5月の大型連休、子供が大きくなって一緒にやって来なくなっても、何か慣例的に訪れるのが江ノ島である。ここ最近で我々のブームになっているのが、境川河口を挟んで江ノ島と弁天橋を臨む漁港にあるちょっとした芝生広場での「プチ焼肉」である。別に気合を入れて準備をするわけでもない。家にある残り物をクーラーに詰め込んで、途中のスーパーで足らない肉と酒類を買い込み、チャリでひとっ走りである。渋滞もなければ駐車場待ちもない。公園には大きなヤシの木があって、その根っこにシートを広げるのは、こうすると上の葉っぱと幹が邪魔になってトンビが襲って来ないからである。後はおもちゃのガスコンロにフライパンを置いて焼くだけだ。減塩作戦中の我々は、調味料は少量の塩と胡椒、レモン汁のみ。トイレも近くにあるし、酒が足りなくなれば駅前にコンビニもある。今まで、先客があったことは一度もないし、素晴らしいのは目の前で釣りができることである。今年もGW前半、天気のよい日(全部良かったが)を見計らって早速くりだした。弁天橋を渡る長蛇の列を眺めながら焼肉を頬張るのもオツなものである。
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さてこれも毎年のことだが、連休の後半に先日我が家に「進学お祝い会」を行ったお友達家族とも遊びに行くことになった。先日は「発表する子供たち」がいたが、GWはむろんめいめいの予定をもっており、今回は大人だけの集まりとなった。天気も良さそうだから、皆の予定の合う日を選んで、海辺に行こうというのである。ただこの連休中、共通して言えたことだが、午後になると海からの南風がかなり強く砂浜はあまりコンディションがよくないかもしれない。「どこに行くかねえ。いつものヤシの木のところにすっか?」「でも焼肉はフライパンが小さすぎて大人数には向かないよね」「昔、甘辛とよく行った磯はどうだろう?あそこなら釣りもできるし・・・」(私の趣味が多分に入っている)「あの磯場、新港ができてから潮の流れが変わっちゃって、手前から行けないんだよね」反対側の平らな岩畳は?」妻は(あなた、釣りから離れなさいよ)という顔をして「風が強いとキツイよね。あと、トンビの攻撃防げないじゃん」「そんじゃ、ちょっくら偵察に行きますか」行って見てきた方が早いというわけである。
約束の前日、再び我々はチャリをくりだした。今回はあちこち歩き回るから、荷物は小ぶりにして飲食物は全て現地調達としたが、どこに行っても竿を出せるように自ら考案した「携帯フィッシングセット」をリュックに忍ばせておいた。まずは川沿いに134号へ出る途中のハイキングコースにちょっとした藤棚の広場とベンチがあって、地元のオヤジたちがよく屯していたのだが、いつの間にか撤去されてしまっていた。134号を渡って河口付近までの護岸はいつ来てもBBQで賑わっているが、必ずしもイケてる若者ばかりではないし、点とでも張らなければトンビの来襲をかわせない。サーフビレッジを過ぎてサイクリングロード柵の向こう側は広々とした砂浜でハマヒルガオがたくさん咲いている。柵を背負えば辛うじてトンビの攻撃を避けられるが、南風が強まると砂が飛んできてちょっとキツイかもしれない。ここでやるとしたら、私はウエットスーツを着こんでサーフボードを持って来るだろな。また海側には10畳くらいの柵で囲まれた見晴らしスペースがあるが、ここではトンビの攻撃に耐えられないのが実証済だ。
イル・キャンティビーチの前の芝生広場も中々よいところだ。ちょうど7、8人が輪になれるような四角いベンチがいくつかあって景色も素晴らしい。ただここは訪れる人がかなり多く場所取りに苦労しそうなのと、トンビを防ぐ手立てがない。また江ノ島側の釣りゾーンに続くステージはたぶんトンビは襲って来ないが、たくさんの人が場所をキープしていて、花見のように騒がしいのがちょっとネックである。歩いてすぐの堤防先端で釣りができるのが大きな魅力だが。。。ここまで来て我々は新江ノ島水族館の脇にチャリを停めて歩いて本島に渡ることにした。弁天橋は観光客でごった返しており、自転車に乗って渡ることはできないからである。以前、よく磯遊びした岩場も確かに手前の階段からは行けないようだ。人の波の動きにまかせて弁天橋を渡り、とりあえず本島を探索してみようとしたら、何と赤い鳥居の向こう側、弁財天仲見世通りはものすごい行列で人がひしめき合っていて進める状態ではなかったのである。警備の人が「2列又は3列に並んで、押し合わずにゆっくりお進みくださぁい」恐るべしGW・・・
