超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ジオパークと二つの寺院

2014-06-27 08:26:57 | 旅行お出かけ
伊豆半島は地球や大地がもたらす豊かな自然を見たり触ったり食したりできるポイントを多数もつ「ジオパーク」である。ECO検定資格を取得した時に学んだが、ジオパークとは地質学や地球科学上重要とされる地層、岩石、地形などを貴重な財産ととらえ、保護と活用を図る「大地の公園」だ。その大元は火山の活動で先に訪れた城ケ崎海岸など火山噴火による溶岩流により複雑に切り立った地形が出来上がっている。韓国済州島を旅行した時に息子甘辛が夏休みの自由研究に取り上げた「柱状節理」もところどころに見られる。今回はジオパークの一部とそれにまつわる寺院などを紹介しよう。まずは伊豆四季の花公園から歩いて行けるところにある有名なジオポイントである。

四季の花公園駐車場脇にはちょっと見逃してしまうほどの冴えない看板がある。海岸まで下りて歩くと20分、林間コースを歩くと10分で門脇灯台、城ケ崎吊り橋まで行けるピクニックコースになっているようなのだ。公園で1時間半あまりあじさいを堪能して歩き回り、ましてや高齢の母が一緒なのでどうしようかと思ったが、運よく雨は降っていなかったし、暑くもなかったので10分くらいなら、と歩き出してみた。逃すともう来る機会はないかも、と意識しだしたのか母親はこういう時かなり前向きだ。城ケ崎の吊り橋は前から知ってはいて、学生時代に旅行の帰りに来たような記憶があるのだが、どんな所だったかは完全に消えていた。しばらく歩くと断崖に切り立った岩肌、入り組んだ海岸線などとともに灯台が見えてきた。

      

その先の吊り橋まで行くと渡った先の岬の先に人がいて、何か撮影している。火曜サスペンス劇場で犯人が最後に罪を認め懺悔とともに飛び込む断崖絶壁のような恐ろしい光景だ。途中まで渡ってあまりの恐ろしさに前進を断念、灯台を登って景色を楽しむことにした。高さは23mと我々がニュージーランドで飛んだバンジージャンプ台の高さの半分だが、打ち寄せて砕ける白波の音と時折吹く横風のせいでどうにも足がすくんで先に進めなかった。私は灯台に上ってジオパークの名に相応しい溶岩流の造り出した複雑な地形と雄大な相模湾を眺めていた。天気がよい時は伊豆七島がくっきり見え、冬場にはイルカの群れも姿を現すという。

        

ピクニック林間コースを戻り、吊り橋とは反対方向に坂を下りて行くと3分程度で大きな寺院建築が見えてくる。観光ガイドにも出ていたが日蓮大聖人が鎌倉幕府に咎められて「法難にあった」とされる蓮着寺(タイトルはそのまんま?)である。四季の花公園展望テラスから「あの大きなお寺はなんだろうねえ」と話したほど立派な寺院だ。流罪になった日蓮が陸地から数百メートルの海上に見え隠れする岩に置き去りにされたという「俎岩(まないたいわ)」や地元の漁師に救われた際着ていた袈裟を掛けたという「袈裟掛けの松」など大聖人所縁のものや樹齢1000年の天然記念物、高さ15メートルの巨大な「ヤマモモ」、木の幹が石を取り込んでいるようにも見える「石喰いモチの木」などに加え、成就の鐘やボケ封じの木彫り地蔵など、香ばしいアイテム満載の境内だが、不思議なことに人っ子一人見ることがない。もうちょっと観光名所になってもいいところだと思った。社務所にすら人が見られず、録音された案内テープが境内に流れているだけだった。建物内には(どういう経緯なのか)南極の岩とベルリンの壁というさらに私好みのアイテムがあるようなのだが入り方が分からず見られなかったのが残念だ。

          

昼時を過ぎたので近くのドライブインで食事をとり、お土産などを物色しつつ店を出た時は14時を回っていた。結構色々歩いたので老人的には真っ直ぐホテルに向かって温泉にでも浸かりたいだろうと車を出したら、もう少しどこかに行こうという。ここのところ「いつまで元気で出掛けられるか?」というカウントダウンスイッチのようなものが入り、私同様「試に・・・」「ついでに・・・」「せっかくだから・・・」行ってみることが多い。地図を見て我々が好んで止まなかった熱海の宿泊施設「一碧荘」のネームの元と思われる一碧湖を訪れてみることにした。結構内陸部に入ったところにあり、割と最近できたという無料駐車場に車を停めて湖畔まで少し歩いてみた。この湖は約10万年前の噴火でできた火山湖で周囲には沼地も多く、湿気や独特な自然環境で樹木や野草が育まれているジオポイントだそうだ。

  

のんびりして周囲に何もない何の変哲もない湖である。少しばかりの手漕ぎボートや有名湖のお古をもらってきたような足こぎ白鳥ボートなどが見え、小舟で釣りに出ている人などが数グループ見える。ブラックバスでも釣っているのかと湖畔から水を覗き込むと細い15センチくらいの先日、山のように釣った小サバのような魚がたくさん泳いでいる。また少し平べったく青みがかったエボダイみたいな魚も見えた。休憩店のおじさんが「細いヤツはウグイ、ハヤともいうかな。平べったいやつはブルーギルと言って外来種なんだよ」実は外来種が繁殖して大きな問題になっているようだが、どうもこのブルーギル、日本で最初に持ち込んだのは今上陛下(当時は皇太子)らしく、それもこの場所一碧湖だったようなのだ。米国から殿下に寄贈され食用魚として期待されて放流されたらしいが、笑えない結果になってしまった。少しするとイ号潜水艦のような巨大なコイが群れをなして接近してきた。店でエサを売っていることから、もらえると思って集まって来たらしい。一番大きいのは1メートルを超えている!湖畔を歩くと数十匹のコイが後を付いてくる様はまるで潜水艦隊だった。

    

さらに我々は内陸方面にある「松川湖畔」を目指すことにした。こちらはジオパークとは直接関係ない人工ダムだが、伊豆観光サイトには「キンシバイが咲いている」と紹介されていたのだ。写真では黄色い大きな花が先乱れており、かなりの迫力だ。ダム事務所に車を停めて上部のアーチ上道路をずーっと歩いてみた。一周は約4キロでジョギング、ウォーキングコースになっているらしい。私は一目見てこのダムがロックフィルダムだと思った。群馬の奥地、奈良俣というところに似たような作りをしているダムがあり、ロックフィルダムだと聞いたのだ。主に岩石などをピラミッドのように積み重ねて作られている。しかし肝心の「キンシバイ」なる黄色い花はどこにも見当たらず、ネットに照会されている写真だけを頼りに「どこで撮影されたものか」を推理しながら周辺を彷徨うことになった。「展望広場」と「桜の木周辺は・・・」というコメントと小さく映っていた事務所らしき白い建物の見え方などから、場所を特定し何度か歩き回ったあげくやっと「その場」を見つけた。ちょうど海岸方面からは正反対側に位置したのだった。

        

さて、伊東市内ジオサイト周辺の海はプレートの沈み込みにより海から近い場所でも水深がある場所が多いため、浅い場所と深海の魚介が両方楽しめるという恵みがある。グルメ雑誌などで有名な店はいかにもな観光地価格で海鮮丼が2000円近くもするのがザラだが、前日に入ったドライブインは食券制で小鉢などはしょぼく見た目の華やかさはないが、海鮮丼、鯵生しらす丼など本体の中身は結構充実していて1000円を切る。(これはお得だった)
また翌日、伊東の朝市では少し小ぶりだがキンメダイやトロアジと言われる高級魚がかなり格安で売られており、その場で焼いたヤツを試食させてくれた。我々はトロアジ、キンメダイの3匹セットと大きなサバ、今が旬というカマスの干物を買い込んだ。どれもここ1,2日で天干しした新鮮なものだという。また湯がいて食うらしいが筍ではない「真竹」という竹の棒も試しに買ってみた。(竹を食うなんて初めて聞いた)

