超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

年の瀬に

2010-12-23 10:10:43 | 出来事
今年も残すところあと1週間となった。
毎年、年齢を重ねるごとに生きてきた時間に対する1年間の比率は相対的に小さくなるから、その時間を「早く」感じるのは自然なことである。(いかにもリケイドの理屈だね)
今年を漢字で表わすと「暑」だそうだ。確かに真夏の暑さは半端ではなく、また期間的にも「秋」を飲み込んでしまうほどの猛威だった。
暑さ寒さがそのまま1年を表す「字」となってしまうというのは、それだけ平和だということだろな。

さて、思いだすと自ら心がけてきただけに今年も「ひょんなこと」には事欠かなかった。
「人にきっかけを作れる人になる」と自画像を描いて小学校を卒業した息子甘辛も未だ成長期の兆しが見られず、合唱祭では女子列に交じって「ボーイ・ソプラノ」というパートだったらしい。

「ボーイズ・ソプラノじゃねえんだぜ。つまりオレ、一人・・・」別に気にしてはいないようだ。人類学上、成長期を迎えなかった例はないはずだよ。(これもリケイド系理屈)

私にとっての1年はありきたりだが、「驚」だろう。。。
この歳になって新天地へ転勤、一人暮らしというのはインパクトが大きい。波もなければ海釣りもできないゴルフ場ばかりの街、電車のあまり走っていない「温泉の国」。
正直、あまり最初はこの異動を歓迎していなかった。しかし月日を重ねて行くにしたがって、これまで同様だったら「出会わないであろうひょんなこと」の宝庫であり、周りの個性溢れる人々といい、県内いたる所にある名所といい、またとない「経験」であると思った。
今更ではあるが「そういう機会」でもないと見ることすらない、というものはたくさんあるものだ。

日本全国そんな形で渡り歩けたら、知らないよりは豊かな人生がおくれるんだろな。犯罪又は背徳でない限り、世の中の物事はすべからく「経験しないよりも経験するほうが優れている」と常に思っている。。。
「観光」とは異なる「住み働く」ことによる経験の積み重ねというのを感じ、今いる地方にだんだん惹かれつつある自分を発見するのが「驚」でもあった。。。
来年もまた、この新天地でどんな「ひょんなこと」に出会うのか、それが楽しみだ。

今現在ではないのだが、お気に入りのサイトでは主役の先生がいくつかの著書が挙げられ、「これらの本のどれかを呼んで、『日本人が失ったもの』というタイトルで思うところを書きなさい」という宿題をゼミ生に課したと、いうのを見て奮い立った。。。
ちなみにその著書は次のとおりだ。

森鴎外『渋江抽斎』
森銑三『明治人物閑話』(中公文庫)
谷崎潤一郎『陰影礼賛』
中島敦『山月記・李陵』(岩波文庫)
吉田満『戦艦大和ノ最期』(講談社学術文庫)
夏目漱石『虞美人草』
樋口一葉『たけくらべ』
太宰治『お伽草紙』

なかなかピンと来るところがなく、「戦艦大和の最期」という著書だけ何となく響くところがあったが明確に何か書けるかというとそこまでは至らなかった・・・
そして「実写版ヤマト編」でそのことをこのサイトで記述した際に、「長嶋さんの天覧試合サヨナラ」に匹敵する尊敬すべきヒット(ホームラン)に出会ったのだ。
「日本人が失ったもの」は「はしたないと思う心」だというのである。
これこそ本年最大最高の「ひょんな」「驚」であった。
何となく薄々と感じながら言葉にドンズバ言い表せない、「ものごと」とはたくさんあるものだ。だからこそ思わず膝を打つようなヒット名言に興奮するのである。

雷鳴のように「轟いた」その言葉をキーワードで改めて考えると、私はかなり辛辣に「はしたない」と感じることがわかった。もしかしてかなり「EかっこC(死語)」かもしれぬ。
最近使った記憶があるのは2回ほどだ。。。

進捗がイマイチ芳しくない工事についてマネージャーから年末年始も継続作業を要請しようか、と提案されたとき・・・
「自分が休みに入ってるのに、他人に正月も働かせて成績上げようってのは『はしたない』からやめたら?」
とあまり考えずに言ったら、同業者思いのスティーブはなぜか感激したらしく「御意!」と大きくうなずいた。
その後あちこちで言いふらしてるらしい。。。

新入社員との意見交換&勉強会で、以前聞いたレポート発表に対し・・・
「レポートは学術論文のようにちょっとでもいいから他人の参考になるものであってほしい。そのためにまずは事実と考察だけを簡潔にまとめること。自分が「どれだけ苦労したか」を殊更に書く必要はない。それは恋人へのクリスマスプレゼントにレシートを付けて渡すようなもので『はしたない』行為だと思ってね」
最近こういう偉そうに説教たれるシーンが多くなってきた。そういう年齢なのかもしれないが、ごくたまにメールをくれる友人が「昔、よく酔っ払って説教された」と繰り返すのにドキリとする。
それこそ最悪の「はしたない」ことなので気をつけねばなー。。。

さて今年も「ひょんな機会を大切に」色々なことを起こし、話題に取り上げてきたが、最後になって我ながら「そこまで意表を衝くことないんじゃない?」と思える「とほほな」事態が発生した。
入院して手術を受けるハメになってしまったのである。(大して心配はいらないと思うんだがねー)
お陰さまで、恒例の正月用メジナ釣りも波乗り納め&乗り初め、家族麻雀大会も蹴り初め&箱根駅伝もパーだよ。。。誰か慰めて・・・

と、言うわけで「超兵器」の年内投稿はこれで終了です。新年の再開は早くしたいがちょっと未定・・・
皆さんに素敵なクリスマスとエキサイティングな新年が訪れますように。
今年もご愛顧ありがとうございました。

エコ検定

2010-12-22 10:00:55 | ホビー
環境社会検定試験(eco検定)というものを受験した。
公的な認定試験はTOEICを除くといつ以来になるのだろうか・・・?実は前回(第8回)に申し込んでいたのだが、転勤直後で色々避けれらない予定が入り、泣く泣く放棄したのである。年2回の試験で今回9回目だからかなり新しい制度だ。たしかズームインの西尾由佳里さんも初回あたりで受験し見事突破したのを放映していた。
受験対策セミナーも各地であるらしい。勤め先が「ECO」をスローガン?にしていて奨励していることもあり、近年社内でも受験する人が増えた。
公式のテキストがあり、過去の問題も流通している。私もかなり前に既に合格済みのエイトマンからどっさり教材を与えられていたが、むろん引き出しの中で埃をかぶっていた。。。

こちらはこの前の「社内資格試験」のように「丸覚え」だけでは通過できない。(そもそも出題範囲が広すぎて「丸覚え」自体ができない・・・)
「試験勉強」など何年ぶりだろう。。。息子甘辛の定期試験問題など自分に何の影響もないから、勉学好きの私には「ただ楽しい」だけだったが、今回は合否がちゃんとあるから、遊んでいるわけにもいかぬ。
使い古しなのがイマイチだが、結構わくわくするものだな。
どんな分野があって、どんな内容の構成になっているか感覚的に知るために、ざーっと流して1回読んでみる。この時点で私にとっては相当手強いことが判明する。
ただ第一章「持続可能な社会に向けて」という単元から、エコに関する興味深い話題が飛び込んできた。こんな感じだ・・・

世界がもし100人の村であったら

「52人が女性で48人が男性です。」
「20人は栄養がじゅうぶんではなく1人は死にそうなほどです」
「でも15人は太り過ぎです」
「すべての富のうち6人が59%をもっていて、みんなアメリカ合衆国の人です」
「74人が39%を20人が、たったの2%を分けあっています」
「すべてのエネルギーのうち20人が80%を使い、80人が20%を分けあっています」
「75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐところがありますでも、あとの25人そうではありません」
「17人は、きれいで安全な水を飲めません」

