先週末、太平洋側は天気は良かったが、寒気がやってきたのか恐ろしく寒かった。これはその前の週末、比較的暖かくて風もなくお出掛け日和だった時の話。朝一で練習という息子を行きだけ送ってやった帰りにFM横浜を聞いていると「仕事ができるようになりたければ釣りをしろ」とい本を著したゲストがトークしていた。結構人気のあるビジネス本らしいが、この手の「奇を衒った」ものには経験上あまり得るところが少ない。話半分に聞いていたが、私も釣りをやるから本は読む気にならなくても興味はあった。根気強さばかりが目立つイメージだが、昔から釣りをするのは「短気」な人がよいと言われる。うまく釣れない時にじーっと辛抱して待ち続けることができないために、エサやら仕掛けをむやみに変えてみたり、タナを変えたりポイントを移動したり・・・何とか釣果を出すためにあらん限りのことを試さずにはいられない。結果、そういう人の方が何もせずにいる人よりも釣果を出すものだそうである。
まあ、そんなところだろうと思って聞いていた。「限られた時間に最大の成果を挙げるために考えうるあらゆる工夫をする」という意味で釣りの上手な人は100%仕事ができる、というのが著者の主張らしい。またゴルフもそうらしいが、休日に家庭を放って遊びに行くことが度重なると家族(特に奥方)が良い顔をしない。それをあの手この手で言いくるめ、涼しい顔で「行ってらっしゃい」と言わせるためには入念な根回しと大胆な交渉が必要だ。つまり魚を釣るプロセスだけでなく、その準備やら承認の段階でも多いに仕事に通じるものがあると言うのである。どちらかと言うとそちらの方が目新しく面白い話だった。
まず「外堀を埋める=周囲を味方につける」ことが大事だという。釣れた魚は丁寧に下ろしてそのまま食べられるようにし、近所の奥様に必ず「おすそ分け」することを忘れない。ずばり人脈作りである。
自分のいないところで、その奥さんに「この前御宅のご主人から頂いたお魚美味しかったわー。ぜひまたお願いします」と言わしめればもう完全勝利間違いなしだそうである。釣りというのは成果があれば皆で共有できるので、ゴルフと違って家族にとっても実利のあるレジャーだと思う。本は世でないので内容がどんなものか知らないが、ラジオトークを聞いていた限りでは大体そういう内容なのだろう。実はその後、パーソナリティとその友人、そして著者の3人で船釣りに行ったときの話が面白かった。
まず乗合船が私もその昔、乗らせてもらった茅ヶ崎港の「●ごうの○」という釣り船だったのである。「●●た」さんと言う若めの船長(代変わりしたのかな)は気さくで物腰も柔らかく、初心者にも丁寧に教えてくれるので女性にも人気の船だという。しかもむろん船頭としての腕は間違いなく、著者によれば湘南エリアほぼ全ての釣り船に乗ったが、この船ほどいつ行っても釣れる乗合船はないそうである。これは貴重な情報だ!船釣りだからレアな獲物(松方弘樹が世界で釣るような巨大魚など)でなければ大概はそこそこには釣れる。しかし厄介なのは昔からの漁師町だったからか船長などが、やたら言葉が乱暴でぶっきらぼうなことだ。普通に言葉を交わしたり何か尋ねたりするだけでも「叱られている」ような気分になる人もいる。(むろん悪気はないんだろうが)
そんなイメージの中で物腰が柔らかくて初心者にも親切という船長は素晴らしい。暖かくなったら誰かを誘ってぜひ行ってみよう。さて、ラジオを聞いているとどうも「ライト五目」という初心者向けの釣り方らしい。しかし五目と言うだけあってアジが主体だが真鯛黒鯛はもちろん季節の多種多様な魚が釣れるらしい。特に今年はヒラメが好調だそうで、パーソナリティの友人が最後に2kgのヒラメを釣り上げたという。著者はベテランの域、パーソナリティとその友人はまだ初心者のようだったが、著者が同行者二人についてすごく感心していたのは