    

2日目はあいにく朝から雨が降っており、朝市でゆっくり地元の農海産物を物色した後、母に車内で待っていてもらい裏に広がる伊東港の堤防をくまなく偵察し「いけそうなポイント」を探したり、釣っている人に話を聞いたりした。雨脚によっては「アカオハーブ&ローズガーデン」は無理かもしれないから、帰りに寄ってみようかとナビ検索したのは「うさみ観音寺」である。ホテルでもらった観光案内地図に載っていたのを見つけたのだが、大船のような大きな観音像があるらしい。実際に行ってみるとかなり遠くから山の中腹に聳える大きな観音像が見え、こちらもかなり立派なお寺のようだ。先客は観光バスで来たと思われる小グループが一つだけで参拝券販売所にも誰もいなかった。「450円だってさ。どうする?」見たところかなり立派で見どころも多そうだし、仏教資料館には「釈迦が生まれてから仏教の歴史を綴った木彫り壁画」があるそうなので、中に入ってみた。

      

資料館は中々の見応えがあり(撮影は憚った)、チベット、インドから収集された珍しい仏像や曼荼羅などが展示されていた。日本古来の寺院仏閣というのではなく仏教発祥の地にちなむカラーが濃く、よく見ると「何でもアリ」という感じがするお寺だ。夫婦坂を歩いて夫婦円満を祈る夫婦乃鐘をつき、日本一の七福神が並ぶ像を撫でて回り、三十三観音を拝んで歩く。残念ながら大観音像までは行けなくなっていたが大仏舎利塔からの景色は素晴らしかった。さらに観音様に向かって左側の中腹には斜面を覆い尽くすほどのものすごい数の仏像が・・・1000体地蔵などというレベルではない。まるで兵馬俑である。出口に出て帰り際に係の人に何体くらいの仏像があるのか尋ねたらなんと2万体!蓮着寺といいうさみ観音寺といい、十分訪れる価値があると思うのだが、なぜかほとんど観光客らしい姿は見られないし従業員も不思議なくらいにいない・・・

        

その昔、学生時代には合宿と称して単に遊びに来ること多かった伊豆半島だが、ほとんど絶望的なくらいに道路が渋滞し、幹線道路沿いなどに現れる「カップルだと行ってみようかという気になる」博物館などはどえれも入館料が1000円くらいかかり、言っちゃあ悪いがかなり高い確率で「やられる」。ジオパークとして伊豆を訪れると今までよりもたくさん面白い所はたくさんあるようだし、四季の花も楽しめそうだ。また神社仏閣、歴史的名所もまだまだ行ってみたいところができた。実は天城越えゆかりの「浄蓮の滝」も訪れたことがないのだ。西伊豆もまだまだ未知の世界だが距離はあるものの射程距離範囲内だ。湘南に飽いたら四季を通じて遊びに行けるエリアだと思った。

二つの「花」パーク

2014-06-23 21:59:26 | 旅行お出かけ
2ヶ月以上前だったと思うが、実家の母親から「使わないからあげる」と渡されたものがあった。とっている新聞社の記念行事か何かのプレゼントと聞いたが、いわゆる「生活応援なにがし」のクーポンブックである。買い物から飲食店、レジャーや学習塾など多岐に渡って提携しているクーポンだが、思わず苦笑するくらいに「使えない」。某高級百貨店のお菓子売り場で200円割引とか、●将の餃子無料券とか、高校生向け進学塾の特別講義無料招待状(つまりは体験受講)などなど・・・スマホでダウンロードすれば誰でも入手できそうな、冊子は分厚く立派なのだが、あまりお得感のないクーポンばかりだ。

このようにどうにも使い勝手のイマイチなクーポンブックだったが、一つだけ「使えそうな」券を見つけた。ホテル宿泊の割引券である。全国に何十もの手記泊施設をもつホテルグループで、一般の温泉ホテルの一泊二食プランよりはかなり割安、夕食はブッフェプランに飲み放題付のスタイルというのが特徴のようだ。以前、家族で訪れた伊東の憧れ「ハトヤ」も似たようなプランになっていたので、一人1000円割引となる期間限定クーポンを使ってみようかと声をかけたが、もはや家族で温泉などに興味を持たなくなった息子甘辛は部活が忙しくてNG、このホテルチェーンのことはよく知っていた妻も、「安い分それなりのとこしかないよ。食堂を子供が走り回ったりしてさ・・・」とあまり乗り気ではなさそうだし、週末は食い盛りの甘辛の弁当を山ほど作る必要があるために行けないという。

そこでこのクーポンブックをくれた張本人に声を掛けてみたら、喜んで行くという。茅ヶ崎で一人暮らしするようになっても、スポーツクラブに通いだしたり、習い事をしたりで結構用事があり週末は大抵私が早朝竜泉寺に連れて行くので、退屈はしていないと思っていた母親だが、週に何日かは1日中誰とも話さずに家にいることがあるそうで「暇過ぎて1日が長い」とか言い出しすことがあり、どこかに外出するのは歓迎らしい。私は昨年の秋に初めて母と二人、東北旅行をして以来、母とプチ旅行することに何の抵抗も無くなっており、むしろ自分の興味あるところに連れ回すことができ、かつ彼女もそれを喜んでくれるので両者の利害がかなりぴったり一致しているのである。ただ老人なのでアクティブなことはむろんできず、自家用車での移動時間も限られたものになる。実は先日まさかのサーフボード自爆により痛めた脇腹が完全に再生しておらず、今回は大人しく「花を愛でる」お出かけにしたのである。

予想通り出かけるならどこでもいいと言われ、私は伊東を行先に選んだ。一碧荘が閉館になって以来とんと足が遠のいた伊豆半島で数年前ハトヤを訪れた伊東だが、近くにそのホテルチェーンでは最も割安なホテルがあったのだ。我が家から東伊豆エリアまでで、江の島の子サバ釣りで土地のおやじに教えてもらった「コマセを使わない釣法」を試してみるためのポイントを偵察したかったのと、周辺の景勝地などを巡るつもりだった。季節の花などを楽しめる観光スポットなどがないか調べてみると城ケ崎海岸の「伊豆四季の花公園」という初めて聞く施設で今月いっぱい「あじさいまつり」が開催されているらしい。この季節、あじさいと言えば昨年ベッティーに勧められて初めて訪れ、そのド迫力とショッキングブルーに驚いた鎌倉の「明月院」だ。小夏師匠も一度来訪をお考えになったようだが、昨今はだんだん混雑具合がエスカレートし、週末は付近の道路は交通規制、午前中は入口から北鎌倉の駅まで行列ができるという。  

      

伊豆四季の花公園の「あじさい苑」は普段この辺で見られる丸い玉の花ではなく、平べったい「ガクアジサイ」が230種も咲き誇る日本一原種の豊かな苑だといういう。この公園はどうやら以前祖母を連れてきた「伊豆シャボテン公園」、バス遠足でやってきた「ぐらんぱる公園」などと同一グループに経営されているらしい。他に比べてはるかにマイナーで小さいが1年を通じてたくさんの花が楽しめ、近くには様々な景勝地がありピクニックもできる。園内をぐるーっとゆっくり1周すると1時間半くらい、今はダリアが咲いているという花壇、ブーゲンビリアで溢れる温室あり、伊豆七島や城ケ崎の入り組んだ岩礁を臨める展望テラス、その横に二本の木が接ぎ木によって結合した珍しい「支え愛の木」というのがある。そしてその先に園の四分の一くらいの面積を占める「あじさい苑」がある。

          

