超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

晩秋の花火大会

2010-11-28 19:58:30 | 出来事
今年の江の島花火大会は昨晩だった。記憶にある限りこんな中途半端な時期に花火大会など初めてだと思う。
今年はAPECのイベントとかでずれてしまったのである。
冬の花火大会と言う熱海が印象的だった。12月23日だったのだが、恐ろしく寒いものの空気が澄んでいて、轟が山に反響して迫力があり、フィナーレは空が真っ白になるほどであった。

江の島花火大会は鎌倉に比べて大したことはないが、とにかく恐ろしくたくさんの人sが集まる。
小田急江ノ島線が乗り切れなくなる唯一の日である。小田急も江ノ電も夏だけやけに混むが。。。
夏場の花火大会は駅のコンコースに浴衣姿の若い女性が溢れかえるが、さすがにこの時期にあのスタイルは見られない。
我が家の前の道路も海岸へ向かうチャリで溢れかえっている。

我が家も宴会の準備をして前から約束していたSちゃん一家とつぶやき一家と待ち合わせ、見物に出動を予定していた。
県北方面から小田急で南下してくるつぶやき一家を迎えに行こうとムーブ君にエンジンをかけ、私道を微速前進していくと・・・前方右側の壁際から女性と子供の顔がフッと現れ凍りついた。。。以前youtubeで見た忘れられない(しばしば一人では寝られなくなる)心霊写真が頭をよぎったのである。
それはSちゃん一家のたまさんとRYON2だった。。。

久々につぶやき一家を駅で迎え、混む道を避けて一旦我が家を目指した。
花火大会は45分しかないそうだから、ちょっとそこまで散歩に行くスタイルだ。(どちらかと言うと宴会メイン)
うな吉のいた向かいの川沿いに海に向かうとド正面が江の島だ。6時になると突然目の前に巨大な火の玉が打ち上がって空が明るくなった。



つぶやきさんによると、最近私のブログ写真には構図の変化が現れたらしい。。。
さっぱり意味がわからぬが、彼女の芸術センスは侮れないものがあるから、もしかして気が付かないうちに目覚めているのかも・・・
川沿いを海岸に向かって歩いていると

「そうそう、太郎さん、●●日誕生日だったんですよねー。別に何もないけど・・・」

つぶやき家のカレンダーに私の誕生日が記入されているらしい。ふむふむ。なかなか感心なことだが、よく聞いてみると随分まえにつぶやき家に遊びに行ったときに妻がいたずら書きしてきたそうなんだ・・・
海岸線はさすがに人で溢れかえっている。車もノロノロ運転でほとんど動かない。
ちょうど甘辛がうな吉を釣り上げた地点より少し海よりで未だその真価を発揮できずにいる超兵器203号を炸裂する花火に向けてレンズを向けた。
まあ・・・説明書をまともに読まない自分がいけないのだが、どうもうまいこと撮れないものだなー。。。
長過ぎもせず、人で溢れかえるばかりでもなく・・・この時期の花火大会って結構いいかも。





我が家に帰ってからは、水炊きで宴会だ。Sちゃんちは「またぎ飯」という、きのこを中心としたヘルシーな炊き込みご飯を持参してくれた。
パパは寒い地方に赴任しており、「いちご煮」という名産を差し入れてくれた。
(まじめにホントに「いちご」を煮たものだと思っていた)
「おっとっと」の幻のパーツが見つかったと盛り上がり。。。
私の「なるへそ」「ギャフン」「ナウい」「ヤング」の死語攻撃につぶやきさんは「ドロンさせていただきます」そして腰を下ろすときの「よっこいしょういち」という最強技で私を軽々と粉砕して見せた。
県北よりもずいぶんこちらは暖かいそうだ。しかしオレのマンションは間違いなくもっと寒い。そしてSちゃんパパの単身マンションはさらに桁違いに寒いはずだ。。。



シンちゃんはいつも畳コーナーの一画で居眠りを始めるのだが、今日は何とか耐えた。
私は窓際でいつもの通り撃沈。。。お開きになる頃は日付が変わろうとしていた。
このメンバーでやるといつも時間を忘れるよなー。
翌日、天気が良かったので同じ所を散歩してみた。昼間だとこんな感じだ。
鯉かな?何やら小さな坂の集団が・・・カモメの群れが飛び交い。。。



みなさんお疲れ様でした。来年下ネタ(もとい!下仁田)ネギで鍋パーティやりましょうねー。


   

パワースポットⅡ

2010-11-26 06:36:34 | 旅行お出かけ
写真UPは自宅からしかできないので、時系列は前後してしまうが。。。
ここのところ新宿に用があってそのまま帰宅したり、土日が挟まったりして自宅からの通勤のようになっていた。
しかしそれなりに交通費はかかるから、祝日は久々に単身マンションで1日を過ごすことにした。
前日はしとしとと冷たい雨が降っており、部屋で大人しく本を読んでいた。市川拓司の「今、会いに行きます」という、息子甘辛が塾の講師にリコメンドされた本群のひとつだったが、実に「切ない」話だった。「ゴースト(ニューヨークの幻)」に近いかなー。

こんな気分で1日雨で出かけられないとそれこそ、血液が沈殿してしまう私だが、運良く天気は好転しそうな予報だった。。。
半日コースで夕方は例のトレーニング&日帰り温泉コースとしていたので、外出先はすぐに決まった。
ズバリ妙義山である。。。
県周辺エリアに「三山」と呼ばれる名山があり、前回「パワースポット編」で訪れたのはその一つで全国的にも有名な場所だ。もうバレバレなので言ってしまうとそれは榛名山・榛名神社である。

しかしポストに配られる地元タウン新聞によると、「妙義神社」のパワーはかなりすごいものであるという。。。
マンションからは榛名神社より少し近いくらいだ。昔の愛車「チョイノリ」では無理があるが、パワーアップした「ポインター号」ではツーリングとして行けない距離ではない。
1時間ほどの行程であろうか、ちなみに「チョイノリ」は20km以上連続で走行すると「壊れた」そうだ。。。
朝の8時半にマンションを出発し、だんだん天気がよくなる中、ポインター号は快調に国道18号を疾走した。

「るるぶ」をリュックサック(死語?)に入れて行ったが、例年であればこの時期紅葉が素晴らしいらしい。
実は私は「紅葉」というものにあまり縁が無かった。ということはあまり興味を持ったことも無かった。
「紅葉狩り」というのは赤くなった「もみじ」を拾い集め、佃煮にするか酒に漬けるものだ、と真面目に思っていたのである。(最近、真相を知った)
自宅周辺だと有名なのは箱根だが、土日の何十キロの渋滞情報を聞くと、「まあ・・・見るだけならねえ・・・」と足は運ばなかった。

しかしポインター号を走らせながら、恐るべき「赤」に出会ったのである。
それは妙義山に向かう手前の安中市街を抜けたちょっとした空地にあった紅葉なのだが・・・
その昔、小学校の修学旅行で日光いろは坂を上ったとき、時期的には「紅葉」とはこういうものか、とにかく「赤い」イメージだけがあったが鮮やかに蘇った。。。
もみじってこんなに赤くなるもんだったのか?!



しばらくポインターを走らせていると、妙義山が「ドーン」と出てきた。すげえ迫力だ。
切り立った崖と剥き出しの岩肌がその荒々しさを醸し出している。「刺々しい(そのまんま)山」だなー。
よく見ると山肌のど真ん中に白い「大」という字が見える。「キン肉マン」の額にある「肉」みたいな感じなのだが、あれは一体なんだろか?・・・
妙義神社へ足を踏み入れた。榛名神社ほど「数奇な感じ」はしないが、パワーはみなぎってるようだぞ。(神社仏閣ってみんなパワーあるらしい)



大鳥居をくぐって階段を登っていくと正面にさっき見た「大」の字が見える。ただ看板があったのだが、「本社」は3年ほど前の台風で破壊され、その修復工事のため立ち入れないのだそうだ。何せ厳しい崖っぷちに構築されてるから簡単には工事できないようなのだ。
代わりの「旧社」と言うところでお参りし、下の社で最近数十キロ先の練習会場までチャリで行くようになった息子甘辛のため「交通安全」の御守りを買った。
神社の境内内も終わりかけてはいたと思うが見事な紅葉が。。。「紅葉の映える妙義山」この地方で子供は必ず覚えるという「かるた」にあるそうだ。もう少し早くこればよかったな。
息子甘辛用の交通安全守を買ったときにそこの巫女さんに尋ねたのだが・・・