我々は鳥居の手前を左に曲がり、ヨットハーバー方面に歩きだした。この道はいわゆる裏道で知っている人は少ない。真っすぐ歩くと2つの釣具店の前を通り過ぎ、そのまま奥の平らな岩場に出ることができる。天気はよいから暖かいが、やはり島の南側だから強い風が吹いており、波もかなり荒れ模様のようだ。釣りをしている人は多いが、ピクニックのようにお弁当を食べているグループなどは見られない。この岩場から灯台に向かって歩く道にもベンチがいくつかあり、気持ちのよいところだがやはり高台だと風が強くて車座には向かない。先端の灯台付近まで行くと、ウッドデッキが広がるが、やはり状況はあまり変わらず、かえってますます強くなる風のせいかほとんど人がいない。ただ途中に「あそこの公園ならよくないか?」「そうそう、いつも人がいないし、トイレも目の前にあるしね。あとはトンビ対策かな」駐車場の裏のちょっとしたスペースで以前はヨットハーバー区域で確か立ち入り禁止だったのだが、新しい施設になったようである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/64/0c/17a74b0b03f4a429c96e42af6e6bfcc0_s.jpg)
灯台の堤防が風を遮ってくれるのか、湘南港は釣り客でいっぱいだった。むろん私は釣果もチェックして回ったが、どうも指先くらいの鰯か鯖しか釣れていないようだ。私の携帯セットではあまり釣りにならんだろう。我々は公園の柵の外側に陣取って、買ってきた弁当を開けビールで乾杯した。小物釣りを眺めながら一杯というのも中々オツなものだ。のどかな雰囲気で「ま、この辺がいいかな。釣りもできるし」とかなり有力な候補となった。港湾側は釣り客でびっしりなのに、柵一つ隔てた公園にはほとんど人がいない。仲見世通りの超喧噪からは考えられない穴場発見だった。ただここも一応港湾施設の一部らしく、火器の使用は禁じられているので「焼肉」はできない。我々は「やるとしたらこの辺かな」とトンビを防げる場所を探してチェックしておいた。そして最後に訪れた場所こそ、「大人ピクニック」向けに偵察した成果だったのだ。東京2020向けに新しく生まれ変わった湘南港江ノ島ヨットハーバーである。
元は関係者以外立ち入り禁止だったハーバー施設(元々解放されていたのを知らなかっただけかもしれない)だが、事務棟を新しくしオープンテラスのレストランも開店した。オリンピック競技向けに作られているような施設で、屋上からは港に出入りするヨットが眺められる。先端のモニュメントは円形の石段の上に立っており、そこまでは一段高い緑の通りでところどころに石のベンチがあり、円形の屋根のある小屋のようなスペースもある。こちらも人っ子ひとりいない、本島内からは想像もできないのどかさである。恐らく新しくできたばかりで知っている人が少ないからだろうが、妻は一発でここが気に入ったようだった。もう何百回と訪れたお馴染みの島だが「景色がよく、人がおらず、とんびに襲われない」奇跡のようなスポットはまだあるものだと思った。
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さてこれも毎年のことだが、連休の後半に先日我が家に「進学お祝い会」を行ったお友達家族とも遊びに行くことになった。先日は「発表する子供たち」がいたが、GWはむろんめいめいの予定をもっており、今回は大人だけの集まりとなった。天気も良さそうだから、皆の予定の合う日を選んで、海辺に行こうというのである。ただこの連休中、共通して言えたことだが、午後になると海からの南風がかなり強く砂浜はあまりコンディションがよくないかもしれない。「どこに行くかねえ。いつものヤシの木のところにすっか?」「でも焼肉はフライパンが小さすぎて大人数には向かないよね」「昔、甘辛とよく行った磯はどうだろう?あそこなら釣りもできるし・・・」(私の趣味が多分に入っている)「あの磯場、新港ができてから潮の流れが変わっちゃって、手前から行けないんだよね」反対側の平らな岩畳は?」妻は(あなた、釣りから離れなさいよ)という顔をして「風が強いとキツイよね。あと、トンビの攻撃防げないじゃん」「そんじゃ、ちょっくら偵察に行きますか」行って見てきた方が早いというわけである。
約束の前日、再び我々はチャリをくりだした。今回はあちこち歩き回るから、荷物は小ぶりにして飲食物は全て現地調達としたが、どこに行っても竿を出せるように自ら考案した「携帯フィッシングセット」をリュックに忍ばせておいた。まずは川沿いに134号へ出る途中のハイキングコースにちょっとした藤棚の広場とベンチがあって、地元のオヤジたちがよく屯していたのだが、いつの間にか撤去されてしまっていた。134号を渡って河口付近までの護岸はいつ来てもBBQで賑わっているが、必ずしもイケてる若者ばかりではないし、点とでも張らなければトンビの来襲をかわせない。サーフビレッジを過ぎてサイクリングロード柵の向こう側は広々とした砂浜でハマヒルガオがたくさん咲いている。柵を背負えば辛うじてトンビの攻撃を避けられるが、南風が強まると砂が飛んできてちょっとキツイかもしれない。ここでやるとしたら、私はウエットスーツを着こんでサーフボードを持って来るだろな。また海側には10畳くらいの柵で囲まれた見晴らしスペースがあるが、ここではトンビの攻撃に耐えられないのが実証済だ。