鎌倉エリアのあじさいは明月院ブルーをはじめ大きな丸い様々な色の花が咲き乱れるが、原種と言われる「ガクアジサイ」というのは割と質素で可憐である。しかし230種類というものすごく多種多様な花の形と色を楽しむことができ、これはこれで大変素晴らしい。それぞれの原種には洋名、和名など様々なものがある。富士箱根伊豆エリアの土地名から取ったものもたくさんあるようだ。「城ケ崎」「八丈千鳥」「伊豆の華」「しらふじ」など・・・花の形も色もホントに多種多様で、普通あじさいの華は花びらが球状にぼわーっと集まってハンドボールのようになっているが、原種というのは真ん中にオリジナルの花が咲きその周辺に「装飾するための花」が円周状に並ぶ。このあたりが全部装飾花でボール状になった西洋アジサイよりも「可憐」と言われる所以だろう。昨年とは違ったあじさいを十分に堪能し我々は公園を出た。

           

翌日は雨降りの中、朝市で伊東土産の干物や珍しい筍ではない食用の竹を買い、伊東港をぐるーっと一周して釣りに適していそうなポイントを偵察した。その後何か所か立ち寄り、実はメインにしようかと予定していたガーデンは雨のためスルーしようかと思っていたが、何とか小降りになってきたので取りあえず向かうことにした。伊東からは帰路20キロくらいのところにある熱海の「アカオハーブ&ローズガーデン」である。南熱海のメジナ釣りポイントに行く途中、錦ヶ浦でいつも135号線沿いのこの施設を通り過ぎていたのだがハーブもローズもあまり興味が無かったので実際に訪れるのは初めてだった。リゾートホテルが運営しいくつものテーマガーデンをもつ広大な施設らしい。道路を挟んで海側の小さな庭園(無料)で弁当を食べたことがあるが、園内がどのようになっているのかは道路側からは全く見えない。

初めて知ったのだが、受付で入園料を支払った後、敷地内だけを運行する専用バスで山の頂上まで行き、散策するように徒歩で斜面にある各ガーデンを鑑賞しながら降りてくるスタイルなのだ。到着した時はまだ結構雨が降っており、「斜面を歩いて降りてくる」と聞いて滑って転ぶことが心配され、母も少し迷ったようだが「ま、気をつけて行ってみるか」とチケット販売所に向かった。バス内ではこのガーデン全体の構成や途中トイレの場所、帰路もバスに乗りたい場合の乗車方法など細かく説明してくれた。残念ながらこのガーデンの誇るバラのベストシーズンはちょっと前に終わってしまったが、まだまだ残っている花や「返り咲き」がたくさんあり、今はダリアが旬だという。

頂上付近のバス降り場からガーデン散策のスタートとなるのはいきなり「日本庭園」である。山の上なので相模湾を一望でき、晴れた日には島もたくさん見渡せて見事な景色だろうと思われる。さていきなり山頂に登場しちょっと異質な感じのする日本庭園だが、中央に世界最大の盆栽「鳳凰の松」というのが鎮座する。「松島」のように自然のなす技ではなく人間が作った「盆栽」と思えばかなりの迫力で、もちろんこんなすごい盆栽を見たことがない。まあ、中国伝来かもしらないが本格的な趣味としては日本固有のものなら日本で一番大きければ世界最大なんだろう。

          

その次のエントランスからは細長くに様々な花が咲き乱れる狭い段々畑のような花壇が続き、イングリッシュガーデンのようなスペースに出てきた。あえて言うなら植えてある草木、咲き乱れる花は自然に任せて規則性はあまり感じられず、一帯はすべて英国風な感じと言えるだろう。ド迫力の花、道端の小さな綺麗な花・・・ホントにたくさんの種類が咲いているが、困ったことに普通にいう「四季の花公園」のようにどこに何が咲いているかの表示がひとつもない。。。以前、小田原フラワーパークに連れて行って以来、元々花は好きだが手入れが面倒なのであまり自分で育てはしない母は「花の公園」が気に入ってしまい、群馬でもフラワーパークを訪れたし、小田原に至っては季節ごとに友人とバスで足を運んでいるらしい。その母もいくつかは花を知っているが、「やっぱりもっと名前を覚えなきゃねえ・・・」とため息をついていた。小雨が降っている分花そのものが瑞々しく素晴らしく綺麗なのだが、何の花か分からぬというのはイマイチ消化不良のようなのである。

        

私は母以上に花の名前を知らないので、とりあえず咲いている花をできるだけ撮影し後でその名を調べることにした。ローズガーデンを過ぎるとプロポーズガーデンやらウェディングガーデンやら何となく気恥ずかしい名前のスペースに出てきた。ウェディングガーデンは色とりどりのバラや他の花に囲まれベストシーズンはさぞ華やかなんだろう。プロポーズガーデンは奥に「ココだよな」という大きなスペースがあるが(ガーデン・・・何て言うんだろか)、柱という柱は太くて強力なツルバラが巻き付いており・・・おジャ魔女どれみに出てくる、先々代の女王様が捕らわれた「悲しみの茨」を思わせた。「茨に捕らわれる覚悟を決めてプロポーズせよ」ということか?!まさかなー、今はあまり花は咲いていないが、パンフによると「チューリップやバラなど季節のお花が彩るガーデンで、パーゴラに絡むツルバラが満開になる時は息をのむ美しい花の回廊になるという。

      

ウェディングパーティにも使われるであろうオープンカフェが現れる。バラの花エキスを使ったソフトクリームが売り物らしいが値段は630円!(もしかして今は648円?!)ちょっとスルーさせていただき、売店を過ぎるとすごい香り高いエリアに出てきた。フレンチローズという様々な香りをもつ種類のバラを集めた庭らしい。バラの香り自体はそれほど好きというわけではないが、花に鼻を近づけなくてもその辺一帯が香りで充満しているような庭だった。その次のエリアがハーブガーデンだ。この辺で嗅覚はかなり疲労していることに気が付いた。最後の回廊を通過して元の入り口に戻りお土産屋ではせっかくなので最近仕事で忙しいのか疲れがたまっているような妻の癒し用にバラのアロマエッセンス、香り袋、その他何とかいう花弁の入ったこれまた香り高いグッズを購入した。とりあえず撮影しまくった多種類の花は帰ってからゆっくり調べることにしたのである。(実はこの数倍の種類の花の写真を撮ったのだ。誰か教えて・・・)

      

南蛮漬け作戦

2014-06-16 21:40:42 | 食べ物
江ノ島産天然メジナ祭りになるはずが、まさかの子サバ祭りになってしまった我が家だが、今回は妻の手を一切借りずに(単に仕事でいなかっただけだが)「食えるものに加工」するつもりだった。小夏師匠ブログのワカサギにヒントを得て(って自分で書き込んだんだけど)25匹の子サバを南蛮漬けなる私にとってはちょっと注意が必要な調理法を実行するつもりだった。名前を知っていたら手を出さなかったはずなのだが、確か以前に「南蛮漬け」とは知らずにアジか何かを食べた記憶があった。酢の物のような味がしたが、乳酸による発酵ではなかったはずだ。ネット検索でいくつかレシピを探してみた。あんまり酸っぱいのは好きでないので、最も手抜きっぽく簡単なモノを取り上げた。残念ながらレシピは大きなサバの切り身を使うものばかりだったがまあ、その辺は同じ魚なんだから気にしないでおこう。

何はともあれ、この小魚群を下ろさなくてはならない。氷の入ったクーラーBOXに入れておいたのだが、サバって結構ぬるぬるしてるんだな。とりあえず頭を落として内臓をとって・・・って待てよ、サバは傷むのが早いと聞いている。全部で26匹あったが私の腕では全部下ろすのにかなり時間がかかってしまい、最初の方に下ろしたヤツは腐ってしまうんじゃないか?そこで私はレシピに書いてあった「漬け汁に一緒にぶち込む」という野菜類を先に用意することにした。玉ねぎ1/2個、ニンジン1本、ピーマン1個・・・どれも大して好きではない生野菜である。カレーならともかくこんなモノを一緒に漬けこむ必要がどこにあるのか分からぬが、とりあえずレシピにある通り細い千切りにしてみた。