「あの『大』という字のあたりには行けないんですかねえ?・・・」

「大丈夫。本社からは入れませんが、登山道から向かえます。右に上り口があるんです。そこに案内図がありますよ。お気をつけてね」



見ると、「大」の字までは一般の登山コースで、そこから妙義山の頂上を目指すのは上級者コースらしい。。。
その辺をうろうろしている間、上へのぼる人は誰もいなかったのだが、「大丈夫」と聞いたので、「ちょっとその辺りをジョギング」と言うスタイルでトコトコ登り始めたのだった。
最初あった階段はあっと言う間になくなり、手で掴まなければ登れないほど険しい獣道になった。

「もしかして、オレ・・・地獄へ向かってるン?」しばらく黙々と登り続けたのだが、だんだん冷静になってくると「やめたほうがええんちゃうかー?」(なぜか関西弁)と警告する声があった。

しばらく登って行くと、上方で「チリンチリン」という音と人の声が聞こえた。
おーっ!誰かいるじゃないか、急いで追いつくと彼らは一息ついているところであった。
人一人通れるくらいの狭い獣道だから、上の方から「お先のどうぞー」という声が聞こえた。
このままの登るのはマズイ・・・身体が警戒アラームを出していた。登るのは大したことないのだが、たぶん下りが危険なのである。何せ履いていたのがアディダスの白いテニスシューズだったし・・・しかし3人いた上で休憩していた人たちに。。。

「すいません。『大』ってのはここから結構あるんでしょうか?見えるとこまで行こうと思って来たんですが・・・」

「そのスタイルでここまで登って来られたんですかぁ?ここからかなありますよお。しかも綱で登るとこも・・・真横まで行かないと『大』は見えないはずだよ。。。」

うーむ。甘かった。。。私はかなりのピッチで登って追いついたらしいのだが、その人たちはいかにも「娘さんよく聞けよ、山男にゃ惚ーれるなよー」スタイルでばっちり決めていた。そのままサッカーの試合にも出られるようなカッコの私はいかにも「山を甘く見て遭難する」愚か者と見られたような違和感だった。
私は迷わず振り返って引き返した。身体アラームもそうだが、ホントに危ないと思ったのである。

やはり予想通りだった。登りは体重のかけ方の調整で滑らずに行けたのだが、下りは踏ん張った足が必ずズルっときて、下手するとそのまま奈落の底なんていうシーンが数え切れずあったのである。
歩いている矢先にも葉が舞い散って足元は枯葉模様である上に前日に雨が降っているので、足元は恐るべき低摩擦状態だ。。。
久々に全身の運動神経を効かせた。白馬健康ハイキングのように下りで焦り骨折などしては洒落にならぬからな。
ようやく無事に本堂まで辿り着き、さっきの巫女さんに恥ずかしそうに「このカッコでは無理でしたよ」と苦笑いして、そのパワースポットを後にした。。。。
コースを全うできなかったとしても、ご利益は減らないよなあ。体育会系は「途中挫折」が最大の「悪行」だからなー。



神社を後にして、フラワースポットに行くとこれまた見事な奇岩の風景だ。写生している人が何人かいる。
風がもう少し強くなければなかなかよい日和だが、いい感じの趣味だな。絵心皆無の私には縁がなさそうだが・・・
ポインターを走らせ山道を降りた。湘南地方ナンバーの原付でここを訪れたのは私が第一号では
なかろか。



1時間ほどのツーリングで「隊長」が連れて行ってくれた「うどん屋」に初めてたどり着くことができた。
寒空を疾駆したから名物「肉うどん」は絶品であったよ。
午後になってまだ早かったが予想外に簡単に行ってこれたので、そのままトレーニング&日帰り温泉に向かったが、何と「スポーツギャラリー」は臨時休業・・・
うそだろ!ここが開いてないと入浴券がもらえず、休日用の高い入場料を払わなければならないのに。。。
そこまで行って、しかたがないからいつもの倍の値段で入館した。
いつもは1時間半ほど浸かるのだが、この日は日没まで4時間、身体がふやけるまで露天と室内ジャグジーを往復し、身体が干からびるまでサウナ入浴を繰り返した。
次きたときは「入浴券」だけまとめ買いしておこう。。。


Kick Off

2010-11-21 12:40:03 | 出来事
私の会社は「Kick Off」が好きな会社である。これは間違いない。
イベント好きと言うよりは「節目好き」or「祭り好き」に近い。それは結構なのだが、何かにつけて出番が多すぎるのは正直閉口することもあるのだ。
10月に入って「今年度」後半に入り、どのように会社事業を運営していくか、トップマネジメントが説明して回ると言う。。。
オフィス、事務所、センターと名前は違えど、たくさんあるが「飽きっぽい」私にとって、スタッフとして同行していても同じ話を何回も聞くほどの苦痛はない。。。
APECなぞかけを考えていたのもそういうときだ。

それはそれで仕事だから我慢もするのだが、困ったことにセクションごとに必ず「Kick Off会」をすることになっている。要は何か弾みを付けたいってことなんだろな。
頭数だけで言えば私は広大なジャンルを管轄している。大きく分けると二つの部門を掛け持ちしており、ロケーションも多数にわたる。(まだ何地点あるのか知らない・・・)
その一つの部門の「Kick Off会」のことである。

下半期なんていうけれども、もう一ヵ月半は過ぎているが・・・
本館、別館の違いだから結構近い位置にいた。しかし何となく「身体が警戒アラーム」」を発していたのだ。。。
KIckOff飲み会は100人以上はいただろうか。。。
「挨拶」か「乾杯」はいつもリクエストされるので、別に気にすることも無く適当にあしらっていた。
恐るべきは「女性軍」である。
私が勤務する「別館」は基本的に男性ばかりだ。。。ところがそこに「女の園」(死語?!とも思われる恐怖のミュニティがあったのである。。。

乾杯が終わり立食形式のパーティが始まった。と言っても社員食堂を開放しているだけだから、テーブルも普段昼食に使う長テーブルそのものである。
どこもそうだがしばらくは歓談タイムだ。私は二つあるカスタマーセンタ長に囲まれて、この地方ではよく出る「〆張鶴」という浦霞と並んで好物の日本酒を飲んでいた。
男性軍は私の年齢で下から数えたほうが早いくらいだから、基本的に「酒飲み」で料理はついばむ程度だ。
おまけに私は飲み会で最初にいた位置からあまり動き回る習慣がないから、ずーーーっと飲んでるだけ、ということも多い。

それまで全く気がつかなったが、「女の園」はすぐ隣のテーブルだったのである。
さっきから我々の周りをちょろちょろ偵察している「高畑秀子似」の女性がいた。
「んっ?」と目を向けると、ちいーさく手招きをしているようだ。そのテーブルは女性軍しかいないようだ。。。
その部署は片方のカスタマーセンターに属し「設計」に近い仕事をこなしているところだ。
派遣社員の方が大半を占める、かなりの高スキルセクションだ。
月に一度朝の全体ミーティングに参加するから、そのくらいのことは知っているが。。。
ビンビールを両手に持って「いやあ、お疲れ様です」と恐る恐るテーブルへ接近した。

「ちょっと待って!」私はあわててビンを置くと、自分のいたテーブルにかけ戻り、手付かずのフルーツとバンバンジーサラダの皿をお持ちした。
さっすが、女性軍?!テーブル上の料理はほとんど食い尽くされていたのである。
「オジサン軍」はフルーツなど普通食べない。。。全部無くなって平らげられてるの初めて見た・・・
秀子女史は気さくに話しかけ、ビールを注いでくれた。年齢は私くらいか・・・

「どこかでお会いしましたっけ?」顔は合わせているはずなのだが、何せ100人近くいるので、失礼ながら覚えていられない。

「夏祭りで神輿に両手離しではねてた人でしょ?祭りの朝に波乗りしてくるなんて面白い人が来た、と噂してたのよ」

そうか、あの日は早朝に海に行き、その後新幹線で祭りに向かったんだ。
そう言えばこの人、あの祭りでやたらめったらオレに水をぶっ掛けてきた女史じゃないか・・・
全体ミーティングではあまり見かけなかったが、たしかマラソン一緒に走ったAKBと同じセクションだったな。隣の人が甲高い声で尋ねてきた。うーむ。ここは手強いぞー。。。


「サキ(AKBのこと)が言ってたけど、よくウルトラマンのネクタイしてるんですってね。今日は違うんですかぁ?きゃー、でも今日のはカワイイじゃないですか!」

「こっ、これは1年でこの時期しか着ない『クリスマスバージョン』なんだよ。下にサンタクロースが付いてるだろ?ウルトラマンは傷みが激しくなってきたので肝心のときだけ。ちなみにドクロ模様も持っています。」

