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超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ヒーロー当たり年

2016-08-31 05:55:34 | ヒーロー
今年はヒーローのアタリ年だそうだ。我らがウルトラマン生誕が50年、仮面ライダーが45年、スーパー戦隊が40年とキリのよいからである。そのせいか昨年も同じ時期に熱く燃えた「AJF(ANIME JAPAN FES)“夏の陣”」の2016バージョンに「スーパーヒーロー魂」というのがあり(前からあったようだが)、妻とZEPP東京に足を運んだ。南の島から帰国した翌日である。水木一郎アニキを先頭に串田アキラさん、Mojoさん、宮内タカユキさん「魂の三兄弟」、そして妻の好きな平成ウルトラマンシリーズのプロジェクトDMMに加え、ウルトラマンXに登場した初登場ボイジャーなど豪華メンバーで、旅の疲れなど吹っ飛んでしまいそうなイベントだった。「ヒーロー」だからアニソンとは微妙に異なり、特撮モノが主体で上記ウルトラ、ライダー、戦隊に加えメタルヒーロー(宇宙刑事やレスキューポリスなど)が加わる。メタルヒーローというのは我々が熱を上げたウルトラやライダーの初期の時代が一段落し、ちょっと歴史的には薄い期間に登場したもので、特撮好きの私もギリギリ何度か見たことがあるくらいだ。

2階席まで埋め尽くされたZEPP東京の「スーパーヒーロー魂」はこのメタルヒーロー編で幕を開けたが、建物が震えるくらいの大熱唱だった。私も生の放送はほとんど見たことがないが、甘辛が幼い時に「ヒーローを特集した」主題歌集やDVDを一緒に繰り返し見ていたので、聞いているうちに一緒に歌えるようになった。(さすがに周囲の人のように振付まではできなかったが)「世界忍者戦ジライヤ(串田アキラ」「特捜エクシードラフト(宮内タカユキ)」など・・・それぞれ節目の年ということで仮面ライダーシリーズは水木一郎さんが私もカラオケでよく歌う「仮面ライダーX」「仮面ライダーストロンガー」、宮内タカユキさんは甘辛の好きだった「仮面ライダーブラックRX」そのエンディング「誰かが君を愛してる」、スーパー戦隊シリーズはMojoさんから、(ミスアメリカが印象的だった)「バトルフィーバーJ」「大戦隊ゴーグルファイブ」「科学戦隊ダイナマン」など聴衆は声を枯らして盛り上がった。

  

そして我らがウルトラマンシリーズである。初代から50周年となるが大歓声(人気あるんだなー)と共に現れたプロジェクトDMMが歌うのは平成メドレー「ウルトラマンメビウス」「ウルトラマンコスモス」「ウルトラマンガイア」である。私はもちろん全身に鳥肌をたてて声の限りに歌い続けた。息子甘辛が幼い時から一緒にテレビにかぶりつき、ライブステージでは声援を送り続け、映画で手に汗握りながら、共に歩んだ「平成のウルトラマン」である。浅草ROXビルのウルトラマン倶楽部がついに閉店となった10年前の5月末、ホントの最終日に家族で訪れ最後のステージで肩車した甘辛は泣きながら店長「タロウ」に別れを手を振った。その時にも登場したプロジェクトDMMと歌った「ウルトラの奇跡」が流れた時、思わずうるうるしてステージが滲んで見えてしまった。隣の妻はDMMのファンだったが、私と同様息子の幼い時からの成長の記憶をダブらせて感無量のようだった。子供が大きくなって手がかからなくなると、夫婦は幼い時の話をして酒の肴にするものだ。

  

当人の甘辛だが、翌日茅ヶ崎の母親も含めて墓参りと会食を済ませた後、私と湘南新宿ラインで池袋に向かっていた。むろんこの夏の定番、サンシャインのウルトラマンフェスティバルである。初回開催以来、妻と二人で行った時も含めて甘辛の年齢+αのほぼ皆勤賞である。毎年色んな趣向が凝らされて、小さな子供から大人のマニアまで楽しめるようになっているが、やはり甘辛のように「青年」の域にいる若者が少ない。ウルトラ縁日の輪投げで指人形をGETする年でもないし、ペーパークラフトも卒業、なりきりムービーでCGを使って変身というのもちょっとイタい。ウルトラミニステージもおねえさんやウルトラヒーローと一緒に「体操」をするわけでもない。目当ては年々進化するライブステージとウルトラデパートだけでそれほど時間を見ていなかったのだが、意外に見どころや我々にしか通じない話題が満載だったのである。

    

まず入場すると科学特捜隊基地の作戦室とラボが設営されている。本編は小さい子ならトラウマになるほど恐ろしいシーンの連続だった、顔に独特な愛嬌があってやたらに弱く、人気の高い三面怪人ダダが登場したタイトルは「人間標本5・6」。宇宙船研究所を占拠し、人間をミクロ化器に閉じ込めて標本として持ち帰ろうとするストーリーだ。「そのダダを『宇宙人標本』としてラボで解析しようてな、中々ひねりがうまいよな」甘辛は感心しながら、その横に田舎の観光地によくある板人形の顔出しセットに歩いて行き、「オレ、最近ネタに敏感になったんだよな」と言いながら顔を出した。面白ネタを見つけて(作り出し)LINEに乗せて遊ぼうというのである。スマホのシャッターを押してやった後、つられて私も顔を出して撮ってもらった。

        

隣にはちょっとグロい「ミイラ人間」の分析ラボ室みたいなところがある。実は窓から首を突っ込んでみないとよく見えないのだが、隅っこにどうにも場違いな宇宙人がどう見ても意味なく立っている。「甘辛よ、あのペガッサ星人、怪獣酒場の『ダークゾーン』から持ってきたヤツだよな。たぶん」「って、ことは今は『秘密の部屋』は違う模様になってるってことか?」「あの場に持ってきた意味が分からねえな」「アンヌがいるわけじゃないしな」ミイラ人間に登場した怪しげな石や球体を分析した結果がメモに記されている。我々はこういうディティールを決して見逃さない。「何々、水素52%、炭素2%、窒素17%、酸素3%に塩素が21%?」「分子間力?なんかそれらしく書いてあるだけだな・・・・」このゾーンを過ぎると巨大なジオラマゾーンが現れる。いつもながら細部に渡って凝ったつくりをしていて、かなりの月日とコストをかけていることがわかる。甘辛はジオラマを色んな角度と距離から眺め、「いかに本物らしく迫力目線で撮れるか」に結構凝っている。ピントの合わせ方、怪獣を見上げる角度、人形のディティールなど色々コツがあるらしく、超兵器203号の方が演出効果があると思うのだが、彼の撮った画像のほうが何となく雰囲気が出ているのは否めない。

               

ジオラマゾーンの出口には10人くらいの列ができている。「あれの撮影だろ」見るとちょっと子供だましだが、写真でうまく撮るとスペシウム光線で青色発泡怪獣アボラスをやっつけるシーンになりそうだ。「あっちの方がネタにはいいんじゃねえか?」にやにや笑って冷やかすと「あれは・・・ステージの後で人がいなくなったら来よう」ミニステージゾーンはちょっと歪な形状になっていたが、中央にあった初代マンの顔は「実物大」だそうだ。ちょうどその時、ステージにはお姉さんがいて、やがて珍しく前へ行けないほどの観衆の前に、隊員服を着たちょっと太目の俳優とウルトラマンゼロが現れた。すごい人ごみで遠目によく分からなかったがお姉さんの「すごーい!みんなも本物初めて見たよねー」何の話題なのかすぐには理解できずに、「おい、ゼロの隣の二人知ってっか?」「いや、知らないな・・・あーっ、これだよ!アテネの金メダリストだってよ。オレ、ちょっと撮ってくるわ」甘辛が指さした掲示板を見ると、その日1回だけ登場する予定だったらしい。ウルトラの新しいライブステージでは五輪体操の金メダリストが実際に出演し、そのPRも兼ねて登場したらしいのである。ちょっと今までにない進化スタイルだった。

      

さらに年々進化するライブステージは、まだ展示会で見ただけの特殊なLEDモニターその他映像技術を駆使し、迫力あるものになっていた。「歴代のゼットンは宇宙最強の恐竜でありながら、なぜウルトラ戦士たちに倒されてしまったのか?それは『心』がなかったからである」子供相手のステージとは思えない深いテーマである。甘辛に言わせると、物語の組み立てがこれまでのどの話よりも緻密で、観客の「がんばれー!」という声援だけでなく、カードをかざしてパワーを送るなど新しい演出に対してもやたらに感心していた。中央前から5列でその迫力を堪能した我々はステージ終了後、ささーっと出口から脱出し、列ができていないことを確認して例の「スペシウム光線」ショットを撮りに行った。列はないが周囲に人はいるので結構恥ずかしく203号を甘辛に渡して「早く、早く!」と光線ポーズをとったが、「父ちゃんよ、近くてアボラスが入んねえぞ」「じゃ、こっちで!」スマホを渡して再び立ち位置に戻った。(後から画像を見たら、あれだけ光線の発射する右手の位置を合わせろと言ったのに、すっかりずれてるじゃないか・・・)

        

締めにウルトラマンデパートで買い物をして帰るのだが、最近ちょくちょくウルトラ物の販売があちこちであり、結構持ってるヤツばかりで私向きのアイテムはあまり見当たらなかった。ウルトラマン50周年のTシャツがあったが、翌日友人と行く約束をしている「怪獣酒場」はウルトラ戦士ドアップのシャツなど着て入れない(実際は入れる)。セブンのボクサーパンツだけ入れておいたカゴを見たら、甘辛がウルトラマンシトラス・ムスクなんてのを放り込んでいた。「(ま、そういう年頃なんだよな)」と苦笑して店内を物色して回り、レジに並ぼうとしたら「ずんっ」とカゴが重くなった。何と最新のウルトラマンオーブの変身アイテム「オーブリング」だったのである。しかもDX版だから5xxxx円!大学生にもなって・・・?シトラスムスクなら分かるが、すごい落差に思わず苦笑した。全てのウルトラ戦士のアイテムをコンプリートしたいらしい。「来年、甘辛は一緒に来るかなあ」と思ってきたここ数年だが、細く長ーく続きそうな気がしてきたのだった。今年はヒーロー当たり年、ウルトラマン50年、ということは来年は私の愛して止まない「ウルトラセブンの記念すべき」50周年である。

まさかの作戦変更!スタンプラリー

2016-02-03 21:15:58 | ヒーロー
昨年に引き続き「帰ってきたウルトラマンスタンプラリー」はスタートダッシュで息子甘辛が65全駅のうち40駅を回ってきた。登場するウルトラシリーズは昨年よりもパワーアップし5作品6兄弟である。ウルトラ戦士は最新の「X(エックス)」まで、おまけみたいな者や合体で登場する者、「ウルトラ」の名を冠さない者までいれると50人以上になってしまうが、純粋なファミリーであり「兄弟」と言えるのは初代マンからタロウまでの6戦士であろう。ルールはほぼ前回と同様で、各駅の改札外に置かれた台の怪獣、ウルトラ戦士、地球防衛軍などのスタンプを押して回る。表紙の裏のページと全駅制覇用のスタンプ箇所があり、表紙裏に10個のスタンプを押すとGOAL駅と設定された駅の売店で参加賞としてステッカーがもれなくもらえる。そして同じ店で一定金額ICカードで買い物するとオリジナルピンバッジがGETできる仕組みである。