作者不詳のEメールと言われるこのくだりは、この勉強を始めるにあたってすべての根源となる理念なのだろう。
そして私たちの住む地球という天体の事柄へ進む。。。。
年齢、直径とか陸地と海洋の比率、大気の成分、気候の種類などなど・・・リケイド(理系だった)である私には「へなちょこさいさい」な分野で、ほぼすべて答えを見なくてもわかる。面白いのは地球カレンダーだ。あらためてスケールを考えるとじつに面白い。

 1月 1日 午前 0時 原始地球誕生
 1月12日       月の形成
 2月 9日       海の誕生
 2月25日       最初の原始生命誕生
 9月27日       多細胞生物の登場 
11月14日       このころからオゾン層が形成され、有害な紫外線を遮るようになる
11月20日       魚類の出現
11月27日 午前 4時 生物の大量絶滅が起こる12月13日       恐竜時代始まる
12月26日 午後 8時 17分ごろ巨大隕石が地球に激突して恐竜が絶滅
12月31日 午後 4時 原人アウストラロピテクス出現
       午後11時 ネアンデルタール人
       午後11時59分58秒 産業革命 
つまり我々が問題とするエネルギーの大量消費は地球のカレンダーで言うと、1年の終わり2秒前から始まったとして、教科は続く。うーむ。実に面白い。。。こういうの大好きだ。しかし、私の誕生日前後に「生物大量絶滅」かよ・・・縁起悪し。。。
ちなみに地球が2cmのボールだとすると月は約60cm先、金星までは100mちょっと・・・なんて関係ないところまで空想が発展してしまう。
しかし教材はこの後、環境と経済・社会、暮らしなどという退屈極まりない(実はここが一番大事!)話に進んでいくのである。

スキーなどと同じで20年ブランクがあっても若いときに見に付けたものはすぐに甦る。
同様に一般知識なども社学校の社会で習ったことなら、頭に残りかすがあるからすぐに再び覚えられる。
苦戦するのは最近になって開かれた会合や条約、その参加国や開催都市、そして肝心な決めごとの内容などである。
全く自分の頭脳が硬直化し始めているのを痛感する。昔受験勉強で使った「連単」(英単語連想記憶術)のように「ゴロ」でやらないと覚えられないのである。。。
かなり広範囲だからなー。過去問見て「傾向と対策」練ってヤマ張るしかないな。

勉強する時間がないわけではなく、ホントに覚えられないのである。
しかし前日に一通りの学習教材をやり終えて、いい訳ではないが、ある境地に達した。恐らくこれだけ勉強すれば環境問題に関する意識はずいぶん高まるだろう。
大事なのは一人でも多くの人が今抱える問題をちゃんと認識し、「その気」になることである。その意味では単純な私は十分すぎるほど「その気」になってしまい、環境を考えない行為にものすごい違和感を感じるようになってしまった。

その中で自分に不足していると感じたのが「旬産旬消」という季節をちゃんと意識して旬のものを口にする、ということである。
四季を通じて食材が店舗に並ぶのが普通である。だが旬でない食材を供給するには余計なエネルギーを投じ、栄養価も低い「エコでない」食生活だというのである。
私は「舌のしきい値」が低いこともあるのか、哀れなくらいに「食材の旬」を知らない。
また「身土不二」という仏教用語を覚えた。身体(身)と環境(土)を二つに分かつことはできず、人間は住んでいる所の一里四方の物を食べて暮らすのが健康によい、というものだそうだ。
日本中の美味しい物を食べたいが、やはり美味しいものは美味しい時期に、それも地元で獲れたものを中心に口にするよう努めよう。
環境教育はいわゆる人格形成にもずいぶん大事なことを教えていると思う。
その昔、子供の頃、私が生まれ育った茅ヶ崎では汚くて川に魚など住んでいなかった。。。
我が家の前の川も少し上流に大きな工場が二つもあったからおそらくそうだったろう。
さすがに海で投げ釣りすると魚は釣れたが「小鮒釣りし・・・」という田園風景にはほど遠く、せいぜい「ザリガニ」であった。
それが今、目の前に釣り糸を垂れるとボラにシーバス、ハゼ、手ナガエビに鯉、そしてウナ吉までもが住める「生き物銀座」にもなったのである。

人間の努力も捨てたものじゃないぞ。息子甘辛たち次の世代に残してやるためにもこれからは間違いなくエコの時代だな。

県人会

2010-12-16 13:00:50 | 職場
かなり前の話だが・・・この職場では飲み会とお出かけの話題ばっかだなー。
人によって濃い人とそうでない人がいるのだが、我が社には伝統的に故郷、長期間勤務、又は持ち家などでその土地の馴染み(思いの)深い人たちで作られる「県人会」なるコミュニティがある。
企業でなくても、例えば東京では「○○県出身者の会」というのは地方県によってはちゃんとあるようだ。
親元を離れ一人上京(今では死語?)して頼る者もなく「都会の荒波」で頑張る若者への応援歌というところか・・・「木綿のハンカチーフ」の世界かな。

我が地方圏でも立派にこの文化は継承されているそうだ。
年に1回、地元で会員による盛大な「県人会」が催されるのである。それはそれで結構なことでどうぞおやりになればよいのだが、具合がイマイチなことに私は思い切り担ぎ出される羽目になる。
どう考えても関係ないのだが(郷里でもないし・・・)職務上「人事」というノーギャラの厄介な仕事の総責任者となっているからである。(最近ネタバレしてきた)

しかも年に1回の県人会ではその「キーマン」が講演することになっていると言う・・・
まったく迷惑(もとい!光栄)な話だ。この地方に来て半年もたたない人間に、その地方出身者へ何の話をすれば喜ばれるのだろう?
故郷を何年も離れて(って言ってもせいぜい東京とかだろ?)仕事をする「お仲間」には、やはり最近、この地方では何が起こっているのかを伝えるのがいいであろう、と先般トップ経営者が使った下期事業計画の話をそのままパクることにした。

1時間ほどの講演が予定され、もちろんその後はそのまま「懇親会」である。あまり興味のない私もそのくらいはわかる。皆、その懇親会で「どうか私を郷里へ!」とアピールする目的なのだ。
まあ・・・詳しいことはどーでもいーだろ。。。なんて軽く考えていたら、甘かった・・・
30人弱なので、聴衆は全然問題ないのだが、どの人も「血走って」聞いているのである。
「故郷」がどういうことになっているか真剣に聞きたいのか、「オレの真面目さを買ってくれえ」と言っているのか定かではない。。。
あまりに熱心にうなずき、時にはメモまで取ってる人がいたので、思わず私は教授風に「はい、じゃあそこのキミ・・・」と指差ししたくなった。

無事に(どうでもいい)講演が終わり、県人会会長(本社勤務)は「ホンットにありがとうございますっ!」と紙袋を手渡してくれたが、中身は「東京ば奈々」・・・だからオレ、東京じゃないんだけど。。。
その日も金曜日だったから、とっとと会場に向かった。(だから金曜日に飲み会入れるなってんだよ!)
最近この手の飲み会でオフィスの「食堂」で飲み会に参加する機会が多くて気づいたのだが、「時間になって主賓やら主役が来るのを待たず『練習』を始める」文化らしい。
前々回あたりだ。。。案内された開始時間よりも30分も早いのに「何となく」練習=仮本番が始まってしまうのである。
ふ、ふーん・・・嫌いじゃねえからな。入り口近くで私もいきなり酒を飲み出した。

時間になって(正式に始まり)、会長の挨拶に続き乾杯の発生をかまして、いつも出る好物「〆張鶴」をきゅうきゅういっていた。。。
私と同じ異邦人の番頭、いつも冷静に裁くOちゃんは別件でトップマネに拉致され不在、地元の長老、スティーブやエイトマンは普段会えない同郷の後輩を懐かしみ思い出話に予断がない。
ただこの前のKickOffでもそうだったが、明らかに「よそ者」の私がその地方独特の「驚き」を語るのはすんごく興味があるようだ。
皆が大喜びした「この地方に来て驚いたこと、面白かったこと、そして方言なのか?!」