やはり女性軍は服装についての観察が鋭い。彼女達に言わせると前回のミーティングで着ていたワインレッドのスーツが話題になっていたそうだ。この地方の男性(年寄りが多いけど)紺とかグレーしか着ないんだって。。。
また、クールビズ期間に来ていたデザインシャツは一回り大きいほうがよいそうだ。胸筋が目立ちすぎるんだって・・・まあ、サイズが無理に小さい(つまり太った)ということだな。月に何度も会わないのにそこまで話題にするか?!恐るべき女性軍・・・

そんな話をされて苦笑いしていたら、やがて彼女らはしゃがみ出した。ちょうどテーブルが目の高さくらいになっちゃうのだが、普通におしゃべりを続けるのである。
一体どうしたのか尋ねたら、立ちっぱなしのパーティなどそうはないから、「疲れる」のと「足がむくむ」と言うのである。
私はしばらく立ったまま話し続けたが、いかにも「上から見下ろす目線」というのは失礼な気がして仕方が無いから自分もしゃがんだ。。。
周りから見たら異様な風景だったかもしれない。ずーっとしゃがみっ放しではなく、立ったりしゃがんだりの繰り返しだったから。
しばらく歓談の後、さらに隣のテーブルに呼ばれて「女性の園」テーブルを後にしたのである。

「磯辺さん、あそこで何やってたんですか?何かのゲーム?」

もう一つのセンターはかなりの経験がいるので、基本的に社員ばかり、すなわち男性軍だ。
しかしどの職場でも「女性の力」は強く、紅一点とも言える妙齢の女史が取り仕切っていた。
すごい貫禄だ。何せ私よりも一回り年長で孫もいるというから。。。「こっちに座ってくださいよ」隣の椅子を指差した。正座させられるのかと思った・・・

「いつも別館にいらっしゃるんでしょ?私のこと知ってる?ずいぶんここも長いのよねえ」

「知ってますよー。オレがミーティングでちょっとしたスピーチするとき、いつも難しい顔して聞いている方でしょ?結構プレッシャーなんですよ。オレの話、つまんないかな・・・」

「そんなことないよ。アタシ本の話、好きだからさ。。。難しい顔は生まれつき!」

ああ、「もしドラ」の話をしたときだな。。。
かの女史が言うのは、「朝っぱらにしては硬い話が多いが、何が言いたいかわかりやすいので、なかな良し!乾杯の挨拶は短めにせよ」
というものであった。
その他何やら説教めいた話があったようなのだが、かの女史も結構赤い顔をしており、お互いに「壊れたレコード化」していたようであった。
ようやく無罪放免になり、元にテーブルによたよた戻って行き。。。

「いやあ、色々『指導』されちゃったよー。女性軍は怖いねー」

かの女史が所属するセンタ長は、苦笑いして

「あの人、普段は姉御肌で面倒見いいんですよ。でも飲むとね・・・あんまり近寄らないほうがいいのね」

「女の園」テーブルは子供を保育園に向かえに行くとか、この後カラオケに行くとか、めいめい帰って行った。テーブルにはポテト1本残ってはいなかった。
うーむ。。。「ペンペン草一本残らない」とはこういうことか。
私もぼちぼち2時間半の帰路へ発つか。。。(金曜日に飲み会入れるなよな!)
見るとグラス類が固まっているお酒コーナーのテーブルには、手付かずの〆張鶴が・・・
乾きものをGETしてグリーン車でゆっくりいただくとするか。

続総合防災訓練

2010-11-17 17:03:41 | 出来事
初めてだったがこの前、県の総合防災訓練に参加したばかりなのに、また今度は市の防災訓練だ。
別にイベントはきらいじゃないからいいが、土日がつぶれて海に行かないのがよろしくない。
今回は協賛機関の代表として上司であるトップに代わり出席するので、来賓のテントに座ってただ見ているだけの退屈なものだ。
お隣が例の「男の会社」の支社長だったから、挨拶すると「いやあ、この間はどうも!こんど、コレ・・・やりましょうねー」
ポーズがボウリングになっていた。。。

市の防災訓練だから県よりも一回り小さいものの内容は結構盛りだくさんだった。
しかし同様の催しを一度、目にしたことがある私にとっては、別に珍しくも何ともなく、私の苦手な「退屈な時間」となってしまうのであった。
開会式が終わって最初の情報収集訓練で早くも飽きてしまった私は、県防災では見て回らなかった防災ブースをとことこ散歩がてら歩いていたが、こちらのほうは初めてなので興味深かった。

まず最初は私のいるテントの真後ろにあったお馴染み地震体験車だ。なんとその名も「なまず号」!
私はスーツではなく、一目でそれとわかるウィンドブレーカーを着ているから、ちょっとはばかられたが、始まったばかりで誰もいないから試しに乗らせてもらった。。。
部屋?には大画面TVぐらいのスクリーンがあり、地震発生時の色々な事象を説明していた。そのうちに普通に座っていられないくらいのすごい揺れがやってきて・・・
危うく椅子から転げ落ちるところだった。あれって固定されてないのね。
「ただいまの震度は『7』です」という電光掲示板が見えた。揺れが止まると外には結構な人だかりがあって、列ができていた。。。
あまり一人で体験するというのはみっともいいものじゃないな。



その隣が避難所体験コーナーだ。ダンボールで囲いがしてあるだけの「なんてつまんないコーナー」と思いきや、体育館など避難所生活をするときには、このダンボールの囲いが「我が家」になるのだそうだ。あとインスタント更衣室もダンボール製だ。
非常用持出袋には実に色々なものが入ってるんだな。「備えあれば憂いなし」だ。
ちょっとしたクイズに答えると、保存用ビスケットと白粥セットをくれた。



ずーっと歩いて一番奥まで先に行くと、「自然災害体験車」というのがあった。この前の県防災にもたしかあったが、全然気にも留めなかった。
よく見ると土石流や火砕流が押し寄せてくる迫力(と言うよりは恐怖の)シーンを大型スクリーンでしかも3Dで見られるそうだ。
こりゃー面白そうだ、と中に入ろうとしたがセッティング中でまだ営業?してないんだって。(残念!)



少し戻って見ると、自衛隊が特殊車両らしきもので何か作業をしていた。
何と食料の炊き出しをやっていたのである。そう言えば場内アナウンスでは炊き出し訓練では「豚汁」が配られると言っていた。
隊員は「おたま」らしきものを持っていたから、さしずめあれは「特殊汁物用作業車」ってとこか・・・
すぐ横のテントにスパイ活動に行くと、自衛隊専用ポリ容器では確かに大量の豚汁が作製されていた。。。



少し歩いて戻ると「救助用工具」の展示、その隣が救命活動実演コーナーだ。
人形の胸を両手で押さえて心臓マッサージの練習をするようだ。またAEDの操作方法も実演している。
私は研究所に勤務していたとき、講習を受けて何とかという認定を受けた。あまりに力を入れすぎて、人形の胸をバキっと突き抜け、息の根を止めてしまったヤツだ。
それにしても人形の胸がはだけているが、いかにも女性っぽいのが生生しい。。。

一旦テントに戻ると、ヘリの爆音が近づいてきた。県の防災訓練にもやってきた「防災ヘリ」である。
いつもながら見事な空中消化、救出を見せてくれる。芸術的なまでのホバーリングだ。
前回と違うのは会場が一回り小さいので、その分訓練を間近で見られたことだ。
実に迫力があったが、近いだけにものすごい風が発生し、とにかく寒かった。。。
ヘリの飛ぶ原理は、ローターを回して発生する下向きの風で機体を押し上げるのではなく、飛行機と同じで揚力で上昇するのである。(飛行機が滑走する代わりに自分で羽を回転させて揚力を発生させる)
それでも付近の樹木がなぎ倒れるほどのすごい風だった。

水防訓練まで準備時間になったので、またテントを離れあちこちうろつき回った。
別に珍しくもないので先ほどはスルーしたが、警察のパトカーと白バイも展示してあった。
そう言えば両方ともじっくりとは見たことないな・・・どちらかと言うとあまりお世話になりたくない方だし。。。
助手席の右足元にはレバーがあり、踏むと「ウォーン」というサイレンが鳴るんだそうだ。
運転席にも座らせてもらった。(まるで子供)
無線やらマイクやら色々な装置が中央に備え付けてある。
思わずマイクをとって「こちら警視16号、スーパーZの出動を要請します。」「こちら西部警察、了解!ただちに向かう」
うーむ。大門団長になった気分だ。。。ミサイル発射装置は無いよな・・・



「写真撮ってもいいですか?こんなときでもなけりゃ運転席は座れないからね。捕まったときは後ろに座るけど・・・」(機密事項だったらマズいもんな)

「そりゃーそうだよねえ。乗らないに越したことはないよねー」横にいた警察官は大笑いだ。
隣の白バイにももちろん跨らせてもらった。うーむ。かっこいい。。。
仮面ライダーアギトに出てきた警察用特殊変身スーツG3Xのバイク「ガードチェイサー」に乗った気分だ。
780ccのバイクと聞いたが、これまた色々なグッズが装備されている。
ハンドルの真ん中に大きな液晶画面があって「測定速度」と書いてある。



