・眼圧測定、胸部CTを無事消化して1日目は予定よりも早く無事終了。ここまでまさしくパーフェクトなスケジュール進行だった。検査着から私服に着替えてシューズを履き替え、いそいそと赤いライオン号を駐車場から出像させた。むろん検査だけではなく、余暇プランもばっちり予定を立てていた。昨年同様トランクにはゴルフバッグが入っており、平日打ちっ放しサービスのゴルフセンターで2時間半、みっちり打ち続けるのである。スポーツクラブのゴルフ教室をやめてからすっかり練習などはサボっており、ちゃんとスイングするのはめったになくなってしまったから、それこそレジャーのようなものである。夕食時間少し前に帰還し着替えて温泉浴場へ。ここまで大体い
つも通りなのだが、今回はここからが大きく異なる。パーフェクトプラン3は「晩御飯を腹いっぱい食って、アルコール抜き」としたのである。

夕食時の酒は他に何もすることがない(実はたくさんあるけど)受検者にとって大きな楽しみなのだが、今回は容易さえれたおかずと新しく登場したセルフサービスのカレーによって、もうこれ以上は入らないところまで詰め込み、アルコールは封印だ。思えば1年前、家からクーラーBOXごと酒持参したり、これまでのように調子に乗って買い出しに行って部屋のみしていたら、翌朝こともあろうに「腸管洗浄剤が効かない」という世にも恐ろしい経験をした。胃内視鏡検査で横になりながら「今、衝撃波がやってきたらお終いだ・・・」と恐れ慄いた恐怖が忘れられず、いっそのこと今回はアルコールをパスすることにしたのである。10数年来受け続けた人間ドックで初めてのことである。気がかりなのは全く酒を飲まないとかえって朝方に血圧が高く出てしまい検査に支障をきたすことだったが、昨年の思いが神に届いたのか、翌朝の腸管洗浄、血圧測定、内視鏡検査、全てパーフェクトであった。医師による他の検査結果説明もほぼオールグリーン、今回はドック健診までの道のりの方が色々あり、本番はあまりに完璧で話題が乏しくてここで書くことがないようだった。
 
もう一度温泉浴場を利用し、お昼の弁当を食べて病院を後にすると、少しだけ「三島の街」を巡ってみることにした。まずは昨年も訪れたが伊豆国一宮である「三嶋大社」である。樹齢1200年の天然記念物、金木犀が有名だが、むろん最近集め始めた「御朱印」を頂いたのだった。三島周辺は富士山からの湧水が色々なところで見られるという。柿田川公園は国道1号線の真横にありながら、地下水の湧水が所々で見られ、天然記念物にも指定されている保護地区である。天気があまり良くなくても透き通るような美しいブルーを見ることができ、底の方にはコンコンと水が湧き出ている。柿田川は底に緑色の藻が敷き詰められているのか普段中々見られない秘境のような光景だった。市街地の国道沿いにあるとはとても思えない。展望台というから上の方から景色を眺めるのかと思ったら、川面の方に降りて行って、湧水を眺めるコースになっている。HPなどではブルーの湧水はせいぜい普通の井戸くらいの大きさしかないよう見えていたのだが、かなり巨大で直径5メートルくらいはある迫力ある湧水だ。来年があったらもう少し足を伸ばして豊富という史蹟を巡ってみたいと思う。

            

            




高濃度という名の魔力

2016-11-17 21:40:35 | スポーツ・健康
世の中には色々な「身体によい」とされるサプリメントが出回っており、ものすごい市場規模になっていると思う。少年期の甘辛も飲んだが筋繊維を太くしたければホエイプロテイン、頭の働きを良くしたければDHA(ドコサヘキサエン酸)、脂肪を燃焼させたければ一昔はl-カルニチン、αリポ酸、カプサイシン、疲労回復のためならオルニチン、コエンザイムQ10など、さらに何に良いのかイマイチだが良さそうな気のする「ポリフェノール」「ラクトフェリン」・・・数えきれないほどの「それらしい横文字」の成分が並び、どれを取っても何となく「効きそうな気」がする。私も同類で「プロボクサーが減量に使用」とか、有名人が「集中力を高めるために毎日摂取」などと見るとふらふらと近寄ってしまい、数えきれないほど「やられて」きた。古来から身体によいと言われる和名のもの「朝鮮人参」とか「薬用養命酒」などというお馴染みのものよりも耳慣れない横文字の方が効きそうな気がするものだ。むろん私もその一人だ。

面白いことにお気に入りの「脳科学」の著書にこの現象のことが載っていた。年バレしてしまうが、CMを覚えている人も多いだろう「ジンクピリチオン」である。シャンプーのベストセラー商品だが、CMの「ジンクピリチオン配合」という言葉に消費者が飛付いた現象だというのだ。「ジンク」というのはZnつまり亜鉛のことだと思うが、その先の物質は何のことなのかさっぱり知らない。恐らく一体何なのか知っている消費者はまずいないのではなかろうか?にもかかわらず「おぉ!これはよさそうだ!」と思い込ませてしまうのが「ジンクピリチオン効果」だそうなのである。某大学の教授が命名しちゃんと言うと「言葉は、その意味するところとは別に、その音感と新規性に由来する『衝撃力』を持つ場合があり、そのような「爆発性言語」の精神活動への影響力を「ジンクピリチオン効果」とされたのである。オリジナルの論文には他にセラチオペプチターゼ配合、デュラムセモリナ100%、あらびきネルドリップ方式などが挙げられているらしい。「三段逆スライド方式」などもこれに入るのではなかろうか?