驚いたこと
・まず第一は「雷」だな。店の中まで轟く響きと真昼のように明るくなる空は「ヤマト完結編」よりもすごかった。
・人口が我が街と同じようなもんなのに、やたらめったら車が多い。公共機関の発達していない地方独特の感覚か?!信号待ちなんてはっきり行って「人よりクルマを大事に」しているようしか見えない。
・新生活とは?!何度か葬儀会場に社の代表として参列しに行ったことがあるのだが、香典の受付に「親戚」とか「一般・会社関係」の他に「新生活」というのがある。
新生活?一体何のことだ?最初は「仏様があちらの世界で新しい生活を始める資金という意味?」とまじめに考えていた。
聞くとどうも「香典を少なくして香典返しを辞退する」簡素化運動の名残りのようだ。

面白かったこと
・うどんがうまい。。。(もとい!うどん自体よりも絡める汁がうまい。)我々が慣れている讃岐うどんのような「もちもち」ではなく太くて硬くて粉っぽい。。。しかし汁と具は最強と言ってよいほど美味しい。
・「パスタの街」と言われているらしい。要するに「麦の街」ということか・・・もともとスパゲティを食う習慣はあまりないし、「サイゼリヤ」を超すのは難しいんちゃうかー?(何故か関西弁)
・あちこちに秘伝のタレがあるらしい。特に鶏肉に関してよく見る。スティーブも秘伝のタレを売る店を使っていたし、坊屋サブロー氏は自家製のタレを振舞っていた。
協力会社へ呼ばれて「安全講話」をしたり、防災演習などに参加すると必ず出てくるのが、「登利平」という店の「鳥めし弁当」これは実にうまい

方言なのか?!
・「よいじゃない」。。。[あたしんち」の戸山さんのように「いいんじゃなぁい」という相槌ではない。何となく文脈からすると「大変だぁ」という意味っぽかった。発音だけからすると明らかに「宵じゃない」なので意味不明だった。秀子女史に聞いたのだが、「簡単ではない」=「容易じゃない」という事だそうだ。
・「ん」。。
この地方の人たちは「ん?!」という音を魔術のように使い分ける。
まるで「あたしんち」に出てくる三角目の「水島サン」の「マアっ」のようなものだ。

「これって食べれるン?」「こうやれば出来るン」「いつもそんなネクタイ着けてるん・・・」」
「そら、違うと言ってるン」「ソレ、結構おしゃれだと思うン」

そのうちに「お立ち台」にたっての「自己紹介」が始まった。同郷や同年代が多いから、必ず冷やかしや間抜けな合いの手が入って爆笑となる。
後ろからスティーブが

「名札に★がいくつかついてるでしょ?何だかわかります?」

結婚した回数・・・じゃないよねえ。。。次に立った人は8つついてるもんなー。
ビール何本までOKとか酒の強さを表す?転勤した回数?スティーブは「惜しい!」と言いながら噴き出した。
この県を離れた年数なんだって。なーるへそ。この会の目的?!からするとそうだわな。

少し老けた小ぶりのバード羽鳥に似た人が、一升瓶を持ってなみなみとお酒を注いでくれた。顔は笑っているが、目が笑ってない・・・

「磯辺さん!来年はそろそろお願いしますよー」

「だって★1.5個じゃーん。もっと先発隊がいるんじゃないの?」よく名札を見ないで冷やかしたら

「★でかいでしょ?これ10年なんですよ!今年で11年目ですよー」

な、なるへそ。。。小さい★10個で、でかい★か・・・
東京ばかりだった私は生まれ住んだ街で勤務したい、という感覚があまりよく理解できない。平均年齢が高いからかなー。
「故郷は遠きにありて思うもの」だと何となく感じるんだが。。。

この地方の人は「外から来た者に暖かい」と思う。
「ねえねえ、こっちの人ってさー、『何とかカンとかーるん』ってよく言わない?」と無邪気に尋ねると「そうなん、そうなん!」大喜びするのだ。
私は神奈川県人会(ってとりあえずあるらしい・・・)の会員ではなぜかないし、地元自体が新興なので「外の者」という感覚なないが、卒業するときにこの地方の県人会メンバーにはしてもらいたいと思うなー。

最果てからの帰還

2010-12-13 05:18:16 | 旅行お出かけ
猿ヶ京温泉の一夜が明けて・・・目が覚めたらちゃんと布団の中で寝ていた。(って覚えておらんのかいっ!)
このメンバーで宿泊出張などしようものならいつもこんな感じだ。
それでも習慣として朝の早い私は誰よりも早く起き上がり、朝靄の露天風呂へ向かった。
少しぬるめでいい感じの湯だ。これから数ヶ月、プロジェクトが佳境になってくるので、県内隅々それこそ最果ての地まで歩き回ることになろう。。。

     

エイトマンは昨晩、宿に向かう途中で国道を群れで渡る「野生の猿」を見た、と騒いでいた。番頭さんはこの宿にも結構現れるという。屋根の上を家族連れで結構歩いているそうだ。
少し前は「噛みつき猿」と言ってニュースになっていたな。「猿知恵」とは言え、彼らはたぶん悪くはないんだろな。
宿を出て、ほとんど最果ての現場に向けて出発だ。保全系の打合せに向かうスティーブ軍とは別れ、エイトマン、ニカウらと一緒に冬季は閉鎖されてしまう道路を進む。
枯れ葉が道路を充満しているところがあり、スリップに注意だ。県境にある「谷川岳」が雪をかぶって雄大な姿をのぞかせているぞ。空気が澄んでいるから美しい風景だな。

     

しばらく行って、日本有数の「ロックフィルダム」という特殊構造ダムが現れた。石や砂利を積み上げて構築するまさしく「ピラミッド」のようなダムである。
うーむ。。。私には建築構造のことはよくわからないが何となくすごいものを感じる。初めて見たが、建築家には垂涎ものの眺めであろう。
上から眺めてもなかなかすごい景観だ。展望施設もあるのだが、とっくに冬季閉鎖されている。
エイトマンはあちこち忙しく歩き回っていたが、残雪(氷)ですべって「トムとジェリー」のトムのように滑りまくって足を回転させていた。
まあSAJスキー検定1級を持っているというから心配ないだろ。。。。

      

現場はそこからさらにスキー場付近まで進んだところだ。
Xマス電飾用特殊作業車も近くまで出動していたが、雪が少しあり念の為待機しているだけのようだ。
そのあたりは「みなかみ温泉」と言われる地域で、その昔グループでスキーに足を運んだところである。
県内ではかなりの豪雪地帯で2メートルくらいは平気で積もる地域らしいが、幸いに今年はほとんど雪がない。。。
やっぱり地球温暖化はホントに進んでいるようだなー。(その話題はまた今度)

工事の状況や安全の確認、今後のスケジュールなどを打ち合わせて、拠点事務所へ向かう。
山道で信号待ちしていると、隣のエイトマンが叫んだ。。。

「ぬおおっ、猿がいるぞ!」

ちょっと左向くと、ホントだ。子供猿までいるぞ。車を降りてみたら、なんとその山の傾斜部分だけで10数匹がいるようだ。
でも警戒しているのか、IXY君片手に近づくとみんなそろそろと逃げてしまう。。。
あまり悪さをするようには見えぬがな。。。
宿の番頭さんが言うには「うん●」が超弩級に臭いらしい。。。まあ・・・霊長類だから人間に近いもんな・・・

     

現場は氷点下2度くらいだったが、事務所は街中にあるのでだいぶ暖かい。
再びスティーブと合流し、打合せを済ませて今度は県の最東端に向かって出発した。
私が初めて受験する社内資格試験会場に向かうためである。。。(あまり書きたくなかった・・・)
その試験の内容とは言わば「自動車整備士」に近いものだ。いわゆる施設、システムの健全性や故障状況を把握・診断するようなものだ。
スティーブなんてのはその道の「主」と言ってもので「へなちょこさいさい」(高度な死語)だ。