・二人は数時間の全く釣れない時間帯でも文句一つ言わず黙々とエサをつけては海に仕掛けを落としていた。
・自分成果がなくても他人が釣れると自分のことのように喜んでいた。
うーむ。車を運転しながら何だか自分もやたらに釣りに行きたくなってきた。しかし「仕事ができるようになりたければ釣りをしろ」というのはどうも・・・・なぜなら自分で言うのもなんだが、私自身承知しているのは「自分が決して釣りが上手ではない」ということだからだ。回数は行っているから通り一辺倒のことはすべてできるが、自信を持って言えるのは「上手ではないし、上手になる性格をしていない」。
必ずしも短気ではないし、釣り場での細かい作業が煩わしくて嫌なのである。ポイント選びや仕掛け、エサ、釣り方法などは事前に情報を集めてできるだけ分析する。しかし一旦釣りを始めたら途中であれこれ変えたり、工夫したりするのは面倒くさくてしないのである。自分でも何となく分かるがあまり釣りに向かないタイプだ。タナすら変えずに2時間もやって全く釣れなければとっとと帰ってきてしまう・・・
それでもラジオを聴きながら何としても今年初の釣行をしたくなった。幸い息子甘辛の受験も終わりサッカー漬けの毎日だから休みの日は何でもできる。明日は天気も良さそうで風もなくドライブがてら行かないか妻を誘ったら、初釣行に同行するという。私は誘われると喜んで行くが自分から釣りに誘うことをあまりしない。せっかく誘っておきながら全く釣れないと悪いから、そればかり気になってしまうのである。その点、妻は一人で行っても何も言わないし(小さい魚は下ろしてくれないが)、一緒に行っても少しだけやって見てるだけで、しかも運転を交代してくれるからありがたいものである。実は一人で行くとすぐに嫌になって諦めてしまうのだが、同行している人がいると何とか釣って見せたいのであれこれ努力する、という自身への心理効果も狙っていた。
朝はゆっくり目に出発し、西湘バイパスを西走した。南熱海か熱海港、伊豆山港か福浦港・・・一緒にのんびり竿を並べるなら港の護岸が一番安全でコンディションがよいが、何せ釣れない・・・初釣行だしここは雰囲気よりも結果を重視してテトラポット先端で釣る南熱海に車を向けた。立入り禁止ではないが、落ちると危険なので一緒に並んで釣ることはできないが、海に面してベンチがありそこからテトラを大きく越えて投げてやれば一応竿は出せる。天気もよく風もないから座って見物しているだけでも、のんびりはできる。私は結構苦労していつものポイントより右側に座をセットし、妻はしばらくそれを眺めていた。っと、いきなりすーっとウキが沈み何やら小さなアタリがきたのだ。「おーっ、いきなりキタのー?」と声が掛かったが、感触からしていかにも小さい。実際手のひらくらいのメバルだった。
「食べられる初の獲物は必ず持ち帰る」という私のポリシーに従って、持って上がろうとしたが、こんな小さな魚を苦労して持ってあがるのはかなり不便な場所なのだ。どうしようか迷っていると「そっから放り投げなよ。受け取るからさー」妻が黄色い釣り用バケツを抱えていた。私はタイミングを見計らって「とりゃーっ」とアンダースローで投げると見事に受け止めてみせた。しばらくしてもう少しだけ大きなメバルが釣れたのでまたアンダースローで受け取ってもらった。メバル大漁か?!と思いきや、その後はぱったり生命反応がなくなり、エサをつけてはウキを投げ入れる作業の連続になった。一旦陸まで上がり投げ釣り用の竿を準備して「どりゃーっ」とテトラ越しに仕掛けを投げ入れた。
