超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

夏休み最後の日

2010-08-31 22:14:39 | 出来事
「ボクの夏休み」は終わってしまったが、学校の夏休みは今日で終わる。
8月31日というのは、少年たちにとっては特別な日なのかもしれない。楽しかった夏休みの終わってしまう寂しさと、教室で仲良しの友達や気になる女子に会える楽しみが交叉する。
私は学校が好きな方だったたから、「明日から学校」というのはどちらかと言うとワクワクした。
部活はあったが、息子たちのようにサッカーだの塾だのと時間単位のスケジュールなんて無かった、退屈なときもあったのだ。
「1年間の感じ方はそれまで生きてきた年数との比に相関する」法則に従うとすれば、その数値は今の約3倍であるから、時間なんていくらでもあると思っていた。

甘辛は妻にうるさく言われて、どうやら夏休みの宿題は完了目途となったようだが、チームメイト(特に先輩)は苦戦を余儀なくされているようだ。
8月下旬になってチーム監督が「夏休みの宿題を全部持ってきて見せろ」と言い、終わってない選手は試合に出さないことになったらしい。。。
甘辛も残りわずかだが、終わってはいない。しかし当人はケロっとして

「なーに、オレなんか比べ物にならないくらいやってない人ばっかなんだぜ」

全然自慢にはならんじゃないか・・・
小学高学年以降、夏休みの宿題なんか8月まで残した記憶が無かった。下手すりゃあ、夏休みに入る前に全部終えていた。
今より全然レベルが低いような気がするが、あんなものは勉強ではなく「やっつけ仕事」だと思っていた。
雨や台風で外に行けない日があったら、8月31日分までの絵日記を書いてしまったものだ。天気は「晴れのち曇り」と「晴れときどき曇り」とその逆を使いまわし、どう考えても雨の日だけ後で補正する。

サザエさんの「カツオくん」が夏休み最後の日に宿題が終わっていないでパニックになったりお父さんに叱られたりするのが何故なのかさっぱりわからなかった。
中一あたりのときだったか、試しに何一つしないで8月31日を迎えたときがあったが、「ちょっと厳しいか?」くらいだった。
(小癪な少年だったのである)
中学3年の夏休みはどこにも行かずに、ひたすら勉強していた。そのおかげで一応第一志望校に入学できたようなものだが、別にそのためではない。
他に何一つできなかったのである。夏休み前のサッカー練習で腕を骨折して「最後の夏」を棒に振っていたから・・・
(私の華麗なる骨折歴の走りである)

息子甘辛はどうも「カツオくん」タイプらしい。。。苦戦していたのは「歴史的分野の人物調べ」だ。
人物名、活躍した年代、生没年、説明などが課題だが、レポートの表紙に「人物の絵」を描くことになっている。
どうも選んだのは「坂本龍馬」らしい。。。「どんな絵なのか見せろ」と言ったら・・・

「オレ、はっきり言って天才だぜ」

   

「まったく、自分に甘いヤツ・・・」うーむ。妻の意見に賛成だ。。。

この前、ひょんなことから読むことにした「龍馬の黒幕」という本も熱心によんでいた。
「龍馬はフリーメーソンに操られていた。そもそも明治維新は英国とフリーメーソンの演出であった。坂本龍馬の暗殺者は実は中岡慎太郎・・・」
結構衝撃的な内容だ。でも、謎の多いあの事件でかなり信憑性のある検証をしており、これまでの維新の英傑のイメージをかなり変えてしまうものだ。

我々日本人にとって「坂本龍馬」はスーパーヒーローである。その謎に満ちた生涯と暗殺について、いろんな説があるようだが今となっては真実を掴むのは難しいかもしれない。
また「龍馬の黒幕」の推理あたりが結構「当たり」のような気がする。
しかし、「日本人」にとって大切なのは、「本当は何が起こったのか?」ではなく、「何が起こったことにしたかったのか?」である。
水戸黄門しかり、忠臣蔵しかり、そして大政奉還も同じことだと思うのだ。
やべー、やべー、幕末史が好きなので、つい熱くなってしまった。。。。

今年、ボクの夏休みにはフィリピンのセブ島に旅行する予定であった。仔細あって中止になってしまったが、一番残念がっているのは息子甘辛だった。
中学生ともなれば、そろそろ親と旅行になんか行きたがらなくなるものだと思っていたが、まだまだ無邪気なものか・・・
地球の歩き方(リゾート編)を虚しく眺めるときがある。。。

プライベートリゾートビーチのつもりで、片瀬西浜海水浴場だったなー。最近きれいにな
オリエンタルな香りのスパ&マッサージで妻もリラックスするはずだったんだが、「竜泉寺の湯」の岩盤浴にシフトしてしまった。。。しかし今年一位の掘り出しモノだけあって、リゾート地のスパにも匹敵する名湯だぜ。
セブ島内陸には滝や川めぐりもあるようだったが、近所の川での「ウナギ釣り」に変わってしまったぞ。しかしこれは負けてねえぞ。何せウナギ(Eel)はおらんだろー。
夜景スポットもあるようだが、こっちにゃー湘南平があるぜ。



完全な負け惜しみ(まさしく酸っぱいブドウ)なんだが、考えてみれば家から海まで往復しただけとは言え、セブでサーフィンはできないし・・・オレんちの周りって結構いいところじゃんか。。。みなとみらいのスーパープラネットはセブ島には絶対にないしな。
ペルセウス座流星群のときはイマイチだったが、月くらいは拡大撮影できるものだな。
ピント とシャッタースピードが難しいが・・・



灼熱の猛暑日はまだまだ続くようだ。うな吉が何をエサとして食うのか、未だ分かっていない・・・2週間生きているからメダカのエサを「仕方なく食っている」ようだが、あまり居心地がよさそうではない。
ちなみに夏休み最終日曜日、1時間半海面に浮いていて、今まで見たこと(乗れた)こともない巨大な波がやってきて、それに・・・見事てっぺんからライディングできた!
10秒を超えるロングライドだった。岸辺で遊んでいたビキニ女性グループが「すごい!かーっこいいねえ」と唸ったのを海上で聞いていたぞ!
うな吉と並んで、今年一番の思い出かもなー。夏休みなんてこんなものか・・・

草津温泉レポート

2010-08-28 18:21:01 | 旅行お出かけ
言っておくが、これは「旅行」ではない。れっきとした「お仕事」だ。
天皇皇后両陛下の行幸啓に関連する仕事で草津温泉に足を運んだのである。
オフィスからはざっと2時間半ほどかかる、100kmコースだ。
毎年この時期の両陛下は草津温泉行幸啓されるそうだ。公式行事ではないので、あまり全国的な話題にはならないようだが、地元にとっては毎年の最重要イベントだ。

「行幸啓」という言葉は初めて聞いた。天皇が外出するのを「行幸」というのは知っていたが(温泉地などに「行幸の地」とか碑があるでしょ)、以外の皇族が外出するのは行啓といい合わせて「行幸啓」だそうだ。
我々も少しだけそれに関わっているので、とりあえずご当地に向かうのが慣例となっているのだ。
別に私が赴いたところで何の足しにもならないのだが、「陣中見舞」ということで、昼の部用、夜の部用の差入れをもって出動したのであった。

同行してくれたのは、あの痛ましい日航機墜落事故後の対応も経験した百戦錬磨の猛者だ。
2時間半ほどの道中だが、思わず唸るほどの秘話を聞かせてくれた。。。

「天皇陛下ってのは、ホントにすごいんですよ。一般人にはセキュリティ上一部しか教えてくれませんが、お通りになるルートはあらゆる視点でチェックされ、見た目の悪いところはぜーんぶ直すんですよ。ガードレールが新品になってたら、そこがルートです」

道路の陥没などもすべて直し、消えかかっているセンターラインは新しく引き、路肩のあ目立つ雑草は全部引っこ抜くんだそうだ。
数十メートルおきに警察官が立ち、信号は全部「青」、品のない看板は全部撤去される。
冬季国体のスケートリンクがある昇り坂数キロを係員が徹夜で雪を掃いたそうだ。
その猛者が熱く語るには、宮内庁の横暴(ごめんなさい!)はすごいらしい。

「国体のときにね、体育館に陛下が天覧される席とそこまでのエレベーターを建設されたんですがね、そのエレベーターに乗って確認していた宮内庁の役人が『あの●●と▼▼ね、目障りだから移動してください』て涼しい顔で言うんですよ!『ちょっと待ってくれよ』の世界ですよね。そんな、ご無体な・・・って感じね。。。」(●●も▼▼もまじめに移動させたら何カ月もかかる建造物だ)