「ジンクピリチオン効果」に加え自身の経験からさらに私風に論理展開しようと思う。言葉の響きと共に私のように「その気になりやすい?」人間が魔法のように「やられてしまう」要素として、「高濃度」という頭言葉があると思うのだ。前述の「名前だけすごそうで、実際何なのか誰もしらない」成分を含む製品はほぼ全てが「高濃度」で配合されていることに気付いた。ホエイプロテインはズバリ100%配合、DHAなら1粒●●mg含有、カカオ含有72%、タウリン1000mg配合、「●ントリー史上最高濃度の魚油」などよく見ると実際どれくらい「濃い」のか全然分からぬものも多いが、いかにも「たくさん配合されている」ように聞こえるのである。そこで昔からある栄養素をたくさん含む実際の食品に換算して実感を沸かせる商品があった。典型例は●Cレモンにある「レモン50個分のビタミンC」、50億個のビフィズス菌、しじみ300個分のオルチニン、3粒で納豆2パック分のナットウキナーゼ・・・恥ずかしながらどれも漏らさず「やられて」きた。(ホントはちゃんと効果が出ているのかもしれないが)

そもそもよく考えるとビタミンCの塊ではないと思うが、レモン50個、しじみ300個も一辺に食べたらどう考えてもお腹を壊すに決まっている。50億というとすごい数に思えるが、悪玉菌に対して「焼石に水」なのか「夏の陣で大阪城を取り巻く」状態なのか、細菌の数などどのように効いてくるのか見当もつかない。逆に納豆2パック分というのが微妙で毎日は無理でも1日おきならばできないことはない、1ヶ月のサプリメントが約4000円だったから普通に食べるのとそれほど大きな差分がない。医療関係の知人によると、「身体に必要な栄養素は自然の食物から摂らなければならない。サプリメントなどで簡易に摂取すると身体が食物から『取り入れる』吸収力が減退してしまう」という。私は彼の主張に同意しなおかつこれを発展させ「たまには毒素を身体に取り入れることも必要だ。ヌルい安全な食物だけでは元々備わっている解毒・分解力が衰える」とも考えている。

さて「身体によい」という概念の解釈は年齢とともに変遷してくる。若い頃は(あんまり若くなくても完全体であれば)筋肉・持久力増進、ちょっとカロリーオーバーと不摂生が祟りメタボ気味になると決まってダイエット、そして中年に差し掛かり疲れが取れにくくなってくると滋養強壮・疲労回復、そして私の場合は高血圧対症である。ひと時流行った「●る●る大辞典」でも色々な食物(納豆が有名だが)が紹介されていたが、とどのつまりは「自然界の食物全てこれ何らかの効能あり」ということだったろう。そしてそれらの食物に多く含まれる「変な響きの横文字」成分を「高濃度」で含有するサプリに「やられ」続けているわけである。高濃度という言葉の罪悪が大きいのは何とそれが食物に限らないところである。母親を連れだってほぼ毎週末早朝に通っている日帰り天然温泉「竜泉寺の湯」の一番の目玉は「高濃度炭酸泉」、ちょっと温めの湯に浸かると身体の表面に「ショワショワ」と気泡が付着するのでいかにも「高濃度の炭酸」が効くような気がする。

そして我が職場の大番頭「ドグ」の一言が発端でついに私は禁断?の魔物に手を出してしまった。。。「高濃度水素水」である。「水素水って今流行ってて、結構いいんですよ。ウチではカミさんがハマってしまい、サーバー買っちゃいました」「へーえ、ただの水素が入ってる水?そんなの何に効くんですか?」「酒をしたり激しい運動したりすると活性酸素が身体を傷めるというでしょ?水素がその酸素と反応して無害な水にしてくれるようなんです」「ぎゃーっはっはは!ドクさん、そんなのホントに信じてんの?カラダの中で水素と酸素が反応して水が生成?そんなの絶対『やられ』てますって。爆発するようなもんでしょ?」「でもねえ、結構調子いいんですよ。。。疲れも取れやすいし」これまで数多くの高密度な栄養サプリに「やられて」きた私は当初からハナで笑っていた。しかしこれまでの「ジンクピリチオン効果」を狙った健康成分とは全く逆の発想だ。水素なんて誰でも知っている自然界最小の物質でどう考えても、それ自体は何の効能ももたらしそうもないが、ネットで色々調べるとどうやら「活性酸素と結合して無害化する」というのはホントの現象らしい。

成分名の奇抜さに惹かれるのとは反対に誰でも知っている単純な元素なだけに効能が謳われるとやけに説得力があり、私はいつもの通りみるみるその気になってしまった。タイミングがいいのか悪いのか、通っているスポーツクラブでは「期間限定!水素水オプション会員」キャンペーン中だった。「業界第一位の高濃度水素水!10月中に登録すれば2ヶ月間使用料は無料」というポスターにふらふらと受付に行き「あのーぅ、、水素水オプションを登録してもサーバー使えるのは施設利用時間だけですか?」私は平日の夜だけ利用できる「安い」会員種別だから水素水を取得できる回数が限られるとあまりお得な気がしない。しかしいつもの受付のお姉さんは「大丈夫ですよ磯辺さん、水素水だけならいつでもご利用できますよ。会社前に容器に入れていく会員様も結構いらっしゃるんですよ」私は即決、手続きに踏み切った。買うと1600円もする専用の特殊容器をもらって早速使い方を教わったのである。水素は一番軽い分子であるだけに水に溶け込んでも空気中にどんどん逃げて行ってしまうので、飲むたびに口を開けても真空に近い状態を維持できる特殊な容器が必要というのである。

    

ドグによると活性酸素を中和する効果の出るのは1.0ppm以上の濃度が必要だが、この最新のサーバで得られる水素水の濃度は何と2倍以上の2.5ppm!業界最高と言われる所以である。ちなみに彼の家庭用サーバーは1.5ppm以上、市販のボトルの濃度は0.6~0.8ppm程度であまり果は期待できないそうだ。その気になると山本リンダさん風に「どうにも止まらない」私は、早速早朝から出勤前にスポーツクラブに立ち寄り、専用容器と金属ボトル2杯分の水素水を毎日マメに汲み取っていた。金属ボトルは通勤列車内で飲み、専用容器はデスクに置いてちびちびとやるのである。今は会議においてもペットボトル持参の出席者が多いので私は堂々と「H2Bag」と書かれた容器をテーブル上に置いている。(時々怪訝な顔をされることもある)

  