その後テトラの先端に行ったりベンチに戻って投げ竿を見たりと繰り返していたが、投げ竿が一度だけ「ぐぐーっ」としなって大きく動いた。慌ててアワセ、重いリールを巻き始めたが残念なことに途中でどこかに引っ掛かり、ハリは落ちてしまった。「今の何だったのかな」「投げ釣りで真鯛が釣れたことあるって言うからなー。残念!」後にも先にも投げ竿に反応があったのはこの時だけだった。
しばらくテトラ先端で釣っていると20cmくらいのメジナがヒット!記念撮影には寂しい大きさだがこの先釣れるとも限らないから・・・「おーい、写真、写真」超兵器で釣り上げシーンをカメラに収めてもらった。しばらく釣っていたが、またうんともすんとも言わなくなってしまった・・・
正午を過ぎていつ来ても全く釣れなかった時間帯になったから、コンビニで弁当を買ってきてもらい、ベンチで海を見ながら昼飯とした。一人だったらもう飽きていてここで帰ってしまうのだが、さすがに連れがいるとまだ何やらやってみようという気になる。そして再び竿を出した直後、今度はかなり強い引きでウキが沈んだ。上がってきたのは23、4cmくらいのさっきより大きなメジナだ。さっきのはナシ!「おーい。もっかい写真頼むよー」今度のは少し様になったようだ。甘辛の好物だから家族で腹いっぱい食うにはもう2枚くらい欲しかったが、結局その2枚で終わりだった。駐車場で「近所にいない鳥がいるよ」と言うので、超兵器片手に偵察し、何羽か撮影した。
帰りに長浜海水浴場というのがあり、昔に比べてすごく綺麗に整備されていた。ご当地物産展は終わってしまったようだが、初島の浮かぶ海に向かって無料の「足湯」に何人か浸かっていた。駐車場は無料、新しく設置された消波ブロック帯を歩いてみたが先端は立ち入り禁止のようだ。マリンホールから帰る途中にあった小さな古い堤防が恐らく腰越「ロアジ」のマスターが言っていたポイントなのだろう。駐車場から少し歩くようだが、今度はそちらへ行ってみよう。
陽も傾いてきて風も冷たくなり、それほど混んでいないR135号を帰路についた。早川を過ぎて「一夜城公園」という矢印が出てきたのでさっと寄ってみることにした。かなりのパワースポットだと聞いたことがあるし、噂に聞く「ヨロイヅカファーム」というのがあるという。何かものすごい混んでいるときいたから恐る恐る向かったが、駐車場は確かに「混んでる時は大変だろなー」と思われるところだったが、時間も遅いこともあって普通に入店することができた。結構標高の高いところにあり、見晴らしもよいが思ったよりもこじんまりとしたところだな。店内はかなり混んでおり、クッキーやらアイス、パンなどが並んでいた。しかしウィンドーには見たことも無いような煌びやかなケーキ(スィーツというのが正しい?)が所狭しと並んでいた。普通のケーキ屋のものとは数段異なる色々な趣向が融合した高貴な輝き・・・スィーツの「北山文化」というものか。(興味があまりないのでかなり適当なことを言っている)
妻は珍しくあまり興味がないようだったが、しばらくして「あの人だよ!」と小声で囁いた。お客さんに満面の商売スマイルを輝かせているパティシエこそ「ヨロイヅカさん」ご本人だったのだ。度々店内や庭まで現れて愛想を振りまいているらしい。女子軍がみんなで一緒に記念撮影をしていた。我々は特に興味があるわけでもなく、買ってきたみかんのアイスとオリーブの実を混ぜ込んだブレッドをむしって食っていた。少し寒くなってきたがファームとしてはのびのびとしたところだ。北山文化を楽しむならばこんなものすごい田舎ではなく、赤坂とか恵比寿の方が雰囲気にぴったりくるようなところだ。私はどちらかというと一夜城公園の方に行きたかったのだが、かなり寒くなってきたのでまたの機会(ここは釣りの帰りにいつでも来れる)にすることにしたのだった。