うーむ。。。黒澤明監督が撮影時に「あの邪魔な雲を取り除け!」とわめいたのと同じだな。
宮内庁ってどうやったら入れるんだろか・・・公務員には違いないが、苗字に「宮」とか「院」とか入ってないとダメなような気がする。。。
ときどきテレビに出てくる「侍従長」なんて、総理大臣よりもエライような気がするし。

そんな話をしながら現地に後数キロというところで・・・
「日本ロマンティック街道」というベタなネーミングの看板が現れた。「メロディ―ロードです。40kmぐらいが最適」
一体何のことか?考えていたら、驚くべきことに、道路が唄ったのである!
溝が掘ってあって、タイヤの鳴る音が「草津よいとこぉ、一度ぉはぁおいで、あ、ジョイナ、ジョイナぁ」と見事に奏でるのである。
日本に何か所かはあるらしい。素晴らしいテクノロジーだ。外国人がいたら絶対自慢できるよな。

温泉街中心に接近すると、いかにも「温泉」という硫化水素の匂いがしてきた。野田の醤油と一緒で町中がこの匂いで充満しているようだ。
到着して簡単な打合せを済ませると、少し時間が空いたので温泉街を散策(もとい!パトロール)した。
草津温泉は学生時代に1、2度スキー帰りに訪れただけで、温泉そのものを目的にやってきたことはない。
上信越道が出来る前、国道18号が「何でこんなに車がいるの?」というほど絶望的に混んでいて、時間つぶしに寄っただけだ。
有名な湯畑を一周し、入り組んだ細い道を車でぐるぐる回った。
平地ではないからホテルの3階が隣の旅館の玄関とか、向こう側のホテルの高層階から向かいの露天風呂が丸見えとか、とにかく無茶な構造になっている。
火事など起きようものなら、一体は全焼してしまうほどひしめきあっている。



私は正直、「温泉街」というのは好きではない。
お土産屋をともかく、ストリップ小屋とか射的やとか、街の顔に品がないからである。
しかしこの草津温泉というのは天皇陛下が来られるだけ(別に温泉街には来ないが)あって、街全体に独特の品というか重厚さがある。
道が狭くて、建物にも無理はあるが赴きがあって、なかなかよいところだ。有名な「湯もみ」は見世物小屋になっていたが。。。

「西の河原」(賽の河原のパロディかい?)露天風呂の駐車場に車を止め、ポツポツ歩きはじめたら入り口にいた警察官が

「お疲れ様です!あと10分くらいでいらっしゃいますよ」

なるほど、沿道には数は多くないが数十人が列を作って日の丸を持っている。
一応仕事着を着ているので、どうも浮いた感じがして道路の角にポツンと二人で立っていたら、別の私服警官がやってきて・・・

「申し訳ありません。コーナーに人がいると万が一のことを考えてスピードを上げることがあります。沿道のお迎えの人に悪いので、列に行っていただけませんか?」

な、なるへそ・・・(死語・)、陛下の乗るリムジンはお迎えの市民の列の前でスピードを下げ、窓を開けてくれるんだそうだ。我々は言われたとおり列の中に入っていた。
しばらくすると黒塗りのリムジンがやってきて・・・皇后陛下がお通りになった。
初めて見たが、すごい皇后オーラだ!思わず頭を下げてしまった。。。
一旦、駐車場に戻り、警察官と雑談していたが、しばらくしてさっきの列で私服警官がアルタ(笑っていいとも)のADのように前説をかましていた。

「カメラ、旗は危険ですので道路にはみ出さないように気をつけてください。お出迎え3分前に『3』と書いてある先導車が来ます。そのあと1分前に『1』と書いてある車が続きます。黒塗りのリムジン3台の真ん中におられます。追いかけたり大声を出したりしないでください」

ふーむ。写真撮ってもいいのか・・・不敬罪にはならんのかな。
やがて、天皇陛下の御乗りになったリムジンが通った。おー、すげー、生の陛下初めて見た。何かすごい優しそうに手を振って下さったぞ。
早速、家に写メールを送ったら、「御利益ありそうだから拝んどく」と帰ってきた。。。



その後のイベントはトラブルなく終わったようだ。我々はホテルに戻って一休みし、ゆっくり温泉に浸かって慰労会にしけこんだ。
さすが日本屈指の温泉だ。いかにも効能のありそうな硫化水素臭ぷんぷんだが、ちょーっと熱いかな。あんまり長くは入ってられぬ。。。
茅ヶ崎の「竜泉寺の湯」のほうが好きかなー。でも朝風呂もしっかり浸かって温泉を目いっぱい堪能したぞ。

翌日は陛下が散策される予定と聞く、白根火山ルートを梅雨払いにパトロールだ。
どこを掘っても温泉が出る地だが、「万座温泉」もすごいところだぞ。
やはり付近一帯が硫化水素臭で一杯だ。「オレ、ゆで卵キライなんですよねー」
同行してきた例の猛者は、前日の深酒も祟ったのか青い顔をしていた。。。
1日半でほぼ200kmの行程を終了し、隠れ名物「ガツ」(牛の胃壁)サラダを買い込んで、新幹線に飛び乗り一路我が家へ向かったのである。



以上、パトロールレポート終わり。

ダムへの道

2010-08-25 15:36:20 | 職場
私の勤務するエリアは日本でも有数の温泉地がある。その温泉エリアには国内でそこと別府にしかない、とされる特殊プラントがある。
温泉の成分である硫化水素による腐食を防ぐための特殊フィルターである。どこで何のために使っているかは機密だ。
そのプラントを点検し付近をパトロールする機会があり、たまたま午前中スケジュールが空いていたので連れて行ってもらった。
車で移動すると2時間くらいのコースとなる。外はカンカン照りで、歩くだけで熱中症にかかるような猛暑である。

正直プラントそのものには興味が無かったが、通過点にぜひ一度見てみたいところがあったのである。昨年の政権交代時に話題となり、作りかけの橋げたの映像が有名なシーンとなった「八ツ場ダム」である。(正しくは建設予定地)
我が社もこの数十年にまたがる壮大なプロジェクトに全く無関係というわけでもないので、一度この目で確かめておこうと思っていたのだ。
自分から言う前に、同行してくれるスタッフが

「ぜひ、見に行って下さい。訳あり国家プロジェクトの象徴みたいなものですよ」

最近あまり聞かないが、10年以上前は毎年のように首都圏の水がめが干上がり、深刻な水不足に悩まされていたときがあった。
八木沢ダムとかなんとかダムとか水を供給するダムは底のひび割れが痛々しく露出し、沈む前の街路樹とか施設?が出てきてしまっていたのを記憶している。
八ツ場ダム建設計画の概要を表す資料があり、かなり広大な町が水底に沈む予定だったことが分かった。
昔の物語にもあったが、自分の街がダムの底に沈むと言うのは、それは寂しくつらい経験なのだろう。「新たに生まれ変わる」ととらえて納得している人が大半だとは聞いたが。

1時間半ほどでその現場が近付いてきたが、自然そのままの渓谷が残っている感じだ。「こんな美しい渓谷をダムの底にしてしまうのは、やっぱりさびしいよ」テレビのインタビューでつぶやいていたお年寄りがいた。
考えてみれば「残さなくてよい自然」などあるはずがないのである。むしろ不要なのは人工物であることが多い。
JR線は早々とルートを川の反対側に変更し、ダム水面の上方部に線路を構築中のようだ。国から費用が出るからか、周りの景観とはどうにも不釣り合いなゴージャスそのものの橋に見えるのは私だけか?・・・たしか1時間に一本しかない吾妻線で単線じゃなかったっけ?