  

ついでに漬け汁も用意しておこう。めんつゆを使うというのがいかにもお手軽手順だが、水、酢、砂糖などを足し(酒や味醂を少量入れることもあるらしい)一旦沸騰させる。さらに「唐揚げにする」ための準備もしておくことにした。片栗粉と少しの小麦粉をトレ―の上にどばーっと出しておき、油は台所の鍋に張ってあったものをそのまま使う。理科実験のように材料や調味料などを器にあらかじめスタンバっていよいよ魚の加工である。しかしここでまた私ははたと考え込んでしまった。中骨は取るんだろうが、アジのたたきのように3枚に下ろしてはほとんど身が無くなってしまうのではないか?!試しに中くらいの魚に包丁を入れてみたら、ロッテのフィッツくらいの大きさになっちゃった・・・これじゃーだめだな。

  

ネットのレシピを色々調べてみると、小アジの写真で見る限り頭だけ落とされた姿をしているし、「ちょっと高温で長めに揚げると骨が軟らかくなります」という説明も・・・つまりは「中骨は取らなくてよい」ということか?!私は20数匹の子サバの頭を落とし、内臓を取って軽く水で洗い、キッチンペーパーで余分な水っ気を取り除く。さっき釣ってきたばかりなのに、切り身は十分堅いものではなく、少し力を入れると崩れそうになった。全部終わって、片栗粉をまぶし高温にした油に向けて揚げようとしたら、「んっ?」腹と尾鰭の間に小さな棘のようなものがあって指に刺さった。これをそのままにしては食べる時に困ってしまう・・・慌てて全部の魚からとげを抜く作業に入った。

    

余分な水分をとって片栗粉をまぶしたのだが、表面に付着するだけなので全部つけ終わっても大量に片栗粉は余ってしまった。油で揚げる時間はレシピにもよるが4分から8分くらい・・・1回で全部揚げきれないので3回くらいに分けたが、何せ手際が悪いので最初に入れたのと後のに時間差ができてしまいそうだったので、これがちょうど4~8分に当てはまるように、鍋に向けてぶち込んで行った。生まれて初めて「揚げ物」なるものを作ったが、この時ジューユーいう切り身の動きが実に小気味いい。香ばしい音(という表現が相応しい)がキッチンに響き渡った。なるほど揚げ物というのは作る時も楽しいものだ。これからまた色々バリエーションを増やしていこう。

  

油の温度は温度計がないので分からないが(指を突っ込むわけにもいかないし)、とりあえずジュワージュワー音をさせているのでそれなりには揚がるだろう。さて短いものは4分、長いものは8分間くらいになるがまだ表面では油でチリチリしている状態でタッパーの上に次々に上げていく。第一弾を10数匹入れると一旦底が埋まってしまったので、切っておいた謎の野菜千切りを乗っけてレシピ通り、具それらの具の上から一旦沸騰させた漬け汁を「ジョワーっと」とかけていく。っと、残り10匹分くらいの漬け汁がどうも足らぬようだったので、慌てて漬け汁を追加で作りなおして沸騰させる。今回はもう少し酢を多めにしてみることにした。結果的に2層になってしまったが、一応ちゃんと揚がっているかに見える残りの魚を乗せ、さらに千切り野菜を加え再度漬け汁を付け足す。今回はさっきほどすごい香ばしい音はしなかったが、まだ表面ではジリジリしている。

  

この時点で本当は「鷹の爪」なる物体(たぶん赤トウガラシ)が必要なのだが、どこにも見当たらないので、七味唐辛子をぱっぱっとかけて代用(になるかどうか分からぬが)とする。この状態で1時間から数時間、半日くらい漬け込むと冷やしても美味しくなるという。揚げたての子サバにほぼ沸騰したての漬け汁を上から注いだから、中はすごく熱い。常温でそのまま放っておいたら、そのまま傷んでしまうような気がしたが(そうなってしまうほど間抜けな話はない)こんな熱々の状態で冷蔵庫に入れる分けにもいかぬ。夕方まで用事があったので、一旦出掛けることにした。妻や息子甘辛には「ちょっと自信がないので食わないこと」というメールを打ったものだ。

少し遅くなって帰宅すると既に妻と甘辛は晩御飯を食べ始めていた。あれれっ?台所に置いてあったタッパーが見当たらないぞ。。。実は一回り小さな器に入れ替えられ、別の皿に盛られて食卓に出てしまっていた。「それ、食ってんのか?」(実は大丈夫か?という意味合いが強かったが)「頂いてマース」と妻は澄ましていたが、この手のモノは徹底したブランド志向でグルメを気取る息子甘辛は正体不明の小魚料理には手を付けていない様だった。早速私もつまんでみたが、おおー柔らかくて中々いけるぞ。これならご飯のおかずにも丁度よい。我ながら感心していたが、食べ進めるうちにまだまだ改良の余地がたくさんあることを痛感した。ああでもない、こうでもないと色々食いながら考えているうちに不覚にも「ちゃんと盛った状態」で撮影するのをわすれちゃった・・・

まずめんつゆが濃すぎたのか、冷えるとその味がストレートに出てしまい、揚げたての油と相まってギトギトになっている。中骨も十分柔らかく、漬け方?は問題ないが、天ぷらにめんつゆを付けているような平べったい風味なのでもう少し酢やその他調味料を色々増やし、立体感を出すとよいかもしれない。また相変わらず一緒に入れる意味がよく分からない野菜群がほとんど生のままだ。元々生野菜がそんなに好きではないので、にんじんやピーマンの生歯触りはどうも邪魔だ。いっかい茹でるなどしたほうがいいかもしれないな。今回は試しにやってみたモノだが、名前からするとちょっと遠慮したい南蛮漬けだが、乳酸発酵でないため私でもちゃんと食えるものが製作できることが分かった。昨日、再び江ノ島周辺を偵察したが、子サバはちょっとサイズアップしたようだが、相変わらず時間を問わず無尽蔵に釣れているようだ。次は思い切って酢の量を調整し味を確かめながら本格調理に挑戦してみよう。

漬物談義とサバ釣り

2014-06-14 16:00:51 | 食べ物
自分の体質を殊更にこの場で書いても仕方がないが、以前から何度か記述しているように、私は子供の頃から(たぶん離乳食時から)「漬物」と呼ばれる類の食物一切を口にできない。自分で分かるが匂いが嫌いとか食わず嫌いとかいう次元ではなく、アレルギーでもない、「咀嚼して嚥下するのを身体が受け付けない」たぶん体質的なものだ。日本のモノはもちろん、西洋漬物という類のピクルス、ザワークラフト、アジアでもザーサイやキムチなど見事なほどに食べられない。彼ら(というのはおかしいな)には何の悪い所もないが、私の排除ぶりは抗議されてもおかしくないくらいそれこそ徹底したものだ。定食についている小皿はトレー外に退場願うし、カレーライスを注文して「福神漬け抜き」と言い忘れたカレーライスはその水分が浸透してしまった被害区域一帯を残すことになる。市販の弁当などにはほぼ100%米のど真ん中に鎮座する梅干し周辺を「棒倒し」のように触らないように食べる。

だいぶ前だが友人のお宅に悪友たちとお邪魔した時に、本当に私の「天敵」かどうか確かめたいいたずら心からか、餃子の中にある種の漬物を分からないようにみじん切りにして内緒で少しだけ混ぜられたことがあるが、一口かじって「ごめん、これはダメだ!」とビールで流し込んだ(さすがに吐き出すようなことはしない)。旅館の食事やちょっとした日本料理で「疑わしい」ブツが見られると、妻に頼んで「漬物」かどうか毒見してもらう。基本的に「接触してしまった」被害地域は全てダメなのだが、最近ようやく比較的乾燥しておれば梅干しと紅ショウガの赤い痕跡だけは克服することができた。生まれて約四半世紀たってしまったが大きな一歩である。