昨年の参加賞はめんこ、オリジナルおまけは山手線GOAL駅のアクリルスタンドだった。どの駅も限定1000個だったが、圧倒的人気で発売2,3日の間に全駅在庫ゼロとなってしまいGETできたのは10種のうちわずか2個と涙を飲む結果となってしまった。今年のピンバッジは歴代の防衛軍のマークがデザインされていて、これまた大人気が予想されたので、昨年の教訓を活かし甘辛にも「何よりも先にピンバッジをGETせよ!」と指令しておいた。今回は少しルールが異なっていて、GOAL駅でGETできるピンバッジが一定期間ごとにウルトラシリーズの順番に5種類あり最初の科学特捜隊は甘辛が無事にGETしてきた。問題は最も人気が高いと想定される次のウルトラ警備隊である。今回もスタンプノートは一人一冊、ステッカーは1回こっきり、ピンバッジは5種類を1個ずつしかもらえないことになっている。

スーパーのタマゴ特売セールのように私は息子甘辛と妻の分を用意し、最初に40駅回ってきた甘辛の冊子を「65駅コンプリート用」、私と妻の冊子は「ピンバッジGET用」にした。第二弾となるウルトラ警備隊初日、学校に行く甘辛に1冊持たせ、私は自分用と妻用の2冊を持ってそれぞれ通勤、通学の途中で既に列ができている店に並び、冷や冷やものだが無事にGETした。最初の科特隊バッチは2,3日は在庫があったが、U警備隊バッチは半日でほぼ全てのGOAL駅で完売、初日夕方には残りわずかだった駅も完売した。まさしく瞬殺とも言える人気で危ないところだった。昨年のアクリルスタンドと同様、あまりの人気でお店への在庫問合せが殺到したためホームページ上で大体の在庫の目安が半日に1回くらいのペースで更新されていた。

そして第3弾、「帰ってきたウルトラマン」のMAT(Monster Attack Team)も同様の人気が予想されたが、ここで思わぬ問題が発生する。提供初日は家族でプチ旅行を予定していたのでGOAL駅には行けないのである。昨年をEXCEEDし何としても全種コンプリートするつもりだった私はやむを得ず同僚に力を借りることにした。「あのーぅ、通勤で新宿とか池袋とか通ります?朝、ちょっと寄ってきてもらえませんかねぇ?」私用と妻用の2冊を別々の人に500円コインと一緒に渡してくねくねお願いした。違う駅に危険分散としたのと、万が一ひとりが具合や都合が悪くなってしまっても無理をしなくてよいように保険をかけたのである。自分は遊びに出かけるのに仕事に行く人に通勤を早めて立寄ってもらうという、かなり無茶なお願いなので買い物した品はそのままお礼に差し上げるとした。

そしてとある休日、甘辛用のスタンプノートを持ち、万を持してコンプリートに臨んだのである。今回も若干不平があるのだが、ラリー駅は我が家のある東海道方面は「蒲田」までしかなく、逆に縁もゆかりもない常磐線方面にやけに偏っている。普段から乗降客が少ないからその対策なのかもしれないが、最果ては今年も利根川を渡った「取手駅」である。さらに悪どい(とは言い過ぎか?!)ことに、新しく「東京モノレール」も入っており、何と羽田空港まで行かねばならず、山手線と周辺がエリアとなる「都区内フリー切符」では網羅できないのである。私は休日しか使えない「休日フリーきっぷ」を用意し、少し余裕を見て家を出た。残るスタンプ数は25駅、前回始発電車でほぼその倍にあたる駅を駆け回ったことを考えると楽勝と思われた。甘辛は密かに「(父ちゃんは甘い・・・)」と思っていたようだが、この余裕がまた悲劇をもたらすのである。

まず東海道線で川崎駅まで行き、京浜東北線に乗り換えて蒲田、大森、大井町と辿って、浜松町に飛びモノレールに乗り換える。この路線はスタンプ2駅しかないのだが、先端が羽田空港ターミナルなため所要時間がやけに長く、この方面をクリアするのに1時間以上もロスすることになった。上野から常磐線取手駅までは快速でも40分かかり、しかもどの列車がどの駅を停車してどの駅を通過するのかよく分からない。。。最初に最果てまで一気に駆けて一駅ずつ戻ってくるほうが気分的には何となく楽なのだが、確か前回帰りも快速に乗ってスタンプ駅を通過されてしまったことを思い出し、各駅に確実に止まる千代田線直通電車で丁寧に1駅ずつ降りたった。そんなド田舎ではないのだが、やはり乗降客が少ないからか列車の本数も少なく、スタンプを押してもとのホームに戻っても次の列車までに待ち時間がやけに長いのである。山手線なら次の列車に乗るには改札を出て走らなければならないくらいだが、常磐方面はこの待ち時間だけで数時間を要することになる。

          

今回、めでたくコンプリートすると全駅制覇証をもらうのは上野駅である。私はこの制覇証をひっさげ家族3人で乾杯するために東京駅で待ち合わせしていた。今回のコラボレーション企画で東京駅グランルーフのデッキ特設会場にはフォトスポットが設営され、かの有名なメ「トロン星人ちゃぶ台セット」で撮影することができるのだ。ところがモノレールルート、常磐ルートに手こずっている間に夕方に近くなってしまい、待ち合わせ時間までに全駅制覇は難しくなってしまった。甘辛のおかげで残る駅は6つだが上野駅に戻った時点で残り時間は1時間程度しかなく、最後に残ったのは中央線ルートだったのである。特設デッキ内フォトスポットの営業時間は午後5時まで、一人ではどうしても撮れない構図だから妻の協力が必要だ。撮影をあきらめ、待ち合わせ時間をさらに伸ばして西荻窪目指して走るか、撮影を優先し別の機会にもう一度コンプリートにチャレンジするか・・・苦渋の決断を迫られた。

   

高崎線の尾久駅に到着するまでに私は第3番目のオプションを考えついた。中途半端に余った時間を利用して赤羽駅から京浜東北線ルートを再び辿りだしたのである。自分用と妻用の冊子は同僚に渡してしまってあるが、せっかく高い切符を買って駆けずり回るのに1冊だけ持ち歩くのではもったいないので、新品の1冊をもらってきて、その日回った駅のスタンプを押して回っていた。押したスタンプはそれまでに19個、甘辛用の冊子には既にスタンプが押されているので重なってしまうのだが、3駅ほどちょっと行きにくい方面のスタンプを押すことができた。別途、定期券区間をがんばればプラス14駅、出掛けついでに足を使って稼げばさらに2,3駅は行ける。残りは全て都区内パスエリア内だから山手線半周と中央線ルートなら半日で全駅回ることができる。そう、甘辛にも全駅制覇証を手にさせてやるためのダブルコンプリート作戦である。時間ぎりぎりまで粘り東京駅でスタンプを押して待ち合わせ場所に向かった。

      

飽くなきサッカー魂を持つのか、ものすごい度胸を持つのか、はたまた能天気なだけなのか、最近息子はあろうことか、進学先予定の学校のサッカー部の練習に顔を出している。自分で連絡先を見つけ出して練習日程を教えてもらい、乗り込んで行ったようで、幸いかなり歓迎されているそうだ。そのサッカー部の練習試合がその日予定されており甘辛も見に行くつもりだった。相手は何と甘辛の親学校でもある私の母校であるから奇遇なものだ。しかし空振りに終わった大雪予報で中止になり、暇にしていた甘辛も妻と一緒に東京駅についてきた。こんなことでもないと東京駅周辺など来ることがないからネットで3時間飲み放題の日本料理の店を探し出して3人で向かった。「やっぱ、父ちゃんは甘いと思ったんだよ」と冷やかす甘辛に「お前の分も取ってきてやるから、上野駅には自分で行って来い」とダブルコンプリート作戦の話をした。狙うは山手線Nゲージ&緑のウルトラマンフィギュアか、6兄弟オリジナルショットか、はたまた6兄弟と写真撮影会か・・・完全にJR東日本に「やられている」気がするが、まだまだ作戦は続く。。。

            

ゴジラな世界

2014-08-19 22:43:17 | ヒーロー
前回は毎年サンシャイン文化会館で開催される「ウルトラマンフェスティバル」を紹介したが、隣のワールドインポートマートという水族館などがあるビルで「大ゴジラ特撮展」というのが開催されていた。ウルフェスを訪れた私と息子甘辛がこれを見逃すはずはないが、残念ながら部活の時間を考えるとゆっくり見物もできないので息子の方はあきらめたようだった。(何せ17日までの開催だから・・・)
私は別の日にたまたますぐ近くのオフィスビルに所用があったので、帰りに終了1時間前ではあったが飛び込んで何とかこの展示を見物したのだ。ウルトラシリーズと同様、「ゴジラもの」もわが父子とは縁が深いが、息子は分類上1999年からの「ミレニアム」、私は1984年「平成ゴジラシリーズ」からと初代からのつきあいではないのだ。

  

第1作目のゴジラが上映されたのは1954年(昭和29年)で今年で生誕60周年になるという。太平洋戦争後の10年もたたず傷跡もまだ深い日本に、「ジュラ記に生息していた太古の生物が水爆実験で巨大化し」出現した。平成になって改めてDVDを借りて見たが、当時は白黒で東京上陸時にもお馴染みの東京タワーも新幹線も走っていなかったが、ストーリーは60年たった今でも全く色褪せず、この第1作目が史上最高とされる怪獣映画となるのである。昭和になってからのゴジラシリーズは数年またはもっと後になってテレビのロードショーになってからしか見なかった。興味はあったのだが、上映される映画館が近くになかったのである。駅前に東映があったから「東映マンガまつり」は見られたが「東宝チャンピオンまつり」を見に行けるほど行動範囲が広くなかった。

ちょうど私が小学生くらいの時代とともに昭和ゴジラシリーズは一旦幕を閉じてしまう。後から見たものでも正直あまり印象はないのだが、もう一つの怪獣ヒーロー「モスラ」が登場し、人類の味方として健気にも戦った「モスラ対ゴジラ」は名作だと思う。南海のインファント島に住む小美人(演じていたのはザ・ピーナッツ)の例の歌声でモスラ成虫が現れるが卵を守って寿命が尽きる。驚くことに30作品近くあるゴジラシリーズで様々な「最強」と言われる敵が出現するが、ゴジラを完膚なきまでにやっつけた怪獣は「モスラの幼虫」だけなのである。私がこの投稿記事の中で「これ以上ないくらいの衝撃」を比喩して「キングギドラの出現」とよく表現するが、かの宇宙怪獣もゴジラを倒すことはできなかった。昭和のゴジラは「チャンピオンまつり」と称されるように多数の怪獣が現れて戦いあったり、悪者の宇宙怪獣と地球怪獣が変則タッグマッチを行ったりとおよそ科学的なリアリティのあまりない「子供だまし」が多かった。(子供だったけど・・・)ちなみに写真は最近の作品。

      

10年ぶりくらいに「平成vsシリーズ」のゴジラが登場した時は理工系の学生の時だったので、「人間の知恵と怪獣の戦い」がすごく新鮮でしかもそれぞれの作品にメッセージ性が感じられた。1984年の「ゴジラ」には人類史上初のゴジラの放射熱線に耐えうる首都防衛戦闘機「スーパーX」が登場する。ゴジラを原子炉と見立て、制御棒に使われるカドミウム弾によって核分裂を抑え一時的にはその動きを止めることに成功する。この時のテーマは大国の持つ「核兵器」のあり方だと思う。その戦いで採集した自己再生機能を持つ「ゴジラ細胞」を利用し遺伝子合成された抗核エネルギーバクテリアで核反応を制御しようとしたのが「ゴジラvsビオランテ」、陸上自衛隊にはゴジラの熱線を反射させる兵器を搭載した「スーパーXⅡ」が登場する。テーマは「遺伝子操作と人間の驕り」