そして、以前TVニュースで見た作りかけの橋のところへやってきた。100mを超す不自然に高い橋桁が聳え立ち、しかも橋梁はごく一部しかできていないから、アルファベットの「I」とか「T」が無残に放置されているように見えたものだ。
ところが、な、なーんと!橋そのものは出来上がっているではないか。。。ただし「橋だけ」である。両サイドのトンネル道路はまだできていない・・・
完成図を見るとあの橋梁の少し下がダムの水面になる予定だったそうだ。したから見るとはるか頭上を見上げることになる。まさしく今立っているところはダムの底になるはずだったのである。



その足は2号橋といい、先には3号橋もほぼ完成している。
車でするーっと回って、2号橋につながるトンネル道路建設現場のすぐ近くまで行ってみた。工事中なはずなのに関係の無い我々の車両がなぜ入れるのか?というと、すでに渓谷から移住してきて代替住宅地に住んでいる方がいるからである。
かなり急な坂道を登っていき、突如としてきれいに整備された住宅地が現れ、真新しい立派な家屋が軒を連ねている。道路幅も十分に広く公園等も準備されている。ダムが完成するとその居住地のすぐ横がダム湖畔となり全く異なる景観となる予定だったそうだ。

すでに生活実感のあるエリアだったが、ダム本体の工事が止まってしまっているため、買い物その他用事は相変わらず下界の街で済ませなければならず不便な生活を強いられているようだ。まるで空中都市マチュピチュのようにも見える。

我々が車を走らせてきたかなり手前にダム本体は建設予定だったようだ。2号橋の下にはやんばダム館があり、ダム建設に至るまでの数十年にわたる経緯が示されていた。
模型を見て、ふと不思議に思ったのだが、大して大きくもない下の吾妻川をせき止めたとして、あの2号橋梁まで水面が上がるまでにどれくらいの月日がかかるんだろか?
小松左京の「日本沈没」のように数日間でドラマティックに沈んでいくのか?それとも全く川を干上がらせることはできないから、一部をダム用に貯めるとすればずいぶん長くかかるような気もするが。。。



改めてその土地に行ってみると、「人間というものは神をも恐れぬことをやるものだ」と正直思った。
自然に手を加え全く違うものにしてしまうだけでなく、これまで自ら作り上げてきた道路、鉄道、建物などもぜーんぶ「パー」にしてしまうところが、単なるリゾート開発などとは違う。
中学生のときに見た「タワーリングインフェルノ」という映画で消防隊長のスティーブ・マックィーンとのダブル主演だった設計士ポール・ニューマンのラストのセリフを思い浮かべた。(高層ビル火災で焼け焦げたタワービルを眺めて・・・)
「見るも無残な姿だが、このビルはこのまま残すべきだろう。人類の思い上がりへの戒めとして・・・」

しかし数十年にも及ぶ国家プロジェクトなどというものは、誰にも行方を予言るつことなどできぬ難しい技である。
ものごとが「そのまま」であると発展できず、絶えず右から左に「運動」していることが資本主義の原点であるとすれば、巨大なプロジェクトが動いているということが経済の発展に必要だったと、一方では思うのである。

「必要だった」というのは微妙な表現で、個人的には「今は必要ないのでは?」という意見である。このサイトでポリティカルなことを話すことは滅多にないのだが、「実際に行ってみる」と特に感じた。
嘉門達夫の「明るい未来」(この歌好きだなー)という歌がまさしくそうなのだが、昭和の時代というのは一言で表すと「右肩上がり」であった。
「・・・豊かな時代を目指してた 希望があふれてた すべてがキラキラ光ってた 平和が続くと思ってた・・・」
「明るい未来」を信じてはいるが、たぶん我が国にはこのようなことはもうないだろう。「盛者必衰」ではないが、経済は停滞し社会は老化するのは間違いない。
何せ「人口が減る」のだから。

しかしそれを嘆くことはない。人間が年をとるのを悲しまないように、「衰退」ではなく「老熟」ととらえればよいのである。
ただ「右肩上がり」の経済を支えるために、「壊して新しいものを作る必要はない」と思うのだ。すぐに「半分になる」わけではないけれど、「使う人」が確実に減るんだから、新しい道路もリゾートもいらないんじゃないか?その手の「改変」はろくな結果をもたらさない。
「明るい未来」で歌われる「豊かな時代」を我々が迎えたのは資本主義経済が発展したからだが、それは大いなる「無駄使い」「空回り」「不要プロジェクト」がもたらしたのだと思うのだ。
だから、「ダム建設」そのものは正しかった。そして今、それを中止するもの正しい選択だと感じるのである。

うーむ。これを読む人は多くないが、そうでなかったら怒られるかもしれないなー。

コンクール

2010-08-21 07:58:36 | 出来事
アップし忘れてずいぶん前の話になってしまったが、勤務先の会社と提携関係のある法人協会の主催するコンクールに出席した。
財団法人としてはかなり大きな組織で全国的に支部があり、県内にいくつかある地区エリアの協会の顧問として、知らないうちに審査に臨む立場となったのである。
商工会議所が主催する何とかコンテストの全国予選みたいなもので、いわゆる接客マナーを競い合う企業向けのイベントだ。

世の中にはこの手のコンクールが結構たくさんあることは知っていた。ガソリンスタンドの給油員向けもあれば、デパートの店員、ホテルの従業員など「接客」に関する技能を競う会はいくつか見たことがある。
今回はそれらのうち、「お客様相談センター」とか「医療センター」など顧客サービスのうち「電話応対」を主としたものだ。
総務省も後援している由緒正しいコンクールで、今年で49回目を迎え、全国大会は愛媛で行われるそうだ。

またこのコンクールは地区予選と位置付けられ、3位までと優秀賞の計5名が県大会へ進出する。企業・団体から派遣される出場者は色々で単なる応対マナー向上の自己研鑽目的もあれば、全国大会に向けて「賭けている」人もいる。
職種も多彩で接客を中心とするサービス業だけではなく、地区に駐屯地のある公務員など毎回参加して上位を占めるそうだ。
普段の勤務内容から見ると、なかなかピンとこないものがあるが、公務員もずいぶん変わったものだな。

私は地区顧問として初めての審査員参加だが、他のメンバは審査員長をはじめとしてベテラン揃いだ。その中にコンクールに先立って開催された技能講習会の講師を務めた専門の先生もいらした。「コミュニケーションインストラクター」という肩書だそうだ。
私よりもはるかに年長と思われたその女性はまさしく「その肩書」に相応しい丁寧な口調で

「初めてなんですね?お客様との電話応対で優れているのは「恋人」と話すような接し方をする人なんです。聞いているとわかりますよ」

うーむ。けだし名言だ・・・。正直私は電話は苦手である。メールでは62式酸素魚雷のような悪魔文を送りつけるのに、電話で来られるとどうも相手のいいなりになってしまう。。。
開会式で「顧問」の挨拶というのがあって、適当に何かしゃべろうと思っていたら、会場にいる競技者のあまりにも緊張した顔つきに内容を変えた。
「電話」なので服装は何でもいいのだが、気分を出すためか職場の制服を着ている若者が多い。駐屯地の人はさすがにスーツだったが・・・

地震体験車のような小部屋でお互いに向き合って、「サクラ相手に電話で色々応対するんだろ」と想像していたのだが、その実施要領は実に緻密なものだった。
まず模擬ユーザと競技者、そして我々審査員は全部別室で電話の声だけを聞く。模擬ユーザは競技者の応対によって若干、間のあけかたが異なるがほぼ同じことを言う設定になっている。
そのシチュエーションとは・・・

「あなたは、坊ちゃん健診センター受診者サービス担当のスタッフです。健診センターでは、愛知県松山市内の企業、団体、個人を対象に、病気の早期発見・早期治療のため、最新設備をそろえて各種検診・検査を行っています。
3年前から、当健診センターの人間ドックを受診されている(株)松城商事の藤井さまより、昨日17時に、検診の際のセンターの対応に関する苦情メールが所長宛てに届きました。その内容は、『バリウムによる胃の検査の際、社員が同じ検査を受ける別の方と間違えられそうになった。貴センターでは、本人確認をどのように行っているのか訊きたい』という内容のものでした。
健診センターでは、所長宛てのメールはスタッフも見ることができる共有メールになっています。あなたはメールを読み、すぐに出張中の所長に電話をし、藤井さまからのメール内容を伝えました。電話終了後、所長は藤井さまに電話でお詫びの一報を入れ、詳しい調査結果は、明日(11月12日)秋山から藤井さま宛てにお電話を入れる旨を伝えてあります。
あなたは、翌日9時00分に藤井さまに電話をかけ、今回の事についての調査結果の説明をするとともに、松城商事さまに健診センターを引き続きご利用いただけるよう安心感を与える応対を行ってください。
★健診センター所長の坂本は、11日(木)、12日(金)は東京へ出張中。13日(土)は朝9時より勤務予定」

ふう。。。書くだけでも疲れる。この緻密はどうだ・・・
「もしもし、はっつぁん」「なんだい、くまさん」の落語形式を想像していた私には、この問題文を読んだとき、稲妻のような緊張感が走った。
その他応対のポイント、苦情メールの内容、それに対する調査結果や健診センターのデータやトピックスなどが数ページにわたり、最後に応対スクリプト(模擬ユーザのセリフなど)が載っている。
競技者はこの設定を隅々まで頭に叩き込み、応対シナリオを作成した上で当日は「スタッフの秋山さん」になり切って演じるのである。
このコンクールの問題は専門家が色々な分野に照会をかけながら何か月もかけて作成したもので、全国大会まで同じものが使われるそうだ。