しかしリケイド(理系だった)とは言え、そういう仕事に従事した経験の無い私にはテキストを見てもさっぱりわからなかった。。。
微分方程式も出ないし、カリフォルニア巻のアボガドロ数も出ない・・・正直行って、昔学んだモノなど何一つ登場しない。。。
まあ、それはそれでよいのだ。勉学は「知的潜在能力を開花させる」ためにある。
しかし入社2年目のAKBはあまり仕事に関係ないのに難なく通過したのだ。認定証を渡してやったから覚えている。

どちらかというとあまり業務に「関係ない分野」の人が知識を蓄えるための「初級コース」だ。立場上、総本山とも言える私が落っこちたら洒落にならんぜ・・・
「総力をあげてオレを合格させて」
メンバーはその道のプロとも言える人間ばかりなんだが、前の晩飲みながら騒いでも誰も相手にしてくれない・・・
優しいスティーブは「試験会場には開始1時間前に着きますから勉強してください」と言っていた。

昼食はこの前「臨時休業」だった「馬鹿旨」というラーメン屋だ。
すごく有名な所で土日には観光客が行列を作るそうだ。名物は「トマトラーメン」、ほとんどの客が注文するらしい。
12時前に来店するが既に満席に近い状態だ。朝分かれた隊長、赤兵衛、さのっちが既にいた・・・
うーむ。。。興味はあるんだが、飲み過ぎであまり胃の具合がよくないときに「トマトラーメン」というキワモノは・・・
しかし次にいつ来れるか分からないから勇気と好奇心を持って注文した。結果は。。。

     

一言でいうとズシリと重みのあるメニューだ。麺はパスタのように太くてコシがある。
パルメザンチーズがたっぷり乗っかってヘビー度を増している。
味は簡単だ。トロミのついた「ミネストローネ」。
「トマトが苦手」というスティーブは広東麺を注文していた。だったら「うどん屋」にすればいいのに・・・
トマト味、旨いには旨いのだが途中で別の味が欲しくなる感じだ。次はないかもな・・・

高速を飛ばして県の最東端にある研修センターに1時間半前に到着、スティーブはそこでオフィスに戻って行った。
帰りしな・・・

「プレッシャーかけるわけじゃないけど、これまで落ちた人、二人しかいないんですよ」

うーむ。他人ごとだと思いやがって。。。
会場には顔見しりがたくさん来ていた。「過去問」を持っている人がいたから、テキストに書き込んで必死に覚えた。
30分ほどすると前の時間でもっと難しいコースを受験していたエイトマン、ニカウ、でかさんが出てきた。

「問題変わっちゃうから100点取っちゃだめですよ」

そういう問題じゃないんだけど・・・しかし幸いにもよく似た内容で出題されたので、「丸覚え+出題者心理読み」により全部できた。
あー疲れた。。。丸二日不在にしていたので、一緒に受験した初登場マッチとオフィスへ帰還する。
戻って仕事をしていたスティーブはニヤニヤしながら「どうでした?」

私もニヤリと笑い「3つほど間違いを入れておいたよ・・・」
エイトマンは先程疲れ切った顔をして帰っていった。スティーブは昔の仲間と今日も飲みに行くという。。。
私もようやく回復したからジムで汗を流し、日帰り温泉でデトックスと行こうか・・・

X’マス電飾用特殊作業車

2010-12-12 08:45:44 | 旅行お出かけ
不思議に「ひょんなこと」とはあるものだ。秋口に私の上司がある「部会」で講演する機会があり、技術系責任者である私は問答用についていった。
懇親会があったのだが、その中に数年前我が社を引退し今の会社の理事に就任したという方がいた。
どうもしきりに親しくしてくれたのだが、県内にその会社自慢の工場があるから、ぜひ見に来いと言うのである。
その工場が・・・スーパーお洒落マダム小夏さんのクリスマスイルミネーション取付用アウトリガー付き作業車の組み立て工場だったのである。

アウトリガーとは車体の横に付属し、高所作業用アームとかクレーンで重量物を持ち上げたりするときにタイヤの接地面だけで車が移動しないように固定するジャッキのようなものである。
近々の経験では「はしご車」がまさしくそれにあたる。
かなり県北(もう少し走ると苗場スキー場)に位置する工場は、ジャストインタイムの生産方式を誇り、研修や作業訓練施設も併設されていると言う。
電信柱の電気工事や建設現場、屋外からの撮影用など多岐にわたる用途の「高所作業車」を中心に生産している広大な施設である。

職務上、関係なくはないが、さすがに「見学のため」だけにほぼ丸1日かけることはできない。
ところが先方が候補日として提案していた日にたまたま、その方面に赴く用事がいくつも重なったのである。
まず半期に一度、日頃協力いただいている関連会社に感謝状を贈呈しにトップの代理として伺う事務所が途中に2か所あった。
また今、取り掛かっている整備プロジェクト関連で廻らなければならない事務所、現場がありこの機会にざーっと行ってしまおう、ということになった。
各拠点の責任者もプロジェクトに関連する作業上の確認等があり、結局総勢10名ほどが1泊2日で移動する大イベントになってしまった。。。

第一次見学メンバーはこのサイトにもよく登場するようになった、スティーブ、隊長そして初登場やーさん、クマ、赤兵衛、さのっち、そして夕方の現場検査、安全確認でエイトマン、デカさん、ニカウと合流だ。
朝の7時半にスティーブがマンションに迎えに来てくれた。
最初の目的地は先日「収穫祭」が行われた事務所、次はそこから高速で45分ほど進んだオフィスビルである。
一応、社の代表ということなので、それこそ先日キムタクが護衛艦に体験乗艦したときのように、ずらりと従業員が並んでいてあまり居心地のよいものではない。
「お茶でも・・・」ととにかく引き留められるが「次があるから」ということでスティーブと早々に脱出した。

特殊作業者組立工場はそこからさらに高速で40分ほどのところだ。
まず、巨大な半ドーム?型の操作場が目についた。雨天でも作業訓練ができるということか。。。
私とスティーブに加え、ほぼ同時に赤兵衛、クマ、さのっちがそれぞれの拠点から到着した。最後に黒塗りのクラウンにサングラス姿のやーさん(そのまんま)が現れメンバ全員そろったのである。
理事のOさんに案内され会議室に招かれたが、いきなり入口に高所作業車第一号が展示されていて驚いた。
その車ではさすがにないが、スティーブたちはその昔、似たような(どんな?)作業をしたことがあるらしくて、大喜びだ。エントランスでずーっと昔話に花を咲かせていた。

   

数十分のプレゼンを受け、意見交換した後工場の見学だが、残念ながら機密保持のため工場内での撮影は禁止だったのだ。
だから写真はないのだが、ライン毎の組立て管理・制御など実に興味深いものだった。
形あるモノが出来上がって行く工程というのは見ていてわくわくするものだ。私もこれまでに実際扱う装置のラインを何度か見学させてもらったことがあるが、コンピューターものって「基盤と箱」ばかりなので正直さっぱり面白くないのである。
別の棟に移動する際に誇らしげにブーム(バケットを乗せて伸びあがるアーム)を伸ばして並んでいる完成車が見えた。

        

「あれは写真撮ってもいいですか?あのずらっと並んでるのは何か誇示してるんですかねえ・・・」

「全然結構ですよ。いいえ。あれも最終検査の一部なんです。油圧系統に漏れなどがあるとブームが下がってきてしまうんです。」

なるほどねえ。3つ目の向上を見学して外に出てくると、例の操作場に最新式のバケット(バスケットじゃないよ)車が準備されていた。
新開発の小型バッテリーを使用し、エンジンを停止していてもブームを伸ばしたり回転したりできるそうだ。住宅街で使ってもすごく静かで評判がいいんだって。
(これなら小夏さん邸のクリスマスドレスアップに最適だなー)
ただしバケット重量は200kgだという。クマは103キロでやーさんも同じくらいあるから二人同時には乗れないじゃんか・・・
私はむろんトップバッターでやーさんと乗り込んだ。やーさんは高さ10メートルまで一気に上げていく。。。

    