「ゴジラvsキングギドラ」の時はバブル絶頂、経済繁栄を重ね、金で世界を支配するに至る日本に対し、未来の世界から「近未来に日本はゴジラに壊滅させられる」という歴史を覆すため過去から未来人のチャック・ウィルソンがやってくる話だ。ゴジラとなる恐竜が水爆実験で変異する前に転送されゴジラは消滅するが、代わりに人工的に作られたキングギドラによって日本を攻撃しその国力を消耗させようとするチャックウィルソンの策略だった。バブルの象徴とされた都庁ビルは粉々に破壊される。日本を再び支配しようとするウィルソンは落ち目になった「アメリカ」人という設定で、テーマは「日本の無神経な経済支配に対する警鐘」のようなものだろう。チャック・ウィルソンは「世界の支配者は我々だ!」と言わんとする典型的な(そんな人はいない?!)アメリカ人に見えるが、最後は搭乗機ごとゴジラの目の前に転送され、熱線で吹き飛ばされてしまう。

          

この後の「ゴジラvsモスラ」のテーマはたぶん「環境破壊」、そしてその次の「ゴジラvsメカゴジラ」にはゴジラ被害に対応すべく国連がG対策センター、Gフォースという組織を結成する。メカゴジラは先の作品で23世紀の未来人の作ったメカキングギドラの技術を応用しており、今までゴジラと戦うのが自衛隊だったのに対し、世界の技術の粋を極めた多国籍軍となっているのが特徴的だった。この辺りからこれまで割とクリアだった「その作品で何をメッセージとするか?」が曖昧になってきたが、その次の「ゴジラvsスペースゴジラ」に至っては初めて宇宙空間でゴジラが変異するという話で、バブル崩壊後迷走する日本のようなちょっと意味不明な物語だった。

ゴジラシリーズとしては完全に行き詰まった感があったが、次の「ゴジラvsデストロイヤ」でゴジラが死す、という衝撃によって一旦幕を閉じる。昭和ゴジラシリーズでゴジラをやっつけた怪獣はモスラ幼虫のみと言ったが、何と第1作目に「人間」が東京湾にゴジラを葬り去ったのである。その兵器を「オキシジェン・デストロイヤー」という。開発した平田昭彦演じる隻眼の芹沢博士は敗戦後10年立たない当時、核兵器よりも恐ろしい技術を各国が兵器として使用するのを恐れ、自らの命とともに封印する。デストロイヤは40年前に使用したオキシジェン・デストロイヤーにより古生代の生物が復活したものだ。ゴジラは以前卵から孵化したリトルゴジラと2体存在したが、オリジナルは生息した島の消滅の影響で体内炉心が高温化暴走し始め、死期が近づいていた。ゴジラ冷却用の超低温レーザーとカドミウム弾を装備した自衛隊のスーパーXⅢとともに、モスラ以外人間が作り出したもの同士の戦いだった平成シリーズでの集大成と言える作品だと思う。

息子甘辛が生まれ(たのとは関係ないけど)、ゴジラシリーズは「ミレニアム」と言われるレンジに入った。ウルトラシリーズとともに彼もこの世界に抵抗なく入っていったが、優しい性格だったのか彼が幼い時に好きだったのは、破壊を繰り返すパワフルなゴジラではなく、モスラ(とその幼虫)だった。そのせいかモスラの登場する「大怪獣総攻撃」まではモスラ単独が活躍する映画の方を見に行ったのだ。2001年の大怪獣総攻撃は重い話でゴジラは「太平洋戦争で亡くなった多数の人々の怨念の塊」とされ、これまで現れたゴジラの中で唯一「黒目」がない・・・また伝説の護国三聖獣はバラゴン、モスラ、キングギドラとされ、かの宇宙怪獣が初めて日本人の味方としてゴジラと戦った物語である。幼い甘辛は最初はあまり関心を示さなかったのだが、同時上映されたどう見ても落差のあり過ぎる「とっとこハム太郎」が大好きだったため、ゴジラ映画デビューとなったのである。

3作目となる最新の「ゴジラ×メカゴジラ」は今ではお馴染みのCGがよくできていた。また例のオキシジェン・デストロイヤーで葬られた初代ゴジラの骨格を引き上げて、DNAコンピュータという技術を駆使し、機龍(=メカゴジラ)を完成させるのだ。アブソリュート・ゼロ(絶対零度砲)という究極兵器をもつが、ゴジラの細胞を使用しての稼働だったためゴジラの咆哮に反応して暴走してしまう。またこの次の「東京SOS」ではインファント島の小美人が「新だ生物に手を加えてはならない」とメカゴジラの放棄を警告した。代わりに戦ったモスラ成虫は幼虫を庇って力尽きるが大昔の作品同様、ゴジラはまたしても幼虫の糸に破り去るのである。我が家にはゴジラもモスラもフィギュアがあるが、小物の幼虫がやけに多いのは幼い頃の甘辛がどういう訳か幼虫を好んだからである。

2回に渡って円谷特撮シリーズとなってしまい、興味がない人は全く分からなかったと思うが「ゴジラ」はウルトラシリーズに比べ、「世相を反映する要素」がすごく多い。経済成長や科学の発展、地球環境や社会問題などおよそ日本が抱えてきた(今も抱える)イシューを余すことなく映し出してきた「日本そのものの歩み」とも思える。今回誕生60周年ということで、ハリウッド版ゴジラが上映され話題になっている。前の「GODZILLAはアメリカ軍最強論をアピールするような戦闘機のミサイル2発で倒される恐竜に毛が生えたようなものだったが、今回は日本版の多くを踏襲し、映像がド迫力なのに加え、日本人俳優渡辺謙さんが演じるのが「芹沢博士」というだけにおおいに期待し、息子甘辛と3D版を見に行ったのだ。今回の「GODZILLA」は宿敵のような古代生物も現れる「怪獣映画」でかなり原作への「敬意」のようなものを感じた。感想はたくさんあるが、まだ上映中だからいずれ別の機会に書くことにしよう。

  

なりたきもの

2014-04-16 22:13:10 | ヒーロー
仲良しのKちゃんの進学も決まり(極秘の勧誘は功を奏さなかったが)学校の新学期も始まって、息子甘辛は2年生に進級した。彼の通う高校のシステムで、2年生からはいくつかあるサイエンス分野を選択し、ある程度専門的なことも学ぶのだそうだ。高校課程で習得する教科項目とそうは変わらぬらしいが、早いところはもう「大学受験勉強向けて」などというベタな普通高校に比べると単科大学のようなところもあり、卒業にあたっては卒業研究のような課題もある。5つあるサイエンス分野で甘辛は「エレクトロニクス・エネルギー・通信」(電気電子)という分野に進むのだそうだ。私の事業分野に比較的近いがもちろん、それを意識して高い志を持って選んだわけではない。何となく決まってしまっていたのである。でも新学期早々、保護者会があり進学や進路について色々説明されるという。(まあ、大体受験に関する話題なのは普通校と変わらないらしい)

S(Super)S(Science)H(High School)だから文学部へ進学することはないだろうが(本人は「オレは文系」と叫んでいる)、分野は何でもよいから大学で学問を修めてほしいと思う。昔のように学歴や就職の準備という意味合いとはだいぶ異なる。明治時代の書生のように寝食を忘れ頭が破裂するほど「激しく」勉強して欲しいのである。それが将来の就業に向けた糧になるかどうかはあまり関係ない。いつかルーキーズにも訓話したことがあるが、一般的な会社員になって「仕事」を始めるとこれまで学んできた学問など正直ほとんど役に立つことはない。「更地になった方がいいよ」と申し上げてきた。会社に入って一度も使うことのなかった「エントロピー増大法則」をなぜシャカリキになって学ぶのか。「知性を花開かせる」ためだと思うことにしている。

以前流行った「地頭力」という本には知性(という表現でいいのかな)には3つの平面があると書かれていた。一つは「試験勉強面」で、これは一般的な知識・教養にあたり名称がよいかどうかは分からないが、高等教育を修了するまではこの分野ばかり励んでいると言ってよい。2つ目が「人間関係面」、昔も今も日本の会社員が重視する人付き合いなどコミュニケーションの分野である。3つ目の「地頭面」とは論理的な思考力、推理力などと言われ「フェルミ推定」などがよく登場する。金田一少年や将棋の羽生さんのような人々である。(あんまり例になってないか?!)大抵の本は「・・・だからこれからのビジネスマンは地頭力が大事」と結んでいる。知識や教養をただ持っているだけでなく、これらを応用・駆使して自ら問題を見つけ出し解決せよ、と言うのだろう。これに異存はないが、たぶん3つの分野は独立している面ではなく、密接に関係していると思われるのだ。3つ目の地頭力の背景には多分に本や勉強で習う知識・教養を死ぬほど頭に詰め込んだ結果、花開いた知識水準がベースになっているはずだし、「空気読むのが異常に巧みなヤツ」というのも地頭がよい部類に入ると思う。

さて息子はサッカー選手になる又はサッカーやスポーツに関わる職業につくことも考えているようだが、とにかく人間の一生で他の事を気にせずにこれほど「激しく」勉強できるのは20歳前後の5,6年だから(知性が花開きやすいのもそのあたりだと思う)、なんでもよいから打ち込んでほしいものだ。STAP細胞なんかいいんじゃないか・・・
ちなみに脳はアウトプットにより活性化し、知識を引出しに固定するものだそうだ。理系ならばバンバン論文を書いて発表すればよい(捏造はいかんがね)。日本の大学だと入るばかりが大変で入学後遊ぶヤツが多いから、海外の荒波で修業することもお薦めだ。昔のように官費留学なんかしてくれたらありがたいんだがなー。

さて好きなことを見つけ好きなだけ勉強して学問を修めた後、社会人としてどんな職業に就くか・・・我が家系なのか血筋なのか、周囲の身近な人にも哀れなほど計画性が見られない。父は会社員だったが「家と会社を往復するだけでよし」とする人だったし、私が修学を終えるまでは何やら企てはあったようだが、その後の進路に興味は示さなかった。私自身に関して全てに一貫して共通しているのは「何となく」である。高校は自分の成績と周囲の雰囲気で「何となく」行けそうなところに進学を決めた。そこは進学校だったから、しっかりしたクラスメイトにはさらに進学すべき大学、学部を早々と決め、その受験科目の勉強だけをひたすら積み上げているヤツもいたし、進学後に留学するためにTOEFLに精を出している者もいた。どんな場面でも早く目標を立てて邁進する者に事は有利に運ぶものだ。

私は「オレは理系かなー」くらいしか考えておらず、具体的行先も3年まで考えたこともなかったが、教科項目についてはどういうわけか「これは受験に不要だから赤点でなければ捨ててよし」ということができず、推薦を意図していたわけでもないのに文系科目も一通り真面目に勉強していた(えらい!)。9月末に名物の体育祭が終わった後は確かに「死ぬほど」受験勉強したが、当時は浪人して志望校を狙う者が半数以上もおりあまり危機感はなかったものだ現役生の時は。「1年がかりでどこか入れればいいか」と何となく知っているいくつかの大学を受験し、運よく入れたところがあったのでそのまま進学した。ただ、短期間であまりに頭に詰め込み過ぎたために受験終了後「燃え尽き症候群」のようになってしまい、加えて教養課程とは「さすがにここまでの教養はいらんだろ」と言えるものばかりだったので急速に学修意欲が低下してしまい、前半の3年くらいはそれまでの半分も学問に勤しむことがなかった。今、思い返すとこれがこれまで最大の痛恨事である。先に書いた「人生やり直しの旅」があるなら、唯一この時代に戻りたい。