「これで狙った獲物の速度を測るんですか?レーダーか何か出してるの?横に立つ」若い白バイ警官に聞くと

「いいえ。レーダとかは無くて、同速度で一定距離走ると計測し出力します」

なるへそ。(死語)小さな子供は大喜びだ。そのうち白バイにも人だかりができた。
みんなカメラを手に撮影している。私の雄姿も撮ってほしかったのだが、あいにくスタッフは意外にも盛況だった我が社のブースでお客様対応が忙しく誰もいなかった。。。
さすがに警官に頼むわけにもいかないからねえ。

防災訓練は大詰めになり最後はやはりこれ、ドクターヘリの登場だ。
今回はかなり間近でその離発着まで見ることができた。ランデブーポイントに着陸すると救急車がサイレンを鳴らして重傷者を搬送してきた。
テロリスト被害にあった想定の重傷者は洗浄処理をされて大学病院にヘリで搬送されることになっている。
救急車から担架で運び出し、そのままドクターヘリ後部へ。。。なーるほど、あういう作りになっているのか。
救急車が去り、パイロットがヘルメットを着けていよいよ離陸か?!と思ったら、ドアを開けてさっきの重症患者は裸に毛布をくるんで歩いて出てきた。。。
「なーんだ、乗せてやらないのか・・・」



ローターが回りだし、独特なウィーンという音が甲高く鳴り響いて・・・
ドクターヘリは一旦バックで上昇し、そのまま颯爽と飛んでいった。
こうして多少退屈したが新しい発見もあった市の防災訓練も幕を閉じるのである。
参加者は34機関、約600名ということだ。
奇しくもその日はAPEC首脳会議の日だった。参加メンバーは一様に同じことを考えたろう。
「こんな日にやらないで、本番の警備に行けばいいのにね・・・」
(おとっつぁん、)それは言いっこなしよ。

APEC

2010-11-16 09:03:44 | 出来事
ようやくAPECが終わった。
皇室のお出掛けとか、VIPの会合などがあると、業種柄かいつも大変な騒ぎになる。
会場の横浜からかなり遠いこの地方でも、ちょっとしたものを失くしたりするだけで蜂の巣をつついた様なパニックになり、それこそ「草の根分けても」探し出すことになる。
本社やら関係のセクションは大変だったろな。この3日間は「寝ずの番」だったろうし。。。

横浜駅のホームにもやたらと警察官がいた。どうも日本中から警察官を集めたようだ。そう言えば中学時代よく面倒を見てくれて今でも親交のある用務員さんの娘婿は寒川警察署勤務だが、その昔オウム真理教事件の際に第6サティアンの周囲の警備に駆り出されたと言っていた。
会場であるパシフィコ横浜は「世界釣り博」で一度行ったきりだが、みなとみらい地区では一番端っこだから、それはそれは警備が大変だったろう。

それにしてもよくもあんなに「色々な人が集まる」ところで会議を開催したものだ。
ランドマークタワーやアットなど平日でも賑わう商業地域に、高層マンションが立ち並ぶ居住区域、そして連日、少年サッカー大会でわんさか子供が集まるマリノスタウンである。
洞爺湖サミットのほうがよっぽど楽だったはずだ。
とにかくその気になれば陸海空どこからでも攻撃可能じゃないか。。。コスモワールドの観覧車からは海上は丸見えだぞ。
あれだけの防空ヘリコプターや装甲車など特殊車両がずらりとみなとみらいに集まったのは、1992年にゴジラが上陸したとき以来だな・・・

昼のニュースで秘密兵器「無人警戒艇」が紹介されていた。
海上で24時間警備にあたり、カメラや水中ソナーを備えているという。3メートルくらいのいかにもラジコンの「おもちゃ」だが、たぶん開発費何億円もかかってるんだろう。
「防衛軍」の歴史の中で「無人兵器」が役に立ったことはたぶん一度もない。。。陸上自衛隊の三式鬼龍(メカゴジラ)も暴走したし、「ヤマトよ永遠に」の島大輔率いる「無人艦隊」もコントロールタワーをやられて一瞬で壊滅した。。。無人警戒艇、デザインは結構かっこいい。10万円くらいなら払うから、APEC終わったら払い下げてくれないだろか。

困ったのは駅や電車内のゴミ箱がすべて使えなくなってしまったので車内で出たゴミを捨てられないこと。
そして交通規制だろう。好き好んで規制で渋滞するところには行かないのであまり影響は無かったが。。。
海沿いの134号線を走っていると、立て看板があり「APEC要人警護のために、鎌倉市内の道路は一部規制・封鎖されます。(11/13-11/14)」
横浜でやってる会議中に何で鎌倉に来るんだろう?と思っていたらどうやらオバマ大統領らしい・・・
そう言えば昨年、訪れたときに「小さいときに鎌倉に母親と来た」とか言って、そのとき食ったという抹茶アイスが有名になった。
なんと!今では「オバマっ茶アイス」という、恐るべき名前になって売られているのである。確か大仏の近くだった。
観光屋は喜ぶだろうが、警備屋は「泣く」だろな。

ドライブ中にFM横浜を聞いていると「APECを考える」というコーナーをやっていた。
やはり時節柄こういうのを話題にするのだな、結構難しい話とか投稿されるんだろか・・・聴いているとずっこけそうになった。(ペンネームで投稿しているあたりで「怪しい」と思ったんだ。

あたしのパンツはエラいキュート
アル・パチーノいなかへかえる
あなたのパンツに得体のしれない昆虫が・・・
a passenger of economy class

なるほど「A・P・E・C」か・・・!FM横浜はランドマークから放送してるんじゃないか。。。もうちょっと高尚な話題にすりゃーいいのに、これじゃ「笑点」だよ・・・
でもテロ警備だけでなく、故障、事故を起こさないように準備段階から何か月も協力してきた関係者の人たちは大変だったはずだよ。
最後にさっき会議中に考えた、APEC磯辺太郎版5連発・・・

A   P      E     C
あんなペースじゃいつかは沈没  @ 関係会社との懇親会

A     P    E    C
あいつのポリシーいかにもCheap @ 事業計画審議会

A    P      E     C
あんたのPCただのえーかっこしー @ 湘南新宿グリーン車両隣席

A    P      E         C
あたりはパニック!エマージェンシーちゃいまっか? @ 大阪でのシステムダウン現場

A    P    E    C
あくまでピース、いつでもチーズ @ いかにも失敗してるプロジェクトのマネージャー

まあ・・・・世のサラリーマンなんてこんなレベルさ。。。

尾瀬への道

2010-11-12 20:10:10 | 旅行お出かけ
冬に向けて施設整備が佳境に入っている現場があり、安全管理や情報漏洩等防止のため、パトロールBBQで喉を潤し、マンションに帰ってからも同僚のヤギさんやAKB達とあらためて近くの料理屋に飲みに行ってスパークしたからさすがにダメージは深刻だった。
AKBは同じ2階の同期女性が急きょ出られなくなったので、計測用チップを二人分、左右の足につけて走ったんだそうだ。
しかも自分の足が359位、反対側の足が360位で何と「飛び賞」をGETしていた。


翌日は久々に朝から後頭部に木槌で五寸釘を打ち続けられているかのような痛みに悩まされた。
月に1回、別ビルにあるセクションの朝ミーティングに出席し、冒頭何かしゃべることになっていたが、ラジオ体操で左太ももの裏側に激痛が走り(これはボウリングの影響だろ)、何をしゃべったのか覚えていないくらい赤い顔をしていた。
元々、午後はずーっと関係会社の改善施策発表会の審査員をやる予定だったのだが現場の工事期間が間もなく終了してしまうことから急きょ、そちらへ赴くことになったのだ。
セッティングしてくれたのは毎年その地方へスキーに行っていたというエイトマンだ。

そう、前日のテンケーマラソンで冷酷にもスタート地点から私を置いてけぼりにし、残り3kmで私に「抜き去られた」エイトマンである。
BBQの後、帰宅し奥様に頼みこんで近くの日帰り温泉で疲れを癒したそうだ。
翌日は急用で出場できなくなったOちゃんやノッポさん達とともに飛び賞をとったAKBや抽選で10万円相当の旅行券をGETし、新聞にも載った兼務先の長老の話題で盛り上がった。
よかったー。。。こんな日に半日も座りっぱなしで人の発表を聞くなどとまるで拷問だよ。