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イル・キャンティビーチの前の芝生広場も中々よいところだ。ちょうど7、8人が輪になれるような四角いベンチがいくつかあって景色も素晴らしい。ただここは訪れる人がかなり多く場所取りに苦労しそうなのと、トンビを防ぐ手立てがない。また江ノ島側の釣りゾーンに続くステージはたぶんトンビは襲って来ないが、たくさんの人が場所をキープしていて、花見のように騒がしいのがちょっとネックである。歩いてすぐの堤防先端で釣りができるのが大きな魅力だが。。。ここまで来て我々は新江ノ島水族館の脇にチャリを停めて歩いて本島に渡ることにした。弁天橋は観光客でごった返しており、自転車に乗って渡ることはできないからである。以前、よく磯遊びした岩場も確かに手前の階段からは行けないようだ。人の波の動きにまかせて弁天橋を渡り、とりあえず本島を探索してみようとしたら、何と赤い鳥居の向こう側、弁財天仲見世通りはものすごい行列で人がひしめき合っていて進める状態ではなかったのである。警備の人が「2列又は3列に並んで、押し合わずにゆっくりお進みくださぁい」恐るべしGW・・・
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我々は鳥居の手前を左に曲がり、ヨットハーバー方面に歩きだした。この道はいわゆる裏道で知っている人は少ない。真っすぐ歩くと2つの釣具店の前を通り過ぎ、そのまま奥の平らな岩場に出ることができる。天気はよいから暖かいが、やはり島の南側だから強い風が吹いており、波もかなり荒れ模様のようだ。釣りをしている人は多いが、ピクニックのようにお弁当を食べているグループなどは見られない。この岩場から灯台に向かって歩く道にもベンチがいくつかあり、気持ちのよいところだがやはり高台だと風が強くて車座には向かない。先端の灯台付近まで行くと、ウッドデッキが広がるが、やはり状況はあまり変わらず、かえってますます強くなる風のせいかほとんど人がいない。ただ途中に「あそこの公園ならよくないか?」「そうそう、いつも人がいないし、トイレも目の前にあるしね。あとはトンビ対策かな」駐車場の裏のちょっとしたスペースで以前はヨットハーバー区域で確か立ち入り禁止だったのだが、新しい施設になったようである。
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灯台の堤防が風を遮ってくれるのか、湘南港は釣り客でいっぱいだった。むろん私は釣果もチェックして回ったが、どうも指先くらいの鰯か鯖しか釣れていないようだ。私の携帯セットではあまり釣りにならんだろう。我々は公園の柵の外側に陣取って、買ってきた弁当を開けビールで乾杯した。小物釣りを眺めながら一杯というのも中々オツなものだ。のどかな雰囲気で「ま、この辺がいいかな。釣りもできるし」とかなり有力な候補となった。港湾側は釣り客でびっしりなのに、柵一つ隔てた公園にはほとんど人がいない。仲見世通りの超喧噪からは考えられない穴場発見だった。ただここも一応港湾施設の一部らしく、火器の使用は禁じられているので「焼肉」はできない。我々は「やるとしたらこの辺かな」とトンビを防げる場所を探してチェックしておいた。そして最後に訪れた場所こそ、「大人ピクニック」向けに偵察した成果だったのだ。東京2020向けに新しく生まれ変わった湘南港江ノ島ヨットハーバーである。
元は関係者以外立ち入り禁止だったハーバー施設(元々解放されていたのを知らなかっただけかもしれない)だが、事務棟を新しくしオープンテラスのレストランも開店した。オリンピック競技向けに作られているような施設で、屋上からは港に出入りするヨットが眺められる。先端のモニュメントは円形の石段の上に立っており、そこまでは一段高い緑の通りでところどころに石のベンチがあり、円形の屋根のある小屋のようなスペースもある。こちらも人っ子ひとりいない、本島内からは想像もできないのどかさである。恐らく新しくできたばかりで知っている人が少ないからだろうが、妻は一発でここが気に入ったようだった。もう何百回と訪れたお馴染みの島だが「景色がよく、人がおらず、とんびに襲われない」奇跡のようなスポットはまだあるものだと思った。
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