中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

23.24日は休載します

2014年01月22日 | 情報
23.24日は出張しますので、当ブログを休載します。
再開は、27日(月)からです。
よろしくお願いします。
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安全衛生体制(第5編)

2014年01月22日 | 情報
次に多い質問が、産業医の先生にどのような仕事を頼んだらよいのかわからない、ということです。

そもそもの問題なのですが、産業医と契約したが、具体的に何をお願いしたかが不明な契約が多いようです。
法令で決められているので、仕方なく契約した、ということでしょう。
しかし、それではせっかくの契約料が無駄になってしまいます。

社労士として賛同できる記事を見つけましたので、有限会社メディカぱーくのHPより引用しました。
http://www.sangyoi.com/sangyoi_business.html

○職場の定期巡視

産業医の訪問日に、作業場を巡視してもらいます。
この際に従業員にとって、作業の方法や衛生状態において有害であると思われる箇所を指摘してもらい、
防止策や改善策のアドバイスを受けましょう。
アドバイスを受けた場合は、その事象ごとに予算や達成できるまでの期間が違うと思いますので、
継続かつ計画的に防止策や改善策を講じるようにします。
この定期巡視は法規的に少なくとも毎月1回とその頻度が定められています。

関連法規:労働安全衛生規則 第15条

○定期健康診断結果チェックとその後の面談などによるアドバイス

健康診断の季節になりましたら、その結果を産業医にチェックしてもらいましょう。
その際に事業所管理となる個人結果票に就業・健康に関するコメントを記入してもらいます。
この産業医のコメントをもって事業所管理の個人結果票は法的に有効なものとなります。
この産業医によるチェックは、事業所によって行われていないケースが多いようです。必ず行いましょう。
健康診断結果のチェックによって、頻繁に顔を会わすことのない従業員の現在の健康状態や事業場の傾向を、
産業医に認識してもらうことにもなります。

就業に関するコメントとは、例えば次のようなものです。
•通常勤務可
•要就業制限
•要休業
また健康に関するコメントとしては、例えば次のようなものがあります。
•異常なし
•要観察
•要医療指導
•要医療

その後このコメントに従って、問題のある方は産業医や人事担当者や衛生管理者、上司などと面談を行い、
就業上の措置についての方針を決めていくこととなります。
これらの作業はプライバシーの保護に十分気をつけて行われる必要があります。

関連法規:労働安全衛生法 第66条の4、第66条の5

○衛生委員会への参加

産業医の訪問日に、衛生委員会の開催日を合わせ参加してもらいましょう。
関連法規では非常にたくさんのことを行うように、調査や審議する項目があげられています。
しかし企業というのは通常利益を生むために日々活動をするところであり、
こういった委員会活動とは対極にあると考えられています。そのため委員会活動は疎かにされがちです。
そこで、話し合いのテーマは参加するメンバーが興味のあるもの、あるいは職場の仲間で話題になっていること持ち寄り、
それを年間スケジュ−ルにし、ひとつひとつ解決する方向で議論を交わすようにします。
こうすることによって、職場の問題点や起こっている事象について産業医に理解を深めてもらい、アドバイスをもらうようにします。
普段は病気にでもならない限り訪れない、医師から医学的知識を得られるよい機会でもあります。
衛生委員会の繰り返しで産業医とメンバー、産業医と事業場の距離感は一挙に縮まることでしょう。

関連法規:労働安全衛生法 第18条第1項、労働安全衛生規則 第22条、第23条

○過重労働者の面談

重要な産業医の職務の中でも、近年最重要項目としてあげられるのが過重労働者の面談ではないでしょうか。
他の職務と違い、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不全の予防的観点から、選任当初より実践的に行っていただく必要のある項目です。
以前は50名以上の事業場で義務づけられていましたが、2008年より従業員数の下限も撤廃され全ての事業場が対象となっています。
また50名未満の事業場は産業医の選任が必要ないこともあり、関連法規では面談の遂行者を産業医ではなく医師としています。

関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第1と2項、第66条の9
     労働安全衛生規則 第52条の3第1項、第52条の3第3項
     など関連法規多数

以上4項目を行ってもらうことにより、職場環境の維持・改善のためのアドバイス、
従業員の労働衛生教育やアドバイスなど他の職務についても、その必要性から自ずと遂行されるようになるでしょう。









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