競技時間は約3分。競技者は全部で16名いた。同じやりとりを16回聞くことになる。
採点基準はちょっと明かせないが、なーるほど先生の言う「恋人へ話しかける」というのは実によくわかるぞ。顔が見えないからなおさら「うまい!」と思える人はまさしくそうだ。他にホントによく練習してきたんだな、と思えるが「アナウンサー」のようにテレビでしゃべっているような人もいた。
そして「顔が見えない」ゆえに特有のハプニングが・・・10番目の競技者が終わって休憩時間に入ったところ、会場係の女性が審査室に駆け込んできて

「審査と関係ないと思いますが、今の人はちなみに男性でーす!」

「え、ええーっ!うそだろ?」

我々6人は全員のけ反った。女性であることを疑っていた者は1人もいなかったのである。競技者は確かに女性のほうが多いが4割くらいは男性だ。むろん審査に男女性別は関係ない。
今回で5日連続(ご苦労様なことだ)という、商工会議所の事務局長も「こんなことは初めてだよ・・・どんな人かな」
70歳を超すいわゆる「地元の名士」ばかりのメンバーだが、誰も彼もどんな人か見に行きたくてうずうずしていた。しかし余計な先入観を持たないために競技中、審査員は競技者に会ってはいけないことになっている・・・
唯一、事前の講習会で知っている例の先生が「ああ、普通の人ですよ。それも駐屯地の公務員ですよ。いい感じだったでしょ?」
再び「げげぇっ!」いすから落ちそうになった。。。

16人すべての競技が終わり、審査結果が集計されて表彰式となった。競技者席と向かい合った審査員列で、隣に座った例の先生に小声で「先生、どの人ですかぁ?」と聞くと、「大丈夫、今にわかります」
なんと、その「彼」は入賞していたのである!そしてさらに驚くべきことに同僚の女性が3位・・・!
うーむ。。。すごいものだ。さすがに上位はサービス業が主だったが、他の公務員も健闘していたぞ。お役所仕事なんてのは過去の言葉だよな。

表彰式が終わって、競技者や応援チーム(指導者?)と一緒に昼食会が始まった。座席が決まっていたわけではないが、私の隣は例の先生、向かいは3位の女性、その隣が同僚である「例の男性」であった。
確かに少し小柄で勇ましい感じはしないが、スーツを着こなしてどこから見ても「男性」だ。「あの声」をもう一度聞きたくてしきりに話しかけたが内気なのかうなずくばかりでなかなか話を返してくれない・・・。
となりに元気のいいキリっとした女性がいて、彼に代って色々と答えてくれる。「あなたではなくて・・・」と言いたくなるときもある。

「昨晩は45センチ定規でびしびし背中叩きながら練習したんですよー」

なるほど女性上司か。。。厳しそうだなー。
後から聞くところによると、彼女は数年前に同じコンクールの全国大会にまで勝ち残り、最後に舞台で見事な敬礼をやってのけ喝采を浴びたらしい。
それで今回は「指導者」として現れたのね。それにしても正面で黙々と弁当を食している彼女といい、彼らの身のこなしや言葉づかいは実に見事だ。
若いときに厳しい経験をしておくというのは大事なんだろな。
祭りもそうだがこの職場では直接仕事とは関係のない、こういう行事が多いようだ。退屈しないですみそうだぜ。

ボクの夏休みⅦ

2010-08-15 23:19:22 | 出来事
夏休みもとうとう最終日になってしまった。今日はお盆の日で墓参りに行く。
昨晩はホタテをメインに、この辺の海の幸を堪能し、実家に家族3人で泊まったのであった。
お盆だと言うのに、息子甘辛は午後から夕方までずーっとサッカーの練習だから、用事は午前中に済ませなければならない。
昨晩、茅ヶ崎に新しくできた「竜泉寺の湯」の話をしたら、母親がやけに行きたがったので、早朝朝風呂に連れて行くことにした。開店は6時からで9時までに入館すれば「朝風呂」のサービスとして600円→500円となる。

年寄りも私も朝は早いので、ホントに開店時間に到着した。リラックス系のスーパー銭湯が大好きな息子甘辛は無理して5時半に起きてきたが、午後から灼熱の太陽の下で数時間も練習する予定なので、睡眠時間を優先して留守番させていた。
1時間半ほど時間をとったが、母親は大喜びだった。特に万病に効くと言われる「高濃度炭酸泉」が気に入ったらしい。。
上のフロアには「健美汗房」という岩盤浴があって初めて偵察した。一般の人もリラックスできるフロアに設けられているから、区別できるように作務衣のようなものを着て入る。

中をのぞいただけだが、石窯のようなサウナ(90度くらい)、壁、床に岩塩を敷き詰めた2種類の岩塩房(50度くらい)、ブラックゲルマニウムを使った遠赤外線の低温サウナ(名前からいくとこれが一番素晴らしい)、火照った体を冷やす冷風房(17度くらい)、そして女性しか入れない薬宝石房というのがある。
紹介を見ると壁は黄土、薬宝石にメノウ、黒水晶、トルマリンなど10種類の玉砂利が敷き詰められているという。
うーむ。。。何がどう効くのかよくわからぬが、とにかくすごい効能がありそうだ。女性専用というのが残念だが・・・
母親は仲良しのお友達と一緒に今度岩盤浴もやると言っていた。年寄りどおし岩盤浴と入浴に来たら一日中いるかもしれないな。これで元気を維持できれば安いものだ。

この夏、一番のヒット名所となった「竜泉寺の湯」だが、スーパーお洒落マダムの小夏さんからコメントいただいたように、他にもあるそうだが。。。
ホームページを見てみるとホントだー!名古屋と三河しかなーい!すごい偶然だ。歌もちゃんと同じだ・・・「ここは●●の別天地・・・」
ネットのつながりが「別天地」つながりになったら素敵ですねー。小夏さん、機会があったらぜひ!高濃度炭酸泉と私の入れない薬宝石房の恐るべき効能をお試しあれ。

母親も高齢であちこち、よくないみたいだから「別天地」で元気になってもらいたいものだ。実家は我が家が足を運ぶ途中だからちょくちょく誘ってやろう。
実家に戻り、墓参りの準備をして、妻と甘辛を連れて霊園に向かった。広大なところで、さすがにお盆だからあちおちに墓参りに来ているが、まだ9時過ぎだから混んでいるというほどでもない。
墓石を洗って、線香を焚き、ウイスキー、メロン、チョコレートを供えてお参りした。正面に富士山が見えるのだが、墓石を反対に向けてしまったために、ちゃんと美しい姿が見えたことは一度もない。



家から車で20分くらいだから、ひと月おきぐらいには来ていたが、最近あまり足を運ばなくなってしまった。以前テレビで「顔に吹き出物が出るときは墓石が汚れている」と言っていたので念入りに洗っておいた。
お参りを済ますと私と甘辛はいつものとおり、高台となっているその霊園の麓の小川添いに虫を探しに行く。
ここは滅多に虫捕りなどに人が入らない(当たり前か?!)ところだから、見事なトノサマバッタが多数生息している。以前もオンブ状態を撮影したことがあるが、今度はIXY君だからもう少しカッコよく撮れるんじゃないか。

残念ながらまだ小さなヤツしかいなかった。。。小川には中くらいの魚が泳いでいるが、川辺までの草がやたらに深いから行きにくい。
向こう岸もただの広っぱになっていて、ときどきラジコン飛行機を飛ばせているのを見る以外は人もいないし、畑や水田にもなっていない。
湘南茅ヶ崎が人気のエリアと言ったって、肥やしの匂いのするただのど田舎だ。すぐ横が宇宙飛行士の野口聡一さんの母校だけど・・・
お盆の日は必ず来ている(何せ命日だから)が、これから単身赴任生活になりご加護を得るためになるべく足を運ぶことにして、霊園をあとにした。
実家に母親を送り我々は一旦帰宅した。この暑い中、この後息子はサッカーの練習だ。

甘辛を灼熱のグランドに送り、私はボードを持って妻と海水浴場の隣にあるサーフビレッジに向かった。
この時期はいつもたくさんの人で賑わっているが、その日は特別に人でいっぱいでキャリーにあるロングボードを人にぶつけないように走るのに苦労した。「ビーチバレー・ジャパン」の決勝が行われるのである。
甘辛たちが小学サッカーの練習でも使っていたビーチバレーコートはきれいに整備され、中央には正式コートと観客スタンドが特設されていた。