業界一番の「高濃度」と言えども所詮は分子量最小の水素である。珍しく納得して気長に効果を待つことにしていた。ネット上でも実は賛否所説あったが、あまり気にはならなかった。ジンクピリチオンとは逆に馴染みの深い元素だからだろう。ある日の昼休み、水素水についての効能についてサイトを眺めていると「活性酸素の中和効果」について記述があった。これによると「人間が1日に取り入れる酸素はおよそ500リットル以上、その2%が活性酸素として体内に生成される・・・」すなわち10リットルである。これを見た私は電撃的に机から紙と鉛筆と電卓を出して、「ガリレオ」の○山雅治のように数式を書きだし始めた。単なる掛け算割り算だけど・・・

物理化学を選択した者なら習ったが標準気体(25℃1気圧)1モルの体積はどれも24.8.L、つまり10リットルの活性酸素が気体と仮定すると10/24.8×6.02E-23(アボガドロ数)個の分子が細胞内にあるはずである。一方、水素水サーバのパンフレットには200mlの水素水には1.9兆の1000万倍の水素分子が含まれるとされている。平均濃度1.9ppmという数値から検算すると概ね正しいと思われる(当たり前か!)。酸素分子1個中和(水を生成する)のに水素分子2個必要だから、1リットルの水素水を飲んで中和できる活性酸素分子は概ね0.2%ということになる。活性酸素は過剰になるとよくないが、殺菌など身体に必要なものでもあるから、この数値というのはまあまあ「やられてはいない」と思われる。(どこかに落とし穴があるかもしれないけど)実は私がこの水素サプリに期待するのは活性酸素の中和そのものではなく、不足しがちになる水の補給を大事に考えるようになることである。

  

ついでに言うなら汗に含まれる塩分は汗のでる要因にもよるようだが、概ね0.7%程度、つまり1リットルの汗を流すと7gの塩分が排出されるので、これを水素水で補給すれば活性酸素中和に加え塩分排出といういかにも私好みの「一石二鳥」作戦が成立するわけだ。思い起せば活性酸素は激しい運動、痛飲、紫外線、食品添加物など毒素により多く発生すると言われており、こう聞くとまさしく私の体内は活性酸素生成工場のようなものである。ジムで運動中に水素水、波乗りの休憩で水素水、おやつや飲み会でもマメに水素水を補給・・・待てよ、飲む時にそもそも水素水で割ればいいじゃんか。。。とすると焼酎や日本酒では味気ないし炭酸は無理だから、やっぱりウィスキーがバーボンか。明らかに「違うだろ!」と裏拳で突っ込まれそうだが、一応念のために実証実験のみやってみるとするか。

オクトーバー150

2016-11-06 07:06:41 | スポーツ・健康
2回ほどこのサイトでも紹介したが、先月は「オクトーバーラン」というプログラムで暇さえあれば走り続けたひと月だった。「期間限定ならば人間かなり頑張れる」という持論のもとに、土休日や平日帰宅後なども近所をひたすら走り回り、通勤・外出時もマメにアプリを起動して走行(歩きもあり)距離を稼いだものだ。先般書いたよに前半で70kmを通過し目標である100kmはほぼ確実と思われた。しかし月の後半に至って支笏湖やら杜の都やらに宿泊で出張することが重なり、少し失速気味になってしまい、4週目の週末、この期間唯一の公式マラソン大会である「茅ヶ崎サザンビーチマラソン」でようやく通算100kmを走破したのだった。小さな大会だったが、「アースランクラブ」という「身近な自然環境を走ることでスポーツと地域活動、そして走ることが社会貢献につながる草の根イベント」を開催する団体の開催するもので、小学生から参加できる「浜で小運動会」やビーチラン、ドリブルラン、ドッグランなど家族でも楽しめるイベントだった。

登録料の割にはそこそこ景品がよく、しかもペアRUNで申し込めば割安にもなるようだったので、妻と二人でエントリーしておいたのだが、2週間前くらいから妻が「腰が痛い」と言い出して出場が危ぶまれてしまった。ペアエントリーだから距離は5kmにしておいたが、全く走る練習をしていない様子で、「こりゃ、オレ一人で走るようかな・・・」と内心諦めかけていた。(実は後から知ったのだが、ペアRUNは二人で走らないと成立しないルールだったのである)前日まで「どうしようかな」と言っていたが、当日は天気もよく、走る気にはなってくれたようだった。サザンビーチまではチャリで25分くらい、受付時間の混雑を見越して早く着き過ぎてしまい、浜辺で記念写真を撮ったり、ハーフキス釣り船やウィリー五目船などで烏帽子岩周辺に向かった漁港で釣り人の釣果を偵察したりして時間をつぶした。「一緒に走れないから先に行って」という妻をスタート2分で置き去りにし、コースとなっているサイクングロードを江ノ島方面に向かったのだった。(実は二人揃ってゴールしなければならず、後で叱られる羽目となる)

      

サザンビーチから江ノ島やその反対方面というのは私が子供の頃からサイクリングロードというのができており、最近練習に海辺を走ったりすると色んな「通行人」が多いことに気付く。「湘南マラソン」のように車道を規制して大会専用にしたりしていないから(そういうレースも多数ある)出場者以外にたくさんの人がいる。個人で走っているランナーもいれば、自転車の横にサーフボードを付けてポイントを探すサーファーもいる。今や超危険生物と化した「トイプー」の散歩をしている人もいれば、夫婦仲良く散歩している老夫婦(いずれはかくありたいものだ)もいる。レース中で言うとこの人たちの邪魔にならないように避けて走らなければならないのがちょっと辛いが、江ノ島と烏帽子岩を視野に収めて走るなんてコースは中々ないと思うのでマイナーな割にはお薦め大会だと思った。ただいつも出ている大きな大会のイメージは粉砕され、「地元のビーチクリーン」集会がそのままマラソンした、なんていう感じを受けた。「C」のモニュメントはいつの間にかできていたが茅ケ崎を表すシンボルなんだそうだ。

      