これまでの人生最大級のピンチワースト3のうち二つは「漬物をどうしても口にしなければならない」時だった。最初は小学6年だったと思うが、近所の友達の家の庭で卓球をしていた時、お母さんの出してくれたおにぎり全部に梅干しが入っていた。「嫌いなのではなく食べられない」とどうしても言えなかった律儀な少年は半分べそをかきながら麦茶でタネごと喉に流し込んだのである。次は高校の修学旅行で永平寺に体験宿泊した時だ。味も素っ気もない精進料理にタクワンが付いていたが当然の如く「食べ物は決して残してはいけない」という仏門の厳しい掟を言い渡された。隣のクラスメイトに食ってもらえば簡単に問題解決なのだが、実に困ったことに「最後の一切れを残しそれで御飯茶碗をきれいにふき取って食べる」という拷問のような作法を少林寺拳法の達人でもありそうな雲水の前でしてのけなければならなかった。この悪夢のような経験を記憶していたからこそ、群馬の地でルーキーズ達が引率された禅寺の修行体験にしきりに誘うグッチーをにべもなく断ったのである。私は誰が見てもこの手のイベント大好きだったので不思議な顔をされたものだ。

納豆は大好物だしヨーグルトもOK・・・色々と調べるとどうも「植物性乳酸菌によって発酵させた食品」と言うのが現段階で一番整合性の高い「天敵」の定義である。他にも気がつかなくて平気なものがあったら教えてほしいが、鎖国時代のオランダのように現状分かっている唯一の例外(これを漬物というか論議があると思われるが)が、ラーメンに乗っているメンマである。何でこんな体質なのか不思議に思うことが多い。両親とも富山の出身で漬物は大好物、実家からも送られてきたし家庭でも製作していた。布団干しに束ねてぶら下がっていたタクワンは(私にとっては)光化学スモッグ以上の公害に匹敵する悪臭だったし、学生時代に「日当たりがいいから」と買ったばかりの車(AE86トレノ)のボンネットで干されているのを帰りに見かけた時はこのまま車で長い旅に出ようかと真面目に思ったものだ。

何か前置きがやたら長くなってしまったが、生まれて初めてこの「天敵」(だと思っていたが実は違った)を自ら作成し御飯の友とした話である。「実は違った」というのは今まではどう考えても呼び名的にそのまんま漬物だと思って近寄りもしなかった「南蛮漬け」である。
まだ梅雨に入る前だが、いつものように散歩して江の島ヨットハーバーエリアに偵察に行くと、陽気がよい時期だったからか海に面したコンクリ辺を埋め尽くすほどの釣り人で賑わっていた。しばらく見ていると家族連れがサビキ釣りで山ほど小魚を釣り上げている。大きくても15センチくらいしかないが、見ると全部「サバ」だった。その昔、本牧釣り埠頭で山ほどヒコイワシが釣れた時は刺身にしてもらった(美味かったが妻にはえらい苦労かけた)が、サバじゃあちょっとなー。。。カワハギ船でご一緒した同僚のセッシーは釣ったサバを刺身で食ってアニサキスに当たり1週間入院したそうだ。

私は久しぶりにサバに混じって25センチサイズが少し上がっていた「メジナ」を狙うことにした。赤いライオン号が「エサ臭くなるから」とコマセ使用の釣り禁止になってしまい、いつものポイントに行けなくなった私はメジナ釣りに飢えていたのである。事前に念入りに偵察し、釣った人にも色々聞き込み調査をしたところ、ヨットハーバーに一番近い面が一番釣れているようだ。ちょっと暑くなりそうなとある休日、朝早くから陣取って浮フカセ釣りの準備をした。5時からしか入れないはずなのだが、既にたくさんの先客がおり、やっと一人分の隙間に着座したのである。ところが釣りだして数10分で例の子サバの猛攻がやってきてエサのオキアミは秒殺・・・5匹目が入れた瞬間食いついた時にもはやメジナを諦めた。。。こうなりゃ自棄だ!コマセをカゴに突っ込んでサビキ釣りに変更、開き直って子サバの数釣り走ったのである。
  
      

群れにも周期のようなものがあり、ぱったり何も来なくなる時もあるが大体1回に2~3匹はかかりあっと言う間に二桁を超えてきた。ふと見ると隣にいかにも土地のベテランという真っ黒に焼けたおじさんがやってきた。練りもの状のエサをこねて細長いウキを落とし、重さで水中まで沈んでしまったウキをじーっと見つめている。一目でピンときた私は「あのーう、これダンゴ釣りですよね。メジナ狙いですか?」「うーん、ダンゴじゃないけど、メジナだよ。ここのメジナは難しいんだよ。それが楽しみでもあるんだけどね。」一見気難しそうだが、実は話し好きのおじさんらしく、実に詳しく丁寧な講義が始まってしまった。
「まず固めの練りエサで一気にサバっ子の層の下に落とすんだ。途中でやられたら、ウキがすぐに浮いてくるからわかる。メジナの層までいってもさ、あいつらものすごく利口で針についたエサは食わないんだぜ。溶け出して針から外れるのを待ってるんだ。ここのメジナ釣るコツはねー。コマセを撒かないことだよ。エサ針と見わけられるからコマセだけ食ってお腹一杯になっちゃうんだ。」
やべえ、やべえ・・・私はヒヤリとした。さっきからいつものポイントのつもりでコマセ撒きまくりだったからだ。同じ魚でも場所によってずいぶん釣り方が違うんだなー。

    

25匹くらいになったところで、「色々勉強になりましたよ」と挨拶してその釣り場を去った。クーラーBOXはずっしり重たかったが、私は途方に暮れていた。この大量の小魚を食えるようにしなければならない。鮮度から言えば刺身でもよいが、やはり「アタリ」は恐ろしい。。。かといって「キャッチ&イート」を信条とする私は魚を無駄に捨てることはできぬ。大学研究室の大島旅行の時ようにとにかく片っ端からフライにしてしまおうか・・・しかしやたらに小骨が多くて食いにくかった記憶がある。何かサバが山ほど釣れるって話どこかでしたよねー。。。。しばらく考え込んだ後、小夏師匠のブログが私の脳裏に電撃的に閃いたのである。そうだ!確か師匠のサイトではワカサギを取り上げられていたが、江ノ島でサバが山ほど釣れるからといって・・・20数匹の子サバはこうして人生初の「南蛮漬け」の素材として加工されることになるのである。漬物談義でまたたくさん書いてしまって中途半端だが・・・(つづく)

駅周辺をそぞろ歩くⅡ

2014-06-09 06:44:12 | 旅行お出かけ
そぞろ歩きの続き・・・Currentから市役所とは交差する道沿を少し歩くと、グルメ雑誌にも載っている美味しくて安いというので有名な「カツ丼の店 栄寿亭」がある。実は遅めの昼食をここで取ろうと思っていたのだが、まさかの終了・・・(誰に断って勝手に終わってんだよー)
大通りを挟んで向こう側にカフェ・モンパサという店がある。テラスや建物がワイアール星人のような植物で半分覆われていて、ちょっと入り辛い感じがするが、妻が最初にこの地に来たときにグルメ情報を仕入れて入店した。平日の夜だったので街の中心部から離れていることもあり、客は我々二人だけだったが、「湘南からやってきた」というとご主人が色々な話をしてくれて様々なサービスをおまけしてくれた気さくな店だった。パスタ系がメインの店だと思うが、店構えよりは庶民的な洋食屋メニューが引き立っていた。

    