普通に行けば見られるのかと思ったら有料なのだ。なんと2500円も取られるのである。ちゃんとしたプロスポーツだったのね。。。水着のまま応援している人も多いぞ。
3時頃だったろうか、スタンドは満席になっていた。浅尾美和新コンビが決勝で惜しくも元パートナーのコンビに敗れたそうだ。
ビーチバレーなんてのもどこでも見られるものではないから、今度あったときは見にこようか・・・

時間になったので家に帰り甘辛を迎えに行った。グランドまでは1時間足らずだが、帰省帰りで幹線は込んでいるだろうから早めに出た。予定では6時まで練習になっている。。。
予定よりは早めに終わったようだが、甘辛はさすがにヘバり切っていた。
「今日だけは『早く終わってくれぇ〜』と願ったぜー」

しかし車内でおにぎりを食って寝るととたんに元気になり、

「父ちゃん、もうすぐ休み終わりだろ?帰ったらうなぎ釣り行こうぜ。えさはミミズのほうがいいらしいぞ」

DVDを返したり、8枚ガラスの外側に簾をつけたり、まだまだやることがあるんだが、とりあえず夜中に仕掛けて翌日見ればいいか。。。
家に帰って庭でミミズを3匹ほど捕まえて、エサ箱に入れた。この前みたいにずーっと釣っているのではなく、仕掛けてくるだけのつもりだった。
ハリスが絡まってしまい、苦戦している私を尻目に第1投を入れた息子は、しばらくして竿を持ちながら・・・

「おいおい、来たよ、来ましたか・・・・わーっ、父ちゃん!うなぎ釣れたぞ!」

驚いて振り返るとこの前よりも5倍くらい大きいうなぎがぶらさがっていた。なんということか、一発目でヒットだと?!(ホントはこのシーンを撮ってやればよかった・・・)
痛めないように慎重に針をはずし・・・どうせ仕掛けてくるだけだと思っていたからバケツを持ってこなかった。。。あわてて家までチャリを走らせ汗びっしょりになって取ってきた。
うなぎはタオルに巻かれ、通りすがりの人が水をかけてくれたそうだ。川から水を汲んでバケツの中に入れると悠々と泳ぎだした。改めてみるとかなりでかいなー。

頭は三角だし、まぎれもなくうなぎだろなー。売ってるヤツよりはむろん小さいが十分かば焼きにできる。でも間違いなく甘辛は「飼う」と言うだろう。。。
この前買ってきたうなぎ飼育セットが役に立つぜ。(エサはドジョウ用だけど・・・)
水槽に水をたっぷり入れ、ふたをしてポンプで空気を送り込んだ。さすがにしばらく大人しくしていたが、そのうち元気に泳ぎだしたので安心した。
40cmくらいあるだろうか、ちょーっと水槽が小さくでかわいそうだな。



しばらくして、様子を見に行った甘辛が・・・

「ぎょえーっ、父ちゃん!うな吉(という名前になっていた)が外出てんぞ!」

うーむ。。。ポンプとつながっているチューブを通す隙間が2か所あるんだが、そこからひねり出てきたのか・・・危なかった。また弱ってしまうところだった。
玄関でうごめいていたが、元に戻して事なきを得た。顔に砂がついてヌメヌメが無くなってしまってたから、きれいに拭いてやった。。。
前の小さなヤツがバケツから飛び出たことを思い出し、開いている2か所にガムテープを貼っておいた。これでもう出てこないだろ。



しかし、またしばらくして私が様子を見に行くと・・・

「甘辛よ。また出てきてるぞ・・・」

な、なんと信じられぬ。。。水槽の蓋を押し上げたのか?!片側はガムテープが貼ってあって剥がせないはずだ。
もう一度きれいに拭いてやり、元に戻した。今度はガムテープで四方を貼り付け、絶対にふたが動かないように固定した。
こりゃあ、エサをやったり中を掃除したりするのが大変だなあ。一体彼は何をどうやって出てくるんだろうか?かなりのミステリーだぞ。
しばらく甘辛と頬杖をついて水槽の中を眺めていた。。。すると驚くべきことに「うな吉」は水面から頭を出し、水槽の蓋をつつき始めたのである。
なるほど、こうやって脱出していたのか・・・恐るべきヤツだ。。。

蓋を完全に密閉してしまうと、空気の循環が良くないし、エサやりや水の交換も不便だから、この前海浜公園の池に逃がしてやった亀のパッくん用の金網を上に置き、厳重に重りを置いた。
ボクの夏休みももう終わってしまうが、最後の最後でやってくれたな。
かわいそうで「うな吉」を蒲焼にすることはできないだろうが、「ボクの夏休みの思い出」として何とか大きくなってほしいものだ。



ボクの夏休みⅥ

2010-08-14 23:55:58 | 旅行お出かけ
ホントに日記風になってしまったが、夏休みシリーズも終盤だ。
この日が家族での「お出掛け」と言えるイベントだった。未定であった息子甘辛のチームスケジュールがオフになったのである。
丸一日空くのはこの日しかないが翌日の墓参りのため、夕方は茅ヶ崎の実家へ泊まりに行くことになっていた。言わばお盆の帰省なのだが車で15分足らずの距離なので大袈裟なものでもない。
この前夏休み会で盛り上がったSちゃんちのパパがわざわざご当地のホタテを持って来てくれた。(ありがとうございました!)
休み中色々やることがあったので、実家に泊まりに行くのは孫の甘辛だけかと思っていたが、母親がホタテ好きだから持って行って皆で味わおうということになったのである。

「どこに行こうか?」オフとなったことが分かった昨晩から候補を出して考えていた。釣り?OISO?海?箱根ユネッサン?それとも日帰り温泉でも行くか?色々プランを話し合ったが、普段忙しいので一応意見を優先することになった甘辛は「よこはまコスモワールドに行きたい!」と言いだした。



みなとみらいのランドマークタワーの横にある、都市型?の遊園地である。
確かにあまり馴染みはなく我が家のアニバーサリーによく使う「鉄板焼よこはま」帰りにちょっと足を運び、一つ二つ乗り物に乗る程度の施設である。
運河をはさんで向こう側にコスモクロック21(大観覧車)やジェットコースターなどがある。遊園地で1日遊ぶというよりは、恋人どおしが夜来てデートするような雰囲気だ。

「父ちゃんよ、今度こそはアレ乗ってもらうぞー」

いやな予感はしたのである。やっぱりアレか・・・
ランドマークタワー側ブラーノストリートゾーンにあるスーパープラネットという乗り物である。前回来たときも無理やり連れてこられたが、点検整備中で事なきを得た。。。
ボリュームのある「よこはま」のランチを腹に入れた直後に乗ると「戻ってくるかもしれないから」と断ったこともある。
乗り物としては二人乗りのゴンドラが高速で回転し、ホイールが立ち上がって行く単純なものなのだが、その速度と大きさがハンパじゃないのである。
富士急ハイランドの観覧車くらいの大きさはある!立ち上がりの最大角度は90度近くいく。ゴンドラは振り子型なので遠心力で座席が外側に振れてしまう。



観覧車が高速で回転し、まっ逆様に落ちるようなものだ。ずいぶん昔に妻と初めて乗った時には、あまりの恐ろしさに・・・泣いた。
甘辛が幼いときに、豊島園のジェットコースターにトライさせようとして、「もしあれに乗れたら、コスモワールドのスーパープラネットにもう一度乗ってみせる」と約束した。
身長制限ぎりぎりだった息子が見事乗り切って見せてから、みなとみらいに行くたびに履行を迫られる羽目になったのである。
大の男が「泣く」ほどの世にも恐ろしいアレは、乗り物としてはやはり無理のあるんだろか、気のせいか年中整備点検で営業中止している。
大リーグボール2号と同じで、「風」にも弱いし、「水」にも弱い。。。

死刑台に上るような気分で息子と同じゴンドラに乗り込んだ。着座して足を前に投げだすスタイルだ。いきなり恐るべきスピードに加速し、振り子構造となっているゴンドラはほ遠心力でほぼ水平になる。
そのまま回っているだけでもいい気分がしないのに、その密室に閉じ込められたまま急角度で上昇?していくのである。
乗っている時間の回転系乗り物よりも異常に長く感じた。染之助・染太郎のように「いつもより多く回しております!」じゃないだろな。