卒業年次になって研究室に所属し、割烹着ではないが白衣(というよりツナギが多かった)に身を包んで実験、考察、発表など繰り返しているうちに面白くなり、周囲の進学率も異常に高かったこともあってこれまた「何となく」もう2年、学校に居座ることにしてしまった。後半3年間は「既往研究を調査し」「実験計画を練り」「データに埋もれ」「論文を執筆し」「種々のセミナー、学会で発表」している中でもたくさんの本を読み、外国を旅行し、(バブル期だから)あらゆるレジャー・スポーツに手を出し・・・文字通り「知性の開花した」期間だったと思う。やがて就労すべき時期が近づくと「学校に残る」という選択肢も打診されたが、これまた「何となく」今の会社の一員になることを選んでしまったのである。大きなグループ企業なので就業後も色々な分野で仕事はできるとは思ったのだが、学生時代に勤しんだ研究開発とはおよそ無縁なのも「何となく」分かっていた。

生まれてここまでが約四半世紀、この後同じくらい会社員の身分にあったが、大きなプロジェクトにも、社を挙げての新組織立ち上げにも、海外での専門教育みたいなプログラムも「ぜひぜひ拙者を・・・」と推挙することもなく、言われてやってきたことばかりである。このように正直「ぼーっと」してるうちに気が付いたら「何となく」今に至ってしまったから、若い頃から具体的目標や自分の将来ビジョンを持ち、途中紆余曲折があっても走り続けている人、またその境地に立ってしまっている人を見るとすごく憧れる。テレビや各界の有名人などはいざ知らず、今まで出会った人にこのような人は数えるくらしかいない。別に「挫折」しているわけではないのだが、自分の将来の姿は口にした通りにはならぬものである。中高の時に将来なりたいものとして「教壇に立つ」と言った人、法科を卒業して大手商事に就職したがさらに専門の教育を受け弁護士になった人、「弁理士を目指す」と言った学友は残念ながら大学院に進学できず、一旦大手企業に就職したが、特許事務所で一から修業し直し何度も国家試験に挑戦して先日自分の事務所を開所した。あと数人いるが、これら「言ったことを実現してみせる人」の生き様は実に素晴らしいと尊敬する。

ちなみに私が幼稚園の時に発表した夢は「サラリーマンになって大船駅のホームで立ち食いソバを食う」というものだった。むろん高校時代にあっけなく実現した。中学生になっても将来の道はただのサラリーマン(何をする職業かよくわかっていなかった)、高校生の時は漠然と科学者だった。修学期間を終える時(極めて広く定義すれば)たぶんなろうと思えばそれっぽいモノにはなれたがその道を選ばなかった。息子甘辛には「子供の頃なりたいと言っていたモノにホントになって見せる人が一番カッコいい。そうなるには早めに決めるほど有利だ。それとはあまり関係なくてもいいから、二十歳くらいまでは『激しく』学問を学べ」と常々言ってきた。だがなー、どうも「ぼーっと」していて、私に似て「何となく」ということが多い。高校進学からしてその片鱗を表してきた。私がかつて憧れた「生き様」にはほど遠く、何となく「結果オーライね」という進路になるような気がするのである。

おまけ
今週末あたりが最高らしい。仙台榴ヶ岡公園のしだれ桜である。さすが牛タンの露天が立ち並んでいるぞ。「サクラサク」

      

おジャ魔女の世界

2013-01-17 05:07:47 | ヒーロー
我々が子供の頃(実は再放送の時もあったが)ウルトラ戦士や仮面ライダーなどはちょうど黄金時代の我々が大人になり、合コンやテニス、スキーなど「外の遊び」に忙しくなってテレビやグッズなどから一旦離れると、これと同調するように少し下火になっていき、子供(男の子たち)がヒーローなどに夢中になる年代になるとまた懐かしくて自分も一緒になって追い掛け回し、大人コレクションなどへ発展してきた。自分は興味をずーっと持っていた方だが、やはり「ヒーロー」の波は私達の固有波長とかなり同期していたと思う。ゴレンジャーに始まる「戦隊シリーズ」などは実は40年近く毎年新たな戦隊を生み続け、今に至っているところが実はすごい。

平成になって本格的ウルトラマンが復活し、ミレニアムになって本格カメンライダーが出現する。それ以来、初代マンや私の愛してやまないウルトラセブンの世代がその息子達と「ウルトラ」を追うようになる。仮面ライダーも毎年新ライダーが登場し映画もコラボしている。テレ朝は日曜日の朝7時半から8時半まで「戦隊シリーズ」と「仮面ライダー」と続く時間帯を「スーパーヒーロータイム」として我が父子は息子甘辛が幼い頃から何があってもこの時間はテレビの前に座っていた。甘辛は私に似ず朝早起きに弱く、ぐずぐずと寝ていることが多かったが、テレビで主題歌が流れるとがばりと起き上がってテレビの前に来た。そのうちサッカーなどで息子の方が忙しくなってビデオまとめ見が増えてしまったが、暇な私でも日曜日、早朝から海へ入ってもこの時間までには必ず帰宅したものだ。

せっかく朝御飯を作ってもそっちのけでテレビを見ている私達に「冷めてしまう」と文句を言っている妻だが、その嘆きを倍増させるような番組があった。連続ドラマ「おジャ魔女どれみ」の存在である。仮面ライダーの放送終了後、何となく見ていたのだが、あまりに深くいい話が多くていつも二人で「うるうる」していた。最後のシリーズまで4年くらい続いたのだが、息子甘辛が忙しくなってその時間に見られないことが多くなると、3番組連続で録画しておいた。最初のシリーズが「友達」、次のシリーズが「母性愛」、3作目は同じく「愛と成長など」、最後は「締めくくり」といった感じの根底に流れるテーマがあった。実は「おんぷちゃん」が最初はあまりいい子ではなかったことは知らなかったので、本格的に見始めたのは途中からのようだ。
(知らない人には全然わからない内容なので「スルー」してください。でも機会があれば「ようつべ」のさわりだけでもお勧めです)

少し前だがとある友人が「石野真子さんのコンサートに行った」という記事を載せたところから、「石野真子=デカレンジャー」「デカレンジャー⇒おジャ魔女どれみ」の話題で盛り上がったのだ。「もーっと」シリーズで大好きだった巻をうろ覚えで書き込んだのだが、懐かしくなってきて昔録画しておいたVTRを探し出して見てみたのだ。「おジャ魔女どれみ」は昔からあったようなアッコちゃん、マコちゃん、サリーちゃん、チャッピー、メグちゃんなど魔法中心のものとは少しく趣きが異なる、「人間模様が中心で魔法はオマケ」のようなところがある。しかしちゃんと魔女界には女王様がおり、数々の伝説があったり元老がいたり、要所要所では「魔法」の話が出てくる。私は録画しておいたいくつかのVTR「もーっとおジャ魔女どれみ」の中で、もっとも好きな巻が出現した。「もも子が泣いた!?ピアスの秘密」と「みんなで!メリークリスマス」編である。

「もーっと」シリーズにはアメリカ帰りの「もも子」ちゃんという新たな仲間が登場する。実は息子甘辛はもも子のファンだった。米国カルチャーか、何事も歯にもの着せずに言い積極的なもも子ちゃんだが転校してきた直後は日本語が上手に話せず、元気がないがどれみちゃんたちとおジャ魔女として友達になる。それ自体はよいのだが、彼女がしている「ピアス」がきっかけで米国在住時代の「悲しい想い出」を語ることになる。友達ができずに一人で寂しがっていたもも子ちゃんにモンローという魔女が現れ、共に時間を過ごすようになる。ある日、偶然にももも子ちゃんはモンローの正体が魔女でることを知ってしまい、魔女モンローは最強の魔力を持っていたとされる「先々代の女王様」の呪いにかかり、魔女ガエルという蛙に変身させられてしまう。

                

これを心から悲しみ、自分が魔女になってモンローを元の姿に戻すため、もも子ちゃんは厳しい修行の上、女王様から魔女の認定を受けるのだが、魔女モンローは寿命が尽き、これまでの楽しい月日をもも子に感謝して死んでしまう。もも子は悲しみのあまり「禁断」と言われる「人を生き返らせる魔法」を使おうとするが、失敗し情報に魔女の称号をはく奪されてしまう。このモンローが最期の時に「自分と思って」ともも子に渡すのが「ピアス」なのである。「おジャ魔女」の世界では禁断とされ、使うと自分に同等の災難が降りかかる魔法がある。「死んだ人を生き返らせる」「怪我や病気を治す」「人の心を変える」の3つである。実は「おジャ魔女」に登場するどれみちゃん以外は皆、この魔法を一度は使ってしまうのである。新シリーズが始まってすぐにあった、もも子の悲しい話に小学低学年だった息子は大泣きに泣いたのですごく印象が強いのだ・・・

            

もう一つはこの編だけではないが、「長門かよ子」ちゃんという同級生の物語だ。普段は教室で一緒に勉強することはなく、保健室でユキ先生に面倒を見てもらいながら、勉強を続けるいわゆる「保健室登校」である。体育の授業で「おジャ魔女」の一人、アイドルのおんぷちゃんが貧血で倒れてしまい、かよ子ちゃんと出会う。転校してきたかよ子ちゃんは転校したての頃は級長や友達にも世話をしてもらい、クラスに溶け込んでいくのだが「競争」を重んじた担任の施策でグループの中でたまたま「足を引っ張ってしまって」から次第に「皆に迷惑をかける」と登校するのが怖くなり、学校に向かうと気分が悪くなってもどしてしまうようになる。転校してきた時には同じ不安があったという「おんぷ」ちゃんと「どれみ」ちゃん達にかよ子ちゃんはそう告白する。確かどれみちゃんとかよ子やんは既ににお友達で、以前不登校児童だったかよ子ちゃんと一緒に学校に来ようとしたのだが、ダメだったのだ。とりあえず保健室までは来れるようになったらしい。ちなみに私は保健室のユキ先生が大好きだった。

              

そんな話を聞いたかつてのクラスメイトは知らず知らずのうちに彼女を傷つけてしまったことを謝る。かつてクラスで「競争」させていた担任も自分の考えを反省し、「不登校児童」を集めた施設でボランティアとして教鞭をとり、かよ子ちゃんにもその施設に来るように誘うが、「どれみちゃん」達と学校に行くことを決心する。
しかし保健室に呼びに来たどれみちゃん達と一緒に教室に向かう途中、やはりかよ子ちゃんは気分が悪くなってしまう。それ以上一歩も進めず、うずくまってしまったかよ子ちゃんにどれみちゃんは「ここにもどしていいよ!」とパーカーを引っ張って差し出す。すかさずももちゃんも「アタシのもあるよ!」そして教室のドアがあいて「ボク達のもあるよ!」がんばれかよ子ちゃん!かよ子ちゃんは勇気を奮って教室の入り口をまたぐのである。4年間の「おジャ魔女シリーズ」で私には最も印象深く残っている。

          

          