市役所の方に戻っていくと、「葉山一色亭」という店がある。単身生活し始めてすぐにこの店名の響きが懐かしく何回か入ったのだが、実は湘南直送の魚介と県内産の肉を使った料理を楽しめる店だったのだ。ただしランチタイムはカレーライス、ナポリタン、ハンバーグランチと思い切りベタな洋食屋しており、あまり湘南魚介のありがたみは湧かない。市役所を横目に通りを渡って横丁を進むと自転車屋が目に入る。私は先代の置いて行ってくれた自転車で主に単身マンションから通勤していたのだが、歩くと30分くらいかかるので自転車がトラブるとホントに困る。結構ボロく、パンクしたりブレーキが切れたり、カゴがブチ壊れたり(これは転んだとき)など、慣れない土地で途方に暮れたものだ。ここのおじさんはホントに親切でパンクだと思って持っていくとそうでない時は色々調整して無料で直してくれるし、「2,3日様子見ておかしくなったら無料でみるからもう1回持ってきて」と回復を保障してくれるのだ。

    

その横丁をもう少し進むとイタリアンの「エ・ヴィータ」店がある。生パスタで人気のある店らしく、ランチタイムは女性を中心にいつも混んでいる。妻もここのランチをリクエストしたし、ワイン好きの元上司も好んだ店である。一度周辺の隣県から関連部署が集まって行う大会議があったが、「パスタの街」を売り込みたい上司がこの店を貸切にして昼食会を開いた。いつもは女性で賑わっているオシャレな店が、その日のランチタイムだけは全席妙齢のおじさんたち・・・彼らが「キュワンっ」と小高く盛られた生パスタをフォークで頬張る姿は異様としか言いようがなかった。いつか客人を連れてスーツ姿の男子4名でテーブル席を囲んだ時も明らかに浮き上がったものだ。さらに少し歩くといかにも「ヘアーサロンを改装しました!」というつけ蕎麦屋が現れる。ここはごはんと生/ゆで卵がセルフで食べ放題で、麺が冷たく汁が温かい私の苦手なスタイルだがボリュームがあって味はよい。

    

ここまで紹介した店はすべてランチタイムは終了してしまっており、遅めの昼食というわけにはいかなかった。。。今やシャッター商店街と化してしまった中央商店街に知る人ぞ知るゲテモノ代表の店「中央軒」がある。ミスターと一緒に何度かやってきたが、皿うどん一杯で洗面器ぐらいの大きさがあり2000kcalはゆうに超えると思われる。私をメタボ指導したナエさんが見たらそれこそ「締め」られそうなメニューのオンパレードだ。夜の部に入ると食い切れないほどの量が出て、ビールのつまみには数品頼めば十分というこの店はそもそも「準備中」という概念がないのか開いていた。「ここまできたのも何かの縁だ。入ってみようかなー」とふらふら階段を上りかけたが、転勤した最後の日の昼食にヘルシーランチを共にしたナエさんの顔が浮かんでぎりぎり踏みとどまったのだった。

  

ヘルシーに行こうかとこれもミスターお気に入りの渋い店構えの「八州庵」だがやはり準備中。。。この店はうどん・蕎麦の店なのだが、メニューには標準装備でかき揚げと焚き込みご飯がついてくる。そして普通の店では意外にありそうでない、「合い盛り」といううどんと蕎麦両方がざるに乗ったよくばりメニューが定番だ。どうもこの国は「単品では気が済まない県民性があるらしい。いずれゲテモノシリーズとして紹介しようと思っているが、超巨大海老天で有名な八幡庵ではリレーのバトンくらいある天ぷら2本入りの天丼があるが、頼みもしないのに「小うどん」がついてくる。大体どの店にも「ソースカツ丼とラーメン」というセットがあるし、麺モノを食す人は大抵大盛りで「ライス」をつけている。

  

商店街を出て駅と反対方向に歩くと、県庁所在地に本店を置くスズラン百貨店が現れる。私は全くと言ってよいほど興味もなかったのだが、「ラスク」というお菓子で有名なハラダが入っている。今でこそ東京・横浜の店では行列ができるほど人気があるらしいが、昔経営が厳しかった頃この「スズラン」というデパートからずいぶん有難い支援を受けたそうであり、その旧恩に報いるために市内にある有名百貨店や量販店などにいくら出店を誘われてもスズラン店舗一筋でやってきたそうだ。普通のラスクとホワイトチョココーティングが定番なのだが、冬季限定の金粉乗せブラックチョココーティングがあり、これを土産に持っていくと女子の間ではヒーローになれると聞く。(4月いっぱいで販売は終わってしまう)
そう言えばハラダのある地下食品街の一角に立ち食いソバコーナーがあり、素晴らしくボリュームで味もよく昼時はいつも混雑していると聞いた。結局一度も来る機会はなかったのだが、昼を外れた時間でもやっていたのでここで昼食をとることにした。(何か前と店構えが変わったような気がする)出てきたのは何の変哲もないちょっと量の多いかき揚げそば・・・(昔と変わってしまったかじろーくんに確認してみよう)

  

隣は城跡でありお堀や門跡などがある。春先はソメイヨシノが咲き乱れ、ついこの前まではつつじが鮮やかに咲いていたはずだ。そしてこの堀には我が市の鳥が住み着いている。寒い冬だが通勤中に青い稲妻のような飛行体を何度か目撃した。
1時間ほどでひと通り街中をそぞろ歩き、約束の時間も近くなってきたので1年ぶり前職場へ足を向けた。何百回と通った道のりである。ロビーでじろーくん達に向かえられ、オフィスのフロアへ入れてもらった。若干の顔ぶれが変わっていたものの、皆驚いたような懐かしいような笑顔で迎えてくれたが、私はここにいたのがつい昨日だったような、また遠い昔だったような不思議な気がした。懐かしいような寂しいような気が少しだけした。元々薄情なのか適応性が高いのか、今いる場所がずーっと昔からのような気がするし、昨日までの場所は遠い過去の話に思えてしまうのだ。

  

私は前の職場を去る時に「自分がやったこと、作ったことは自分一代限り有効である」と宣言してきた。つまり去った後は一旦リセットせよということだ。これはカッコをつけているわけでも皮肉っているわけでもニヒリっているわけでもなく、そういうポジションだからである。「変える」のが仕事なのである。だから先代の影響が強く残ってしまうと次の人がやりにくいのだ。
打合せを終えて懇親会へ。駅前の初めて行く店だった。メンバは私の後任を中心にじろーくん、ニカウさん、ミスター、などお馴染みに面々に加え、嬉しいことにスティーブが飛び入り登場!最初からリミッターを外してはるか北関東の地で巨大達磨鍋(実は中身は結構しょぼかった)をつつきながら昔話(と言ってもわずか数年前だけど)に花を咲かせたのである。

    

駅周辺をそぞろ歩くⅠ

2014-06-07 10:45:51 | 旅行お出かけ
仕事の打合せで約1年ぶりに前職にあった地に足を運ぶ機会があった。数名で訪問する予定だったのだが、せっかくだから各部署に顔だけでも出して挨拶して行こうと、私だけ約束より1時間ほど早く職場を出たのだ。、東北新幹線で仙台にはよく移動するが上越新幹線は久しぶりだ。(ホームは一緒なので別に変ったことはないのだが)ただ一つ、見慣れない車両が滑り出て行った。鼻づらはブルーだが横は茶色のイマイチ地味なラインのものだ。聞くと来年開業予定の北陸新幹線に使用するE7系という最新の車両がもう走っているそうだ。途中駅のホームの制約で10両編成まで、またトンネルも小さいので2階建てにもならず、コンパクトな設計だ。乗ったことのあるじろーくんによれば、座席の間隔が若干広く、ゆったりとしているようだ。私は予定よりも2本も早い「MAXとき」号に飛び乗った。

    