運転手はデカイ顔のデカさんだ(そのまんま)。メンバはエイトマンと私、そしてテンケーマラソンを43分で走りぬけたニカウさんに似たH口さんの4人である。
エイトマンとデカさんは同年代で同じ温泉宿に毎年何日も泊り込んでスキーに明け暮れたらしい。
20代でもう社会人だったが、旅館の掃除や宿泊客のお世話などお手伝いすることで、自分の宿賃はタダにしてもらったんだって。
尾瀬に向かう山道に入ると懐かしそうに当時の話題で盛り上がっていた。

どうもこの二人は「ただ来たいから」乗り込んできたらしい。
途中、通り道にある市街地に、「馬鹿旨」とかいう結構有名なラーメン屋があるそうだ。
遅い昼食はその店で、来店する客の80%が注文するという「トマトラーメン」なるメニューを頼むことに決まっている。
かなりの太麺で「スパゲティ」と思った方がよいという。。。前日のダメージが強く残っているから、「キワ物」は勘弁してほしいところだがなー。
ところが市街地を抜けて「馬鹿旨」の前に来ると、「本日休業」の看板が・・・やりぃ!興味はあるがこの不調時に妙なモノを食わずに済んだ。
山道を進んでいくと、観光バスを停められる広々とした駐車場にいくつかのお土産屋が並んでいる。観光客も結構見られるし、どうも何かのコースに入っている名所らしい。

「ちょっと時間あるかなあ。寄ってきますか・・・」

デカさんは社用車を堂々とお土産屋に停めて(社名などは入っていないから別にわからない)、防寒具を取り出し皆に配って歩き出した。
目的地は歩いて10分ほどのところにある「吹割の滝」という。。。
階段を降りて渓谷の下を流れる清流を下って行くと、川の真ん中に巨大な岩の割れ目が見え、吸い込まれるような滝が現れた。
おーっ、こりゃずげえ!川が割れているから「吹割」か・・・超小型の「ナイアガラ滝」のような姿で、国内では見たこともない不思議な情景だ。色んな自然があるものだな。

       

紅葉も少し見える渓谷の景色を堪能して上ってくると、「岩魚の塩焼き」が並んでいた。
釣りキチ三平で見た岩魚は渓流では「幻の魚」だったはずだ。水槽に何匹が泳いでいたが、こんなにでかくなるんだっけ。。。
そう言えば8月に河川敷であった「水神祭」では、目の前に山と積まれたヤマメがあった。
普通は鮎の塩焼きなんだが、その祭りはもっと上流でしか釣れないヤマメを豊富に出すところが自慢だったようだ。
そのデカさと言ったら、ほとんどサケだ・・・記念写真は撮ったが、口はつけなかった。ちょっとでもかじると、丸一匹全部食わなければならないからな。
「吹割の滝」では岩魚だったが、やはり二日酔いが祟り食べる気になれなかった。。。

     

あちこちの現場や施設を回って、かなりのくねくね道を走り、最終地点「尾瀬」へ到着だ。
標高は1600mくらいで、ところどころに雪が残っている。前々日に降ったもののようだ。
春から初秋まで賑わうという尾瀬の入口も、二つあるお土産、休憩施設も閉鎖され寂しいものだ。
もう、あたりはかなり暗くなってきている。帰りにデカさんたちが若い頃入り浸ったという温泉旅館に立ち寄ったら、お風呂に入れてもらえることになった。
すっかり人数分のタオルを車に用意してあったし・・・この人たちは最初から寄る気だったね。

    

旅館のからすぐのところに尾瀬岩鞍スキー場があるそうだ。
エイトマンはあの体型(と言っては失礼だが)でスキーの1級資格を持っているそうだ。本人曰く「重心が低いからカーブの際に安定する」
その彼をまるで子供扱いしている(年齢はたぶん私と同じくらい)がらっぱちの若女将が、「飲みんしゃい、食べんしゃい!」と生ジョッキと煮物を持って来て風呂上がりの我々に振る舞ってくれた。
もう勤務時間終わってるからいいよな。。。
我が家からはさすがにスキー場が遠いので、ここ数年足が遠のいてしまったが、この冬一度同僚と来てもいいか。
スキーしかできないが、この歳だからサーフボードならぬスノーボードデビューでもしてみるか・・・
たぶん通じるところはあるだろうから。


カレー曜日

2010-11-10 13:57:32 | 食べ物
カレーについてかねがね不思議に思っていたことがある。
人んちでいただくカレー、アウトドアで作るカレーがなぜあんなにうまいのか?時価1万円もしそうな高級ホテルの立食パーティのカレーがなぜあんなにまずいのか?!
先の「退職者交流会」でも結構な料理が並んでおり、珍しくカレーがあったため好きな私は山のように盛ってきてがっかりした。。。
さらにカレーハウス「COCO●番屋」など、前を通るとふらふら吸い寄せられるほどよい芳しいカレーの香りがするのに、なぜ口にすると大したことがないのか?!

我が家のカレーも実家のカレーも実にうまいと思う。それはそうだ、「味のしきい値」は低いとはいえ、何年もかけて私達好みの味を追求してきているのだから。。。
どちらもカレールーを使うのだが、他に色んな香辛料や隠し味を使っているようだ。
妻が得意なのはバラ肉を使ったビーフカレーだ。マッシュルームと肉しかない、欧風?カレーだが、息子と私が取り合い、一晩で無くなるほどうまい。味付け方法は企業秘密のようだ。

私は子供の頃は野菜と肉のごろごろカレーが好きだった。千葉真一と野際洋子のジャワカレーCMに憧れていたのである。だから茅ヶ崎ではたいていジャワカレーが出てくる。
カレーてのはその家その家のオリジナルなこだわりや味付けがあり、思いが詰まっているからどこでいただいても美味しいのだろう。
私も特にこだわりはないが、たまにカレーを作ることがある。妻のように手間隙はかけないカレールーの箱にあるとおりのオーソドックスなものだ。
肉はどちらかというとポークを好む。(牛丼よりも豚丼派)

単身マンションでもカレーぐらいは作ろうと自宅から野菜を一式送ってもらった。
しかしこの猛暑の夏、とても作る気にならなかったから冷蔵庫に入れっぱなしになっていた。(しかも間違えて冷凍室にいれてしまったので、いったん石のように凍ってしまった)
その週の日曜は会社関係の人にご不幸があって、マンションから1時間ほどのところで式があった。
昼過ぎにオフィスに帰ってきて、スティーブの部下、通称「隊長」(新登場)に教えてもらったおいしいうどん屋を目指したのだが、道がよくわからなくなり散々な目にあった。

たしか今週前半は飲み会の類が無かったので、今日あたりカレーでも作るかと、スーパーでルーとなぜか鶏肉を買って帰った。
いったん凍ったからかじゃがいもは妙な姿になっていた。やけにぶよぶよするところと、切るとところどころ黒くなっているのである。別に痛んでいるわけでもなさそうだから、そのまま使った。
にんじんとたまねぎ、肉を炒めて何をすることもなく煮込み、そのままルーを入れただけだった。最後に牛乳を少し入れただけが、なかなか美味であった。
こんな適当に作ってもちゃんとおいしく食べられるものだ。間違えたのは「総量」である。
ルーの半分を使う分量の材料だったのだが、鍋いっぱいになってしまった。。。
一人しかいないのを忘れていた。これではいくら食ってもなくならないぞ・・・
翌日から毎日が「カレー曜日」になってしまった。。。夜の飲み会がセットされていない曜日を選んでいるから、傷んだりすることはない。
初日朝食、夕食は米を炊いてそのまま食べた。2杯ずつ食っても鍋のカレーは全然減る気配がない。

翌朝も普通に食ったが、夕食はさすがに飽きてきたので、卵焼きを作って乗せてみた。

とろーりと黄身を破るとまろやかになる、とテレビで見たことがあったのである。
カレーはまだ半分以上あったが、繰り返しの煮込みで固くなってきたので、少し水を足し薄くならないようにルーを入れると・・・また鍋一杯になっちゃった。。。
3日目はモヤシ炒めの上にかけて「巣ごもりカレー」としてみたが、世にも不思議な味になってしまった。
昼食は社員食堂で食べるのだが、会議が長引いて行く時間が遅かったので、ランチ類はすべて売り切れ。。。あるのはカレーライスとヘルシーうどんだったが、麺のほうには私の食べられない「梅干し」が2個も乗っかっているのである。

「オレ・・・カレーでいいや。。。」

うーむ。これはかなりの誤算だった。夕食はウインナー炒めを乗せてみたが、何の変わり映えも無かった。。。あーっ、もうカレーライスはいや!
しかし4日目の朝も果敢にカレーを食すのであった。放っておいて痛んだりするのがいやなのである。
さすがにもうゴールは近い。米をやめて餅を焼き、カレーをかけてみたが何か新たなモノ生まれるかと思ったのに、ただの餅とカレー・・・
鍋にはほとんど残っていないが、捨てるにはもったいない。カレーライスになれる量でもない。すっげえ中途半端。。。