このシリーズに一貫して現れる基本法則は「魔女は人間に正体を知られると魔女ガエルという緑色の蛙になってしまうこと」である。魔力最強と言われた先々代の女王様は人間との恋に陥り女王の地位を降りて人間界で暮らしていたが、魔女と人間との相容れない宿命(魔法、寿命の違いなど)で深い悲しみにとらわれ、人間との交わりに絶望し「自分のような悲しい思いをさせないように、人間との交わりを絶つために」強力な呪いの魔法(魔女ガエルの魔法)をかけて自身は姿を消してしまうのである。シリーズは最後に佳境に入り、先々代の女王様は(誤解があったこともあり)「人間界との交わりはよき思い出だった」と目を覚まし魔女ガエルの呪いを解くことになる。そしてどれみちゃんたちは魔女になることを承認されるが・・・・最後に誰にも予想できなかったすごいサプライズがある。いつもベールで隠していた現女王様が素顔を現すのである。。。「おジャ魔女の世界」はある意味スーパーヒーローよりも印象深い、今でも何話か忘れられないような深い「教え」があるように思う。そのどれみちゃんが高校生になった物語があるという。ぜひ見てみたいものだ。

お正月だよ!我が家の新風物詩

2013-01-06 22:27:18 | ヒーロー
「やっぱ正月はここに来ねえとなあ・・・」夏のウルフェスの帰りにチラシを見ながら約半年先のイベントにつぶやいたのは息子甘辛である。東京ドームプリズムホールで年末年始に開催される「お正月だよ!ウルトラマン全員集合」だ。元ウルフェスの会場であった場所でもあり、本家ほどの歴史はないがここ数年、夏のウルフェスとともに我が父子が冬の風物詩としているイベントである。ウルトラ戦士達が日本の年越し、新年の伝統を忠実に再現する単なるヒーロー物にはこれまでに無かった趣向を持つ。会場内には展示コーナーは少ないが、新年ならではのアトラクションやウルフェス同様のライブバトルステージがある。バトルステージは後にDVDで発売されるほど、ものすごい凝ったストーリーとなっており、1日に数回行われるが年々にその人気が増してすごい人気となり、とうとう前売り券で指定席を入手するようにまでなった。

前回は実は年末に訪れたのだが、今年は息子の予定と合わせ、正月3日先に紹介した箱根駅伝を応援に行った後、東海道線で水道橋まで向かった。3日いうのはあまり電車で出掛けたことは無かったが初詣他結構人が多く、車内は混んでいた。東京で中央線快速に乗り換えるとこれまた混んでいてふと皇居側を見るとものすごい人混みだった。何があるのかと眺めていたら、なんと箱根駅伝のゴール付近だったようなのだ。神田方面に進んですぐに見えなくなってしまったが、どうもランナーがまさにゴールしようと走っていたようにも見えた。これはすごい!「珍しいなあ、おい、1日に2回も駅伝見るなんてさー」

さて発車ベルまで巨人軍の「闘魂こめて」になっている水道橋駅を降り、場外馬券売り場のイマイチ雰囲気のよくないゾーンを過ぎると「お正月だよ!ウルトラマン全員集合」の会場である。ウルトラマンフェスティバルに比べると少しだけ規模が小さいが、結構家族連れが多く子供達で賑わっている。まずは私の愛してやまない「ウルトラセブン」が紋付羽織袴姿で出迎えてくれる。今年で45周年になるからか、はたまた息子の「ウルトラマンゼロ」がウルトラ戦士で現役のセンターのような存在だからか、最近はセブンが主人公のような設定が多い。私は遥か数十年前から「セブン特別説」を提唱しており、ようやく世間が追い付いてきたということか。

  

入り口からは日本人が新しい年を迎える準備、迎えてからの営み、そのいわれなどをウルトラ戦士が演じている。どこに行っても1年中でここしか見ることのできない、ウルトラファミリーのお正月である。お正月を迎える準備を「煤払い」から始めるので年末なのに「事始め」というのだな。煤梵天というのも恥ずかしながら初めてみた。。。レオとアストラの餅つき、ウルトラの掛け軸があるぞ。「これ売ってねえかなー」甘辛も同じことを考えていたようだ。

        

  ダイナとジャスティスが年越しそばを食べてるぞ。この由来はいくつかあるようだが、説明書きでは金銀細工師が散らかった金粉を集めるのにそば粉を使うために、金を集める縁起で始まったと書いてあった。子供の頃は「そばは長く伸びるので延命長寿や身代が細く長くのびるように」と教わったような気がする。食べるタイミングだがその名のごとく、我が家では31日の紅白終盤から蕎麦をゆで始め、除夜の鐘と0時の時報を聞きながら食べるのが習慣となっている。大晦日のニュースで見ると、昼食に蕎麦屋が満員になっている光景が放映されるが、とりあえず大晦日に食えばOKということになりつつあるらしい。天ぷらをよくつけるが、夜中の0時に「天麩羅そば」というのはあまりヘルシーではないなー。

    

正月を迎えると全国のお雑煮特集が・・・北海道は角焼き餅にじゃがいもにコーンのしょう油味、岩手はつきたての手切り餅にニンジン、大根、きのこなど、我が家ははやり富山風になっているようで、餅は焼かずに煮るほうである。これにだいこん、焼き豆腐、里芋、ほうれんそう、蒲鉾、にんじん、筍、三つ葉、エビが入る昆布だしのしょう油ダシである。(結構色々入ってるな。写真撮っときゃよかった)静岡、愛知の方になると花かつおだしに小松菜が乗るようだ。京都になると白味噌味になるのは有名で、これに鳥肉と三つ葉が乗るようだが、四国も白味噌味が主流のようだ。山陽や福岡などはすまし汁の所も結構ある。餅の形にも丸型と角型があるようで、色々な地方のお雑煮というのを比べると面白そうだ。

  

おせち料理になるとあまり地方色はなく、全国統一のコンテンツらしい。それぞれに確か色んな意味が込められていた。海老は「共に腰が曲がるまで長生きできるように」、数の子は「子沢山、子孫繁栄」、黒豆は「マメに暮らす」、昆布巻きは「よろこぶ」、田作りは「豊作祈願」、れんこんは「将来を見通せるように」などなど・・・私は正直言って「おせち料理」というのをあまり好んで食べない。肉や活魚があるわけでもなし、ごはんのおかずにもならない半漬け物のようなものばかりだからだ。都市伝説とも言われているらしいが、「お母さんが正月3が日くらいは料理を作らなくてよい保存食」という解釈を割りと信じている。最近は元日からスーパーなど初売りをやっているから、何も好き好んで保存食を食う必要はない?!

  

おおっ、ウルトラの父とタロウ(実の親子)が酒を酌み交わしているぞ。男親なら誰でもこのシーンを思い描くものだろうなー。昔、植田まさしの「フリテンくん」という4コマ漫画に「年老いて煎餅蒲団に寝る父親と働き盛りの息子の正月」の話しがある。仕事関係で年始に挨拶に来る接客に忙しい息子に「おーい、一郎」という老父の声。。。何度も呼ばれて部屋を訪ね「何ですかお父さん。今、来客で忙しいんですけど」と面倒くさそうに聞く息子に布団の脇から「お年玉」と書いたポチ袋が差し出される。この4コマ漫画のタイトルは「親」である。私はかなり大人になってからも親からお年玉をもらっていたが、最初は抵抗があったものの、今となっては「親というのはそういうものだ」と思う。

    

メビウスとウルトラマンヒカリ、そしてゾフィー隊長が絵馬を書こうとしているぞ。その横には「打ち出の小槌」を持った「キング神社」がある。昨年から(正確には年を越してなかったが)我が父子の初詣はこの「キング神社」になってしまった。私はよく息子に言う。「神様に自分の利益を願ってはいけない。何事もないことを祈るべきだ」宝くじに当たるとか、志望校に合格とか、いい人が見つかるなどというのは全て「自分のための利益」である。どこかのサイト(都市伝説かもしれないが)で見た「祝」と「呪」のいわれに基づいてそう考えている。二つは元々「神事」であり簡単に言うと「祝」は人に何事も起きないことを祈る、「呪」は人に何がしかが起こることを祈るものであると。むろん呪うことなどすべきではないので、せいぜい「怪我なく事故なく病気なくその日を迎えられますように」と願うことにしている。

      

神社を過ぎると縁日や書き初め、ウルトラ戦士とのカルタ取り大会などが小じんまりと賑わっている。うーむ。漢字でズバリ「七」と書いてセブンか・・・ぎゃーっはっはっは!公一君は世代を超えてお友達になれそうだ。ウルトラマンネクサスとのカルタ取り大会、楽しそうだなー。息子が幼かったら間違いなく出場していた。小倉百人一種のように「上の句」を呼んで「下の句」の札を当てるスタイルをウルトラシリーズで行ったら、かなり上位まで残れるはずである。みんな神妙に正座しているところがいいなー。(鉢巻きをしている子もいるぞ)
ゼアスよナイスの漫才も普段見られない面白さだ。やはりウルトラの国でも「笑う門には福来る」正月は笑いで始まるのだろう。仕上げはウルトラマンバトルステージだ。「ここに来ないとお正月にならない」と言った息子の言葉通り、我が家の新正月風物詩&初詣先になりそうだ。(いつまで続くかなー)

        

セブン45周年のウルフェス

2012-08-14 19:20:06 | ヒーロー
今年もウルフェスの季節がやってきた。予定では数日しかOFFのない(これで受験生かよ)息子甘辛も「0歳児」の時を除けば10数年間、ウルフェスだけは外したことがない。「そろそろ卒業か・・・」と生温かい目で見ているが、彼曰く「これに行かないと夏休みになった気がしない」(もしかして私同様、友達少ないのか?!)
その昔は後楽園プリズムホールだったが、池袋サンシャインになって10年近く、入り口の大型ウルトラマン(今年は初代マンだった)で写真を撮り、会場内を飽くことなく見て回り、セブンのマーベラスアイスを頬張って、ライブステージに鳥肌を立て、ウルトラデパートで山ほど買い物をして帰る。飯も食わずに歩き回るから会場から出てくる頃には腹ペコになっていて、迎えの松屋で大盛り牛丼・・・毎年、計ったように同じことを繰り返している。

普段よほどのことがないと自分の財布からモノを買わない私が1年で最も豪快にアイテムを買いまくるのがウルフェスである。(ビールジョッキ5本大人買いとか)まして今年は私の愛して已まない「ウルトラセブン」45周年、今ウルトラ戦士の主役はその息子「ウルトラマンゼロ」、ちょうど我が父子と重なるところがあり、力が入るというものだ。茅ヶ崎の母の所へ泊まりに行った甘辛を拾って我々は湘南新宿ラインに乗り込んだ。どういうわけかウルフェスに行く時は毎年灼熱のような高温日だ。「池袋ってサンシャインまでが結構長いんだよなー」今年は珍しく曇っていて少し涼しかった。
お馴染みのALPA入り口には恒例の巨大ウルトラマン像が・・・少し上から見下ろす感じのこの初代マン像は浅草ROXの旧ウルトラマン倶楽部のものを持ってきたと思われるが、実はティガ、ガイア、アグル、ダイナなど同一サイズの像が何体もあり、普段はどこにあるのかわからない・・・ちなみに不思議にセブンは見たことがない。

      