駅には予定よりも1時間早く着いてしまった。せっかくだから周辺の有名店で久々の「ゲテモノ」を遅い昼食にしようと思ったのだが、時間が外れてしまいどこも準備中の札になってしまっている・・・昼食時間も見込んで早くやって来たのだが、やたらに時間が余ってしまった。私はたまたま持っていたIXYを片手に駅周辺をそぞろ歩くことにした。真夏は駅に降り立って正面の温度計を見るだけでげんなりしたものだがその日は29℃、つい先日は最高35℃とかいきなり灼熱になっていたのだが、「もう純粋に仕事で訪れることもないだろう」と考え、色々足を運んだ店などの「思い出写真」を撮りに歩き出したのである。正面のあるか先に薄く見えるのが、市で一番高い建物、市役所だ。。県内に何十もの階数を誇る建物は2つしかなく、一つは一番高い県庁、もう一つが次に高いこの市役所である。

  

ますはめったなことで、入ることはなかった焼肉「朝鮮飯店」である。この街には何店舗か展開されており、変な顔をした「天下大将軍 地下女将軍」という木彫りの人形が店頭のトレードマークである。一度「あれは何なのか?」聞いてみたことがあるが、「チャンスン」というお守り神みたいなものだという。スティーブが会社を去る最後の日、そして私が職場を去る最後の日、なぜか別れを惜しむ時に使った店である。確か29日は「にくの日」ということで値段が半額?になるため、やたら混んでいる記憶が多い。つまりそういう日ばかり訪れたということである。次に前を通ったのは「ダイニング酒場BO-Z」(ぼうずと読むんだと思う)ルーキーズが大懇親会を行う時によく使った店だ。入社して数ヶ月は研修期間として色々な職場で仕事を覚えていくが、職種により皆よりも一足先に卒業する者が毎年一人だけいる。同期として入社したての研修期間というのは仲間意識が強く芽生えるのか大規模な送別会が催され私も招かれた。その最後に彼らが送り出すたった一人のために「思い出のVTR」を放映したのを見て思わずうるうるしてしまった。この時の感動から私が去る時には「絶対自分で作って置いて来よう」と決め、集大成DVDの製作に至ったのである。

      

そのすぐ先にあるのが「中国料理 揚子江」だ。あまり有意義とは思えなかったのだが、当時は各セクションの責任者が月に一度「定例懇親会」に集まるしきたりになっており、よくこの店が会場となった。「中国料理」とあるが、どう見ても場末のラーメン屋であり、店内も広くないが2階に広間があって、飲み放題コースには餃子や焼きそば、野菜炒めなど庶民的なメニューがふんだんに登場し、4000円くらいだったと思う。たぶん一部の幹部のガス抜き会のようなもので、あまり気の進まない飲み会だったが、味は中々よく、値段もリーズナブルだった。話(主に仕事の話?)が盛り上がると2次会、3次会にもつれ込むことも多かったようだが、私はいつも揚子江でスパークし、帰途についてしまうのだが、上司に「帰りは絶対自転車を押して行け」といつも厳命されたものだ。おかげで大きな怪我もなく3年間を過ごせた。

  

少し歩いて大通りの方に戻るとこれも「ジャパニーズダイニングキッチンさわ」がある。(なぜ普通に居酒屋と言わないのか)この店は「勤続●●周年」などという時によく使う「ちょっと値段のいい店」である。店舗は地下になるが、思ったよりも奥行があって多数の部屋があり、酒が進むとトイレの帰りが分からなくなるような間取りである「ダイニング」というタイトルにこだわっているのか、広―い畳部屋なのに上にテーブルを置いて椅子に腰かけて会食したりする。大通りを挟んで反対側にあるのが、「豊田屋旅館」だ。昭和初期に建てられ現在も営業している文化財にもなっている情緒あふれる木造建物である。ここは正真正銘の懐石・会席料理の店で、年に一度あるかないかスーパー偉い人をお迎えした時に使用する普段はご縁のない高級店である。最後に訪れたのは珍し運悪く「熱戦、フットサル大会」の日とかちあっており、「必ず出るから待っていて!」と客人をお送りする午後8時までにビールと酒をちびちび3杯くらいにとどめ、待たせていた車に飛び乗って風のようにフットサル会場まで駆けつけたものだ。

    

市役所に向かって歩き大きな交差点に至ると角に「Current」という少し洒落たダイニングバーがある。「ハタ坊」やその後任の「じゅんちゃん」率いるルーキーズ軍団が何かのレポート発表や研修終了の打ち上げによく使う(何故かお店の選択パターンが決まっている)。若者との話の方が年寄の病気自慢とゴルフ談義よりも数百倍面白いのは言うまでもない。ある年のルーキーズ達の間で「一発締め」というのが流行っていたと聞いた。これは上司や幹部たちも招く正規の懇親会で披露されたものだが、男子社員が「被弾」を立候補し、「それでは締めさせて頂きます『せぇーの!』・・・」という皆の掛け声とともに締めを指名された女子社員が「ぱーんっ!」と直立する男子のほっぺたにビンタを喰らわせるマゾっ気溢れる儀式である。本人たちは大盛り上がりなのだが、おじさんたちは苦笑しながら「最近の女子はたくましいよねえ。男子はしっかりせにゃー・・・」みたいなことをひそひそと話していた。

  

あるCurrentでの打ち上げの際、若者たちとわーわーいい気分で盛り上がっていた私はふいに「一発締め」の話を思い出しその場に居合わせた数人に向かって「試しにオレにやってみる人いない?」と立ち上がった。「そ、そんなことできましぇーん!」確か隣りにいたハナちゃんは凍りついたようだが、フットサルにも自分用のユニフォームを用意して参加した果敢なチャレンジャー、モモちゃんが「あたし、やります!」と手を挙げた。練習台にグッチーを指名し、軽く首をほぐして向かい合って数秒後・・・実はその後のことをあまり覚えていないのである。飲んでスパークしていたのは確かだが、「どばちーんっ」と一撃を喰らった際に記憶が消し飛んだようなのだ。首から上が吹き飛んだような感触だった。後から聞いたのだが、モモちゃんはポワーッとしているようで元テニスの国体選手!その利き腕から放たれた一発を喰らって無事で済むわけはないのである。(そんな大事なこと、早く言えよ!)
さて、時間は少し外れていたのだがどこかで昼食をとらなければならない。この地に勤務していた時ゲテモノばかり紹介してきたが意外にも街中は安くてボリュームがあり美味しい店が多い。私はいつも混んでいて一度しか行ったことのないある有名店に向かった。(なんか長くなってしまったので次に続く)

福岡往復の空中散歩

2014-06-02 22:13:42 | 旅行お出かけ
「できれば左側の翼の前の席、とれないかねえ」ブラウザバージョンが古いのか、自分の端末から航空券の予約が何故かできないので、いつもスタッフにお願いしている私は気まずそうに頼んだ。いつもは札幌、仙台など東日本エリアの出張が多いのだが、今回は珍しく西方面の福岡へ一泊二日だった。10年くらい前だったか、福岡出張した時に、飛行ルート上見事な富士山を目にした記憶がある。最近でも何回か福岡には出掛けているのだが、いずれも冬場で天候不安定、視界すらおぼつかない状態だった。今回は気候も安定し天気予報でも全国的に晴れ!チャンスだと思ったのだ。大阪方面に新幹線で出掛ける時はいつも山側窓際で頑張るのだが、上空からの景色はひと味違う。

「あと、2名のお客様のご搭乗をお待ちしております。離陸まで今少しお待ちください。」CAのエクスキューズの後、777-200は羽田空港を飛び立った。朝の羽田空港はまさしく渋滞で、窓から飛行機が何機も滑走路に向けて並んでいるのが分かる。私は撮影用にIXYをポケットに入れていたが、むろんこの時は「全ての電子機器のスイッチをお切り下さい」状態なので、窓からカメラを構えることはできない。今回は羽田から西方面だから我が家の上空を通過するかもしれないなー。江ノ島とかって上空から見るとどんなに見えるんだろうか。相模湾自体はそんなに変化があるわけではないからなー。飛行中に上空から見える地形がどんなイメージか、札幌行きでだいぶ要領を得ている私は、相模湾-伊豆半島がやがて見えるだろうと踏んでいた。