「たかだか30分でしょ?」折り返し点からしばらくして後から来た妻とすれ違いざまにハイタッチし、その後も幸いに大きな故障もなく妻もゴールすることができた。ちょうどこのレースで目標である100kmをクリアすると、最終週は俄然気分的に盛り上がり、早朝ランなど入れたりスポーツクラブに行っても着替えて外周を走り回ったり(GPSを使うのでランニングマシンでは測定できない)して距離を稼ぎ、最後の週末時点で118.7kmまで辿り着いた。しかしオクトーバーは残り3日、ずいぶん中途半端なラストスパートとなってしまった。。。クーポン券は50km走るごとに発行される。つまりもう1枚GETするには残り3日間で30km以上走らなければならぬ。しかも月末は平日で杜の都へ日帰り出張、「懇親会でハロウィンやろうぜ」と息巻いていた手前、さっさと帰るわけにもいかない。土曜日は先般紹介した「くりはま花の国」に訪れたのだが、午前中で帰宅したのでその後着替え、海辺と我が家の周辺を果敢に走り、お友達との立話中に私を見つけた妻たちに脇目も振らず12km余りを稼いだ。「あんたのご主人、相変わらずアグレッシブね。奥さんに手を振るだけで立ち止まりもしないなんて・・・」実は二人に声を掛けられたのは10km余り走ってきた後で、あの地点で立ち話などしたら二度と走りだせない状態だったのである。

そして翌日午前中早いうちにもう10km走って貯金したところで遂に足が動かなくなってしまった。「くそぅっ、あと10kmで150kmになるのに・・・」昼飯をとって夕方くらいに歩くスピードでもいいから何とかもう10kmくらい走れないかとストレッチを始めた私を見て天の声のようなものを聞いた。「アタシがそれ持って夕方5キロ走ったげよっか?」ズルはズルなのでちょっと気が引けたが、腰が痛いはずなのにそう言ってくれる妻がありがたかったし、走ってることに変わりはないから、この提案に甘えることにした。昼間やることが色々あり、夕方になってしまうそうだから、先に彼女が走り私とバトンタッチし私は最後のエネルギーでもう5km走ることにしたのである。ただ同じ日に二度も(私にとっては長距離を)走ったことがないので、何もせずにひたすら走るのはたぶん耐えられないだろうと思い、近くの川に竿を出しながら周辺を走り回ることを思いつき、妻に自分の分を走り切ったら川沿いまで来てもらうように頼んだ。釣り場を中心にから上流下流の橋を回って一周走ると推定500メートル、アタリを待つ間を走り回ればよいと考えたわけである。

渡しておいた私のスマホを腰に巻き、妻が釣り場にやってきた時は陽が落ちて辺りが真っ暗になりかけていた。しかもこれから江ノ島方面に走りに行くという。。。「(ちょっと想定より遅えよな・・・)」と思いつつもせっかく協力を申し出てくれた彼女の好意を無碍にできず見送るしかなかった。でも江ノ島まで往復すれば推定5km以上、通算走行距離は145kmとなり、いよいよ最後の5kmを何とかすればよいことになる。約30分ほどして約束通り妻は江ノ島往復ランしてきたようで(これにはかなり感謝!)、その後(ちょっと色々あったが)私はヘロヘロになりながらも予定距離を走り切り、ついに走行距離150kmに到達したのである。30日コミットメントに換算すると1日平均5kmのジョギング・・・目的(と言うよりは走った先で何をするか)のない走りを最も苦手とする私にとって我ながら快挙である。「人間、期間限定が分かっておればかなり頑張れる」とうのを身をもって体験した。(私の場合ラストスパートは「雪崩をうつ」という言葉が相応しかった)
実はオクトーバーのファイナルを迎えるにあたってまだちょっと話題があるのだが、またまた字数が嵩んでしまったのでいずれ書くことにしよう。

    

期間限定の半暴走

2016-10-16 12:28:26 | スポーツ・健康
年を重ねると少しずつ「新しいこと」を始めること自体が億劫になり、そういう機会があってもいつの間にか「やらない正当な理由」探しが始まってしまうものだ。私は比較的あれこれ色んなことに興味本位で手を出すことが多い方だと思うが、その分飽きっぽく、始めたことを継続するには「モチベーションを維持」するのに苦労する。そういう傾向が見えてきたときに、効果的なのは「期間限定のトライアル」というヤツである。30日コミットメントなどはまさしく期間限定の取組みであり「終わりが見えている」分、手抜きや自分へのごまかしなどはせずに続けられるものだと思う。そしてひとたび波動エンジンが接続・点火されてしまうと、容易に止めるのが困難になるほど、半暴走状態になっていまうことがたまにある。先般このサイトでも書いた今月に入って意気揚々と始めた「オクトーバーラン」というプログラムがそんな様相を示してきた。(恐らくそうなるだろうと自覚してはいた)

初日が土曜日ということもあって、いきなり弾み付けに周辺エリアのコースを5km余り走ってみた。我が街の青い鳥とよく出会う川沿いのランニングコースを北上し、箱根駅伝コースに曲がって湘南T-SITEを横目に西に向かい、再び曲がって海岸通りへ向かって走る。アップダウンもなく割と走りやすいコースを走ること約30分、帰宅してアプリによる計測結果を見てみると走った距離は5.6km、地図を見ると概ねアド街ック天国で紹介されたとあるエリアの外周を走っていることが分かった。前回も書いたが、「ただ走るだけ」という行為が何となく非生産的に感じてしまう私だが、1kmごとのラップタイムらペースの変化なども細かく計測されており、これを意識して身体にアドレナリンが充満し、最後の1kmなどはラストスパートのようなハイペースとなっているのが分かった。普段、もっと長く走ることがないので、距離は全然短いがこれも初期の「ランナーズハイ」というものなのだろう。

翌日曜日はコースを変え、いつも行くサーフポイントを横目にサーフビレッジを通過しサイクリングロード沿いに江ノ島に向かうことにした。午後から波乗りに来るつもりだったので、どこが良さそうなポイントか偵察も兼ねて走ることができたが、湘南海岸のポイントにそんな変化があるわけでもなく、結局似たり寄ったりで「いつものところかなー」と苦笑いすることとなる。「湘南国際マラソン(12/6開催)」が近いからか、やたらにジョギングしているランナーが多い。新江ノ島水族館を過ぎて、片瀬漁港に入り長い堤防の先端まで行くと釣りゾーンがある。概してボウズの多い、「気楽さと景色のよさ」の割には釣果の貧しいこの釣り場で今、何が釣れているのか偵察したかったので、ここだけ歩いて釣り客のバケツをのぞいて回り、やはり大したモノが釣れていないのを確認して再び走り始めた。同じコースを戻って帰宅し計測結果を見ると今度は7km。海風が気持ちよく散歩するならよいが、その分景色の変化がなくて思ったよりも走っていて楽しいコースではなかった。