そしてその晩、私は最後の技を繰り出した。
水を足して沸騰させ、インスタントラーメンをぶち込んで「カレー風味ラーメン」としたのである。これは結構イケた。
こうして暴走ともいえるカレー曜日はようやく終止符を打ったのだった。
翌晩は以前紹介した例の「収穫祭」でその週唯一の外食だった。帰りにはその地方独特の小指ほどの太さがある手打ちうどんを山ほどお土産にいただき・・・
(よく考えたら、カレーうどんにできたなー)

翌日は週末だから冷蔵庫に入れて自宅へ向かったが、翌週からは「うどん曜日」となったのは言うまでもない。。。
単身赴任者にむやみに食べ物や与えてはいけない。
また当人は安易にドバーっと料理を作ってはいけない。
それにしても口に入れるものには、飽きるものと飽きないものがあるのだな。。。ビールや牛乳は毎日飲んでも飽きないし、納豆たまごと海苔なら毎朝食っても飽きないもんな。

県民マラソンの日

2010-11-06 06:50:54 | スポーツ・健康
県民マラソンの日がやってきた。普段車道となっている道幅一杯に広がってめいめいのランナーがぞろぞろ移動(ジョギング)するシーンはテレビで見たことがあり、「モノ好きもいるものだ」と思っていたが、まさか自分が経験するとは思わなかった。。。
前日のボーリング大会の影響も幸い(と言うか、若くないので筋肉痛はしばらくたってから出る)ほとんど感じずまずまずのコンディションだ。
週末に暗闇サーフィンをしてしまい、流木を蹴飛ばして抉れた足の小指が心配だったが。。

マンションからは朝7時に同じ10キロマラソンに参加する同僚と新入社員が集まり、会場に向かって出発した。
メンバーでこのマラソンを経験したことのあるのは、運転手のノッポさん、同僚のヤギさん、そして今年2年目になるAKB48の何とかに似ている女子社員だ。
ノッポさんと私は同じセクション、ヤギさんは営業系の責任者だ。個人的には仲がよいが、仕事上ノッポさんとは利害がぶつかることがある。
ヤギさんはジョギングが趣味で、休みの日も結構走っているという。10キロは45分程度で走るそうだ。この前、息子とトレーニングジムのランニングマシンをやったときに、「時速10キロ」のスピードではいくらも走れなかった。そのスピードではすなわち1時間かかることになるから、恐るべき速度だ。。。

「だーから、逃げ脚だけは早いんですね。。。」

普段温厚なノッポさんも辛口だ・・・私を含めて新入女子社員二人はマラソン自体の経験がない。
昨年、走ったというAKBは

「やだー、どうしよう。全然練習してないんですよー。去年は初めてだったので結構マンションの周りを走って練習してたんですけどぉ。。。今年は出勤時に廊下を30m走るぐらいで・・・」

「去年は何分で走れたのさ?」私が聞くと

「54分でした。」

こいつ・・・いるんだよなあ、試験前に「サボっちゃってぜーんぜん、テスト勉強やってないの。今回はマジでやばいかも・・・」とか言っといて、いい点とるヤツ。。。
会場はもう車がいっぱいで駐車するところを探すのも一苦労だった。
途中で降りて河川敷を案内されると、立派なテントが張っており、すっかりエプロン姿の坊屋三郎似の幹事が、忙しく野菜を切っていた。
全員ゴールした後、バーベキューで一杯やるのが恒例なんだそうだ。
天気は息子甘辛でもこんなには晴らせないだろうくらいの快晴、山が鮮やかに近くに見える。。。

   

開会式が始まるというので、ゴールのあるスタジアムに足を運んだ。
トラックでは既にストレッチとか軽くウォームアップに余念のない「選手」がたくさんいるぞ。最初にスタートを切る「ハーフマラソン」の選手たちらしい。
よく見るとスタンドには色々な種類の幟が立ち、緊張感あふれる顔ぶれが結構ある。
ゲストランナーは知らなかったが、何と「谷川真理さん」だった。おーっ、図書館で借りてきたマラソンの本を監修していた本人がゲスト席にいるじゃないか!
私は谷川真理さんの書いた本通りのことを一応してきている。昨晩はスパゲティを食べたし・・・  

    

「リバーサイドジョギング(4キロ)だけ皆さんと走る予定でしたが、どうしても10キロ走りたくてスターターの役を果たした後、特別にみなさんのうしろから走らせてもらいますよー」

ハーフマラソンのスタートが一番先だ。仲間で何人か常連が出場するので、応援地点まで行った。
我々の出番は9時40分だから、後1時間ほどある。
谷川真理さんがマネージャらしき関係者と歩いていたので皆で写真を撮ってもらった。
テントまで帰ってきたら、自称隠れジョガーのエイトマンが元気よく飛び出してきた。(年齢は私よりも10も上なんだ)
ヤギさん同様、休みの日は5キロくらいずつコンスタントにトレーニングし、温泉に浸かって過ごすそうだ。昨年は56分で走りぬき、結構自信があるらしい。。。
エイトマンは紙コップに何か注いで「どうぞ!景気づけですよ」何とビールを持ってきた。さすがにこれから未知の世界だからなー。
と思いつつも、350缶約1本をやっつけたノリで、一旦ゼッケンを外し、「ドームの祭」で使用したズバリ応援用ピステを頭からかぶり・・・どうだ、オレは社名を背負って走るぜ。

スタート時間が迫り、集合場所に行くとものすごい列だ。ところどころプラカードが立っており、だいたい当人の目安とするゴール時間ごとに集団を作って並んでいる。
私はうーんと後ろからスタートするつもりだったが、初心者女性群と運悪くはぐれてしまった。。。
傍らにいたのがエイトマンとAKBで彼らは「45分〜60分」タイム集団で準備に余念がない。
うーむ。オレいきなりそんなタイムで走れるわけないよなあ・・・
靴には最新式の電子チップを取り付けているので、スタートラインを通過したときからタイムが計測されるシステムになっている。

   

はるか前方で「ヨーイ・ドン」のピストルがなり、直後に大きな花火が「ドン・ドン・ドドン」と豪快に放たれた。
さあ、レース開始だが、何せ何千人もいるから最初は列が歩いたり止まったり。。。スタートラインの端に妙に長い列ができているので何かと見に行ったら、スターターの谷川真理さんとハイタッチしているのだ。
私もぜひに、と列を斜めに移動してパチンとハイタッチと同時に走りだした。
エイトマンとAKBは既に前方見えなくなるくらい前に走り去って行っちゃった。うーむ、いきなり孤高のランナーかよ・・・

何となくコースの絵だけは見ていたが、どこをどのくらいの距離走るのか全く感覚がわからぬ。
本には「とにかく最初はゆるやかに・・・」とあったので、怒涛の波に抜かれまくりながら限りなく「ちんたら」走っていた。
スタート地点沿いの川沿いコースに戻る直前に「ハイ!がんばってーっ」と風のように走って来るランナーがあった。谷川さんである。瞬時に抜かれ見えなくなった。うーむ。。。かっこいい・・・
一旦スタート地点に戻り川沿いを反対向きに県庁まで行ってぐるーっと回ってくる8の字コースだ。

距離もわからないし、愛用のオメガシーマスターも持って来なかったから時間もわからぬ。どのくらい走ったのだろか。3分の1くらいは走ったような気がするんだけど。。。
しばらくスタート地点で4キロジョギングに出待ちのノッポさんがカメラを構えて手を振っていた。そんなにヘバってはいなかったので、にっこり笑って・・・

「ねえねえ、どれくらいたった?」近寄って聞くと

「ずーいぶん、たってます!」

あのノッポ野郎!そんなこと聞いてねえよ!時間で言ってくれよ!(心拍数が上がりハイになっている)
それにしても、そんなに時間がたってるのか。。。ずいぶんたくさんの人に抜かれたからなあ。この分だとオレ、ビリかも・・・
折返し地点の県庁ビルは遥か彼方だ。すこーしだけペースを上げてみた。
だいぶビルが近くに見えてきたあたりから、今まで道路全面で走ってよかったのに、誘導車がやってきてコースが右片側車線だけになっちゃった。。。
県庁よりも倍近く遠くで折り返してくるハーフマラソンの先頭グループが早くもやってきたためである。皆苦しそうだが、すごいスピードだ。この人たちはホントのランナーなんだな。