「今日は釣果が少ないからさー。オレが下ろすと食べるところ少しになっちゃうから頼むよ」見事なメジナの刺身に小さなメバルまで煮付けにしてくれたのはあり難い。私と甘辛はもちろんこちらの「北山文化」の方が好きだ。食事と同じように釣りも一人より二人の方が何やら面白い。暖かくなったらまたドライブがてらどこかに釣行することにしよう。「仕事ができるようになりたい」とは今更思わないが、二人で気持ちよく釣行に行く説得術は身につけたいものだ。
まあ、そんなところだろうと思って聞いていた。「限られた時間に最大の成果を挙げるために考えうるあらゆる工夫をする」という意味で釣りの上手な人は100%仕事ができる、というのが著者の主張らしい。またゴルフもそうらしいが、休日に家庭を放って遊びに行くことが度重なると家族(特に奥方)が良い顔をしない。それをあの手この手で言いくるめ、涼しい顔で「行ってらっしゃい」と言わせるためには入念な根回しと大胆な交渉が必要だ。つまり魚を釣るプロセスだけでなく、その準備やら承認の段階でも多いに仕事に通じるものがあると言うのである。どちらかと言うとそちらの方が目新しく面白い話だった。
まず「外堀を埋める=周囲を味方につける」ことが大事だという。釣れた魚は丁寧に下ろしてそのまま食べられるようにし、近所の奥様に必ず「おすそ分け」することを忘れない。ずばり人脈作りである。
自分のいないところで、その奥さんに「この前御宅のご主人から頂いたお魚美味しかったわー。ぜひまたお願いします」と言わしめればもう完全勝利間違いなしだそうである。釣りというのは成果があれば皆で共有できるので、ゴルフと違って家族にとっても実利のあるレジャーだと思う。本は世でないので内容がどんなものか知らないが、ラジオトークを聞いていた限りでは大体そういう内容なのだろう。実はその後、パーソナリティとその友人、そして著者の3人で船釣りに行ったときの話が面白かった。
まず乗合船が私もその昔、乗らせてもらった茅ヶ崎港の「●ごうの○」という釣り船だったのである。「●●た」さんと言う若めの船長(代変わりしたのかな)は気さくで物腰も柔らかく、初心者にも丁寧に教えてくれるので女性にも人気の船だという。しかもむろん船頭としての腕は間違いなく、著者によれば湘南エリアほぼ全ての釣り船に乗ったが、この船ほどいつ行っても釣れる乗合船はないそうである。これは貴重な情報だ!船釣りだからレアな獲物(松方弘樹が世界で釣るような巨大魚など)でなければ大概はそこそこには釣れる。しかし厄介なのは昔からの漁師町だったからか船長などが、やたら言葉が乱暴でぶっきらぼうなことだ。普通に言葉を交わしたり何か尋ねたりするだけでも「叱られている」ような気分になる人もいる。(むろん悪気はないんだろうが)
そんなイメージの中で物腰が柔らかくて初心者にも親切という船長は素晴らしい。暖かくなったら誰かを誘ってぜひ行ってみよう。さて、ラジオを聞いているとどうも「ライト五目」という初心者向けの釣り方らしい。しかし五目と言うだけあってアジが主体だが真鯛黒鯛はもちろん季節の多種多様な魚が釣れるらしい。特に今年はヒラメが好調だそうで、パーソナリティの友人が最後に2kgのヒラメを釣り上げたという。著者はベテランの域、パーソナリティとその友人はまだ初心者のようだったが、著者が同行者二人についてすごく感心していたのは
・二人は数時間の全く釣れない時間帯でも文句一つ言わず黙々とエサをつけては海に仕掛けを落としていた。
・自分成果がなくても他人が釣れると自分のことのように喜んでいた。