気のせいか最高地点よりまっ逆さまに落下するときに、アームの揺れが激しいような気がする。風も結構あったのだ。
いつもは点検整備か強風のため運転を見送るところが、夏休みの稼ぎ時なので無理して運転しているような気もするぞ。以前乗ったときから10年以上たっているから、機体も相当古くなっているはずだ。
ゴンドラの手すりを70kgは出ていたであろう握力で握りしめ、ひたすら歯を食いしばりながら色々なことを走馬灯のように考えていた。



ようやくホイールの角度が水平に戻りかけてきた。停止して降りると足元がおぼつかない・・・顔色もたぶんひどく悪い。
「ちょっとタンマな」とよろけている私を引っ張って、息子甘辛は「ギャラクシー」という乗り物に向かった。バッタの足の先端に二人のりのカートがついており、回転しながらそのバッタの足が上がったり下がったりするどこにでもあるやつだ。
コスモワールドではちょうどはるか下に見える運河に投げだされるような感じがして他よりは怖いが、スーパープラネットに比べれば大したことはない。

子供はみな絶叫系が好きなものだが、甘辛の場合は回転・落下系が高速運動系よりも好きらしい。コスモワールドにはないが、ウェーブスイングという一人乗りのブランコが回転して上昇するヤツなんて、放っておけばずーっと繰り返し乗っているし、八景島のブルーフォールという高さ107メートルの垂直落下アトラクションに友達と行ったときには11回連続で乗ったそうだ。
そうこう言っているうちに、彼はまた一人でスーパープラネットに乗りに行っていた。(ここは乗り放題ではないから、私には「同じ乗り物に何度も乗るのはもったいない」という言い訳が適用できる)

運河を渡ってワールドポーターズ側ワンダーアミューズゾーンに行くと、ジェットコースター系がいくつかある。どちらかと言うと私はこちらのほうが強い。最高点から下のプルに向かってザブン!といいくヤツも結構好きだ。
唯一ダメなのが二人乗りくらいの小さいコースターでビルの屋上にあり、やたらと小回りの聞くちょこざいな乗り物だ。
ガクンと180度方向変換するときに、数十メートルあるビルの下に体ごと放り投げられるような感覚があって恐ろしいことこの上ない。幸いにして、強風のため運転見合わせ・・・うーむ。スーパープラネットは動いていたがなー。

夏休みだからかブラーノストリートゾーンで二つ、ワンダーアミューズゾーンで二つアトラクションに乗るとそれぞれ青と赤のシールをもらえ、4枚セットでくじ引きが1回できる。
家族で4つずつ乗ったから2回分のシールセットは集まった。甘辛がブラーノストリートのスーパープラネットを一人で乗ったから青1枚分浮いている。
もう一つだけ緩やかなアトラクションを私と二人で乗って、赤2枚を足しシールを3枚とした。1年間有効の回数券はまだ余っているから、

「くじ引き会場はこちら(ワンダーアミューズ)しかない。向こう側の何かひとつ乗って4枚揃えて戻って来い。暑いから一人で行ってきな」

曇り空であったが、とにかく少し動くと汗がしたたり落ちるほど蒸し暑い。私と妻はくじ引き会場近くのベンチで待っていた。
やたらめったら時間がかかるので、戻ってきた彼に聞いたら
「まず、ゾーンを間違えてこちら側の『占いの館』に入っっちゃった。それから向こう側へ行って、コスモパニック(ミステリー館)へ入った。ついでにスーパープラネットをダメ押しに乗ってきた」
なんと無駄の多いヤツ。次回使おうと思っていた回数券を全部使い切ってしまった。。。



まあ、いいや。自分で選んだこととはいえ、この夏休みウルフェス以外に遊びに行ってないからな。くじ引きは3回できるから、ちょうど家族3人で1回ずつできる。
子供に全部させてやってもいいのだが、ダイバーシティ論で考えると全員で1回ずつやったほうが誰かが当たる確率が高いはずだ。
ツキというのはその日その日で個人の良し悪しがあって、たまたまツキの無い人が全部くじを引くと全滅する。
3人で引けば3人ともドツボということは少ないだろうから、誰かがあたるかもしれない。
なーんて考えていたら、息子が全部一気にやってしまって全部スカ・・・結構苦労して無駄を出しながらシールを集めたのに一瞬にしてパーか。。。

もらえたのは、向かいに並んでいる屋台のようなプレイルームの1回ゲーム券3枚。1回200円で「ボール2回投げて標的の缶を全部倒したら景品・・・」とかいう祭りの縁日みたいな露店が並んでいる。景品は空気で膨らます巨大なバット、剣やキャラクターのカップみたいヤツだ。
どう見ても200円払って「やられ」に行くようなものだが、プレイ券があるので足を運んだ。江ノ島でラジコンカーをはじめ多くをGETしてきた甘辛が最も得意とする「輪投げ」はないようだ。
こういう子供騙しみたいなところでも意外にカップルは盛り上がる。男子がボールを投げて目の前に積まれた6本の缶を倒して見せただけで、女子は抱きつかんばかりに歓喜の声を上げる。
そんな恋人パワーに押されながらも、最後にやった「ボールを壁に描かれた絵の口に投げ入れる」という小学校祭並のシンプルなゲームで見事景品をGET。
ひと抱えもあるビーチボールが中に入ったブタのぬいぐるみを持ち歩くことになった。

ランドマークプラザでいくつか買い物をし、夕方一旦帰宅して隣町の実家に向かった。持って行ったホタテを十分に堪能し、用意されていた刺身でお腹をいっぱいにしてお盆前日は暮れていったのである。

ボクの夏休みⅤ

2010-08-13 23:20:27 | 出来事
今日は3年ぶりに8月の上陸が予想されている台風4号がやってくる。
台風って1号が発生するのが確か年明けとか2月とかだった?から今年はずいぶん少ないのか?
幸い我が地方はコースに入っておらず、日本海側から東北地方に上陸するかもしれないらしい。
天気はよいのだが、台風の影響で海上は大時化で波はがちゃがちゃ、とてもサーフィンなどできる状態ではない。

この地方も午後から夕方にかけて、大雨が予報されている。
今日はペルセウス座流星群の極大点で、予定では午前2時~3時の未明だから何とか台風が去って雲が無くなってしまえばかなり期待できるんだが。
早めに仮眠して起きたほうがよいだろな。私の特技としてよほど疲れているか酔っていない限り、目覚ましなどなくても決めた時間に目を覚ますことができる。
(たいていは決めたよりもだいぶ前になってしまうが)

今年の夏休みは特にいつもと違うことをやってないから、流星群でも撮影(さもなくば、せめて目撃)できたらなー、と色々作戦を考えていた。
ペルセウス座流星群が毎年この時期に天体ショーとして見られることは知っていた。
しかし、今までに見たことは一度しかなかった。学生のときに「合宿」という名のもとに
ただ男女が海やテニスで遊ぶだけ、というありがちなシチュエーションで伊豆のペンションで眺めたのだ。

ペンションの屋上で皆で寝転がって・・・「ん?」「あっ!今来たよねー」という会話に(うーむ。青春とはこういうことだよなー)とか冷静に考えていた。。。
実はずいぶん後から聞いたら、彼女も同じことを考えていたぞうだ。結構年寄り臭いところもあったんだな。
たしか「猫のなんとか・・・」というペンションだった。そういう名の宿ってたくさんあったよねー。

さて、甘辛達の招待杯は1試合目を終えて、待ち時間になったときに猛烈な雨が降ってきた。
それまで青空も見えていたのに、あっという間に真っ暗になったのだ。
試合も一旦中断し・・・小降りになってきてから再開された。やはり前日同様2試合で我々は帰路についた。
もう半分以上、流星群が鮮やかに見える星空は諦めていたが、もしや晴れるかもしれないので、超兵器他色々なアイテムをスタンバっておいた。

見えるかどうかは別として、夏休みの話しのタネに深夜出掛けるか・・・
湘南平か、ヤビツ峠か。。。息子は思い切り行きたがっていたが、明日も午前から試合だし夜中中、見られるかどうかわからない流星群を追い掛けるわけにもいかぬ。

そこで一つ問題に気がついた。
オレは深夜未明、星(流星)を見に行くのだ。標高があって周りに明かりがないところが最適だ。
しかしそんなところに一人で行くなんて、お化け嫌いの私にとって現実的なのであろうか?
漆黒の闇に小さな懐中電灯を片手に、デジカメをセットする自分を思い浮かべて、戦慄を覚えた。。。怖くてとても無理かも・・・

結局、午前0時過ぎに起き出したが、観測場所は我が家の「庭」にしたのである。実は0時の時点では雲で一杯でとても流星の観測などできる状ではなかった。

1時を回って天頂付近でスーッと一筋の光が走った!おーっ!あれだよ。伊豆で見たヤツだ・
(ハワイ島で見た流星(火球?)はものすごかった・・・)
望遠鏡で木星を追尾しながら、203号のレリーズを押し続けた。1時間で5,6個ほどの流星が見えたろうか?