この前乗せてもらったはしご車は7メートルだった。さっすがに恐ろしいぞ。。。何せ垂直だしはしご車みたいに車体がでかくないから真上から見るとやたら小さく見える。。。
安全帯とヘルメットをかぶっているが、風が強くてぐらぐら揺れるし・・・「ちょっとやべえ」私はバケットの縁をつかんでしゃがみこんでしまった。やーさんは下で見ている仲間に

      

「おーい。磯辺さん、泣き出しちゃったよー」

おいおい、泣いてなんかねーだろ!しゃがみながらやーさんの脛を小突くことしかできなかった。。。
その操作場では最高高度30mで操作訓練することができるそうだ。今の3倍かよ!正気の沙汰じゃないぞ・・・
スティーブは昔を思い出してはしゃいでいたが、ブームを10m最大限伸ばして斜めに倒し回転させるという信じられないプレーを見せた。実際は色んな作業場があるからそのように使うのが普通らしい。
特に安全には「これでもか」というほど配慮されていて、少しでも危険な使い方をすると停止するらしい。。。
研修施設では安全運転の講習も実施しており、急カーブで反対側の車体が浮き上がるほどの体験や、急ブレーキで車体がスリップする様子も体験でるらしい。
何せ車体が重たいので独特な運転テクニックが必要なようなのだ。

いやあ、実に興味深い見学だった。(恐かったー)
エイトマン、でかさん、ニカウと合流し、さらにその先の工事現場へ向かったのである。もっと進むとその先には苗場スキー場がある。
翌日はさらに奥地、本県の最果てまで行くことになる。その日宿泊する予定は猿ヶ京温泉だ。
猿ヶ京だけにホントに野生の猿が出てくるらしい。。。
1日でずいぶん移動したよなー。明日社内資格試験を受験予定なので、少しは勉強しないといけないんだけど、このメンバーでスパークしないなどあり得ないしな。

    

ちょっと奥に入った温泉民宿だがどうやら我々だけで貸し切りのようだ。露天風呂にビールを持ちこみ、ゆったりと移動の疲れを癒した。
案の定、ニカウたちは飲みきれないほどの缶ビールと一升瓶を巨大クーラーBOXで持ち込んでやる気十分だ。
まあ、ひょんなことであはあるがこれだけのメンバーが集まることは滅多にないから・・・プチ忘年会もありかな。。。


師走の休日

2010-12-10 21:32:01 | 旅行お出かけ
12月とは思えないような、うら暖かい日曜日であった。最高気温は20℃近くまで達する予報だ。
こんな日に家でゴロゴロなんてありえないのだが、前日「SpaceBattleship」を息子と見に行き、その後家族で行ったレッドロブスターで「ヤマト談話」で盛り上がりワインを爆飲した結果、どうもイマイチ調子が出ない。。。
甘辛が練習に行った後もマラソンのコスプレ探しなどどうでもいいことに時間を浪費していた。
子供つながりの妻の友人が趣味でアクセサリーなどを展示したり、フリーマーケットのような小イベントをやっているというので、誘われたがどんより虚ろな頭で主婦連中に愛想振りまくエネルギーが無かったので留守番していた。

昼過ぎになってようやくごそごそと起き出せた。外は快晴で12月とは思えないほど日差しが暖かい。
デットクスも兼ねて海に入ることにし、ウェットスーツに着替え始めた。前日はかなりすごい波が入っていたのだが、今日は1173.comによるとかなり厳しいらしい。
いつもの鵠沼ガーデン前ポイントでは珍しくサーフィンの大会が開催されていた。プロも交る大会でもこの波では厳しいらしいぞ。
大会会場のマーキングされてるポイントは入れないから、普段は行かない別の場所に移動した。
初めて行ったが、地元用語では「チサン」と言われる茅ヶ崎のポイントである。箱根駅伝コースでは国道1号から藤沢橋を経て海岸線に出る「浜須賀」という地名として出る。

本数自体がかなり少なく、加えてものすごくトロ厚い波なので滅多なことではうまく乗れない。。。
必死のパドリングも虚しく追い抜かれ、トライセプスがパンパンで動かなくなってきた。1時間以上も浮かんでいると、トレーニングルームにある「ジョーバ」と同じインナーマッスルに効いてくる。
あまり知られていないが(もしかして私だけ?)海のデットクス効果というのは、それはすごいものなのだ。
いわゆる二日酔状態など一発で回復する。私の場合、大人しく寝ているよりも海に入るに限るのである。
ただ、今回は前々日の暴風、前日の高波のせいかものすごい量の自然ゴミ(葉っぱや木くずなど)がインサイドに集結し、波打ち際まで滑って来るとなんとボードが止まってしまうのだ。。。

1時間あまり十分に解毒(乗れはしなかった・・・)した後、帰宅して妻と散歩がてら昼食に出掛けた。
小イベントには花屋をやっている甘辛のお友達のM斗くんパパもいたそうだ。今度、トライアスロンに出るらしい。。。そりゃーすげーな。私も「しんさん」の出るマラソンにエントリーしたもんね。
M斗くんちはお姉さんが今年海岸沿いの高校に入学し、弟のM斗くんとともにバスケファミリーだそうだ。
お姉さんはもしかしたら、私の後輩というのも「あり」だったのに、自分で海岸沿いの学校を選んじゃったのが個人的には残念だ。
先日、いつも行く洋上ポイントでM斗くんパパに声を掛けられた。ぷかぷか波待ちしながら子供のことや学校、仕事の話をしていた。ちなみに波乗りをさせたら私の数倍は上手なベテランだ。

昼食にラーメンセットを食うと、あまりに陽気がいいので海っぺりを散歩することになった。(さっき入ったばっかなんだけど・・・)
川沿いに海岸を目指すと「うな吉川」では結構色んな人が釣りを楽しんでいた。昨日の午前中1時間くらいいたが、ゴミしか釣れなかったぞ。。。
午後に入って富士山は霞んでしまったが、散歩コースとしては申し分ない。(ちょっと年寄りめいたところが気になるが)

      

新江ノ島水族館の手前まで歩き、晩御飯の食材を買おうと「もとまちUNION」に入った。
この後練習帰りの甘辛を拾って家族で「竜泉寺の湯」に行く予定になっていたから、簡単なものを探していたら会社の携帯が鳴り出した。スティーブであった。。。

なんと、御父上が大事に育てられたという「下仁田ネギ」を送ってくれるというのである。あの豪快な酒飲みが「たくさん送る」と言っているんだから、さぞものすごい量なんだろう。
何かお返しをせねば・・・幸いここは「もとまちUNION」だ。何かこの地方の特産品ないかなー。
色々物色したが、まったくの地域密着スーパーで観光地ではないので、お土産系はないのである。翌日持って行くのに「かさばらず、重くなく、この地方で結構珍しいもので、酒に合うもの・・・」という難しい注文に選び出したのが湘南名物「たたみいわし」であったが、残念ながら店内には無かった。。。

サーフショップの並ぶ134号を少し戻り、途中で内陸へ折れて鵠沼海岸商店街を目指した。
ラーメン屋や雑貨屋をチェックしながら、たまに「生しらす」を買う踏切近くの魚屋兼八百屋へ行くと、はたしてワイルドでいい感じの「乾燥たたみいわし」が売っていた。
ついでに晩御飯用の鰺と酒蒸し用のアサリを購入したところで、甘辛から「帰る」というメールが来た。
この時点でその夜のメニューは「アジのたたき」「アサリの酒蒸し」そして、「イチゴ煮炊込み御飯」となったのである。

入るようになって調子がよいと茅ヶ崎の母親が言うから、よく早朝連れて行く(朝風呂500円!)こともあり、「竜泉寺の湯」は毎週のように訪れている。
土曜日の早朝に加えて日曜日の夕方も多く大抵、岩風呂のテレビで「サザエさん」を見る。
次週予告の後サザエさんが「来週もまた見てくださいねー。ジャン・ケン・ポーン」とやるときに湯船に入っている老若男は一斉にぐー・ちょき・ぱーを出すのである。
昔からサザエさんを見てると、少し憂鬱な気分になった。休みが終わり明日から仕事だから・・・