うーむ。車を運転しながら何だか自分もやたらに釣りに行きたくなってきた。しかし「仕事ができるようになりたければ釣りをしろ」というのはどうも・・・・なぜなら自分で言うのもなんだが、私自身承知しているのは「自分が決して釣りが上手ではない」ということだからだ。回数は行っているから通り一辺倒のことはすべてできるが、自信を持って言えるのは「上手ではないし、上手になる性格をしていない」。
必ずしも短気ではないし、釣り場での細かい作業が煩わしくて嫌なのである。ポイント選びや仕掛け、エサ、釣り方法などは事前に情報を集めてできるだけ分析する。しかし一旦釣りを始めたら途中であれこれ変えたり、工夫したりするのは面倒くさくてしないのである。自分でも何となく分かるがあまり釣りに向かないタイプだ。タナすら変えずに2時間もやって全く釣れなければとっとと帰ってきてしまう・・・
それでもラジオを聴きながら何としても今年初の釣行をしたくなった。幸い息子甘辛の受験も終わりサッカー漬けの毎日だから休みの日は何でもできる。明日は天気も良さそうで風もなくドライブがてら行かないか妻を誘ったら、初釣行に同行するという。私は誘われると喜んで行くが自分から釣りに誘うことをあまりしない。せっかく誘っておきながら全く釣れないと悪いから、そればかり気になってしまうのである。その点、妻は一人で行っても何も言わないし(小さい魚は下ろしてくれないが)、一緒に行っても少しだけやって見てるだけで、しかも運転を交代してくれるからありがたいものである。実は一人で行くとすぐに嫌になって諦めてしまうのだが、同行している人がいると何とか釣って見せたいのであれこれ努力する、という自身への心理効果も狙っていた。
朝はゆっくり目に出発し、西湘バイパスを西走した。南熱海か熱海港、伊豆山港か福浦港・・・一緒にのんびり竿を並べるなら港の護岸が一番安全でコンディションがよいが、何せ釣れない・・・初釣行だしここは雰囲気よりも結果を重視してテトラポット先端で釣る南熱海に車を向けた。立入り禁止ではないが、落ちると危険なので一緒に並んで釣ることはできないが、海に面してベンチがありそこからテトラを大きく越えて投げてやれば一応竿は出せる。天気もよく風もないから座って見物しているだけでも、のんびりはできる。私は結構苦労していつものポイントより右側に座をセットし、妻はしばらくそれを眺めていた。っと、いきなりすーっとウキが沈み何やら小さなアタリがきたのだ。「おーっ、いきなりキタのー?」と声が掛かったが、感触からしていかにも小さい。実際手のひらくらいのメバルだった。
「食べられる初の獲物は必ず持ち帰る」という私のポリシーに従って、持って上がろうとしたが、こんな小さな魚を苦労して持ってあがるのはかなり不便な場所なのだ。どうしようか迷っていると「そっから放り投げなよ。受け取るからさー」妻が黄色い釣り用バケツを抱えていた。私はタイミングを見計らって「とりゃーっ」とアンダースローで投げると見事に受け止めてみせた。しばらくしてもう少しだけ大きなメバルが釣れたのでまたアンダースローで受け取ってもらった。メバル大漁か?!と思いきや、その後はぱったり生命反応がなくなり、エサをつけてはウキを投げ入れる作業の連続になった。一旦陸まで上がり投げ釣り用の竿を準備して「どりゃーっ」とテトラ越しに仕掛けを投げ入れた。
その後テトラの先端に行ったりベンチに戻って投げ竿を見たりと繰り返していたが、投げ竿が一度だけ「ぐぐーっ」としなって大きく動いた。慌ててアワセ、重いリールを巻き始めたが残念なことに途中でどこかに引っ掛かり、ハリは落ちてしまった。「今の何だったのかな」「投げ釣りで真鯛が釣れたことあるって言うからなー。残念!」後にも先にも投げ竿に反応があったのはこの時だけだった。