入り口でライブステージの指定席券を受け取るが何と1時間先のショーが立ち見状態、我々は迷わず2時半からの回を選んだ。何せ今年は45周年のウルトラセブンが主役のはずだから立ち見などでは見ていられない。本編だけでなく、セブンはウルトラシリーズの色々な場面に登場している。次シリーズ「帰ってきたウルトラマン」ではベムスターに一旦敗れた帰マンに必殺ウルトラブレスレットを贈ったし、エース、タロウでも何度も登場する。レオでは悲劇的な役割で怪獣に足をやられ変身できなくなってしまう。ちなみにウルトラの父と母の実の息子、ウルトラの貴公子タロウとセブンは親戚である。なんとセブンのお母さんはウルトラの母のお姉さんなのである。(顔似てるでしょ?)
さて、ここからこの父子の会話について来れるのは我が街でも20人とはいないだろうから、写真だけでも見て行ってください。

「ぎゃーっはっは。父ちゃん、シャドー星人が新聞売ってるぞ。タクシーの運ちゃんが振り返った時は怖かったよなー。あれっ何で買ってんだ?家にその新聞あんじゃんか」「保存用だ」
「おーっ、このよくできてるなー。第一話で発進するしーんだな」「甘辛よ、よく見ろよ。玄関にあるうちのプラモと一緒じゃんか」自慢ではないが我々はセブン全48話のどのシーンを見てもそのタイトル、登場エイリアン、あらすじを語ることができる。甘辛などセブンの光線発射シーンだけで放った相手をあてられるほどだ。
トップバッターは第一話「姿なき挑戦者」で登場したクール星人だ。「名前?そう、モロボシ・ダンとでもしておきましょう」セブンが地球上で人間として名乗った記念すべきシーンである。クール星人の「人類なんて我々から見れば昆虫のようなものだ・・・」というまさしく「クール」なセリフが印象的だった。

          

次はそれこそ昆虫のようなちょっとシュールな姿のピット星人、有名な「エレキング」を飼育していた宇宙人で、何と「女性」(宇宙人に性別があるかは疑わしいが・・・)なのだ。「地球人の男性はかわいい子に弱いって事がわかったんですもの」というベタなセリフを吐く。「さすがのオレもここまでは知らなかったぜ」と甘辛が感心したのは「ダークゾーン」で地球防衛軍基地内の女性隊員アンヌの部屋にあった「人形」。。。ウルトラ警備隊の紅一点は自室で隊員服のまま女性らしく髪をとかすのである。次に登場するのが「宇宙囚人303」のガソリン大好きキュラソ星人だ。キュラソ連邦警察に追われて地球に潜入しガソリンを求めて街を彷徨う。とある家庭のガレージに逃げ込み、リビングに現れた時の恐怖に研究所時代の同僚Kメギさんの息子N人クンは泣き叫んだという。「あれは怖ぇよなー」甘辛も納得のシーンである。

        

ウルトラセブン屈指の名作「狙われた街」、夕闇の工業地帯(この頃は高度経済成長期で、工場排水による公害もひどくなってきた時代だ)水には写る美しいメトロン星人との対峙シーンが芸術的だ。モロボシ・ダンとメトロン星人がちゃぶ台を挟んであぐらをかいて話すウルトラシリーズきっての「ほっこり」シーンもある。しかし何より名作なのはエンディングのナレーションだ。「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです・・人間同士の信頼関係を利用するとは恐るべき宇宙人です。でも、ご安心下さい・・このお話しは遠い遠い未来の物語なんです。 えっ!? 何故ですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われる程、お互いを信頼してませんから」おーっ、セブンシリーズ屈指の強力ロボット「キングジョー」の登場だ。3つに分解して潜水艦で移動する防衛首脳を襲ったシーンが再現されていた。水槽の中には魚までいたのだが、フラッシュが反射してよく写らなかった・・・・

       

「盗まれたウルトラアイ」のマゼラン星人マヤ・・・中高生の時ウルトラセブンは再々放送くらいだったが、他のどんなアイドルよりも彼女のファンであった。この回には何と怪獣はもちろん、星人すら登場しない。恒星間弾道弾が地球に向かって接近するだけである。
そしていよいよこのブログのタイトルにもなったセブン信者である私の原点、「超兵器R1号」である。登場したのは「ギエロン星獣」、星人ではないところが深いところ、地球を侵略に来たのではなく、平和に暮らしていた母性を地球防衛兵器実験で破壊され、怒りにまかせて復讐にやってくるのである。
「地球を守るためなら、何をしてもいいのですか…?」(ダン)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「超兵器が必要なんですね」(ダン)
「決まっているじゃないか!」(フルハシ)
「侵略者は、もっと強烈な破壊兵器を作りますよ!」(ダン)
「我々は、それよりも強力な兵器をまた作ればいいじゃないか!」(フルハシ)
「…それは、血を吐きながら続ける…、悲しいマラソンですよ」(ダン)
実は「血を吐きながら続けるマラソン」というこの名セリフは誰も気がつかないが、仕事上でも結構引用しているのだ。

     

ウルトラセブンの能力を測定し、罠にはめてエネルギーを消耗させてついには十字架に掛けてしまう、という神をも恐れぬ企てを見せたガッツ星人。。。子供ながら我らがヒーローが十字架に磔にされるという、恐ろしいシーンを目の当たりにしてしばらく悪夢に魘されたものだ。そしてウルトラ史上最高の名作と今でも思う、最終回「史上最大の侵略」、最後の力を振り絞ってパンドンと戦うセブン(ダンだと知らされる)を見たキリヤマ隊長の名セリフ「行こう!地球は我々人類自らの手で守り抜かなければならないんだ!」この言葉は約40年を経て甘辛が夢中になった「ウルトラマンメビウス」の最終回に蘇る。「あの時のキリヤマ隊長の握った拳って中指が微妙に飛び出てるんだよなー」甘辛はマニアのような指摘をする。。。

      

地球を攻撃から救う代償としてこれまでこれを戦って救ってきたウルトラマンを引き渡せ、という宇宙人の要求に対し、
「皆さん・・・CREW GUYS JAPAN総監サコミズです。タイム・リミット迄1時間・・・先ず最初に伝えるべき事が在ります。メビウスは・・・CREW GUYSの一員です。今、多くの人が驚き、動揺しているでしょう。ですが少しだけ・・・私の個人的な話を聞いて下さい。昔私が・・・亜光速で宇宙を飛んでいた時、侵略者から地球を守る為、人知れず闘っているウルトラマンを目撃しました。その時彼は言いました。『何れ人間が自分達と肩を並べる日が来る迄、我々が侵略者の盾になる。』と。彼等は人間を愛してくれた。そして人間を・・・命懸けで守り続けてくれたのです。私達は・・・その心に応える責任が在る。『地球は我々人類、自らの手で守り抜かなければならない。』ウルトラ警備隊、キリヤマ隊長が残した言葉です。この言葉は・・・ウルトラマンが必要で無いと言っている訳では在りません。彼等の力だけに頼る事無く、私達も・・・共に闘う可きだと伝えているのです。最後迄希望を失わず、ウルトラマンを声援する。それだけでも、彼等と共に闘っていると言えるのです。彼等に力を与える事が出来るのです。御願いします。今こそ勇気を持って下さい。侵略者の脅しに屈する事無く、人間としての・・・意思を示して下さい。一人一人の心の声に従い、最後の答えを出して下さい。」

いやぁ、つい熱くなってしまった・・・「おーっ、ウルトラ警備隊の地下基地だど!やっぱ最高なのはホーク1号だよなー。2号はマルサン倉庫に格納してあるな。ホーク3号は滝の中から出撃だが、さすがにホントの水じゃないなー」
ジオラマを丹念に見ながら甘辛は感心するが、私は再び「甘辛よ、よく見てみろ。ウルトラホーク、全部オレんちにあるEX超合金と一緒だぞ。」「おーっ、1号は父ちゃんのマンションにあったんだよな。あっと言う間に全部揃えたよな」それを世間では「大人買い」と言う。。。あまり褒められたことではないんだがな。飾るのは簡単だが「セット」が難しい・・・風呂場のジオラマにどのように応用するかずーっとシミュレーションしていた。それを見抜いたのか甘辛は「さすがにこれだけ精巧なモデルを雨ざらしはやばいべ・・・」おっしゃるとおりだ。ガーデンシェッドに全て飾ることに決めた。

      

甘辛が子供の頃大好きだった「ウルトラP」(人形劇)、そしてふれあいステージも外さすに参加した。(さすがに小さい子ばかりなので端っ子で見ていたにすぎないが)先日、訪れたスネークセンターの「ふれあい」とは大きな違いだな。そしてメインイベント「ウルトラマンライブステージ」だ。指定券は11列の27番、28番、会場の案内を見ると、何と一番端っこである。「前なのはいいんだが、一番端っこかよ・・・」ところがである。立ち見席は我々のはるか前でそれ以上立ち入り禁止、真後ろに黒いカーテンがある。「甘辛、もしかしてここは・・・」私の予想通りだった。このライブステージは経験上、舞台横の出入り口からも意表を衝いてウルトラ戦士、怪獣・エイリアンなどがいきなり現れるのだ。
「ぬおーっ、いきなり出た!」我が崇拝するウルトラセブンである。ストーリーの中での登場だったが、真横をゆっくり歩き過ぎるセブンに「抱きつきたい」衝動をやっとの思いで我慢した。
「やっぱ夏はウルフェスだよなー」来年は高校生になっているはずの息子と鳥肌をたてながら第2部(夏休み後半)も身に来る約束をし、オリンピック3回分連続で訪れた会場を後にしたのである。

      

もしものウルトラ番組

2012-06-21 07:47:54 | ヒーロー
小夏師匠がなんと、先に紹介した「山川日本史」をお持ちになっていて大仰天だった。せっかく途中まで読み進めた社会人版日本史・・・楽しく勉強して(おーっ、ここは習った覚えがあるぞ!とか)、いずれ後半はレポートしよう。今度は教科書片手に鎌倉の街を歩き回ることにする。
今回は「本業」=ウルトラヒーローの話である。ちなみにむろん歴史上にも様々なヒーローがいる。この名称はどうも「我が国の場合は「判官贔屓」という言葉があるように、「最後に笑った者」ではなく「途中で滅んだ者」に与えられる称号というイメージが強いような気がする。源義経、楠正成、真田幸村、土方歳三あたりかなー。。。。

そうそう、小夏師匠ゆかりの温泉への道すがらにとんでもない看板があるという「鳥居強右衛門」・・・私が読み漁った信長、家康、勝頼、勘助など登場する様々な人物の視点で書かれた物語の中の「長篠の合戦」に現れる(マイナーだが)ヒーローだ。徳川方奥平信昌の家臣だった強右衛門は守備する長篠城を武田軍に何十にも包囲され、城は兵糧もままならない窮地に陥ってしまう。彼は家康の岡崎城に対し、不可能と反対する周囲を押し切って武田包囲軍の隙を抜けて援軍を要請しに行く。織田・徳川連合軍が長篠に向かうことを知った彼は、今度はその場に留まるように薦める味方に反して、その吉報を城内の同士に伝えようと長篠城に戻ろうとするのだが、途中で武田方に捕まってしまう。強右衛門は城内から見える所に連行され、「援軍は来ないから降伏しろ」と城内を説得すれば命を救うと誘われて一旦は約束するが(実はウソで)逆に「援軍はごまんと来るぞ」と城内を鼓舞させてしまったため、磔にされて殺されてしまう。