結論から言うと、自分で言うのも恥ずかしいがダメダメ・・・どこにも流星の一筋は捉えられなかった。
むろん見えた瞬間のはるか後だが、願うのは「どうか流れ星を撮影できますように」と「甘辛と釣りにに行って『うなぎ』が釣れますように」

もうちょっと修行してもうちょっとマシな写真が撮れますように


ボクの夏休みⅣ

2010-08-12 12:28:23 | ホビー
これと言って大きなイベントのない今年の夏期休暇も後半に差しかかった。
4日目は朝からどんよりと曇っていた。台風4号が接近していて海上はかなり時化ていた。
朝の6時前にサーフボードを担ぎ出し、片瀬西浜海水浴場に向かった。
いつものポイントでは波が荒れ過ぎて、私の手には負えないから、開場前の遊泳区域で乗ることにしたのである。

ビーチは午前8時に開くから、それまではサーフボードを入れてもよいことになっている。
遊泳区域だから遠浅の海岸で波が安定しているから、波が荒いときは丁度よいと思ったが、同じことを考えるもので、かなりのサーファーが浮いていた。
8時になってライフセイバーが配置につき、アナウンスが入ってサーファーは皆上がってきた。今日はもうこれまでだな。

家に帰って、大人しくナツドクしていた。通勤時間に本を読むことがなくなったが、マンションを書斎代わりにこの夏もたくさん読む本があった。
ひょんなきっかけから読んでみた「龍馬の黒幕(加治将一)」をはじめ、シリーズものとして中一の息子がハマっている「ぼくらシリーズ」も「ぼくらの七日間戦争」から続きに続いて今7冊目である。
「7日間戦争」は20年も前に映画になっていた記憶がある。たしか宮沢りえが出演していた。

ちょうど青年だった私は当時は興味も湧かなかったが、息子と同じ年の少年少女が主人公の話を今読むと、なるほど「この年代の少年はこんなことを考えているのか」と改めて考え入るところがある。
自分が中一の頃の薄れゆく記憶と重ねても面白いし、息子と「誰の言動がおかしい」とか「誰の行動が立派」だったとか、後から読む私が物語の顛末を予想してみたり、色々話題があってこれまた面白い。読んだ本について人と話をするのは楽しいものだ。
主人公達は7日間戦争でデビュー?したときに中一で、それから版を重ねるごとに少しずつ上級生になっていく。
最後は登場人物どおしが結婚するところまでいくらしい・・・20シリーズくらいあるようだから、こえから先も楽しみだ。

さて曇り空で猛暑ではないから、午後からは妻と息子のサッカー試合でも見に行くことにした。
ジュニアユースチームに入部して初の招待カップだそうだ。U-15のAチームにベンチ入りしたと喜んでいたが、さすがにそれほど出番はないと思われる。
会場は鴨宮駅から行く酒匂川スポーツ広場、この前花火大会が小さく見えた場所から少し上流に行ったところだ。
西湘バイパスが無料だからちょっと出かける気になるものだ。

   

上流方向に新幹線と在来線の鉄橋が見える。こうやって見ると、新幹線ってすごい本数走ってるんだな。
スピードは一番でなくても、安全性や運航管理技術など鉄道を支えるあらゆる技術は間違いなく世界一だと思う。驚いたのはその防音性能である。
在来線の湘南電車が鉄橋を通ると、ものすごい轟音がする。「ゴゴン、ゴゴン、ゴゴン」と会話の邪魔になるくらい地響きがする。
それに比べて、新幹線は明らかにさらに高速で通過しているのに、「シュー、シュッシュッシュシュ」と滑るようだ。この騒音対策ひとつをとってみても、素晴らしいエンジニア魂がうかがえる。

1日目の試合は予選リーグで2試合あった。U-15のトップリーグのチームもずらりと顔を並べ、高いレベルのゲームを見せていた。やはりジュニアユースは小学サッカーとは違う。
出番はないかな、と思っていたら1試合目は最後の数分、2試合目は後半20分間くらい甘辛は登場した。
この時期の男子で2歳違うから明らかに他の選手に比べ小さい。やはり小学生とは「間の取り方」が違うせいか、思うようにプレーできず苦戦していた。
トップ下のポジションの動きにもようやく慣れてきて、何本か絶妙なスルーパスや突破を見せたが、得点には至らなかった。

我々は試合が終わって帰路につき、夕方前には帰宅できたが、甘辛たちはその後、川で遊んでいたらしく、帰宅したのは7時半頃だった。
中学生であっても、遊ぶときのノリは小学生のレベルと変わらないのだな。先輩にふざけて川に放り込まれたと言ってずぶ濡れのユニフォームがサッカーバックから出てきた。
風呂に入り、晩飯をすませると私は庭に天体望遠鏡を持ち出した。
そう、ペルセウス座流星群観測のためである。



本番は翌日未明で、今日は調整と練習だ。初めてデジタルカメラで星空を撮影することになる。
夜になって比較的天気がよくなってきたので、望遠鏡も夜空に向けた。
ラッキーだったのは我が家のウッドデッキからは北極星を捕まえることができ、また街灯の光が入らないから、家じゅうの電気を消せば結構真っ暗になるのである。

極軸を「天の北極」にセットできると、全天の星を追尾することができる。ただ星の動きに合わせて追尾するだけでは、画面中心以外の星が回転して円弧になってしまうのだ。
超兵器203号の説明書を見ながら(いつもは何もしないから)、マニュアルモードでライブヴィジョン、バルブ、ISO1600にし、レリーズをセットする。
何回かやってみたが、最近のデジカメの性能がよいのか、周囲が明るすぎるのか、10分も露出すると画面は真っ白になってしまう。。。
30秒程度の露出であれば追尾しなくても星は点になって写ってくれるものだ。

大体要領は呑み込めたぞ。明日の本番はこの辺では高度があって暗いと聞いた、湘南平かヤビツ峠での観測を予定しよう。出張で観測なんてかっこいいじゃないか。
望遠鏡をしまおうとしたら、「何やってんだ?父ちゃん」息子が庭に出てきて珍しそうに眺める。
ちょうど今、木星が正面に見えるから、倍率50倍で視野に補足してやった。

「なんだこれ?豆粒みたいに小せえじゃんか・・・これが木星か?」

そりゃそうだ。図鑑で見てるであろう木星はこれの50倍の口径を持つ電子制御の望遠鏡で何時間も露出して撮ったやつだからな。
しかし、倍率を160倍に上げてやると

「おーっ、すげえ!縞模様と点みたいなのが見えるぞ」

我々の望遠鏡で見る木星と言えばガリレオ衛星と縞模様と大赤点だ。
「周りにある4つの点はガリレオ衛星と呼んで、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという。一番でかいガニメデは水星よりもでかい」

アダプターを合わせてAMAZONで購入したから、月面の撮影で練習したら惑星の拡大写真にトライしてみよう。
明日は台風4号が東北に上陸というた予報だが、台風の過ぎ去った後は素晴らしく天気がよい。
ペルセウス座流星群の極大は午前2時とか3時だからそれまでにはどうか晴れていますように。

ボクの夏休みⅢ

2010-08-11 22:20:04 | 旅行お出かけ
3日目は朝5時に起きてアクティブに伊豆多賀へ釣行だ。カンカン照りではなさそうだし、まずまずのコンディションだ。
高速道路の実証実験とかで、西湘バイパスや新湘南バイパスは6月末から無料となっている。
大した額ではないが、何度も往復するようだとバカにならないからな。料金所には係の人がいるのに、一旦徐行してそのまま素通りするのは妙な気分だ。

7時半に現地に到着、さっそくいつものポイントで始めたが、はっきり言ってこっぱグレの入れ食い状態。。。
コマセを散らそうがエサを変えようが、針を大き目に変えようが、仕掛けを落とした瞬間にバシャバシャッと波立ち、エサを取られる。
2時間くらいで、一番大きいいので20cmくらいのヤツを二桁釣り上げたところで終了。
太陽が照ってきたので、一直線で帰路に向かう。