私の羽織っているベストは蛍光オレンジに近いからものすごく目立つ。
前方から走ってくるハーフマラソンランナーがいきなり笑って手を振ってきた。なんとハーフマラソンを走ってきたゴリさんである。彼は遠い関係だが私のスタッフにあたる。
私のような応援ベストではなく、社名・ブランド名が入ったウェアを着ていて勇ましくすれ違って行った。
そうか、彼は会社を背負って20キロ近く走ってきたのか。。。見るとちゃんとしたランナーは必ず広告塔として会社名や商品名の書かれたウェアを着ている。

私は肩にズンと重みを感じるとともに、カラータイマーが赤になったウルトラマンが子供達の声援で復活するように、俄然スピードをアップした。
どう見ても半分は過ぎている。残りは4キロというところだ。身体と相談した結果フルパワーで走ってもダメージは知れているという結論を出した。
片側車線を少しはみ出ながら、前を走るテンケー(10km)ランナーを次々と抜き去って行った。
今更仕掛けたところで、どのくらい先を行ったかわからない仲間に追いつけるとも思わないが、県庁を回って初めて「残り3km」という看板を見たときに、とうとうトップギアに入ってしまい、止まりたくても止まれなくなってしまった。。。

左に川を見る見晴らしのよいコースで、正面には県を代表する山々がくっきり見える、地点だったようだ。(既に景色など楽しんで走っている状況ではない。)
折り返して残り3キロを過ぎるとさすがに、後から来るランナーとすれ違うことも少なくなる。
さらにスピードを増して疾走(というほど速くはない)していくと、前方によたよたと走る黒い姿があった。
スタートで早くも私を置き去りにしたエイトマンである。

「あれれーっ、○○さん、どーしたの?こんなとこで」

「いやはー、前半飛ばし過ぎました。。。ペース崩しちゃってもうダメ・・・」エイトマンは息も絶え絶えである。

「じゃねー」と一度振り返って一路スタジアムに向けて疾走を再開した。ふふふ。まるでウサギとライオン(もとい!カメ)だね。
さらにその先にはAKBがだいぶペースを落として走っている。練習不足というのはホントのようだ。
厭味な上司にならないように、知らぬ顔をして大外から抜き去った。(本人は一杯いっぱいで気付かなかったらしい)
そのうち若者二人組が追いついて来て(だいぶ後からスタートしたらしい・・・)「お疲れ様です!」と並走し始めた。

「あと1キロだから抜いて行こうぜ!」

私は元気よく二人を従えてさらにスピードアップしたが、さすがにスタジアムが見えてくるあたりでバテてきた。。。
このとき生まれて初めて感じたのが「沿道の声援力」である。ゴールが近いから見物人も多いし、走り切ったランナーやこれから走るランナーもみんなコース沿いにたって声をかけてくれる。
「奮い立つ」とはまさしくあういう感覚なのだろう。スタジアムを風のように1周し、ゴールした。

そのまましばらく歩き続け、完走証を受け取りに行くと、ゼッケン番号を入力するだけで名前、記録、順位が瞬時に印刷されて完走証にあるではないか。。。
後半の追い込みが効いて56分。。。1時間をきることができたな。
チップによってすべて全自動登録されているそうだ。全部で一万人以上走っているが、全く混乱や「待たされること」なく処理されている。
100位とか1000位とかキリのいい順位の人はその場で記念品をもらっているぞ。

番頭のOちゃん(都合により欠席)、やノッポさんが出るリバーサイドスーパージョギング(4km)のスタートはこれからだ。
スタート直後の声援を送った後、坊屋三郎の料理した芋煮や地鶏焼を堪能しながら、失速したエイトマンや途中でその姿をとらえたAKB、そもそも私が気がつかないうちに抜き去っていた新入女子軍とともにビールを飲み始めた。

   

逃げ脚の速いヤギさんは今回も45分で走り切ったそうだ。入念にストレッチをしている。一方で

「オレ、磯辺さんが抜いて行ったときの満面の笑み、忘れませんよ。。。」

エイトマンは相当悔しいらしい。翌日会社に来てもずーっと言っていたから。。。
それにしても10キロは10キロ、決して楽勝ではなかったが、結構ランニングというのも面白いものだな。
1時間の間だが色々なことを考えた。最初は怒涛のように抜いて行く人の波に焦りを覚え、半分くらいで身体と相談して少しスピードアップし、最後はアドレナリン全開で勝負・・・ダメージはでかかったが。。。
春先には20キロのコスプレマラソンがあるらしい。。。侍姿で走るのが本流なのだがいつの間にか変わってきた。
エイトマンは「イモト」、ノッポさんは「バドガール」姿で走ったそうだ。かなり狂乱の世界だが、私は何になって走ろうかな。。。


ボウリング大会

2010-11-05 06:25:46 | 出来事
私は自宅に向かう湘南新宿ライングリーン車に乗車していた。約2時間45分の旅だ。
さすがに一般車両ではつらいものがあるだろ。出てからしばらくは車両にほとんど誰もいないのだが、首都圏に近くなるとそれなりに席が埋まってくる。何とかというマイナーな駅でそれこそ颯爽とその青年は登場した。
今時の若者(にはちょいと苦しい?_)らしく、つんつるてんの黒っぽいスーツにつま先のとんがったでかい靴・・・大きな鞄を二つ抱え、窓際で小さく縮こまって寝ていた私の隣にドカン!と座った。

大してでかくもないのに二人席の境界線を越えて足を投げ出し、通路にでかい荷物を置いて塞いで置きながら、青年はもう一つの鞄からパソコンを取り出した。
目前のテーブルをガタンと倒し、無線ターミナルと小型バッテリーをPCに装着し、何やら熱心にPCを打ち出した。
眼鏡の奥の眦は真剣そのものだったが、全身からいかにも「オレはビジネスマンだ!一秒を惜しんでこうして車内でも仕事してるぜ」というメッセージを発していた。

ときどき肘をひらりと開いてリラックスするようで、隣で小さく寝ている私を小突いている感じだ。
二人がけのグリーン車両の窓際に座り、隣でテーブルを下げられてPCとか叩かれると困るものだ。第一トイレに立つときにえらい罪悪感に襲われるのである。
肉屋のショーウィンドウでいつまでたっても注文できない気弱な私にはかなりの試練である。
軽く一杯やってきちゃった私はトイレに行きたくなり・・・
「どうもすみません・・・」と平身低頭状態でいたが、その青年はPCを持って横にずれ、顎でもって「行きなよ」と指し示した。
トイレから帰ってきた私は何となくむかっ腹がたち、後ろからそのPC画面を覗き込んで、聞こえないように26ヘルツの周波数でつぶやいた。。。(ちょっと掟破りだがなー)

「なーんだ。たいしたことやってねえじゃんか。この週末に気の毒なヤツ・・・」

私はまたまた平身低頭して窓際に戻った。コイツはグリーン車でPCを叩く自分のビジネススタイルがカッコイイと思ってんだなー。
隣のおやじはいかにもダサいサラリーマンで「移動しながら仕事」など縁がない男と思われてるんだろな。。。
私はバッグに入れてあった助六寿司をほおばり、ボウリング入門を取り出して読み始めた。
そう、雷講演会、健康ハイキングに続き私が顧問となっている関連協会の「親善ボウリング大会」が間近に迫っていたのである。

ボウリングなどここ5年程度やっていないし、その翌日に未知の「10キロマラソン」を控えていた私はできるだけ何もせずにスルーしたかった。
まず私が管轄する地区に唯一あったボウリング場が10月一杯で閉館すると聞いた。
「ラッキー!やっぱオレは不思議なツキがあるぜ」
と心の中でガッツポーズしてたら、担当の行動派女性E子さんが無理やりオーナーに頼み込み、「その日だけ営業」が実現してしまった。。。
毎年コレを楽しみにしている会員様がいて、申し込みが遅かった人はキャンセル待ちになっていると言う。
番頭のOちゃんを始めとして、私のセクションのスタッフが手作りで提供する「ストライク賞」としてその都度贈呈する「うまか棒セット」がすごい人気だそうだ。

「磯辺顧問のご担当スタッフが本日はなんと500本以上!180セットのストライク賞をおみやげに作っていただけましたあ!」司会進行の大黒屋が開会式で披露した。

そっ、そうだったのか・・・ノッポさん(Oちゃんスタッフのチーフ)たち大変だったんだな。今度お礼してあげなきゃな。

「オッ、オレ、『うまか棒』配り係でいいよ!キャンセル待ちの人、入れてあげてよ」

「いーえ、顧問に投げて頂かなくては話になりません!私、交渉に苦労したんですよっ!」

う、う、ううう。。オレそんなこと頼んでないのに・・・
開会の挨拶をしたときは「・・・今日はぜひ存分にお楽しみ下さい。でも準備運動を十分して怪我だけは気をつけてくださいね。私も明日、県民マラソンで初めて10キロ走るんで、皆さんの応援団に徹したかったんですが、『どうしても投げろ』と言われて・・・」
軽いイヤミをかましてやったが、E子さんは全然上の空だ。。。
ルールは2ゲーム合計のポイント制、個人とレーングループ戦がある。