さて話がそれてしまったが、本家?のウルトラヒーローについて昨年11月からローカル局で「ウルトラゾーン」という超マイナーだがマニアには垂涎もののレア番組があった。我が家ではテレビ神奈川の番組として視聴していたが、時間は何と日曜日の23時・・・・1週間を通じて番組構成上最も「どうでもよい」時間帯である。しかしその内容はウルトラ史上稀有と言ってもよい高レベルな番組で、私も息子甘辛も必ず録画して次週末、夢中になってまさしくマニアの目で見ていた。我が家から半径1キロ以内にその番組の内容が全て理解できる人が私と息子の他に何人もいないような話だ。
コンセプトは恐らく「日常の生活で、もしもこんなところに怪獣が現れたら・・・」だと思う。その他にウルトラ怪獣が漫才をしたり、英語のレッスンになったり、かるたになったり・・・CMに入る時のイラストだけでも死ぬほど面白い。

ウルトラ怪獣を知らない人でも面白く見ることができ、また楽しみながら「覚える」ことができる。(その必要があるかどうか分からないけれど)歴史の話にあてはめれば「長篠の合戦」を知っている人であれば十分楽しめるが、「鳥居強右衛門」を知っているマニアは超ウルトラ楽しい!っていうところだ。
「もしも・・・シリーズ」と言えば最初に浮かぶのは「ドリフの大爆笑」だが、ウルトラゾーンの中心にあるこのコンセプトを少しだけ紹介しよう。
「もしこんなところに怪獣が現れたら・・・」怪獣特捜隊の「タカダ・リホ」隊員がいつも怪獣警報とともに「都内に●●が現れました!」と読み上げるのがオープニングだ。そしてタイトルの後に「●●は・・・・・・に現れた模様です!」と続く。

★赤いランプの点滅とブーッブーッという警告音・・・「都内に『サドラー』が現れました!」
じゃーん!【怪獣転校生】(岩石怪獣サドラーのプロフィール登場)
「サドラーは『有名中学に毎年合格者を出す、親の年収もそこそこ高めの私立中学校』に現れた模様です!」
---今日はみんなに先生、新しいお友達を紹介しようと思うんだが、その前に一つみんなに知っておいてほしいことがある。それは彼の手は「ハサミ」になっている、ということだ。でも例えそうであっても、みんなは彼と仲良しになれると先生は確信している---
その後、先生は「サドラー君」はサドラ脳により敵を倒すことばかり考えていて勉強についていけない時には助けるように、またハサミは鋼鉄でも切り裂き、首に8万度の溶岩を蓄えているので遊ぶ時は十分注意するように諭す。

★★赤いランプの点滅とブーッブーッという警告音・・・「都内に『ベムスター』が現れました!」
じゃーん!【怪しいものじゃないです】(宇宙大怪獣ベムスターのプロフィール登場)
ベムスターは『都心から電車で約30分、閑静な住宅街に建つ瀟洒なマンション』に現れた模様です!」
---ですからね、不要になったエネルギーを頂こうと伺ったんですよ。この腹でね、スペシウム光線も吸収できるんですよ。MATステーションだって飲み込んじゃったんだから---
マンション一人暮らしの若いツンデレ系女性にドアの外からしつこく食い下がり、しまいには騒ぎ出すベムスターに、ツンデレ女性は「あんまり騒ぐとウルトラセブン呼びますよ!いいんですか?」「そ、それとこれとは話が別ですよ~(泣)」(ベムスターはセブンが帰マンにプレゼントしたウルトラブレスレットで倒されたのだ)

★★★赤いランプの点滅とブーッブーッという警告音・・・「都内に『ゼットン』が現れました!」
じゃーん!【不良怪獣ゼットン】(宇宙恐竜ゼットンのプロフィール登場)
「ゼットンは『実は子供嫌いと噂されるお婆ちゃんがやっている不良達のたまり場の駄菓子屋』に現れた模様です!」
---「ゼットンってさー、すんげえ無口だよな。お前ちょっとあの駄菓子屋でアイス買って来てくんねーかな」---
転校してきたゼットンはその学校の「中途半端な」不良達とつるみパシリにされるが、買い物している間に偶然その街で最も凶悪な学校の札付き不良達にその仲間達がボコられてしまう。駄菓子屋から出てきて倒れている仲間を見て仁王立ちするゼットンの姿に、敵の不良が突如恐怖に凍りつき「あ、あれ、ゼットンくんじゃないですか?!ウルトラマンを倒したって言う・・・超やべえよ!」(その後なんとゼットンに彼女ができる)

ざっとこんな感じだが数々の怪獣・宇宙人が実にリアルな表現で本当にあるとしか思えない店、建物に現れるのである。他には
「結構強めに揉んでくれるという溜池山王のマッサージ店」【怪獣マッサージ】
「読者モデルもたくさん来店する中目黒の目黒川沿いから一本入ったところにあるカリスマ美容室」」【ヘアサロン マグマ&ババルウ】
などが登場する。説明がうーんと長くなってしまうのでこの辺は割愛する。

「KAIJU ENGLISH」のLesson.1に登場するのはどくろ怪獣レッドキングだ。
My name is Red King.(私の名前はレッドキングです)
I came from Tatara Island.(多々良島から来ました)
I am not intelligent, but I have never seen such a violent monster than me.(私は賢くはありませんが、私ほど凶暴な怪獣を見たことがありません)
And I was told that I look like Hayato Ichihara.(そして私は市原隼人に似ていると言われたことがあります)
その他にダントツで印象深かったのは「にせウルトラマン」に変身した極悪宇宙人「ザラブ星人」の何と純愛ドラマ!そのタイトルは【The Love(ザ・ラブ)】でヒロインは丘みつ子さん・・・これはホントに泣ける。。。

怪獣たちの特徴やウルトラマン本編でのエピソードを散りばめ、気づいたらウルトラ怪獣に詳しくなっているというコーナーだが、後半のドラマ群は思わず「ほろっ」としてしまう切ないものが多い。甘辛とも「この意味分かるヒト、どれくらいいるかなー。」とか言いながらゲラゲラ笑いながら見ている。妻は台所で冷たく笑っているかと思ったら、意外に知っていることも多いのだ(そりゃー、これだけ我々が話題にすればねー)
ひとことで言ってしまえば「パロディ」ということになってしまうんだが、ウルトラストーリーをここまで洗練してパロッたスタッフには敬意を表したい。山川出版社もぜひ見習って「山川ウルトラ史」を作製してほしいものである。(センター試験科目になれば9割は得点する自信はある)

合格発表の日

2012-03-01 23:20:48 | ヒーロー
一昨日は珍しく職場のある市街地でも朝からすごい勢いで雪が降っていた。最初帰りにジムに寄ってくるつもりだった私はマンションのベランダから外を見て「こりゃー、とてもバイクでは無理かな。積もるかもしれないからな」と傘を持って歩いて職場に行くつもりでエレベーターを降りた。
エントランスを出ようとしたら、いきなり床が見事に滑ってすってんころりん・・・したたかに腰を打ってしまった。別に滑りやすい靴というわけではないはずなのだが、歩道を歩き始めてすぐにまたしても転びそうになった。
「えーい、歩いて行っても転ぶんならバイクで行っちまえ!車道なら雪はねえだろ」自転車の傘指し運転はいかにも危険だし、この決断は正しかったらしく、全く危ないこともなくすんなり職場に到着した。
時刻は7時過ぎ(私は誰よりもオフィスに早く「いる」のである)、私は屋外作業などのありそうなセクションの長に連絡し朝一から緊急電話会議を開いてもらった。我が家周辺ほどではないとは言えこの地方の人もそれほど雪中の運転や作業に慣れているわけでもなく、いかにも「何か起きそうな」気がしたのだ。「我が方から1件の事故も起こすな!」あちこちで檄を飛ばした。
一時はもうマンションへ帰るのもやばいか?!とスティーブとオフィス飲み会の作戦でも話したが、午後になるとぱったり雪は止み、明るくなってあっという間に雪は融けてしまった。

その前日、会議に出席するために本館に向かって歩いていると中学生(たぶん)が交差点でやたらに大人や仲間同士で「ハイタッチ」をして盛り上がっている。大人は教師か塾講師?合格発表か?!と思いきやどうやら願書を出しに行くようだった。(確かめたわけではないから違うかも)
30年以上も前のことだからすっかり薄らいでいるが何とも言えない緊張感と高揚感は思い出した。。。
学校の勉強を本分とする期間で、一般的には一番最初の試練で一番印象的なのが「高校受験」だと思う。(何事も初めての経験がもっとも鮮烈だ)
私たちの頃は世にある「学校ドラマ=学園モノ」とは高校(ラグビー部)が主役で、ガキだった我々にはイマイチ世代が合わずに共感が無かった。中村雅俊が担任の教室で不良仲間とツルんではいるが、妙に正義感だけはあって他校のバカに絡まれている同級の女子を辛くも喧嘩で救い出し、ほのかな恋が芽生える・・・なーんて場面は想像すらできず全くの違う世界だったのだ。

ところがそこへ衝撃的に登場したのが「3年B組金八先生」である。異性交遊や校内暴力など社会現象化した様々な問題の中で悩み、傷つき、導かれて最後には最大のイベント「高校受験」を乗り越える・・・中学2年生くらいから(今では遅い?!)受験を意識しなければならなかった私ら世代はほぼリアルタイムではまっていった。。。(と言っても私は年明けの受験シーズン編しか見ていないのだが)
ドラマは東京を舞台としていたからこちらとは少し事情が異なったようだが、あの緊張感は当事者には直接伝わってきたものだ。世は中学や小学校からの「お受験」こそ未だ流行ってはいなかったが、どちらかと言えば「モーレツ主義」、「ツメコミ」「抑圧」が強くて生徒がそろそろ反乱を起こそうとしているあたりである。
神奈川県は悪名高き?!「アチーブメントテスト」というのが2年の終わり頃にあり、県立高校選抜の大きなウェイトを占めていた。半分の内申書は2年の学年末と3年の成績、残り半分は入学試験というのが普通のスタイルだと思われるが、ア・テストは25%という入試と同じウェイトを誇っていた。つまり入学試験の半分が2年生の時点でやってきてしまうのである。しかもご丁寧に9教科全部のペーパーテスト・・・

同じようなスタイルに「横浜診断テスト」というのがあったが、独特の縦一列の長ーい問題用紙で50点満点、この1点の中に「数万人がひしめき合う」と脅され、あたかも中学2年末には県立高校の志望先が決まってしまうかのような雰囲気に当事者はもちろん親達もビビッたものだ。生まれて初めて将来に影響する筆記テスト・・・あの時の緊張はまだ記憶がある。
3年生になって修学旅行を終え、部活を引退すると夏休みあたりから何やら教室の緊張感が高まっているような気がした。2学期の三者面談ではこれまでの成績や志望校などが話し合われ・・・大学入試と異なり「浪人」などはさせない雰囲気である。当時は塾や予備校よりも学校中心だったが、教師達は「安全第一」「ゼロ災で行こうヨシ!」の世界で、名前でも書き忘れない限り合格確実というランクにあわせ、「特攻野郎」みたいなのは許されなかった。(実は何人かいたのだが)

県内の公立高校には子供が多かったからか今は無き「学区制」というのがあって、隣接3市内くらいの高校が一般には進学の対象が限られていた。学区外に行く生徒はそれこそ「学校一の秀才」とか「県大会優勝」とかの肩書きを持っていた者だ。「自分の目で志望校を見て、自ら願書を提出すべし」という学校の考えは立派だったが、途中の事故や郵送等のトラブルを懸念した安全第一の教師達はあろうことか生徒達に「歩いて」願書を出しに行かせた。グランドに学年全員が集められ、志望校別にグループとなし、点呼して揃うと校門からそれぞれ歩いて出かける。我々は10人ちょっとだったろうか、たっぷり1時間はかかった。。。市内からほとんど出たことの無かった私はどこがどこやらさっぱり分からなかったが意外と近かったのね。