さて、小夏さんお薦めの「イチゴ煮炊込み御飯」だが、「少し薄目にして軽く調味料を足した」という妻の焚き方もよかったのか、絶妙に美味しかった。
上品でクセがなく、それでいて具の味がしっかり出ていて・・・キノコ汁にアジのたたき、アサリの酒蒸し(はほとんど甘辛が独占してしまった)、イチゴ煮御飯は昨今稀に見る豪華なメニューだった。

      

Sちゃんパパありがとう。翌朝もおにぎりにして新幹線で食べました。。。


ヤマトと大和

2010-12-07 11:00:37 | ホビー
私の青少年期は「ヤマト」とともにあった、と言ってよい。もちろん「ウルトラ」も「仮面」その他、特撮アニメ、TVものは全部そうなのだが、TeenAgeという独特な期間とドンピシャシンクロしたのはやはり「ヤマト」である。
「ウルトラ」などは「大人」になってからの盛り上がりだが、私の中の「ヤマト」は確か高校時代に見た「完結編」をもって終わっていた。。。
ちょっとウソっぽく「生きていた」沖田艦長はともかく、シリーズでは珍しく重要キャラが皆生還する中で、島大介の死が悲しい物語であった。

それが約30数年ぶりになんと実写版で甦ったのである!恐るべきCG技術。。。
実はその前に昨年「ヤマト復活編」というのがあったのだが、イマイチ盛り上がらなかった。ぐずぐずしていて上映期間が終了してしまたったのでDVDで借りてきたが、どうもピンと来ず見ながらワインを飲みすぎてラストは記憶が定かではない・・・
実写版のニュースを見たときも以前このサイトで取り上げた。特にあれだけ個性的なキャラクターを誰が演じるかが興味の的だった。

「キムタクって何を演じても『キムタク』なのよねー」(広末涼子も)

彼に対する妻の総評である。難詰してはいないが、決して褒めてもいない・・・私も実は同意見である。
私と一緒によくビデオで「完結編」や「さらば・・・」を見ているから、息子甘辛もヤマトが大好きである。12月1日の公開直後だが、午前中でサッカーの練習が終わったので早速ワーナーマイカル茅ヶ崎へ向かった。
甘辛は気が早いのか貧乏性なのか、物語を見終わるまで結末を楽しみにとっておく、ということをしない。
早速お友達に本を借りて「Space Battleship ヤマト」の全話を読んでしまった。彼によると「続編」は決してないという。。。
何かにつけてストーリーをバラそうとするので「それ以上言うなー!」と慌てて止める始末であった。
映画館には久々にかなりの観客が入っていた。やっぱり話題性はあったのだろうが、圧倒的に我々リアルヤマト世代の子連れが多かったようだ。

話の内容を詳しくは書かないが、「イスカンダル編―さらばヤマト―完結編」が繋ぎ合わさったような展開だった。
私は正直「ヤマト発進!」のシーンだけで痺れた。。。迫力と感動で鳥肌が立ったものである。
「慌てず急いで正確に・・・」私が実際の仕事で工事チームなどに訓示をたれるときに使うフレーズは実は「さらば・・・」からパクったものだ。
このセリフが出てきたときに隣席の甘辛に小声で聞いた。

「なあ甘辛よ、真田さんと斎藤って、もしかして死んじゃうんじゃねえか?」

甘辛は厳しい顔をしてうなずいた。ストーリーを全く先取りせずに見ていたのだが、私の予感はあたったのである。
だとすると、徳川機関長も生きて帰れない・・・加藤や山本も危ない。佐渡先生も展開的には危ないが「高島礼子」だから大丈夫か?!何よりも森雪はどうなるのだろうか?
まあ、見てのお楽しみということで。。。

さすがキャラクターに対する役者の選び方はすごかった。現役の役者で沖田艦長は「山崎努」が一番だと思うし、徳川機関長の西田敏行もバッチリだ。
ただ私にとって山崎努は「念仏の鉄」のイメージが強いので、艦長室でいきなり古代進の頸骨を二本指で粉砕してしまうシーンが頭をよぎった。。。
島大介の緒方直人も見事にあのニュートラルな雰囲気を醸し出してた。
しかし一番見事にマッチしていたのは真田さん役の柳葉敏郎だ。パンフレットを見ると、「ヤマト」出演の話がある、と聞いただけで真田技師長だと直感したそうだ。
アニメだともうちょっとはかなげな感じがしたので、森雪役が黒木メイサなのに少し頭を傾げていたが、なるほどこれまでと違う役回りなのだな。
最後に心配されていた古代進だが、息子甘辛評によると

「前半は『キムタク』していたが、後半はちゃんと『古代進』していた・・・」

いい線いっていたと思う。ただ原作は最初の航海に臨んだ古代進は10代だったはずだ。(艦長と酒を酌み交わすけど)。
若い頃にさかのぼってよいのなら、三船敏郎の沖田艦長はぜひ見たかったものだ。そして黒木瞳の森雪と吉永小百合のスターシア・・・
甘辛が主張するのはサーシア(古代守とスターシアの娘)なら川島海荷、番外編でクイーンエメラルダスなら小雪。。。
世代を超えた松本零士ワールドだな。来年のコスプレマラソンでハーロックが無理なら沖田艦長はどうだろか。

それにしても日本人にとって「大和」「ヤマト」は特別な死生観が現れるものだと感じる。
子供の頃から大小織り交ぜてプラモデルをいくつも作ってきたし、解説本も結構持っていたからそれなりの知識はあった。
息子甘辛と「男たちの大和」を見に行ったときはCG実写版どころか本物!その迫力とやるせなさに「ズン」と重みを感じたものだ。
出撃の際に管内で将校たちが激論を交わすのに衝撃を受けた。誰が見ても成功する確率はない、戦略的意味もない、単なる無思慮、無謀なだけの作戦に「犬死」することの意味を問うのである。

その中で一人の青年将校(確か長嶋一茂)のつぶやきが「すべて物語った」ような気がするのだ。
「進歩のない者は決して勝たない 負けて目ざめることが最上の道だ
日本は進歩ということを軽んじ過ぎた 私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れていた 敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか 今目覚めずしていつ救われるか 俺たちはその先導になるのだ 日本の新生にさきがけて散る まさに本望じゃないか」
これは大和乗組員の生存者が書いた「戦艦大和ノ最期」という著書のくだり、そのままである。

私のお気に入りサイトの先生など、この本を「日本の社会と心理を知るための20冊」の中に数え、ゼミ生に「日本人が失ったもの」という主題で思うところを述べる「宿題」を出している。。。
ちなみに20冊には「竜馬がゆく」とか「吾輩は猫である」、幕末人では私が最も尊敬する勝海舟の「氷川清話」も入っている。
改めて問われるとなかなか言葉で言い表すには私には難しいことだろう。

さて、「ヤマト」の話に戻るが、こちらのほうにも中学生のときに見た初代作から独特な日本人の人生観が現われているように思えるのだ。
とにかく「守るべき人」「守るべき故郷」のために「犠牲」になる者がやたらめったら多いのである。
ヤマトシリーズには2種類の「敵」が現れている気がする。邪悪な敵(白色彗星帝国、暗黒星団帝国。。。)とそうでもない敵(ガミラス帝国、ディンギル帝国。。)である。
そうでもない敵を打ち滅ぼすときに、古代進はためらい疑問を持つ。私がヤマトの好きなところはその「ためらい」である。

ヨーロッパ研修でフランスメンバーから「将軍」と「大和」について質問攻めを受けたときに、ドツボにハマった。。。
世界最大最強の戦艦、46センチ主砲装備でありながら航空機攻撃が主流となり、無用の長物となって最後にむなしく沈没したこと、しかしその技術は受け継がれたこと、日本海軍のシンボルであったことなど熱く語ったものだが・・・