このプログラムを始めてわずか2日間で12kmあまり、平日は中々そうはいかぬだろうが、この調子なら50kmは何とかいけそうだ。でも目標の100kmを達成するには(ちょっと無理があるような気がしていたが)平日にいくらかでも貯金していかないといけないことがよく分かった。以前なら出社前の朝暗いうちにボードを抱えて1時間ほど海に入るということもしたのだが、やはりジョギングというのはエネルギーの消耗が激しく仕事に支障があると困る(たぶんないけど)。仕事帰りに「夜の部」がなければスポーツクラブでスタジオプラグラムをこなし汗を流すのだが、帰宅してから走ってみようとしたら、やはり一旦休息モードに入ってしまうので無理なようだった。そこで私はいつもの癖で「あざとい」ことを考えだしたのである。私の勤務するオフィスやよく行く外出先は最寄の駅からはそこそこ距離があり、「アプリを起動しておけば歩いても距離を稼げるのではなかろうか?」と思ったのだ。実際行ってみると、大体駅からの距離は7〜800メートルくらいある。外出してオフィスに戻る予定があれば3kmくらいは貯金できることになるのである。「ラン」ではないが、そこは「早歩きもOKとする」という免責事項を設け、100円玉貯金のようにコツコツと貯め始めたのだった。むろんジムが休館の日はいつもの5kmコースを走ることにした。

翌3連休、初日はいきなりぶっ放していつもの周回コースと海沿いコースを組み合わせ、1時間かけて10kmあまりを走破した。この1週間ですっかりエンジンが始動してしまい、「とにかく暇さえあれば走り回る」ジョギング症候群に入ってしまったようである。しかしこれまでグンマ他、色々な大会で10kmを走るレースに出たことはあるが、1時間走り続けるというのは身体に普段とは異なるダメージを与えるものだった。翌日の朝は股関節や膝がきしみ、腰と背中に妙な引っ掛かり感があって歩くのも辛い状態に陥った。しかし両舷全速モードに入ってしまった私は、翌日もいつもの周回コースを果敢に走り続けたのだった。最初のうちはとにかく痛いし辛かったが、そのうち「ハイ状態」がやってきて初めて連日で5kmジョギングを重ねたのである。ところが帰宅してスマホを取り出し、計測結果を見たら愕然とすることになった。「同期エラー」とやらでアプリが停止してしいまっていたのである。実測値はわずか56メートル・・・?!

「う、うっそぉ、マジ?」結果を見たとたんにその場にへたり込むところだった。なるほどこういう落とし穴があったのか?!痛みをこらえて走った苦労は何だったのか!ゴムチャックのカバーベルトにスマホを入れて、アプリを起動したまま背中側に巻いて走るスタイルなので、終わってみなければ結果を見ることができないのである。「ハア、ハアッ・・・こんなことをやってては身体がもたんよな」仕方がないので、シャワーを浴びて一休みしたら、超兵器203号を首にかけて川沿いを散歩歩きした。アプリを起動しておいて途中でスマホを取り出し、止まっていないことを確認したらそれまでの距離は2.63km、ちょうど折り返して帰れば走った距離に近くなる。その日は青い鳥に出会うことはできなかったが、川沿いの景色を楽しむ余裕もなく半ば足を引き摺りながら家に向かった。その日はスーパー銭湯で身体をほぐし、翌日のランに備えたのだった。

3連休最後の日は体育の日、朝から天気がよいはずだったが予報が外れたのか、イマイチ重苦しい雲が空を覆っていた。全部「ラン」ではないが、前2日間で20km以上走って(一部歩いて)おり、さすがに膝や腰の状態からして走るのは無理なように思われた。そこで私には再び「悪魔の囁き」があったのである。「昨日、川沿いを散歩した5kmは実際に自分の足で歩いたものである。平日の移動に関し、最寄駅までの徒歩をランとしてカウントしているのなら、あの散歩もランニングにカウントするのが筋である。とすると、前日に実際に走ったのにエラーとなってしまった5km分は別途、何らかの方法で記録に累積して然るべきである。」(こういうエラーがあった時だけね)と自分を言い含め、走行距離補正として「チャリを使ってささーっと」ロスしてしまった距離を走った。それから数日、「2のつく日はビールが半額」という海沿いの某シーフードレストランに家族で行くことになった。妻と息子甘辛は当然、自転車を走らせたのだが私はここでも「ラン実績」を重ねようと考えた。お店までは2kmちょっとあるはずだが、ランニングしたまま店に入るわけにもいかない。かと言って、自転車で走った距離を「ラン」と言うにのはいくらなんでも「ズル」過ぎる。「どうすんだよ、父ちゃんはよ」と腹を空かして苛立つ息子に、「オレはこれで行く」と物置からスケボーを引っ張り出してきたのである。実際に歩くよりはかなりハードな運動となり、店に入るころはかなり汗ばんでしまっていた。往復トータル5kmくらいを稼ぎ、「ちょっと本来のランニングプログラムからは離れてきたかなー」と反省したものだった。それでも一定以上歩いたり走ったりする時はマメに計測し、平日でも2日くらいは真面目にジョギングを重ねて、月半ばに至って総走行距離はなんと73km!このままいけば目標に達成するのは確実と思われた。

多少のズルを許容しても、予想通り半暴走気味に「距離を稼ぐことのみに明け暮れる」プログラムになってしまった。こうなるともう「オクトーバー」が終わるまでもう止まらない・・・しかしよくないのは何となく身体全体が「劣化」が進んでいくような気がするのである。本格的なランナーにしてみれば笑っちゃうような距離だが、やはり休息は大切なようである。(スイッチが入るとこの休息を取らなくなる)また昔ロッテの落合選手のようにシーズン後半の土日に「固め打ち」する場合、運動後のアルコールが必ず身体に悪さする。人間ドックの医師によれば「活性酸素」の影響がダメージを倍増させるので、運動後にアルコールを飲んではいけない、ということである。さらに(これは良いことかもしれないが)ランニングした日の晩は必ずと言ってよいほど血圧が上がる。(これは仕方がないらしい)健康のためのプログラムということだが、人によってはかなり注意が必要ということだ。後半戦、どこまでイケるか分からぬが1回に走れる距離を少しずつ伸ばして来たるべき「10マイルマラソン」に備えたいと思う。
それにしても走りながらスマホ写真を撮るのはものすごく疲れるものだ。