確か入学試験は私立が2月の下旬、公立がその1週間後くらいだったと思う。私立はいわゆる「滑り止め」というのが多かった。有名私立で勝負をかける者などは公立を「滑り止め」にするのだが1ランクも2ランクも下げたものだ。私立は「ホントに採点してんのか?」と思うほどあっと言う間に合格が発表された。私は何故か公立しか受験しなかったから、合格発表を受けて第一志望でなくても「ホッと」しているクラスメートが正直羨ましかった。。。(そんな余裕も無かったが)
そして合格発表の日、合否によって(特に不合格だった)生徒がパニックになって事件を起こしたり、落ち込んでどうにかなってしまうことを恐れた教師陣はまたしても妙なことを言い出した。「合格発表を見に行くな」と言うのである。

合格発表が張り出される時刻にはまず最初に教師達が手分けをして確認しに行き、万が一「落ちてしまった」生徒は担任を経由して電話連絡がされ、発表を見に行かずに学校に行く、という作戦だ。
合格発表の場に明暗は付き物だが、今となっては「甘いこと」をして見せたものだと苦く感じる。家で待機する時間は発表時刻から1時間、つまり気の遠くなるほど長い1時間となる。この時間帯に担任から電話が来るというのは「入試に落ちた」ということを意味する。
人生で最悪の「ドッキリ」だったが、何と30分ほどして電話が鳴り出して中学3年の私は凍りついた。。。相手はトボけたクラスメート、どうでもよいような内容の電話だった。全く人騒がせなヤツだ。ソイツも同じ待機組だったはずだが、面白半分だったら許されぬいたずらだ。
そして待機時間終了間際、そろそろいいかなー、と出かける支度を始めたときに2回目のベルが鳴って先程以上に凍りついた・・・電話はこの事情をよく知らない父親が仕事を抜け出して見に行ってしまい、確かめた結果だったのである。「腰が抜けそうになる」というのはまさしくあういう時のことを言うのだろう。結局最初の受験は自分で見に行かずに合格を知ることになるのである。

あらためて合格発表を見に行ったが、感極まって泣き出す親子やバンザイ三唱する受験生などを横目に入学手続き用封筒をもらって中学に向かった。部活をしながら前年の先輩を見ていたから知っていたが、代々の風習として職員室入り口でクラス、名前そして合格校名を大声で報告し最後に「ありがとうございましたぁ」とやる儀式がある。
私はこういうのがどうも苦手で、列の前にいた超優秀だったヤツ(ちなみに今は大学助教授)が堂々の挨拶をし職員室の割れんばかりの拍手が止まないうちに「●組の磯辺太郎はホニャララで~○□△・・」と小声で放ってそそくさと逃げ出した。。。それはもう飛び上がらんばかりにうれしかったがねー。

今でも結構見かけるが、特に小学生などが鉢巻をして志望校の正門で「えいえい、おー」とかましたり、塾で出陣式をやったり・・・入学試験の時に親がついて来るのはよしとしても、塾講師が握手で送り出したり、合格発表では胴上げ隊がいたり・・・結果オーライにばかり明け暮れた私にはどうもあういうシーンが理解しにくい。
入学することそのものよりも、入学してから何をするかの方が大事だと思うのと、すべては通過点に過ぎず「これで終わり」というのはないものだと思うからだ。この点欧米のほうが合理的だと感じる。
私は息子甘辛に「国内の学校などどこに行ってもよいから学ぶなら外国へ行け」というのはそこである。

先日、社宅時代の息子のお友達が受験し、見事合格したという。甘辛には秘密のメールを打ってきたらしいが、最後まで我々には志望校を明かさず、結果は皆の前で自分で報告すると言う。
先日、我が家で大宴会を開いたときにその話を聞いたが、内申で思うようにポイントを獲得できなかった彼は後半に驚くべき努力と集中力を発揮して入学試験に臨み、見事県内でも有数の進学校に合格したという。リスクはあったそうだが実に立派なものだ。世は中高一貫教育が進んできている。これは言い換えれば受験年齢が低くなる、という意味もある。金持セレブのKOなどは幼稚園から大学までほぼ「受験らしいイベントなし」というので有名だ。

しかし15歳と18歳、この年齢で「受験」という経験は結果的に見ると必要だと思われる。「いくさ」とは思わないが、他の年齢で目の当たりにすることがほとんどないからである。大学受験の時はクラスメートにも色んな進路があって同士意識が薄れ、自分にも選択肢がたくさんあったが人生で一番勉強した期間だったのは間違いない。。。(経験の必要性と言う面から見ると「浪人」もある意味では『アリ』なんだがちょっと微妙よねー)
生まれて初めて「勉学の試練」にさらされ、比較的長い期間努力することを覚え、友を同士として協力し合い(意外とこれが大きい)、あらゆる集中力をわずか1日、2日に集結させる。
「金八先生」とシンクロした高校受験を思い出すと何とも言えず「みずみずしい」イメージが強いのである。

星人の日

2012-01-09 17:56:06 | ヒーロー
息子甘辛が幼い時、今日という日は「星人の日」だった。熊本、荒尾にある元祖ウルトラマンランドへ足を運び、1年でこの日しか登場しない「星人」と楽しく遊んだものだ。
ものすごく遠いからたぶん甘辛の飛行機代が無料のときだけだったかも・・・それから約10年たっても我が家のウルトラ好きはあまり変わっていない。今年は何年ぶりかで新たなウルトライベントを加えることができた。
話の時系列が無茶苦茶前後してしまっているが・・・今年の職場の標語を生むきっかけとなった「お正月だよ、ウルトラマン(全員集合)」である。仕事納めを終え今年最後の単身泊を終え、湘南の自宅帰りがてら息子甘辛と東京ドームシティで待ち合わせし、初めてこの年末年始催しに行ってきたのだ。

   

この手のイベントはご存知、夏の「ウルフェス」に尽きるのだが、今年は何となく帰りに行きたくなり29日からの前売り券を息子にGETしておいてもらった。ウルフェスでいつもチラシはもらってくるのだが、正月はあまり出掛けないのでこれまで訪れたことは無かった。今年で3回目になるという若いイベントだが、昼間帰りがてらに寄るなんて我ながらいいアイディアだと思う。
その昔、ウルフェスは東京ドームプリズムホールで開催されていたが、池袋サンシャインになってから10年くらいたつ。ここを訪れるのは昨年の都市対抗野球以来だなー。。。
交通費を浮かすために、湘南新宿ラインで新宿まで約2時間、改札で息子甘辛と待ち合わせ、あまりガラのよろしくない場外馬券売り場の横を通って会場へ向かった。

入場するといつもの通り数十人のウルトラ戦士のお出迎えだが、その向こうに「キング神社」なるものが設けてあった。なるほど、ウルトラの国伝説の超人「ウルトラマンキング」は打ち出の小槌をもってるからなー。。。皆列を作って二礼二拍手一礼て畏まっている。でもいくら何でも賽銭を入れてる人は・・・って結構入ってるじゃんか!(明らかに営利目的なのに?!)日本人ってホントに色んな場所で小銭を投げる習慣があるよなー。
会場内は中々賑わっている。中のセットはウルフェスに比べて少し小規模だが、お正月らしく絵馬を書いたり、ウルトラセブンに年賀状を出したり、専門家?の指導を受けて書き初めしたり・・・さすがお正月らしい。そうだよな!書き初めするなら「絆」だよね、ネクサス・・・ニセウルトラマンは何を引っ張っているのかわからないだろうが、実は悪のウルトラマン「ベリアル」の凧を上げているんだ。

      

3月に封切される最新のウルトラマン映画はウルトラ史上初の3D映像!早速、前売り親子券を購入しておまけのタオルをGETだ。この映画は最新のヒーロー、ウルトラマンゼロが主役だが、変身するのは「ダイゴ」(私的にはちょっと?)、地球防衛隊はAKB48のメンバが作った全員女性のTeam-U・・・登場する怪獣はグビラにアーストロン、ハイパーゼットンとイマイチしっくりこない取り合わせだし・・・正直多少の疑問はあるが、ダイナのつるの剛士、コスモスの杉浦太陽らも共演し新しい雰囲気を醸し出している。
平成の3ウルトラマンのうち久々の登場ティガと、華やかなガイアに挟まれて少しマイナーな雰囲気があったダイナだが、実は結構名作もあり、つるの剛士が有名になったこともあって最近ではかなりセンターに位置している。ウルトラマンゼロは私の愛してやまぬウルトラセブンの息子、ここ最近のウルトラ映画では圧倒的な活躍を誇っている。予告編のPVでは
「今年でオレのオヤジ、ウルトラセブンは45周年だ!オヤジよ、おめでとう!」何か我が父子と重ねてしまうところがあるなー。
そしてコマーシャル編では秋元才加(やっと覚えたAKB48メンバ)による「足元には気をつけな!」とかます戦闘機シーン。。。この1年、我が部門はずーっと、この言葉を使い続けるのだ。

  

世の中が少し疲弊してきているのか怪獣の世界でも「癒し」が注目されているという。「お隣の怪獣」が流行っているらしい。。。PVで流れているBGMは鳩笛のウルトラマン・・・うーむ。確かにほっこりするなー。いきなりバルタンのマグカップを購入だー。ウルトラデパートを訪れると常に我々はハイテンションモードに突入してしまい、冷静さを欠いてしまう。息子甘辛はもう中2にもなろうというのに、ウルトラマンゼロアイ(変身アイテム)を離そうとしないし、私は疑いも無くカゴにいれてしまうし・・・(妻のあきれ顔が目に浮かぶ)
会場中央にある「ウルトラ光の広場」では、大怪獣バトルの主人公「レイ」の登場で盛り上がっている。この広場を中心にトークショーやらウルトラ音頭やら、中々の盛り上がりを見せるのだ。

    

ウルトラ音頭で太鼓を叩くのはババルウ星人、トークで盛り上げるのはマグマ星人。。。このコンビはウルトライベントに造詣の深いファンならお馴染みの名コンビで、新しくTVKで放映されている「ウルトラゾーン」(これ最高!別途紹介)でも「サロン マグマ&ババルウ」でレアファン向け爆笑シーンを連発している。

    

ぎゃーはっはっは!メトロん星人がこたつに入っている。本編では丸いちゃぶ台を挟んでモロボシ・ダンと向き合ってあぐらをかくんだけどなー。今は冬だから季節感だしたねー。あれれ?バルタンも寝ころんでいるぞ。。。ちょうど周囲はフードコートのように飲み食いできるスペースになっていて、やたらとカレーの香ばしい匂いが充満している。「ゆで卵の目をしたウルトラマンカレー、オレも食いてえなー」売り場に行ってみるとなんと800円!!(ほとんどレトルトよ)・・・やっぱり版権かかってるからかなー。甘辛にはウルトラ肉まんで我慢してもらった。

  

辰年の「龍」の前では何人ものウルトラ戦士が出てきて一緒に撮影会をやっている。今はウルトラマンガイア(スプリームバージョン)か。。。ウルトラマンノアとウルトラマンジャスティスの出迎えを受けてウルトラバトルステージへ・・・ははは。ジャスティスが独楽を手に乗せている。(色んなところでお正月を装っているのだ)40分ほどのライブステージを堪能して会場から出てくると、ナイスとゼアスがウルトラ漫才を披露していた。
ウルフェスよりも規模は少し小さいが、大人(ファンなら)も子供も十分楽しめる。我が父子の新・年末風物詩になること間違いなし。。。