しばらくテトラ先端で釣っていると20cmくらいのメジナがヒット!記念撮影には寂しい大きさだがこの先釣れるとも限らないから・・・「おーい、写真、写真」超兵器で釣り上げシーンをカメラに収めてもらった。しばらく釣っていたが、またうんともすんとも言わなくなってしまった・・・
正午を過ぎていつ来ても全く釣れなかった時間帯になったから、コンビニで弁当を買ってきてもらい、ベンチで海を見ながら昼飯とした。一人だったらもう飽きていてここで帰ってしまうのだが、さすがに連れがいるとまだ何やらやってみようという気になる。そして再び竿を出した直後、今度はかなり強い引きでウキが沈んだ。上がってきたのは23、4cmくらいのさっきより大きなメジナだ。さっきのはナシ!「おーい。もっかい写真頼むよー」今度のは少し様になったようだ。甘辛の好物だから家族で腹いっぱい食うにはもう2枚くらい欲しかったが、結局その2枚で終わりだった。駐車場で「近所にいない鳥がいるよ」と言うので、超兵器片手に偵察し、何羽か撮影した。
帰りに長浜海水浴場というのがあり、昔に比べてすごく綺麗に整備されていた。ご当地物産展は終わってしまったようだが、初島の浮かぶ海に向かって無料の「足湯」に何人か浸かっていた。駐車場は無料、新しく設置された消波ブロック帯を歩いてみたが先端は立ち入り禁止のようだ。マリンホールから帰る途中にあった小さな古い堤防が恐らく腰越「ロアジ」のマスターが言っていたポイントなのだろう。駐車場から少し歩くようだが、今度はそちらへ行ってみよう。
陽も傾いてきて風も冷たくなり、それほど混んでいないR135号を帰路についた。早川を過ぎて「一夜城公園」という矢印が出てきたのでさっと寄ってみることにした。かなりのパワースポットだと聞いたことがあるし、噂に聞く「ヨロイヅカファーム」というのがあるという。何かものすごい混んでいるときいたから恐る恐る向かったが、駐車場は確かに「混んでる時は大変だろなー」と思われるところだったが、時間も遅いこともあって普通に入店することができた。結構標高の高いところにあり、見晴らしもよいが思ったよりもこじんまりとしたところだな。店内はかなり混んでおり、クッキーやらアイス、パンなどが並んでいた。しかしウィンドーには見たことも無いような煌びやかなケーキ(スィーツというのが正しい?)が所狭しと並んでいた。普通のケーキ屋のものとは数段異なる色々な趣向が融合した高貴な輝き・・・スィーツの「北山文化」というものか。(興味があまりないのでかなり適当なことを言っている)
妻は珍しくあまり興味がないようだったが、しばらくして「あの人だよ!」と小声で囁いた。お客さんに満面の商売スマイルを輝かせているパティシエこそ「ヨロイヅカさん」ご本人だったのだ。度々店内や庭まで現れて愛想を振りまいているらしい。女子軍がみんなで一緒に記念撮影をしていた。我々は特に興味があるわけでもなく、買ってきたみかんのアイスとオリーブの実を混ぜ込んだブレッドをむしって食っていた。少し寒くなってきたがファームとしてはのびのびとしたところだ。北山文化を楽しむならばこんなものすごい田舎ではなく、赤坂とか恵比寿の方が雰囲気にぴったりくるようなところだ。私はどちらかというと一夜城公園の方に行きたかったのだが、かなり寒くなってきたのでまたの機会(ここは釣りの帰りにいつでも来れる)にすることにしたのだった。
「今日は釣果が少ないからさー。オレが下ろすと食べるところ少しになっちゃうから頼むよ」見事なメジナの刺身に小さなメバルまで煮付けにしてくれたのはあり難い。私と甘辛はもちろんこちらの「北山文化」の方が好きだ。食事と同じように釣りも一人より二人の方が何やら面白い。暖かくなったらまたドライブがてらどこかに釣行することにしよう。「仕事ができるようになりたい」とは今更思わないが、二人で気持ちよく釣行に行く説得術は身につけたいものだ。