先日、結婚●0周を祝ったランドマークタワーはどこかなー。。。ちょっと雲が多くてよく見えないなー。見えたとしても、まだシートベルトサインが消えないから、デジカメも使えないか・・・新幹線で東京を出てから、富士山が見え始めるまで結構時間がかかる。その時間に慣れてしまっている私は「まあ、しばらく待つかなー」なんてJAL機内誌の巻末にある地図を眺めていたら、シートベルトサインが消えていきなり左方に見事な火口が目に入った。「うぉーっ、いきなり来てんじゃん!」クラスJ隣席の人が目を覚ますほど声で呟いてしまった。。。私はIXYを構えたが、ちょうど乗務員が飲み物をサーブしに横にいたので、念の為「カメラ使っていいですか?」と聞いた。むろんCAはにっこり笑って「綺麗に見えますよねえ」とスカイタイムをくれた。

              

この景色は中々撮れないぞー。向こうには伊豆半島も見えているな。雲が少し多いが、さすがは霊峰、ぶわーっと雲をかき分けて存在感を醸し出している。静岡湾と富士川が臨める。。。。その次は大井川に大無間山(これは後で調べた)、空から見ると日本という国は森林や湖の多い国だと思う。飛行ルートを見ていると、浜名湖が見えてきそうなものだが、どうも思ったより内陸部を飛んでいるのかその姿は確認できなかった。新幹線の窓からしか見えない浜名湖を上空から眺めたらどんな姿か・・・見えなかったのは残念だ。そしてJALの地図ルート通りに飛行すれば小夏師匠の国、上空を通過するはずなのだ。

        

KICKPOP師匠の国上空は偵察ヘリで飛んだが、これで両師匠の郷里の姿を目に焼き付けることができるとは感無量だ。しばらくすると、また海岸線が見えてきた。細く長く伸びる特徴的な半島の姿が段々と近づいてくる。初代ウルトラマンを苦しめた怪獣「アントラー」の顎部分にも似たあの姿は・・・まさしく渥美半島に知多半島、三河湾だな。師匠―っ、このジェット音が聞こえますかー?(ってただの迷惑だよな)。そして少しおいて、伊勢湾上空となり中部国際空港セントレアが目に入ってきた。しかし高度1万メートルから眺めているとは言え、三河湾と伊勢湾というのはすぐ隣なんだな。

            

間もなく日本一の琵琶湖上空に達するのだが、私の座席は飛行方向左側なので、たくわんの尻尾のような部分しか見られなかった。そしてこれも意外、(って分かっていないだけだろうが)、滋賀県の大津と京都って隣り合わせなんだな。戦国から安土桃山時あの香りのする地名がめじろ押しだ。琵琶湖の外れの横にあるのが、大文字山、そして長方形の緑の競馬場とその斜め右前方に小さな四角が見えてきた。何か格調高そうな雰囲気がするぞ。調べてみると何と、京都御所に二条城!さすが世界遺産の街だな。それからいよいよまだ見ぬ瀬戸内海の小さな島々らしきものが見えてきたのだが、残念ながら霞んできてしまいよく見えなかった。。。

          

今回は空からの往復るとなので小休止・・・博多駅では「麺街道」というストリートで有名店「だるま」のランチセットだ。1日目のイベント参加を終え、晩御飯はたくちゃんが調べてきたという「おおいし」のモツ鍋である。これは美味だー。前回の「●●や」はイカの活き造りこそ素晴らしかったが、モツ鍋とは名前だけ・・・一人二切れほどしかなく、後から入れるものと思いこんだ私は「そろそろモツを鍋に入れていいですか?」と思わず聞いていた。博多に住んでいたヨッシーから聞いたと言われたがどうもなー。。。聞くとヨッシーは中学まで博多に住んでいたようだ。中学生が海鮮モツ鍋居酒屋なんか知ってるはずないじゃんか・・・!「良い店教えろ」と強制され、仕方なくぐるなびかなんかで調べたんだろな。翌日のセミナーも無事終え、JAL機内誌で読んだ博多の隠れた名物「ごぼう天うどん」を食いに駅ナカを歩き回った。確かに豚骨ラーメンでなく、うどんを食わせる店には必ずと言ってよいほど「ごぼう天」というのがある。
  
            

帰りのフライトはあ午後3時の便だ。PM2.5なのか黄砂の影響なのか、福岡空港をテイクオフした直後はしばらく視野が悪く、曇っているわけでもないのに霞んでほとんど下界は見ることができなかった。しばらくしてようやく陸地が見えてきたが、ルートと飛行時間からしておそらく瀬戸内海の岩国上空あたりではあるまいか?そして機内紙のルートとは少し外れているようだが、今度は四国松山上空を通過した。往路もそうだったが、「何となくこの辺」としか頭に入っていない都市や島だから改めて思ったよりもそれぞれが近く、また入り組んだ地形だということがわかる。とんがった三崎をかろうじて確認した後、丸亀市上空となりこの角度で見れば瀬戸大橋が見えるはずなんだが、どうもぼやけちゃってるなー。あのあたりがそうか・・・?!

          

少しして淡路島の北半分が見えてきた。とすれば、かの有名な「明石海峡大橋」も見えるはず・・・って薄いけどあれがそうか?実は肉眼ではほとんどよく見えなかった。カメラの倍率を上げ、地図から方角を見定めて何枚かシャッターを切ったら、なんとなくそれらしいのが写っていただけである。そして関西空港発見!15年以上前になるが、仕事で関西空港経由で高速船に乗り淡路島に何度も行ったものだ。懐かしい~。もともと波が穏やかなことが多い位置に無理やり人工島を作ってしまったから海流が大きく変わり波が荒れると高速船が度々欠航となってしまう。そうするとKIXから「はるか」に乗って大阪を周り、南港からの淡路行きに乗るはめになるのだ。

        

さらにあっと言う間に紀伊半島上空を通過し、今度は南側からド迫力の小夏師匠の国である。こりゃー、すげえ、来た時よりもはるかに半島や伊良湖岬がくっきり見える。「伊良湖」という湖があると思っていたら、どうもそうではないらしい。このコースで羽田を目指せば今度は霊峰を南側から眺めることができるはずだ。「ついてるー」と思ったのだが、残念ながら機内紙の飛行から大きく外れ(大丈夫かあ?!)、何やら大きな島(実は大島だった)の上空を通過した次に見えてきたのは何と房総半島!つまり一旦銚子の方まで進み大きく旋回して木更津方面から着陸コースに入るようなのだ。千葉県って大きいと思っていたのだが、東京湾と九十九里浜海岸線が同時に見えるのだな。

                

この後、例のごとく「全ての電子機器を・・・」というアナウンスが入り着陸体勢に入った。東京-福岡便というのは往復でずいぶんコースが違うものなんだな(単なる天候の影響かもしれない)。地図でしか見たことがない、また普段はその地図すら見ることがない地形を眺めるのは楽しいものだ。かなり上空からということもあるが、全体的に日本という国は色々な地形が入り組んでいて、都市間が近い。半島や山脈などすごく大きなイメージがあるが、ひとっ飛びだし、両側の海岸線が一望できてしまう。アメリカ大陸を飛ぶとそうはいかないものだ。しかし人が済んでいる平野以外はほぼ全てが森林や河川・湖沼いかに自然が豊かかがよくわかる。壮大なスケールというわけではないが、この変化に富んだ退屈しない自然を持ち続けたいものだ。