周りを見渡して気が付いたのだが、ただの寄り集まりの中で「マイボール」「マイグローブ」を持参の本格ボウラーが目立つ。
中には背中に名前の入っているかなり妙齢のボウラーがいるぞ。やる気マンマンだな。
レーンの後ろにはE子さんや総元締めの担当課長(大黒様)が「うまか棒」を持って待ち構えている。。。。
私のレーンは協会会長とか専務理事とか・・・エラいけどボウリングはイマイチの人たちだ。
まあ、せっかくやるんだから・・・ボウリングは別に得意でもない私は練習レーンではるか昔の感触を思い出した後。。。「どりゃぁ!」と投げたボールは1番3番のどスポットに命中し10本のピンが躍り上がるように弾けとんだ。
なんと、「うまか棒」トップバッターは私だったのである。

それにしても古いボウリング場だ。さすがにスコアは全自動になっているが、正面のスコア掲示板は故障で写らないし・・・
この街生まれのエイトマンが中学生の頃よく遊びに来たというから、40年以上営業していることになる。ボールもすり減って何ポンドかよくわからないから自分で投げて感覚で知るしかない。。。
第一投にピンがセットされると、大抵1本はどこかのピンが倒れている。(そういうのよくあったよなー)
いちいちリセットしているとまどろこしいのでかまわず投げたものだ。「いいじゃんか、1本得してるんだから・・・」

   

感性(どちらかというとパワー)に任せた第2投も驚くべきことにストライク!
3フレで8本スペアをとり、4フレでインチキくさいストライクだったとき・・・
「顧問は実はとんでもないプロなんじゃないか?!」という羨望と疑惑の目が私に注がれた。
隣のレーンのマイボールマダムも拍手喝さいしてくれた。同じグループの会長や理事も
「磯辺さん若いからなあ!県大会候補になってもらおうかなー」
そのまま正直に投げ続ければ良かったのだ。。。しかし「代表候補」とか「顧問は接待役」という幻想に取り憑かれた私は絶好調だったスタイルを変えてしまった。。。

実はそれこそ車内の「ボウリング入門」で読んだグリップと「パットボウリング」という初心者上達の秘訣だったのである。
息子甘辛を実験台にしてその効果を探っていた最中であった。
クラブサッカーチームのボウリング&しゃぶしゃぶ大会(中学生がしゃぶしゃぶだと?!)を控えていた甘辛はボウリングの練習に行きたがっていた。
私も行きたかったが、残念ながらその機会がなかった。私は本で読んだ通りのことを息子に伝授したのである。「ピンを見ずに2番パットを狙って投げろ」と。。。
(パットとはファウルラインの2メートルほど先にある三角のマーク)

しかし、単身地に戻りサッカーチームのHPでボウリング結果を見たら、息子は2ゲーム投げて144・・・
「お前、ちゃんと言う通りにしたんか?」

「あたりまえだろ?でもはっきり言って父ちゃんのせいでやられたぜ・・・」

そんなはずはない。キミはまだ慣れてないのだよ。。。
そんな経緯があって、パットボウリング+カーブボウルで初心者を抜け出そうとした結果・・・なんと次フレームはガター+2本、その次は3本+ブー。。。
終わって見れば130そこそこだ。途中でペースを狂わせ自滅する典型的なタイプ・・・
やっぱ甘辛の言うとおりだった。。。慣れないことはしないことだ。
途中、余裕こいて手を抜いたつもりがドツボにはまり、その後浮上せず。。。
うーむ。まるで自分の未来を予見するようなイベントだ。
隣のレーンのマイボールおばさんはファーストゲームこそ私と似たり寄ったりだったが、2ゲーム目はなんと6フレームまで全部ストライク!・・・200近いスコアを出してハンデも入れてチャンピオンになった。

みんな大盛り上がりであった。マンションから自動車で1時間という距離もあり、酒を飲みながらやるでもなし・・・帰りの時間は遅かったが翌日の県民マラソンにはまずますの体調で臨めそうだ。
初めてのマラソンだからな。谷川真理さんの本にあったとおり、前日は即エネ炭水化物のスパゲティでも食って寝るとするか。
年齢的には心配される「普段使わない筋肉痛」は本番よりも後から出るんであろうからな。



国勢調査

2010-11-01 22:42:17 | 出来事
早いものでもう11月になった。
9月中旬に湘南の自宅にも地方の単身マンションにも国勢調査の依頼封筒が来た。
住民票など移していないから、私が今のマンションに住んでいることは公的には明らかでないはずだが。。。
NHKみたいに住んでいる気配を嗅ぎ付けてくるのだろうか?
5年に一度10月1日現在の情報で国勢調査なるものがあるのは知っていたが、私はまだ自宅に住んでおり、今のところは仮住居だと勝手に決め付けて知らぬふりをしていたら、「総務省統計局長」印付の督促状が来てしまい、真面目に見てみることにした。(たぶん放っておいても大丈夫なんだろが)

「平成22年国勢調査は人口減少社会にある日本の未来を描く上で欠くことのできないデータを得るために実施するものですので・・・・」
うーむ。。。史上初の人口減少社会だからな。国や経済がゆっくり停滞していくのは間違いない。何度か書いたが高齢化を「老いる」こととして嘆くことはない。
そういうつもりで過ごせばよいのである。

「調査票の記入のしかた」を初めて読んだが、なかなか深ーいモノがあった。
そもそも「ふだん住んでいる人をもれなく・・・」というところからして、もうかなりの解釈がいる。
まず「ふだん住んでいる人」とは
「住民票などの届出に関係なく10月1日あなたの世帯に
・すでに3ヶ月以上住んでいる人
・まだ3ヶ月にならないが3ヶ月以上にわたって住むことになっている人」
家族以外の人でも・・・と最後に付け加えてあるのがいかにも怪しい。。。
私は今のマンションに正確には3ヶ月は住んでいないが、間違いなく3ヶ月以上にわたって住むことになる。しかし金土日(月の早朝)は自宅で過ごすからどちらか微妙だな。
と思っていたら、ずばり単身赴任の場合が記述されていた。寝泊りの多いほうだって。

「家族以外の人でも・・・」というくだりを見て、この前テレビでやっていた半分霊能力による人生相談みたいな番組を思い出した。夫が早くに亡くなり、娘を育てるためにスナックを経営していた母親にダニのような男が転がり込み、母娘の生活を破滅させていく、という絵に描いたような転落物語だ。
お化けに弱い私はよせばいいのに余計なことを考えた。
もし冒頭のくだりが「住民票などの届出に関係なく10月1日あなたの世界に・・・」だったら。。。世にも恐ろしい状況じゃあないか・・・普段見えない人も「あり」とか?!
なんてことを考えていると今夜は寝れなくなってしまう。。。(部屋には間違いなく私一人しかいないよな)
その他、なかなか不思議な解説もあった。
「船に乗り組んでいる人」は自宅なのに、自衛隊艦船内の場合はその艦船になっている。

「刑務所・拘置所に収容されている人のうち刑の決まっている人」は収容されているところだが、そうでない人はどこなのか書いてない。
「3ヶ月以上にわたって住んでいるところも住むことになっているところもない人」は現在いる場所、とあるが「河川敷」とかいうのもありなのだろか。。。

住所について「平成22年10月1日にまだ病院にいる新生児は『生まれた病院』ではない」・・・あったり前じゃんか!
生まれたところを聞かれて病院名言うヤツがどこにいる?まるで昔、学校からの調査で「緊急連絡先」のところに「110番」と書いたクラスメイトと同じノリだな。
他にも「海外赴任」があった場合や、市町村合併があった場合など今の世相を反映して実に細かく書いてある。「住宅に間借り」の定義など見事なものだ。間借りでなく民営の賃貸住宅は「他の世帯と完全に仕切られており、専用の出入り口、炊事用流し、トイレがあること」だそうだ。
ふーん。。。「桃太郎侍」の「お化け長屋」などはどうなんだろか。
完全には仕切られてないし、炊事用流しや厠はたぶん共同だぞ。「間借り」かな。。。

この国勢調査のコンセプトはすべてにおいて「あり」とすることだ。
例えば私と一緒に着任した営業担当責任者の前任は家へ帰ることがあまりなく、「会社に住んでいた」そうだ。しかしこういうケースも見事にあてはまる解説があるのだ。
人口減少社会・・・というものをよほど気にしていると見えるな。
そのうち世にも恐ろしい「部屋にいないはずの人」についても記述するような時代が来るんじゃないだろか。
次の国勢調査までには単身を解消したいものだ。