11時には帰宅できたが、息子甘辛はもう練習に行ってしまっていない。。。
他の選手は横浜が自宅でチャリで通う者が多いが、うちだけ海沿いなので甘辛は大きなバックとジャグを持って電車とバスを乗り継がなければならない。
私がいるときは普段、駅又は現地まで送ってやるのだが、今日は外出していたのでかわいそうなことをしたな。
しかしこのカンカン照りの中でよくサッカーとかやるものだ。ただ私の同世代はそれに加えて「水を飲むな!」と言われたのだから恐ろしい時代だったものだ。

朝飯をがしっと食べて、サーフボードを担いで鵠沼海岸へ出動した。台風4号が接近してるので波はあるはずであり、平日だからそんなに人はいないからチャンスだと思ったのだが甘かった・・・
8月上旬週なんて平日も何もないのね。。。波は大きいがかなり沖まで出なければならず、あの人数で激突したら無事じゃすまねえぞ。
比較的インサイドのフープ(トップが崩れて白泡状態で打ち寄せる波)で大人しく練習していた。



地元のベテランはやセミプロならともかく、「夏休みに海でサーフィンを」遠くからやってきた若者たちにはちょっと厳しかったようだ。
大波に妨げられて沖に出ることすらできず、私よりもはるかに岸辺側で小波と戯れていた。
私のいる位置でも時折だが、誰も乗っていないものすごい大波がやってくる。一度だけライディングできたが、恐怖で凍りつきそうだった。
たまたま乗れたからいいがクラッシュしたらかなりのダメージだろな。今日のコンディションは私の腕ではサーフィンよりもボディボードがよさそうだ。

家に帰ってひと休みすると、サーフボードをボディボードに取り換えて、片瀬西浜海水浴場へ向かった。
途中サーフビレッジがあり、湘南ビーチバレー大会の準備を進めていたぞ。
人気者の浅尾美和さんとかは出るのかな。1時間ほどボディボードを楽しんだが、波が結構あって、沖に出るためにヘトヘトに消耗してしまい上がってきた。
もう少しで「膝立ち」できそうなところまで上達したのだが、隣でビニールシャチが泳いでるようなヌルいビーチだからだいぶ緊張感が違う。



夕方になると、楽しみにしていた社宅友達のSちゃんちとの「夏休み会」だ。
Sちゃんパパは私と同じ時期に東北地方に栄転となり、悠々とご家族を全国版の名物祭りに招待している。立派だなあー。
来年は我が家も便乗してお邪魔するとするか。こういう機会(それこそ「ひょんなこと」でもない限り、あまり足を運ぶことがないようなところだからなー)
私は朝5時起きで総行程150kmを経てきた疲れから、予想通り撃沈。。。2次会のSちゃん宅には行けなかった。(途中で調子が悪くなったこともある)

別便でわざわざの特産物を送って下さると聞いたが、お返しには困るなあ。。。
私のセカンドハウス付近あるいは地方の「これはという」名産ってえのは何なんだろうか・・・?
「海を満喫してるじゃーん」というたまちゃん談話だったが、祭りの衣装、お子さんもすごく似合っていたぞ。うらやましいなあ・・・
ボクの夏休みも前半終了だ。何かホントの夏休み絵日になってしまったな。。。
ここまで来たから何とか頑張って、続きをつづるとしようか。

ボクの夏休みⅡ

2010-08-10 17:44:42 | 旅行お出かけ
翌月曜日は昨晩からの雨が続き、さらにひどくなったので息子のサッカー練習は中止となった。合宿以来かなりへばっていたからよい休息だ。
しかし私も伊豆多賀の釣行がダメになってしまい、準備していた冷凍オキアミは妻に平身低頭して冷凍庫に保存させてもらった。
「これはイソメやゴカイではなくて、『剥きエビ』みたいなものなので、何ら気持ち悪がることはない」という主張がようやく通ったのである。

午前中は息子甘辛が最近よく分からぬという英語を見てやることにした。中一くらい何とかなるだろ。
「『エス』をつけるのがよくわからねえんだよ」
相変わらず言葉足らずで意味不明だが、どうも三単現のSのことらしい・・・

「簡単じゃんか。オレとオマエ以外は全部三人称!単数には尻にSがついてない!現在か過去は動詞を見れば分かるだろ。三単現だったら動詞にSがつく。否定や疑問文にはdoesという記号がつく・・・」

我ながらいい加減な教え方だ。これでは教師は無理だな。
基礎中の基礎だろうから、疎かにしてはいけないとは思うが、入学試験に「あなたのお母さんは英語を話しますか?」なんて文は絶対に出ない。。。
つまりこんなことは「門前の小僧」方式で普段からあまり考えずに慣れておけば自然と身に着くと思うのである。
頭を使って覚えるのは法則によらないパターンなのだ。Childの複数形とか。。。
入学試験で重要なのはほとんど例外なく「例外」なのである。(うーむ。けだし名言だ)
横で見ているとイライラしてくるので、ナツドクを始めたら・・・

「えーと。。。父ちゃんよ。意味深の文があるぜ。『あなたのお父さんはあなたを助けてはくれません』」

「お前、わざと探してないか?」

傍らで見ていると確かに「否定文にしなさい」という問題にそういうヤツがあった・・・
我が家には「子供部屋」がなく「子供コーナー」があるだけだから、息子はリビングで雑音の中勉強することになる。
母親は横の台所で平気で洗いものをしている。
「よし甘辛よ。次はこれを英文にしてみろ。『あなたのお母さんは太っていますか?』」PCを操作していた妻は

「やな、例文だねえ」

「ぎゃーはっは、母ちゃん、そんな例文あるわけねえじゃんか!」



遊び始めると止まらなくなる我が父子であるが、ここは退屈だが真面目にやらんとな。
それにしても英語問題集の例文というのは、数十年前から全然変わっていない。直訳というヤツはどうしてこう間抜けなんだろう。。。
「あなたは英語を上手に話しますか?」
「はい、私は英語を上手に話します」
こんな会話をしているヤツがホントにいたら間違いなくスカだ。普通は
「英語、イケる?」「まあ、多少・・・」
なんて感じになるはずだし、
「あなたはかばんの中に何を持っていますか?」ときたら
「大きなお世話だ!」とそっぽを向くのが普通のコミュニケーションだろ。
(ちなみに確か「Thank You for nothing」だったかな・・・)

午前中、あまりに実になるとは思えない勉強時間をとった後、午後からはリラックスにスーパー銭湯に行くことになった。
これまで我が家が足を運んでいた銭湯よりも「はるかにいいよ」と友人教えてくれた初めて行くところだ。
つい最近できた施設で隣町茅ヶ崎の「竜泉寺の湯」というチェーン店のようだ。日帰り天然温泉だそうだ。

通常の入浴だけなら大人600円、9時までに入ると「朝風呂」扱いで500円に割引だ。
頭を打ったジェットバスや金属プレートの感電を恐れていた電気風呂、サウナなどはこれまでのところとそうは変わらない。
ビルの屋上に露天風呂があるので景観がすごくよいのと、「ぬるい」ところが素晴らしい。
寝ころびの湯や座りの湯など、いくらでも入っていられる。
ただ、半身だけ浸水というのはイマイチ中途半端なもので、タオルをかけるとお湯に浸かってしまい、とるとどうも無防備で落ち着かないのだ。

風呂場の目玉は「軟水の高濃度炭酸泉」こういうネーミング、理系の私にはタマラナイ。
全国でも珍しいと言われる大分の長湯温泉と同等の成分を誇るそうだ。
5~10分程度の低温入浴により血流量が普段の7倍にもなるそうだ。確かに入浴した部分だけが真っ赤になることがわかる。はっきり線がつくほどだ。金属は酸化してしまうので指輪やアクセサリーはNG。
人間ドックで検診するほぼあらゆる疾病に効果があるようだ。病気の治療や健康長寿を直接の効果としているのが特徴だ。

そしてもう一つの目玉が健美汗房とネーミングされた岩盤浴だ。ただしこちらは別料金300円。
大汗汗蒸幕、ブラックゲルマニウム房、冷風房、白岩塩房、紅岩塩房の5種に加え、女性専用の薬宝石房(皮膚の老化を防ぎ、自然治癒力を高める)がずらりと並んでいる。
名前からして女性が惹かれる岩盤欲望(もとい!浴房)だな。
スーパー銭湯好きな我が家は次は岩盤浴を必ず試すだろう。。。



「~ココはちがさき別天地ぃ。りゅーせんじの湯ぅ
このフレーズが入り口から場内いたるところに流れており、完全に耳にいついてしまった。。。
こうして夏休み二日目も普段とあまり変わらずに終わってしまうのである。