「その艦がなんで宇宙を飛ぶの?」

というごくごく素朴な質問(彼女は「ヤマト」を見たらしい)には答えられなかった。。。

施設見学会

2010-12-04 05:18:37 | 旅行お出かけ
雷講演、白馬八方への健康ハイキング、ボウリング大会と色々手掛けてきた例の提携先法人協会のイベントが、またも開催された。
今回は「施設見学」というものであり、施設の性質から平日にとり行われる。
顧問である私は平日で仕事があるにも関わらず、何故かこちらを優先される。スケジュール管理の手伝いをしてくれるノッポさんも「1日外出」と入れて知らんぷりである。

すべてを取り仕切っているのは、廃業したボウリング場を交渉によって「大会その日」だけ無理やり営業させたやり手のE子さんである。
前々日に責任者の大黒さん(七福神似)が事も無げにメールを送ってきた。
「明日は6時にお迎えに上がります。よろしくお願いします」
ろっ、6時だと?!県央地域の集合場所まで一旦行くのはわかるが・・・どこへ行くんだっけ?
まあ、朝はいたって強いのでいくら早くても苦にはならぬが。。。
実際、6時ちょっと前に単身マンションのエレベーターを降りて行くと・・・真っ暗な上に雨がざーざー降っていたが、大黒さんがにっこり車の脇に立っていた。

「しっかし、6時に出るというのも・・・まだ真っ暗じゃないすか」苦笑いして言うと

「東●●地区協会のイベントなんて、2時だったんですよ・・・出発5時なんです。。。」

うーむ。恐るべし「施設見学会」。。。確かに県北に位置するその地域へは、集合場所に行くだけで2時間くらい見なければならないからな。どうも行き先は同じだったらしい。
ほとんど「夜行バスで行く日帰りスキーツアー」の世界だな。。。
6時半頃に集合場所へ到着すると、バスの横でE子さんが張り切って準備していた。

「今日はね。2名ほど車椅子の方がいらっしゃるんです。もう、このイベントに賭けてる!って感じでねー。」

一人の会員さんは知っていた。あのハイキングの際、下りコースで張り切り過ぎて降下リフトの手前ですっ転び、骨折してしまったSYOさんであろう。
怪我で入院後、ボウリング大会にも行きたがっていたらしい。(さすがに奥様に咎められたそうだ)もう一人はボウリング大会でマイボールを持って颯爽と登場した「林家ぺー」似のおじさんだそうだ。あのときは「膝に水が溜まっちゃって・・・」と左足を引きずっていたが、悪化してしまったんだろか。。。

「ちがうのよ。県大会出るために練習していて、ボールを足の上に落しちゃって骨折したらしいのね・・・」

なんと「・・・」笑えねえ。。。しかしよくそれでも参加してくれるものだ。ホントに皆、楽しみにしてるようなんだ。
時間ぴったりに全員揃って、バスは予定通り高速に向けて出発した。E子さんの紹介でまず、隣に座っている協会の会長さんが挨拶した。
会長は私よりも四半世紀も年長であり、携帯ショップやいくつかの会社を持つ地元の名士である。
その次に顧問から何か挨拶することになっているのだが、適当に終わらそうと思っていたら、会長さんは最初に向かう施設の理事長と同年代であり、よく知っているという。

最初の目的地はJAXAiという宇宙航空研究開発機構の情報センターである。
会長は田舎の社長かと言ったらとんでもなく、京都の大学を卒業後カナダへわたり地元で会社を興した生粋の技術者である。
かなりの変わり者で前任など1年近く名前を覚えてくれなかったらしいのだが、私は全くのノーマルであるにも関わらず、すぐに仲良く話しかけてくれるようになった。
「雷の話」が技術者としての彼の琴線に触れたらしい。。。

これだけ熱く語られてしまうと、「私は晴男なんで今は雨でもきっと・・・」なんて舐めた挨拶はできなくなり・・・
大学時代に研究室の主任教授が当時のNASDA(宇宙開発事業団)の客員研究員だったこと、当時日本人宇宙飛行士だった毛利さん、向井さん、土井さんの3人が研究室を訪れて学生だった私が色々説明したこと、現宇宙飛行士の野口さんは中学の一つ後輩のことなど、披露しとりあえずスベリを回避したのだった。
その後会長とは渋滞により高速を降りるまで、延々と世界の経済事情について語り合う(右から左)羽目となった。。。

語るだけ語ったら会長は寝てしまった。こういう退屈なときのバスガイドの話というのはよく聞くと面白いものだ。
例えば・・・神田川というのは江戸幕府が飲料水用に構築した玉川上水と並ぶ「上水」で、水源は井の頭公園であるそうだ。
江戸時代の五街道全ての起点が「日本橋」だと思っていたら、甲州街道だけは違うんだって。なんと起点は「半蔵門」で江戸城で唯一「脱出用」に作られた出口だそうだ。
甲州街道の最初の宿場は高井戸だったのだが、遠すぎるので間に新しい宿場を設けた。すなわち「新宿」!

バスは丸の内OAZOに向かっているという。変だな、OAZOにそんな情報センターっぽいところなんてあったっけ?
バスは改装中の東京駅丸の内口を通って、OAZOに横付けされエスカレーターを上って2階、JAXAiに向かった。小惑星イトカワへ行った有名な「はやぶさ」のカプセル(現在はレプリカ)があるという。
あっ、あれ・・・?1フロア全部あるかと思ったら、新宿南口の宮崎アンテナショップくらいしかないぞ。。。

中にはH2ロケットのエンジン本物が一機あり、係員が丁寧に説明してくれた。
打ち上げの際のものすごい煙は「水」(正しくは水蒸気)なんだそうだ。原理は水蒸気の圧力で飛ぶ「ペットボトルロケット」と同じ原理という。
液体水素と液体酸素を一気に反応させ、爆発によって作り出した高温で反応生成した「水蒸気」を一方向に一気に噴射して推進する。
理科の実験で試験管に希塩酸に亜鉛を入れると科学反応により水素がする。この試験管の口にマッチの火を近づけると「ポン」と燃えたアレである。

       

その他は「はやぶさ」のカプセルのレプリカや、その特集も上映されていた。10億円もかかるという宇宙服も本物が展示されていた。顔を出して記念写真を撮れるところが笑える。
宇宙の神秘について興味深い時間を過ごせたが、なんとこの情報センター(というよりブース?!)、今年一杯で閉館されてしまうという。。。
「事業仕分け」にやられたそうだ・・・
ストレートに実感を語ると「そりゃそうだろな」というところだ。OAZOと言えば商業カラ―もあるが完全なオフィス街だ。こんな(たぶん恐ろしくテナント料の高価な)ところにある必要はないもんな。

     

OAZOを後にし、昼食会は新宿プリンスのランチブッフェだ。
バスを降りてみたが、新宿経由で5年以上通勤していた私は・・・「ねえねえ、新宿プリンスってどこにあるの?」
カメラを持って行ったのだが、いかにも「お上りさん」のようなので止めた。
ホテルのバイキングらしく、味はなかなかよし。私は一通りどの料理も口にしないと気が済まない。
塊から切り出すローストビーフから始まり、パスタ、肉料理、そば、ちらし寿司、カレーなど次々とやっつけ、単身に不足しがちな生野菜もきらいだったが頬張った。
食傷気味にデザートも口にしコーヒーを取りに行くと、ローストビーフは残り二皿で売り切れのようだ。すかさずニ皿とも手にした瞬間、コックは後ろから巨大な塊をドン!とまな板に置いたのだった。なんだ、これが最後じゃないのか・・・ムリして取ることなかった。

昼食を終えて、すぐそばに新しくできた我が社のショールームの見学だ。提携しているので必ずどこか会社の施設見学が含まれている。
しかしもう何年も続いているので、もういい加減にネタ切れになってきているらしい。
今、整備を進めている最新式設備の説明があった。

「磯辺さん、自分で行ってご説明されたほうが・・・」E子さんはいたずらっぽくつっつくが、

「そんな無粋なこたぁしませんぜ」

と後ろ手を組んで言いながら、左手のポケットには間違っているところを指摘するため、ショップM78で買ったウルトラ模様のレーザーポインターが握られていた・・・
集団はこの後、できたばかりの羽田空港新ターミナルの見学に行くという。秘密の場所へ行けるのかと聞いてみると、単なる散策&ショッピングだそうだ。
さすがにそれは控え、すぐそばの道をまっすぐ行くと立っている本社ビルへ向かったのである。