             

  

オクトーバーの追い込みRUN

2016-10-01 21:28:04 | スポーツ・健康
灼熱の夏場を除き1年に数回、一人または仲間内でマラソン大会に出場することにしている。何度か経験したが、一人ぼっちで会場に行き走るというのは、寂しいものである。藤沢湘南市民マラソンのように定例化しているものは、お友達なども自分で申し込むからよいのだが、自分で見つけて仲間を誘う場合「はずれ」だったらまことに申し訳ないのでちょっと2の足を踏んでしまう。「駅伝レース」というのが面白そうで、一度5kmくらいずつの分担でお友達家族とエントリーしようとしたのだが、チーム代表としてメンバをエントリーにする際に、全員の住所氏名、年齢、生年月日まで漏れなく記入しなければならず、ここまでデリケートな個人情報を遠慮なく聞く勇気はないので、やはり何となく中止にしてしまった。秋になってジョギングにはよいシーズンとなるが、大会出場に付き合ってもらうのはやはり妻になってしまうので、レース選びは色々と条件を付けることになる。ちなみに湘南藤沢マラソンは10マイルレースだから妻は走りきれない。

走る距離が5kmくらいのコースがあること、たかがそれに出場するために遠路交通費をかけることがない近場であること、エントリー費用がやたらに高くなく、Tシャツなど参加賞が充実していること。グルメや祭りなど何かのイベントと「セット」になっていること、「大会」の高揚感を味わえるくらいの出場者数(数百人以上)はあること。世にマラソン大会は数えきれないほどあるが、ここまで厳しいフィルタリングをすると、該当するレースがほとんど見つからない。やっと見つけたのが「茅ヶ崎サザンビーチマラソン&浜で小運動会」である。これならチャリで行けるし、参加賞も色々あるようだ。サイクリングロードなど走り慣れているし、お友達家族を誘していたら面白い企画にたどり着いた。「オクトーバーラン」というイベントである。

マラソン大会エントリーサイトから無料で登録し、スマホに専用アプリをダウンロードしてこれを携帯し「10月をひたすら走り続けて、走破した距離を登録していく」という自己実現プログラムである。スポンサーがついていて、50km走るごとに500円のクーポンがもらえるという。エントリーサイトと連携させて、アプリを起動して走れば、いつどこでどんな距離を走ってもよく、走行距離は自動的に「貯金」され所用時間とともに記録されていく。今どれくらいの通算距離になっているか、どんなレースに出場したか、記録はどうだったか自分の「走り込み」状況を見ることができる。登録時に目標距離、出場レース、目標タイムなどを「宣言」し、ひたすら自己を追い込むというプログラムである。黙っていても大会当日がやってきて、スタートの号砲とともにいやでも走り出す普段のレースと異なり、「自分と戦い、自分を律する」力が必要とされる、明らかに(自分に甘い)私が最も苦手とするスタイルだが、「クリアするとクーポンがもらえ、今日までは登録無料」というフレーズに目がくらみ、あえてエントリーに踏み切ることとなった。

冬のフルマラソンで目標を達成するために、10月はいつも以上に走り込みたい!オクトーバーランはそんなランナーを応援するイベントで今年で33年目を迎えたそうである。今回は10月1日〜31日までの1カ月間に、自分の走った距離を全国のランナーたちとインターネット上で競い合い、励ましあってメジャーなレースで目標達成を目指すといバーチャル企画だ。翌月に企業グループの駅伝大会があるようであり、いつの間にか私も(むろんシニアね)メンバーになっているようだから、この機会に新しい趣味としてジョギングを取り入れるのも悪くないと思った。今流行りのスマホアプリと連動して行う初めてのゲーム感覚のジョギングである。甘辛などは暇なときは朝から晩までずーっとこういったゲームに夢中になっているが、どういうカラクリになっているのかもよく分からない初挑戦の初心者である。

アプリをダウンロードしようとすると、いきなりバージョンが古すぎて対応していないとエラーになってしまった。数年前のメジャーアップデートのようだから、インターネットを介しては処理できず、SDカードを使用しなければならないようだ。いきなりの躓きに「やっぱりオレにゃぁ、向かねえかな・・・」自分に弱い私は早くも投げ出しかけたが、どうにか踏みとどまり、悪戦苦闘の末にTATTAという専用アプリのダウンロードまでこぎ着けた。エントリーサイトにログインして連携させるとプロフィールなどがざざーっと表示される。ひとまず実施期間は10月の1ヶ月のみ、目標走行距離は・・・・よーし、100kmで行こう!50kmごとに500円のクーポンだからキリのいいところで1000円!(やっぱり景品に目が眩んでいる)出場予定大会・・・?茅ケ崎サザンビーチマラソンと湘南藤沢マラソン、ついでに埼玉マラソンも入れとくか。。。

  

どんなレースでも「エントリー」した時というのは気分が高揚し、トレーニングテンションがMAXまで行くものだ。ジムのランニングマシンで60min&時速10kmをセットして百発百中わずか5分で後悔するが、それなりのプライドもあるので必ず30分は走り続ける。今回は1ヶ月間という長丁場の「自分との闘い」である。GPSと連携してホントに走った距離と時間を計測しているようなので、「貧乏ゆすりする人の膝に置いて距離稼ぎ」というのは通用しない(そもそもそんなアザトイやつはいない?)しかし自分には限りなく弱く甘い私だが、「その気になった時の」パワーは我ながら中々のものがあると自負している。試しに初日である10月1日に初めてアプリを起動して「アド街ック天国」で紹介された我が街エリアの外周を走ってみた。

アプリを起動しているスマホを身に付けて走らなければならないが、それは本番で色々このサイト向けの撮影を行ってきたので大きな抵抗はない。アド街ックコースは約5kmくらいなのだが、まあ軽く流すつもりで最初走っていたのだが、「この走行はアプリで計測されインターネットに送信されている」と考えるとやたらアドレナリンが分泌され、気が付いたら後半戦に入る前にラストスパートのような鼻息の荒いRUNになっていたのである。何か気分が盛り上がるなあ。以前、某SNSサイトにメーカーのアプリを使っているのか「○○さんはN×KEの◇▽シューズを履いて、5.8kmを走りました」とか投稿しているのを見て、「自分が走ったコースと距離を公表して一体何が楽しいのか?!」と首を傾げていたのだが、「言うこと」による「追い込み効果」というのはあるような気がする。

  

30日コミットメントというわけにはいかぬかもしれないが・・・これは何かイケるような気がする。。。ここには私が何よりも必要とする「きっかけ」がある。そしてスイッチが入ってしまい「その気」になってしまったら、自分の性格からして、「身体を壊す」ギリギリまでやってしまうに違いない。さあ、やるぜ私は。。。1ヶ月限定の「限界に挑戦」だ。ちなみに本日、記念すべきチャレンジ1日目ということで、スーパー銭湯から帰宅直後にいきなり5kmランをかまし、その後海に入ったら溺れかけた。。。信じられないくらい身体が「言うこと」を聞かなかったのである。「おまえ、いいかげんにせえよ・・・」という声が聞こえたような気がする。何せ夏休みの宿題を夏休みに入る前に全てやっつけてしまいたくなる性格だから・・・始めが肝心なのである。






血圧作戦30日コンプリート

2016-04-24 12:18:24 | スポーツ・健康
「ウルトラ123作戦」をコミットして30日が経過した。あれもこれもと欲張って自分に課すと結局できない理由を探して「易き方に流れる」のが常だが意外にもそれほど苦戦もせずに続けてこられた。そして色々今まで気が付かないことが分かってきただけでなく、これまでの恐るべき食に関する悪習慣に驚愕することにもなった。言うまでもなく一つ目の誓いにある「塩分量を把握・コントロールし血圧を測定し続ける」ことがこの作戦の中核にっていた。朝は納豆と卵、しらす干しに白米を標準とし、味噌汁を飲まずに野菜ジュースをつけると概ね1グラムとなる。昼は弁当のおかず塩分総量を2グラム以内に抑え、お茶又はコーヒーをつける。とすると晩御飯は3グラム+アルファくらいなら大した苦痛にはならない。スポーツクラブに寄るときなど減塩おにぎりにし、翌日用に塩分を貯金できることになる。酢しょうがは美味いとは思えないが、朝はワカメにぶっかけて詰込み、夜はとうふにかけて酒のつまみにしたりする。酒のつまみとしては比較的勧められていた高たんぱく低カロリーの食品も塩分的にはよくないものが多いことも判明した。枝豆や焼魚、チーズや卵焼きなどもかなり塩分が強く、量をたくさん食べてはいけないのである。

最近のファミレス系は和洋中どこに行ってみても、メニューにカロリ量と塩分量が表示されている。意外なことに、中華が塩分量大なのは想像がついたが、和食についてびっくりするほど塩分が多く洋食がそうでもないことが分かる。世界的にはヘルシーとされる和の魚料理等がこと塩分に関すると群を抜いてしまうのである。母親と出かけた帰りにこの作戦を開始して初めて初めて某和食レストランに入って塩分含有量を見てひっくり返った。焼き魚や天ぷら、うどんや刺身、鍋物などどれをとっても1食5グラム以上のものばかり・・・たまたまそのチェーンが多めの表示傾向なのかもしれなかったが、昼食としてコミットした上限目安2グラム以下にするためにはご飯と小皿の唐揚げ、サラダなどの組み合わせにするしかない。結局「ざるそば」にしたのだが、そもそも「ここに来ても食べられるメニューないじゃん」ということになってしまった。一方でスーパー銭湯の帰りに妻と入った某洋食レストランは意外に塩分量(表示)が少なく、パスタにしてもハンバーグ系にしても、フライ系にしてもそれほど塩分含有が多いわけではない。むろんカロリー表示だけいうと和食よりも洋食のほうが高いことが多い。この辺の組み合わせがダイエットの「常識」とは微妙に食い違い注意を要することも分かってきた。私は晩御飯の時に一緒にアルコールも摂るが、晩酌の際の友としたのは先の「酢しょうが」と「高カカオチョコレート」など数品である。むろんこれまで爆食いしてきた「柿の種」「味好み」「ベビースター」などは戸棚から姿を消した。職場のデスク内にあるカップ麺類も人にあげるなどして処分した。昼食にはコンビニの濃い味弁当に汁物としてカップ麺を添えたりしていたのである。今でいうと3日分の塩分を一食で摂取してしまう恐るべき悪習である。

別に対した苦行とも感じずに続けて3日目くらいに驚くべき結果が出て、さらにすごいことにそのまま継続する傾向が見えた。何と最高血圧が20くらい「がっくーん」と下がったのである。酒を飲んだ夜は元々低く出るのは知っていたが、翌朝やその夜もいい感じで下がっている。その日の体調で結構乱高下するそうだから、あまり一喜一憂すべきではないだろうが、塩分量のコントロールがいきなり効果が出たような結果となっている。保健師からは「効果がどう出るかは人による」と言われているが、塩分を少し気を付けただけでこれほど絶大な作戦成果が出るのなら「いっそのことゼロにしてしまおうか?」とも思えてしまうのである。そしてタイミングを同じくしてどちらかというと度外視していた副次効果にも目を見張るものがあった。あっという間に2kg以上体重が減ったのである。買い物や家族で外食などという時に食品についている塩分量を注意深く見ていると、いかに巷に「塩分過多」の食品が溢れかえっているかがよくわかる。チーかま1本1グラム、魚肉ソーセージ一本1.7グラム、カレーライス1杯3.3グラム、にぎり寿司8カン3.7グラム、カツ丼1杯4.3グラム・・・(早見表により若干異なる)ラーメンのようにスープまで飲むと6グラムで1日分が終わりというほど絶望的ではないが、残りはかなり注意して全体量を調整しないとすぐにオーバーしてしまう。つまり「食べる量そのものが減る」のである。何事も調子にノると行き過ぎてしまう私の特性として、ちょっと塩分量の高いモノは極悪非道な食品に見えてしまい、いずれ「塩分量を超えてしまうくらいなら食事そのものを抜く」という暴挙に走るだろう。これは健康管理という面からは決して感心できないが、「一気に目標までは辿り着く」スタイルにはこれ以上ない効果をはじき出すだろう。