   

大阪泊

2010-12-01 20:40:36 | 旅行お出かけ
久々に大阪に一泊で出張した。新幹線の発達した今、大阪などで宿泊出張するのは珍しい。
何せ初電を使って東京駅6時の「のぞみ1号」に乗れば、9時からの会議に間に合うのである。(便利になるのも考えものだ・・・)
今回の会議は10時開催であり、5時までバッチリプレゼンがあって、その後必ずあるのが懇親パーティだ。
さすがに我が地方も含めて東京近郊以外は大阪から「ランデレシエクスプレス」になるとその先帰れないからほとんどの出席者はパーティにはエントリーせずにいた。

いくら「きらい」でなくても、乗り換え付き新幹線4時間コースはきつい。
「今回は飲みはなしだな」と思っていたら、やくざ顔負けの我が社の最高幹部(通称首領)が「じゃあ、オレ達は前日にやるべー」と言いだし東日本地方各社の技術系幹部がずらりと集まることになっちゃった。
つまりほぼ飲み会のために前日から一泊の出張となったのである。実はその場の意見・情報交換が本番よりも大事なのは会社員なら普通のことだ。

前夜と言っても4時間たっぷりかかるから、出発の日は2時半頃の新幹線に乗らねばならなかった。
新幹線トランジットなど初めての経験だ。モバイルSUICAとのぞみ特急券をどうやって使うのか分からん。。。。
午後の予定は関係各社を集めた連絡会一つであって、最初に挨拶がてら10分ほど話をし、時間ぎりぎりまで出席して途中退場ということだった。
しかし私はかねてからある作戦をたてており「ちょっと早めに出たいので・・・すみません」と言い残し、冒頭の挨拶を済ますとさっさと会場を後にした。となりのスティーブが打合せ通りとってくれた「腕時計を指差す」ポーズをきっかけとしたのだ。

天気は素晴らしくよい。「のぞみ号」の座席は当然、窓際E席であるべきである。
新富士駅手前の見事な風景を堪能するためである。
しかし予約していた「のぞみ115号」は4時に東京を発車するので、展望地点に達する時には真っ暗に近い可能性が高い。
それでは意味がないので、立案した作戦とは「1時間早く東京に出て、のぞみ自由席で名古屋まで到達し、115号に乗り換える」というものである。
この作戦には名古屋駅で「あること」を遂行するところに秘密の極意がある。。。

     

東京から大阪へ向かう東海道新幹線は驚くほど沢山の本数があるのだな。
難なく窓際E席をGETでき、「113号」が滑り出した。「博多行き」だったから遠距離用の大きな荷物を転がす乗客が目立った。
途中で気がついたのだが、小田原の手前でもちょびっとだけ、白くなった頂上を見られる地点があるのだな。ただホントに「あっ」と言う間だったからIXY君を取り出す前にみえなくなっちゃった。。。
そして三島を過ぎて、例の絶景ポイントである。ここも「新富士駅」までの数分しか時間がない。何せ250キロで走行してるからな。
っと、思ったら何と!雲で隠れて頭がちょびっと見えるだけじゃんか・・・ショックー!
まあ。。。こればっかりはねえ。とりあえずは撮っておくか。
これほど身近で富士山見られることは滅多にないチャンスなのに・・・

     

浜名湖の水郷地帯を抜け、東京を出て1時間半ほどで名古屋に到着した。あたりはかなり暗くなってきたぞ。
名古屋駅などこれまで数回しか降りたことがないから、「例のモノ」を探す苦労はある程度予想していたが、なんと!ホームに降りたらいきなり正面にあった・・・!
そう、スーパーお洒落マダム小夏さんブログでご紹介されていたあの「激辛地獄きしめん」であーる。
こんなに簡単に発見できてよいものか?!携帯で確認してみると、お写真は「上りホーム」だった。
なるへそ。ここは下りホームだから「上下」にあるってことね。

     

いざ入るとなると結構勇気がいるものだ。田舎もんが「いかにも」見た目の興味で注文してると見られはしないか?(いや、実際そうなんだけど・・・)
店に入ると先客が二人いたが、どちらも普通のきしめんを食されていた。うーむ。鰹節のよい香りだ。。。
食券をおそるおそる差し出すと、おばさんはにっこり「はい、地獄入ります」といい、後ろのおばさんはジプロックに入った真っ赤な液体をそのまま温め始めた。
出てきたのは、きしめんなのに鰹節は踊っておらず山のようなネギが・・・

     

どちらかと言うと、ヴィトン(よそいきはウルトラ)のネクタイに跳ねないように気をつけてばかりいたな。
私はただ辛いだけのモノをそうは好まないのだが、赤い割にはまあまあコクのあるものだった。
しかしせっかくのつゆの風味が全くしない(そもそも入っていない)。油揚げとネギが救いだったかな。
冴えないレポートになってしまったが、次はもう一つあった「麻婆麻婆きしめん」に挑戦しよう。(やられる確率は高いと思うが・・・)

     

祭会場へ向かう。
のぞみ号で既にビールを何本か飲んでいたから、最初からリミッターをかけずに盛り上がった。
首領(ドン)は大学の遠い先輩で、相変わらず気炎を吐いていた。最初の乾杯では「うちの会社はこういう検討に幹部が興味深いようでね・・・」
違うって!アンタが来たから皆、駆け付けたんだって。普段こんな豪華メンバーが集まるもんかい!
大将はいいご気分で「おい、次行こうぜ!」とその辺にいる者を拉致していた。。。
よく見ると社内パーティの後必ず隣のTOCビルのそば屋にしけこんでいたメンバーだ。
しかも出張先で店なんか全然知らないから、入ったのは隣の隣の店・・・外にトイレがあって、何度も最初の店と間違えちゃった。。。

翌日、本会議では事例検討ということで、全国16社からのプレゼンがあった。
「神々の国」の島根、「信玄公祭」の山梨、「黒部ダム」の富山、「マリーンズ優勝おめでとう」の千葉、「高杉晋作」の山口、「熊野三山」の三重、「小岩井農場」の岩手などなど、必ず冒頭にその地方の名品名所を紹介していたのが面白かった。
まだまだ行ってみたいところはたくさんあるものだなー。

どの会社もそうだが、仕事の大半は「交渉」である。簡単に言うとこの検討会は「交渉」の末、望み通りになった事例を共有する会なのである。
数週間で完了するケースもあるし、最長6年もかけた交渉もあった。。。

私にはあまり縁のない世界であったから、最初のうちは興味深く聞いていたが、悪い習慣がまた出てしまった。。。飽きてきたのである。
例年はせいぜい私くらいのポストの者しか来なかったらしいから、はっきり言ってしまうと前日の飲み会で他のエラい人たちは用が足りているのである。
午前中からポツポツと逃げるように会場を後にする人がいた。。。
終わりまでいると懇親パーティをスキップしても東京着は夜遅いからそのまま乗り継いでマンションまで帰るつもりだったのだが、早く帰ってしまえば帰宅して明日から中間テストという息子甘辛のテスト勉強を見てやることができる。

そして・・・ふふふ。今、出ればギリギリ例のポイントでチャンスがある。
私は休憩時間を待たずして、迷わず会場を後にした。絶景ポイント到着予定時刻は4時半というところである。
一番早く東京に着く「のぞみ号」を取ったから、窓際ではなかった。。。そこで静岡駅を通過した後、窓の外に注意して平野が広がったIXY君片手にデッキに歩き立った。
おーっ!夕陽を浴びて多少険しい顔つきの雄大な霊峰が広がったのである。思わず見とれてしまった。。。あわててシャッターを押したが、やっぱりうまくは撮れぬものだな。
いつも真昼間が多いから、夕方帰りにこういう表情の富士山を見たのは初めてだ。

      

今日から12月だ。明日は早いが、いつもの魚屋で刺身を買い込み、練習帰りの甘辛を待ってテスト勉強見ながら一杯やるか・・・