とりあえず123作戦においては、開始1週間を待たずして最高血圧は正常値、体重減によりBMI値も正常範囲内値を叩きだし、6ヶ月後の目標値をほぼ達成してしまった。競馬で行くと「先行逃げ切り型」の馬はあまり勝てないものだが、この調子で進めていくと本当に改善を期待できるのか?!半月くらいで途中経過を見て、妻も減塩に乗り出すことにしたようだ。自分の身体がそれほどセンシティブだとは思わないが、最近外食するとやたらに塩辛く感じるようになったのと、魚や肉などは調味料抜きで食べるほうが素材の味が分かって美味しく感じるような気もしてきた。しかも何日も続けて食べたりお代わりをしたりしなければ、好物のカレーや丼もの、寿司なども別に絶たなくてもよいから気が楽だ。何よりも私を活気づけているのは「酒には塩分が含まれない」という事実である。つまみなど無いなら無いで大したストレスにはならず、飲みたければ「酒だけ」飲めばよい。これは結果が出ている限り間違いなくイケる!

以上は比較的「攻める要素」も多少ある減塩作戦だが、身体への塩分摂取量を一定値以下に抑えるという所詮は「消極的」作戦である。減量と同様「入るカロリーよりも出るカロリーを多くすればよい」という物理的に分かりやすい手段はないものか。よくものの本に書いてあるのは「カリウム」と水を摂取すると体外の塩分排出を促進するという。バナナやキウイ、グレープフルーツなど果物に多く含まれているようだが、糖分も多いのでダイエットには向かないということだ。食後に摂るとしてカリウムの多いランキングを調べると、干し柿、トマトジュース、焼芋、干しあんずに柿か・・・・どうもやる気にならぬ(大して好きでもない)食物ばかりだな。酒のつまみ群でみるとアボガド、ほうれん草のおひたし、枝豆、納豆、ふかしジャガイモ、かじきマグロか・・・醤油や調味料に気を付ければ使えるかもしれないメニューである。晩酌の友として入れられるものもあるようだ。

しかしスーパー銭湯帰りにポカリスエットを飲みながら、私は電撃のように閃いたことがあった。「発汗による塩分排出」である。減量作戦同様「出て行く量」を「入れる量」よりも多くすればよいのである。(なぜ気が付かなかったのだろうか?)運動等により発汗すると体内のミネラル分も失われてしまうので、水分だけでなくスポーツドリンクなどで補給が必要とよく言われてきた。調べると汗にも塩分は当然含まれているので、塩分に着目した補給を控えれば相対的に体内の総量を減らすことができる。運動量によっては1kgの発汗はあるので、かなりの塩分排出が期待できるはずでる。ネットで調べるとあまり流行ってはいないが、そういう減塩法を書いているサイトも確かにある。これぞ「攻めの作戦」ではあるまいか?!食事のコントロールによる「塩分123作戦」に加えて、運動による体内の塩分と水分の「リバース作戦」により、血圧レコーディングは快調に進んだ。「なーんだ、もう向かうところ敵なしじゃんか・・・」一度ノリだすと油断するどころかエスカレートする傾向にある私は、後半はさらに減塩・排出作戦を進行させていった。運動や竜泉寺で発汗した後はスポドリの代わりに水を飲み続け、酒の量はあまり変わらないが、極端に塩分を減らし宴会や外食などでも「味のない食べ物」を選んで手を出すようにした。体重も同様にBMIで指導領域から脱出するようにもなった。ちなみに左側が朝晩の血圧値、右側が朝晩の体重である。

    

ところがやはりそう甘いものではなかったのである。後半戦になってなぜか安定していた血圧が突然乱高下するようになり、時には本作戦を開始する前の高い値を示す時もあった。123&排出超過原則を順守しているにも関わらずである。こ、これは一体どういうことか?!備考欄にその日の関連する出来事を一言書いているのだが、どうも血圧でいうと、アルコールを飲んだ日と翌朝は低く出ているように見える。またジムで運動した日は休肝日としているが、何故かその日と翌朝はどうも高い。せっかくアルコールを控えカロリー消費、塩分排出に努めているのに、何か逆効果のような気もする。まだ分析中なのだが、どうもスタジオプログラムの「筋負荷系」が影響しているようだ。簡単にいうと「いきむ」と血圧が上がるということらしい。体重もガックーんと落ちた後にわずかながら微増してしまっている・・・
妻ともこの手の話をよくするようになったのはよいことだが、冒頭に書いたように、これまでの食生活を思い浮かべると、血圧的には「死に向かって一直線」なのを運動と酒等によって無理やりかろうじてバランスを保っていたような感じだ。何せ「ラーメン王国制覇作戦」では新千歳空港と市街地の有名店合わせて1日3食札幌ミソラーメンを腹に入れていたのである・・・推定塩分20g、今の約3日分である。干物にも醤油をドボドボかけ、刺身はわさび醤油をドロドロにして両面に丁寧に付けていた・・・焼酎の炭酸飲料を飲みながら、「あたりめ」を一袋開けてしまうことなどざらだった。ちょっと改善しただけでいきなり画期的な数値を叩きだすのも当然の報いかもしれない。

血圧の朝夜、体重の朝夜の他に色んなものを記録し続けているが、要諦は「点」ではなく「変動」でとらえ、さらには他の要因も合わせて「面」で管理するということのようだ。塩分を摂らないということは惰性でモノを食べないことにつながり、いきなり減量に現れた。某SNSでたまに自分の姿がついでに写りこむと「痩せた?」というコメントもしばしば見られ嬉しいながらも苦笑してしまう。30日コミットメントは見事成立し、このレコーディングはこれからも続くであろう。70歳の「本郷猛」を目指し、まずは5ヶ月後の指導面談で保健師をびっくりさせるべく本作戦は続く。。。